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免疫細胞の表面受容体を疾患治癒に特異性を持たせるように
特異的受容体を生体外でウィルスなどの導入によって
任意に設計するのを
CAR(キメラ抗原受容体)免疫治療
といいます。
これは生体内で出来る可能性があります。
免疫細胞にはFc受容体というのがあります。
単球、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球など
様々な免疫細胞が特異的に持つFc受容体があります。
このFc受容体はB細胞が発現する抗体の
Fcドメインと親和性を持つので、
抗体のFabドメインはウィルスなどに結合しますが、
Y字型の底面の部分のFcドメインは
免疫細胞のFc受容体に結合します。
例えば、
マクロファージにウィルスの抗体がつくと
マクロファージの表面に現れる受容体に変化が現れます。
例えば、
CD40、CD80、CD60という型の
受容体が多く現れる場合があります。
(参考文献(1) Figure 1より)
実際にCAR-T細胞での白血病の治療では
CD19という受容体を特異的に発現するように体外で設計して
生体内にいれます。
もし、
抗体の設計によって
免疫細胞に結合した後の発現受容体の制御ができるならば、
生体内で任意の受容体を発現するような
免疫細胞を生み出せる系統を築ける可能性があります。
従って、
ワクチンのように抗体を設計して
それを体内に入れることで
生体内でCAR-免疫細胞を作るという事です。
もちろんiPS細胞で可能なように体外で純度を上げて
特定の受容体だけを発現するようにすることの効果の
ほうが高い場合もありますが、
体内で自然に形成するほうが良い場合もあるかもしれません。
抗体であれば、
必ずしも活性化したウィルスは必要ではありません。
参考文献(2)Fig.1には
各Fc受容体がどの免疫細胞に発現しているか
一覧できるようになっています。
例えば、
免疫機能で重要なT細胞は
Fc受容体の活性が低い状態なので、
樹状細胞などを介してT細胞の活性が高められる事はありますが(1)、
直接働きかける事は難しいかもしれません。
そうすると
CAR-T細胞には向かない可能性があります。
しかし、
NK細胞の場合はFcγⅢa細胞の発現が示されているので
抗体のFcドメインをこの受容体と整合させ
結合した後にNK細胞の表面に任意の受容体が
発現するように抗体を設計できるか?です。
従って、これを実現するためにはFc受容体を介した
免疫細胞の表面受容体のダイナミクスの機序を
正確に把握する必要があります。
以上です。
(参考文献)
(1)
Xiaojie Yu & Mark S. Cragg
Engineered antibodies to combat viral threats
Nature (2020)
(2)
Stylianos Bournazos, Aaron Gupta & Jeffrey V. Ravetch
The role of IgG Fc receptors in antibody-dependent enhancement
Nature Reviews Immunology volume 20, pages633–643(2020)
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