2020年11月1日日曜日

アンカーを南京錠のように補強する

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

細胞障害性を示すCD8受容体を持つT細胞は
クラスⅠMHC分子と結合することによって
T細胞が活性化されますが、
その結合を「半円形の南京錠のような」形状の
それらの結合を補強するような物質が
生体内には存在します。
(参考文献(1) Fig.5参照)
それをスーパー抗原(superantigen)といいます。
これによって強力な免疫応答が起きるために
免疫暴走などの危険性が高まると言われています。
このような活性を高める受容体結合の補強は
アレルギー症状などを引き起こした際にみられ
例えば、副鼻腔炎の患部近くでもみられます(1)。

このような補強は
細胞応答性を異常に高めてしまう恐れがあるため
注意が必要ですが、
細胞特異的輸送系統のアンカーの特異性を高めるため
このような生理から着想される部分があります。

例えば、特定の型のインテグリンに対して
特異性を持たせた糖たんぱく質を
薬剤など求める生理機能を持たせた物質を
封入したナノ粒子表面に多く装飾します。
そしてそのたんぱく質の結合部位近くに
そのたんぱく質にだけ存在する
ドメインAを作っておいて、
その「ドメインA」と
インテグリンの特定の面Bに対して
特異性を持つ「架橋物質(ドメインA⇔面B)」を
同時に投与、輸送することで
特異的親和性を上げることができるかもしれない
と考えました。

以上です。

(参考文献)
(1)
Claus Bachert, Bradley Marple, Rodney J. Schlosser, Claire Hopkins, Robert P. Schleimer, Bart N. Lambrecht, Barbara M. Bröker, Tanya Laidlaw & Woo-Jung Song 
Adult chronic rhinosinusitis
Nature Reviews Disease Primers volume 6, Article number: 86 (2020)


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