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新型コロナウィルスで重症になった場合には、
サイトカインストームという免疫暴走が
体内で起こっている事が指摘されています。
従って、デキタメタソンなどの
免疫暴走を抑える薬が処方されます。
そのようなサイトカイン活性の共通の経路として
JAK-STAT信号というのがあり、
この経路を抑制することで
このようなサイトカインストームを抑えられる
事が知られています(1,2)。
このJAK-STAT信号を抑える働きがある薬として
ルキソリチニブ(Ruxolitinib)が知られています。
このルキソリチニブは
・骨髄性癌
・血球貪食性リンパ組織症
これらの治療に使われます。
血液性の疾患でこれらは新型コロナウィルスの
サイトカイン異常と類似性が認められる
とされています(3)。
作用するサイトカインとして
この JAK-STAT信号は
IL-6, TNF-α, IL-1β, IL-2, IL-8を
抑える働きがあるとされています(5)。
A. D'Alessio氏らはこのルキソリチニブの薬効を
ステロイド薬との併用で報告しています(4)。
/条件/
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期間
2020/3/13~4/13
従って、流行初期。
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場所
イタリア(治験ナンバー:NCT04337359)
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プログラム名
Managed Access Plan (MAP)
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重症で肺炎のある方
但し。人工呼吸器はつけていない。
慢性疾患のある方は除外
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用量
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グループA
ルキソリチニブ 5mg 1日二回 7日間
⇒5mg 1日一回 5日間
※容量としては他の疾患の半分程度
メチルプレドニゾロン静脈注射 1mg/kg 3日間
⇒0.5mg/kg⇒経口プレドニゾン徐々に減量
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グループB
hydroxycloroquine/lopinavir/ritonavir
メチルプレドニゾロンなどによって治療。
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/結果/
グループA
回復75%、ICU16%、亡くなられた方9%
グループB
回復63%、ICU7%、亡くなられた方30%
時間経過データ
参考文献(4) Fig.1参照
/副作用/
詳細な記載はされていません。
但し、免疫系を抑えることでウィルスの増殖を
強めてしまう可能性が指摘されていますが、
一方で薬自体が持つ抗ウィルス作用もある
とされています(6)。
/追記/
治療前後での肺のCT画像など
肺炎が回復したかどうかのデータはありません。
またサイトカインの分泌量の変化の
データもありません。
以上です。
(参考文献)
(1)
La Rosée F, Bremer HC, Gerkke I, Kehr A, Hochaus A, Bimdt S,et al.
The Janus Kinase 1-2 inhibitor ruxolitinib in COVID-19 with severe systemic hyperin flammation.
Leukemia. 2020. https://doi.org/10.1038/s41375-020-0891-0.
(2)
Cao Y, Zou L, Jiang T, Wang G, Chen L, Huang L, et al.
Ruxolitinib in treatment of severe coronavirus disease 2019 (COVID-19): a multicenter, single-blind randomized controlled trial.
J Allergy Clin Immunol. 2020;146:137-46.
(3)
Wang J, Wang Y, Wu L, Wang X, Jin Z, Gao Z, et al.
Ruxolitinib for refractory/relapsed hemophagocytic lymphohistiocytosis Haematologica. 2019.
https://doi.org/10.3324/haematol.2019.222471
(4)
A. D’Alessio, P. Del Poggio, F. Bracchi, G. Cesana, N. Sertori, D. Di Mauro, A. Fargnoli, M. Motta, C. Giussani, P. Moro, G. Vitale, M. Giacomini & G. Borra
Low-dose ruxolitinib plus steroid in severe SARS-CoV-2 pneumonia
Leukemia (2020)
(5)
Banerjee S, Biehl A, Gadina M, Hasni S, Schwartz D.
JAK-STAT signaling as a target for in flammatory and autoimmune diseases:current and future prospects.
Drugs. 2017;77:521 – 46.
(6)
Carbone CJ, Zheng H, Bhattacharya S, Lewis JR, Reiter AM, Henthorn P, et al.
Protein tyrosine phosphatase 1B is a key regulator of IFNAR1 endocytosis and a target for antiviral therapies.
Proc Natl Acad Sci USA. 2012;109:19226 – 31.
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