エクソソームに薬剤を封入する事によって
標的組織、細胞までの薬剤輸送効率を顕著に上げられること、
副作用を小さくできる事がわかっています。
しかし、薬剤をエクソソームに封入する効率が
低いことが課題です。
複雑で、時間がかかります。
Zeyu Wang(敬称略)らは音響流体(Acoustofludic)素子
を使ってエクソソームへの薬剤封入を開発されています(1)。
音響放射圧、音響による微小な流れ、せん断応力などの
力で相乗的にテコ入れすることによって、
エクソソーム内に細孔シリカナノ粒子を封入し、
その細孔シリカナノ粒子の穴の中に薬剤を封入する、
2段の封入構造を実現しています。
実際に液的表面に音響により渦状の回転駆動力が生じ、
それによって、エクソソーム、細孔シリカナノ粒子、
薬剤が中心に集まります。その渦中心に向かう力によって
最終的にエクソソーム内に薬剤を内包した
細孔シリカナノ粒子が封入されます。
(参考文献(1) Fig.1)
それによって積載効率は30%と
従来の10%以下(2)よりも3倍以上高い効率を実現しています。
この音響流体薬剤搭載システムは
複雑な化学的構造改変を必要としません。
それによって、封入工程は数分で終了します。
従って、高い封入効率だけではなく、時間短縮も実現しています。
この薬剤が封入されたエクソソームは
細胞内輸送で高い効率を示し、
癌細胞の増殖を顕著に抑制しました。
//考察//ーー
薬剤はシリカナノ粒子の中の細孔に収まるので
元々含まれているエクソソームの内容物。
例えば、核酸、タンパク質、代謝生成物など
様々な物質との反応、干渉を防ぐことができると考えられます。
また
シリカナノ粒子のエクソソーム内の内包の機序は
大きさの比が近いことから、エンドサイトーシスではなく
エクソソームが持つ融合の機序で取り込んだと考えられます。
他方で、
同じように液体に渦を生み出すことで
その中心に集まる力から同様の効果が得られるか?
という視点があります。
製造のスケールアップを考えるときに
この一般化が意味を持つと考えられるからです。
(参考文献)
(1)
Zeyu Wang, Joseph Rich, Nanjing Hao, Yuyang Gu, Chuyi Chen, Shujie Yang, Peiran Zhang & Tony Jun Huang
Acoustofluidics for simultaneous nanoparticle-based drug loading and exosome encapsulation
Microsystems & Nanoengineering volume 8, Article number: 45 (2022)
(2)
Shen, S., Wu, Y., Liu, Y. & Wu, D. High drug-loading nanomedicines: progress,
current status, and prospects. Int. J. Nanomed. 12, 4085 (2017).
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