2022年5月4日水曜日

運動時の内分泌物質と連携の重要性について

ネットワーク理論には
エッジとノードがあります。
エッジが線の部分を示し、ノードが点です。
●→→●
↑  ↓
↑  ↓
●←←●
このように簡略なネットワーク構造を示す事が出来ます。
●がノードで、→↓←↑がエッジです。
医学生理学における
間質、細胞、組織、臓器は
おおよそ固定的であるため
ネットワーク理論で言うノードです。
おそらく、このようなノードの理解に対して
ネットワークのつながりの部分に関わる
エッジの部分の理解が生物、人体では進んでいないのではないか
と想定しています。
なぜなら、歴史が浅いからです。
下述するように運動に関わる内分泌物質が発見されたのが
2000年ですから極めて最近です。
しかし、神経系や循環器系、
それに伴う免疫系と同様に
細胞間を行き来する内分泌系を理解する事は
人の健康、病気について理解する上で重要であると考えられます。
そこに目を向ける事によって
高次になるため非常に複雑になりますが、
それだけ体は複雑であると考える事も出来ます。
このような内分泌系の中には細胞外小胞もあります。
これも発見されたのが1983年と言われているので
歴史としてはまだ浅いと考えられます。
身体を高次につながるネットワークとして定義し
そこから生理、病理を明らかに使用する場合
ネットワーク理論、機械学習なども含めて
新しい考え方、理論が必要かもしれません。
Lisa S. Chow(敬称略)らが示す
運動の際に放出されるエクサカインや
細胞間コミュニケーションに関わる細胞外小胞なども含めて
内分泌物質を詳細に追跡していく事は
今までと違ったアプローチでの
病理や健康の理解につながる可能性があります。
本日はLisa S. Chow(敬称略)らが示す
健康、病気の中のエクサカインについての総括の
要約部分を参照し(1)、追記し情報共有したいと思います。

健康における運動の重要性は広く認識されています。
その利点は複数の臓器システムで確認できます。
つまり、運動によって身体の多くの臓器の
健全性が調整されるということです。
その利点は
〇レジリエンスが高まる
〇健康寿命が高まる
ということが挙げられます。
運動により筋収縮が起こり、
その筋組織の運動の中でIL-6が分泌されます。
これが2000年に発見されましたが、
多くの運動に関連した信号分子が確認されています。
この運動に関連した分子を
「エクサカイン(Exerkines)」と呼びます。
これらが瞬発性、持久性の運動によって分泌され
それらが内分泌、傍分泌、自己分泌の様式で輸送されます。
各臓器は運動に際して分泌物を放出します。
〇骨格筋(Myokines)
〇心臓(Cardiokines)
〇肝臓(Hepatokines)
〇白色脂肪細胞(Adipokines)
〇褐色脂肪細胞(Bapokines)
〇神経細胞(Neurokines)
これらが挙げられています。
運動に関わるエクサカインは心臓血管、代謝、免疫、神経。
これらの健康に関わるとされています。
また、運動の際に関わるエクサカインを正確につかむことで
それを心臓血管、Ⅱ型糖尿病、肥満などの
生活習慣に関わる代謝性疾患の治療に使える可能性があります。
また、健康的なエイジングにも貢献できる可能性があります。

//考察//ーー
運動の際には自律神経が興奮、心拍数、血圧が上がります。
また筋肉が収縮運動しています。
このような典型的な特性から特異的に生まれる
内分泌物質あるいはそのパターン、波を掴むことで、
運動の効果を切り分けられる可能性がります。
それが上述した身体のネットワークの中で
どのように連鎖的な効果をもたらすか?
それも着眼点の一つになると考えられます。
また、その際の細胞外小胞の役割についても関心があります。

(参考文献)
(1)
Lisa S. Chow, Robert E. Gerszten, Joan M. Taylor, Bente K. Pedersen, Henriette van Praag, Scott Trappe, Mark A. Febbraio, Zorina S. Galis, Yunling Gao, Jacob M. Haus, Ian R. Lanza, Carl J. Lavie, Chih-Hao Lee, Alejandro Lucia, Cedric Moro, Ambarish Pandey, Jeremy M. Robbins, Kristin I. Stanford, Alice E. Thackray, Saul Villeda, Matthew J. Watt, Ashley Xia, Juleen R. Zierath, Bret H. Goodpaster & Michael P. Snyder 
Exerkines in health, resilience and disease
Nature Reviews Endocrinology volume 18, pages273–289 (2022)

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