いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
新型コロナウィルスは今世界で
5420万人と言われており、
アメリカでは1日当たり18万人、
日本でも1日当たり1500人程度の感染者となっています。
実際には罹患された方を全員検出できている
訳ではないと思うので、
これよりも数字は大きいと思われます。
こうやった全世界で感染がひろがっている中で
新型コロナウィルスが変異をしても不思議ではありません。
実際に、
新型コロナウィルスの細胞への感染、侵入に関わる
周りの突起であるSタンパク質が変異している
ことが報告されています(D614G変異)。
そこでYixuan J. Hou氏ら研究グループは
その変異の有無において
新型コロナウィルスの感染にどのように影響を与えるか?
人の細胞(生体外)、
人ACE2エントリー受容体のマウスの生体内
で調べました(1)。
D614Gの変異有無でエントリー能力を
(試験管、生体外で)分析したところ
感染後8時間の細胞内感染イベントの数は
変異有で多くなっていることが確認されています。
(参考文献(1) Fig.1(B))
/D614G変異の既に報告されている特徴/
---
スパイク3量体の水素結合相互作用を変えて
受容体結合面を「up」配座に変えて
ACE2受容体結合力を高める(2,3)。
---
タンパク質分解酵素活性を高める
S糖たんぱく質取り込みを高める
S1タンパク質喪失が減る(4-6)。
---
従って、ACE2受容体に対する結合力
かつ結合した後のエンドサイトーシスプロセス
両方が高まっている可能性があります。
/D614G変異有無の人細胞の結果(生体外)/
---
鼻腔の上皮、気道(抹消を含める)で
D614Gのウィルス量の上昇が見られる。
(参考文献(1) Fig.1(D))
但し、肺では見られない。
---
/D614G変異有無の人ACE2受容体マウスの結果(生体内)/
---
肺における病変部位の変化は見られない。
(参考文献(1) Fig.4(D))
---
ウィルス量は肺、鼻腔ともに
感染3日後、6日後とも
変異有無の比較で大きく変わらない。
(参考文献(1) Fig.4(A))
---
/考察/
Yixuan J. Hou氏らによれば
D614G変異は、鼻腔や気道の細胞への感染力を高めている
可能性はあるが、ウィルスの増殖力を上げている
証拠はないとされています。
また変異がある事で同じようにワクチンが効くのか?
そこが気になりますが、
ワクチンの中和特性は大きくは変わらないのではないか
と推測されています(1)。
従って、
D614Gの変異において
感染の入り口である鼻や気道の
感染細胞速度は速くなっている可能性が考えられるので
社会の中での感染が起こりやすいかもしれない
ということはいえます。
しかし、感染後の重症度に影響を与えるかどうか?
その点は少なくとも重症度を大きく変えるような
証拠は見つかっていないということだと考えています。
以上です。
(参考文献)
(1)
Yixuan J. Hou, Shiho Chiba, Peter Halfmann, Camille Ehre, Makoto Kuroda, Kenneth H. Dinnon III, Sarah R. Leist, Alexandra Schäfer, Noriko Nakajima, Kenta Takahashi, Rhianna E. Lee, Teresa M. Mascenik, Rachel Graham, Caitlin E. Edwards, Longping V. Tse, Kenichi Okuda, Alena J. Markmann, Luther Bartelt, Aravinda de Silva, David M. Margolis, Richard C. Boucher, Scott H. Randell, Tadaki Suzuki, Lisa E. Gralinsk1, Yoshihiro Kawaoka, Ralph S. Baric
SARS-CoV-2 D614G variant exhibits efficient replication ex vivo and transmission in vivo
Science 12 Nov 2020:
eabe8499
(2)
A. Mansbach, S. Chakraborty, K. Nguyen, D. Montefiori, B. Korber, S. Gnanakaran,
The SARS-CoV-2 spike variant D614G favors an open conformational state.
bioRxiv 2020.07.26.219741 [Preprint]. 26 July 2020;
https://doi.org/10.1101/2020.07.26.219741.
(3)
I. O. Omotuyi, O. Nash, O. B. Ajiboye, C. G. Iwegbulam, E. B. Oyinloye, O. A. Oyedeji, Z. A. Kashim, K. Okaiyeto,
Atomistic simulation reveals structural mechanisms underlying D614G spike glycoprotein-enhanced fitness in SARS-COV-2.
J. Comput. Chem. 41, 2158–2161 (2020).
(4)
B. Korber, W. M. Fischer, S. Gnanakaran, H. Yoon, J. Theiler, W. Abfalterer, N. Hengartner, E. E. Giorgi, T. Bhattacharya, B. Foley, K. M. Hastie, M. D. Parker, D. G. Partridge, C. M. Evans, T. M. Freeman, T. I. de Silva, C. McDanal, L. G. Perez, H. Tang, A. Moon-Walker, S. P. Whelan, C. C. LaBranche, E. O. Saphire, D. C. Montefiori, A. Angyal, R. L. Brown, L. Carrilero, L. R. Green, D. C. Groves, K. J. Johnson, A. J. Keeley, B. B. Lindsey, P. J. Parsons, M. Raza, S. Rowland-Jones, N. Smith, R. M. Tucker, D. Wang, M. D. Wyles, Sheffield COVID-19 Genomics Group,
Tracking changes in SARS-CoV-2 spike: Evidence that D614G increases infectivity of the COVID-19 virus.
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(5)
Q. Li, J. Wu, J. Nie, L. Zhang, H. Hao, S. Liu, C. Zhao, Q. Zhang, H. Liu, L. Nie, H. Qin, M. Wang, Q. Lu, X. Li, Q. Sun, J. Liu, L. Zhang, X. Li, W. Huang, Y. Wang,
The impact of mutations in SARS-CoV-2 spike on viral infectivity and antigenicity. Cell 182, 1284–1294.e9 (2020)
(6)
L. Zhang, C. B. Jackson, H. Mou, A. Ojha, E. S. Rangarajan, T. Izard, M. Farzan, H. Choe,
The D614G mutation in the SARS-CoV-2 spike protein reduces S1 shedding and increases infectivity.
bioRxiv 2020.06.12.148726 [Preprint]. 12 June 2020;
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