オミクロン株が重症化しにくいという判断をするのは
まだ時期尚早であると明言される研究者もいます。
肺に感染しにくい、上気道で留まる傾向にある。
このような情報はすでにありますし、
その論理根拠を示す科学データもあります(2)。
今後のオミクロン株の脅威を評価する上では
実際の疫学調査と共に
ウィルス学、免疫学のアプローチで多面的に
根拠となるデータを示して、分析していく必要があります。
オミクロン株のワクチン2回接種後の
抗体の中和能力では1/16以下というデータもあります(3)。
一方で、
細胞性免疫の低下は10%程度であるというデータも存在します(4)。
ーー
Seong Jin Choi(敬称略)ら医療研究グループは
①オミクロン株と発現されたT細胞の構造解析。
②従来構造との比較。
③IFNの反応性
これらについて報告されています(1)。
ーー
①②のオミクロン株の構造解析、従来構造との比較。
エピトープ(結合部位)において
〇スパイク部:88.4%
〇スパイク部以外:98.3%
〇CD8+: 94.9%
※抗体発現歴のある454名
ーー
①②のオミクロン株の構造解析、従来構造との比較。
エピトープ(結合部位)において
〇スパイク部:80.4%
〇スパイク部以外:94.7%
〇CD4+: 90.4%
※抗体発現歴のある280名
ーー
これらのデータが示されています。
従って、オミクロン株において変異が多いスパイク部よりも
T細胞の構造の結合部、エピトープの構造保持率は
変異を繰り返しても比較的高いとされています。
最も保持率が高いのはスパイク部以外のタンパク質構造です。
ーー
③インターフェロン反応性については
オミクロン株スパイク刺激によって
感染者血清から取り出した細胞において
抗ウィルス性を示すIFN陽性がでる細胞の割合(従来比)を
ワクチン接種者に対して調べています。
それによると
〇CD8+T細胞環境下では80.42%
〇CD4+T細胞環境下では83.90%
これらとされています。
従って、IFNの反応性は比較的高いと評価できます。
しかしながら、
元々、従来株でT細胞のIFN反応性が高かった人の
低下率は高くなっています(Ref.(1) Fig.1)。
オミクロン株においては
〇ワクチンの抗体量、中和能
〇ブースター接種の効果
〇治療薬の効果
〇重症化率
〇肺でのウィルス量の評価
〇細胞への感染性(上気道、肺胞など)
〇T細胞、NK細胞などの細胞性免疫
〇疫学
、、、
このような多面的な評価の中で
社会における脅威を見積もる必要があると考えます。
参考文献(1)、(4)では
T細胞の細胞性免疫についてオミクロン株と
従来株の比較の中で示されました。
(参考文献)
(1)
Seong Jin Choi, Dong-Uk Kim, Ji Yun Noh, Sangwoo Kim, Su-Hyung Park, Hye Won Jeong & Eui-Cheol Shin
T cell epitopes in SARS-CoV-2 proteins are substantially conserved in the Omicron variant
Cellular & Molecular Immunology (2022)
(2)
Max Kozlov
Omicron’s feeble attack on the lungs could make it less dangerous
Nature/News 05 January 2022 Correction 06 January 2022
https://doi.org/10.1038/d41586-022-00007-8
(3)
Ital Nemet, Ph.D. Limor Kliker, M.Sc. Yaniv Lustig, Ph.D. Neta Zuckerman, Ph.D. Oran Erster, Ph.D. Carmit Cohen, Ph.D. Yitshak Kreiss, M.D. Sharon Alroy-Preis, M.D. Gili Regev-Yochay, M.D.
Third BNT162b2 Vaccination Neutralization of SARS-CoV-2 Omicron Infection
The New England Journal of Medicine December 29, 2021
(4)
Yu Gao , Curtis Cai , Alba Grifoni , Thomas R. Müller , Julia Niessl , Anna Olofsson , Marion Humbert , Lotta Hansson , Anders Österborg , Peter Bergman , Puran Chen , Annika Olsson , Johan K. Sandberg , Daniela Weiskopf , David A. Price , Hans-Gustaf Ljunggren , Annika C. Karlsson , Alessandro Sette , Soo Aleman & Marcus Buggert
Ancestral SARS-CoV-2-specific T cells cross-recognize Omicron
Nature medicine (2022)
doi: https://doi.org/10.1038/d41591-022-00017-z
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