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新型コロナウィルスに対して免疫ができる
というのは色んな意味合いがありますが、
大きな一つは新型コロナウィルスに
特異性を持つ抗体が体内にできることです。
罹患すれば自然に抗体ができますが、
ワクチンによってそれを作り出すこともできます。
そうした場合、次に気になるのが
その抗体の持続期間です。
1度、新型コロナウィルスに罹ったら
あるいはワクチンを接種したら
その効力はいつまで続くのか?
というのが気になります。
しかし、そのように罹患する、しないの
2分思考で考えることは実際に難しくて
罹ったとしてもその症状の程度はどうか?
という間の概念も存在します。
つまりワクチンを接種したら
罹患しても軽く済むのか、あるいは無症状で済むのか?
ということです
Kening Li氏らは
新型コロナウィルスに罹患した1850名の血液を
分析することで、抗体の量が発症から
どのように変わっているかというのを
詳細に評価しています(1)。
それによっていくつかの事が顕わになりました
/結果(1)と考察/
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少なくともIgG抗体については
一部の患者さんでは3か月程度の持続性が確認できます。
(参考文献(1) Fig.1(a)より)
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症状が現れて3週間程度は
中等症以下の症状の患者さんのIgM/IgG抗体の量が
重症の患者さんの量よりも多いが
その関係性はその後、逆転します。
これは65歳以上の高齢の方でも当てはまります
⇒
このことから重症の方、高齢の方の
免疫応答が遅いと考えられます。
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ウィルス量に敏感に免疫原性を示す
核タンパク質に特異的な抗体(2)の量が
65歳以上の高齢の方が若い人よりも多いです。
(参考文献(1) Table 2より)
⇒
このことから高齢の方は
体内のウィルス量が多いことが推測されます。
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またリンパ球(B細胞、T細胞、NK細胞など)が
少ない人は好中球が多い傾向にある事が確認されました。
これは重症になる患者さんの傾向です(3)。
⇒
好中球は(相対的に?)多くなると
炎症性を示すと考えられています。
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最終的にPCRで陰性になった人は
陽性のまま人よりも抗体の量が2倍多いです。
⇒
抗体がウィルス量減少に貢献していると
考えられます。
/追記/
新型コロナウィルスにおいて
高齢のリスクの高い方など
あるいは結果的に重症になった方は
以前の報告からも示唆されますが、
免疫応答が遅いという事が挙げられます。
この結果では症状が出て三週間程度は
中等症以下の人は抗体量が高く
重症になった方は
1週間程度の遅れが出ると言われています。
新型コロナウィルスのワクチンを接種することで
罹患した時の抗体の生成が早くなるかどうか
というエビデンスは未知ですが、
リンパ球などの記憶性を考えると
あるいは同じ呼吸器系疾患を伴う
インフルエンザに対するワクチンの効果が
重症化を抑える効果があるといわれることから
その視点に立った分析が待たれます。
また、
治療においても重い症状が現れていない初期の段階において
特にリスクが高いと考えられる
65歳以上の高齢の方においては
しっかりしたモニタリングが必要になる
と考えられます。
さらには、
症状が比較的軽い段階で高い薬効を示す
治療薬の開発が待たれます。
(参考文献)
(1)
Kening Li, Bin Huang, Min Wu, Aifang Zhong, Lu Li, Yun Cai, Zhihua Wang, Lingxiang Wu, Mengyan Zhu, Jie Li, Ziyu Wang, Wei Wu, Wanlin Li, Bakwatanisa Bosco, Zhenhua Gan, Qinghua Qiao, Jian Wu, Qianghu Wang, Shukui Wang & Xinyi Xia
Dynamic changes in anti-SARS-CoV-2 antibodies during SARS-CoV-2 infection and recovery from COVID-19
Nature Communications volume 11, Article number: 6044 (2020)
(2)
Sun, B. et al.
Kinetics of SARS-CoV-2 specific IgM and IgG responses in COVID-19 patients.
Emerg. Microbes Infect. 9, 940–948 (2020).
(3)
Zhou, F. et al.
Clinical course and risk factors for mortality of adult inpatients with COVID-19 in Wuhan, China: a retrospective cohort study.
Lancet 395,1054–1062 (2020).
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