細胞外小胞がどのように細胞から放出されるか?
というモデルは想定されていますが、
実際に単一の細胞からどのように細胞外小胞が
放出されるか?視覚情報としての経時的、追跡、縦断調査
については今まで行われていませんでした。
Kazuki Hattori, Yuki Goda, Minato Yamashita, Yusuke Yoshioka, Ryosuke Kojima, and Sadao Ota
(敬称略)からなる医療研究グループは
単一細胞ごと区画されたドロップレットアレイを使って
それぞれの細胞から放出される細胞外小胞の
経時的な視覚映像の取得を実現されています(1)。
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300個以上の細胞に対して、36時間の間で2時間ごとに
視覚的な映像を取得しています。
細胞外小胞の像は蛍光発光するCD9-sfGFP遺伝子。
これを親細胞に導入し、
それを引き継ぐ細胞外小胞が蛍光発光します。
その光の量を分析する事で細胞外小胞の数を定量化します。
その結果を見ると(Figure.3B)、
細胞ごとかなり細胞外小胞の生成量にバラツキがある
ことがわかります。
1つの細胞で1300個から19000個程度であるとされています。
蛍光発光した割合が39.7%でした。
つまり、全ての細胞外小胞は親細胞の表面リガンドCD9を
引き継いでいないことがわかります。
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このような液滴ごとの微細な区分けは
Figure.2Bのようにドロップレットの周り4角に
ピラー(柱)を立てる事で可能になっています。
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興味深いことに細胞外小胞は細胞が分裂した時に
多く分泌されることがわかっています(1)。
これはなぜでしょうか?
膜の形状が大きく動くために
細胞内に含まれる多くの細胞外小胞が
自然と外部に放出されたからでしょうか?
//提案、疑問//ーー
ドット状の配列でドロップレット(液滴)ごとに
単一細胞を閉じ込めて、細胞外小胞を分析する方法は
細胞とエクソソームの関連性を調べる上で
有効だと考えられます。
例えば、NK細胞から分泌される細胞外小胞は
NK細胞の内容物、表面リガンド、膜構成を
どのように引き継いでいるか?
それを集団的に調べる事ができる可能性があります。
それを効率的に行う上で
アレイ状に配列させる事は意味があるかもしれません。
例えば、放出された細胞外小胞を
アレイ基板の各区画ごと開放できるゲートを作って、
そこから液滴ごと、細胞を除き、
細胞外小胞だけを吸い取って
下側に区画ごと細胞外小胞を
さらに微細なナノ流体のアレイによって
分類する事はできないか?
つまり、アレイが2段構造になっていて
上側で細胞と細胞外小胞の1対1の関係性を確保して
下側で細胞外小胞のより詳しい分析をできるような
アレイを用意するということです。
例えば、大きさを仕分けする下側のアレイを
3Dプリンターなどでより微細に作れないか?などです。
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あとは、蛍光発光させる遺伝子導入において
タンパク質の蛍光発光波長を表面リガンドごと
微妙にずらしながら形成することはできるでしょうか?
それによって多くのの表面リガンドに対して
検出波長を変えながら像をとる事で
エクソソームを含む細胞外小胞が
どれくらい親細胞の表面リガンドを
引き継いでいるかがわかるでしょうか?
あるいは細胞外小胞の表面リガンドの検出において
免疫染色のほうが有効でしょうか?
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上述した液滴ごとにエクソソームを作る技術は
エクソソームを使って薬剤輸送するときの
製造工程において有効かもしれません。
それぞれのエクソソームにおいて
親細胞がわかっているということが
意味を持つ可能性があるからです。
(参考文献)
(1)
Kazuki Hattori, Yuki Goda, Minato Yamashita, Yusuke Yoshioka, Ryosuke Kojima, and Sadao Ota
Droplet array-based platform for parallel optical analysis of dynamic extracellular vesicle secretion from single cells
bioRxiv April 10, 2022
https://doi.org/10.1101/2022.04.07.487410
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