//Organ-on-a-chipに使われる材料//ーー
典型的なOrgan-on-a-chipは
様々な材料の組み合わせによって成り立ちます。
主に使われれる材料は
〇シリコンラバー
poly(dimethylsiloxane) (PDMS)
〇ガラス
〇サーモプラスチック
PS
poly(methyl methacrylate) (PMMA)
polycarbonate (PC)
cyclic olefin copolymer (COC)
こららです。
しかしながら、全ての特徴において完全な
標準的な材料はなく、
それぞれ長所と短所があります。
//各材料の特徴//ーー
〇ガラス
堅牢で不活性ですが、
価格が高く、プロセスのためには高度な技術が必要です。
-
〇シリコン
複雑に入り組んだナノ構造を形成できます。
それによってチップ内にセンサーを入れたり
バリアグレーティングを形成できます。
しかし、価格は高く、労力がかかります。
またプロセスのためにはクリーンルームが必要です。
-
〇サーモプラスチック
透明で、大量生産も容易です。
しかし、複雑なデザインを苦手とします。
-
〇PDMS
シリコンラバーであるPDMSは
Organ-on-a-chipの材料としては広く使われています。
高い解像度のマイクロ構造、ナノ構造を
テンプレート、鋳造でつくることができます。
また、生体互換性が高く、
光学的に透明で、ガス透過性もあります。
また弾性を生かす事も出来ます。
近年、高速、高品質のPDMS-3Dプロセスが
レーザー熱分解によって開発されました(2)。
しかしながら
この材料は生体内を含め、様々な物質を
吸着、吸収するためコンタミネーションが多くなります。
それが実験結果に影響を与え、
特に薬剤テストの応用では顕著です(3,4)。
-
〇PS
射出成形での大量生産が可能です。
プロトタイプはマイクロミリングによって作られます。
生産性の高さは
薬剤テストにおいて特定の生物学的作用を標的とした
自動化された検査が可能になり、
高いスループットが期待できます。
射出成形はOrgan-on-a-chipの複雑なデザイン
柔軟性などの機能性において適していません。
従って、これに適した応用があります。
-
〇3Dプリント技術
3Dプリンターを使ったOrgan-on-a-chipモデルが
報告されています(5)。
他の方法で作るのが難しいような
3次元の構造をすぐに、正確に作る事ができます。
しかし、マイクロ流体を組み込んだ
Organ-on-a-chip装置の作製において
光透過性を確保するのが難しいとされています。
樹脂の状態などプロセス後の処理が
最適化されていないからです。
また、生体互換性についても考慮される必要があります。
//オプション//--
①PDMSベースソフトリソグラフィーを通した
エッチングされたマイクロチャンネル構造
②射出成形を通したプラスチックベースの
大量生産
//まとめ//ーー
Organ-on-a-chipは実験的な目的に合わせて
最適な構成材料で作るステップに到達しています。
//意見//ーー
産業レベルでの開発が進むと
投資額も異なってくるため、
クリーンルームの使用や価格の面の欠点が緩和される
可能性があります。
特にナノ粒子を使った薬剤輸送では
ナノオーダーの細かい経路を作り込みたいという
需要があるため、シリコン系材料の利点を
最大限利用したOrgan-on-a-chipが好ましいと考えられます。
(参考文献)
(1)
Chak Ming Leung, Pim de Haan, Kacey Ronaldson-Bouchard, Ge-Ah Kim, Jihoon Ko, Hoon Suk Rho, Zhu Chen, Pamela Habibovic, Noo Li Jeon, Shuichi Takayama, Michael L. Shuler, Gordana Vunjak-Novakovic, Olivier Frey, Elisabeth Verpoorte & Yi-Chin Toh
A guide to the organ-on-a-chip
Nature Reviews Methods Primers volume 2, Article number: 33 (2022)
(2)
Shin, J. et al. Monolithic digital patterning of
polydimethylsiloxane with successive laser pyrolysis.
Nat. Mater. 20, 100–107 (2021).
(3)
Toepke, M. W. & Beebe, D. J. PDMS absorption of
small molecules and consequences in microfluidic
applications. Lab Chip 6, 1484–1486 (2006).
(4)
Wang, J. D., Douville, N. J., Takayama, S. & ElSayed, M.
Quantitative analysis of molecular absorption into
PDMS microfluidic channels. Ann. Biomed. Eng. 40,
1862–1873 (2012).
(5)
Homan, K. A. et al. Flow- enhanced vascularization and
maturation of kidney organoids in vitro. Nat. Methods
16, 255–262 (2019).
登録:
コメントの投稿 (Atom)

0 コメント:
コメントを投稿