細胞表面には細胞種特異的な表面リガンドがあります。
その表面リガンドはおおよそ分析する事が可能である
と理解しています。
CD**など名称がつけられています。
それと結合する抗体なども含めタンパク質がありますが、
結合親和性の高いペアは人工的に設計されたものではなく
実際の自然の分析結果から経験的に見つけられたものである
と認識しています。
従って、
細胞種特異的輸送系統
(Cell-type-specific delivery system)で
癌細胞特異的な表面リガンドを見つけたとしても
それと対になるたんぱく質が見つからない
あるいはその設計方法がわからない
ということがあると理解しています。
さらに、そのたんぱく質を遺伝子的にどう作ればいいか?
つまりどのような遺伝子配列であればいいか?
というのもわかりません。
その遺伝子配列とタンパク質の関係を調べるときには、
タンパク質に翻訳される前に
転写過程でDNAどの遺伝子情報を認識するか?
(sequence recognition)
これも重要な項目になります。
この転写過程においては
転写開始因子(σ因子)とRNAポリメラーゼとの複合体(2)によって
DNAの特異的な部位(プロモーター)を認識し
結合して、遺伝子情報を認識して、
mRNAが作られ、タンパク質に翻訳されます。
つまり、転写過程では
特異的な部位、配列を認識することになります。
全遺伝子配列から結果として生じる任意のタンパク質に
対応するプロモーターがどこにあるのか?
それを事前に予測する事は少なくとも難しい
と理解しています。
--
H. Tomas Rube(敬称略)らは
機械学習の方法を用いて、
最終的に翻訳されるたんぱく質と任意のリガンドの
結合親和性と
上述した転写因子がDNAのどの配列を認識するか
という配列認識の関係を正確に定義する事が
できた(1)と理解しています。
(※解離定数に関わるKD-seqと合わせる)
従って、
遺伝子配列から細胞種特異的な表面リガンドに
どれくらいの結合親和性を持ったタンパク質が生じるか?
といったことが予測できる
ということです。
これが実際の実験結果と
平衡状態でどれくらい整合性があるか?
タンパク質の構造予測のように
正確性が高いか?という疑問もあります。
例えば、Fig.4dではショウジョウバエのケースで
高いことが示されています(1)。
一方、
認識された配列と特定のリガンドに結合親和性の高い
タンパク質のペアがわかったとしても、
転写開始因子(σ因子)とRNAポリメラーゼとの複合体を
その特異的な遺伝子配列に制御して結合させる事ができるのか?
という疑問があります。
(参考文献)
(1)
H. Tomas Rube, Chaitanya Rastogi, Siqian Feng, Judith F. Kribelbauer, Allyson Li, Basheer Becerra, Lucas A. N. Melo, Bach Viet Do, Xiaoting Li, Hammaad H. Adam, Neel H. Shah, Richard S. Mann & Harmen J. Bussemaker
Prediction of protein–ligand binding affinity from sequencing data with interpretable machine learning
Nature Biotechnology (2022)
(2)
Dmitry G. Vassylyev, Shun-ichi Sekine, Oleg Laptenko, Jookyung Lee, Marina N. Vassylyeva, Sergei Borukhov & Shigeyuki Yokoyama
Crystal structure of a bacterial RNA polymerase holoenzyme at 2.6 Å resolution
Nature volume 417, pages712–719 (2002)
登録:
コメントの投稿 (Atom)

0 コメント:
コメントを投稿