2020年12月23日水曜日

精密医療の中で神経系の作用をどう見るか

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。


養老先生は
「人の身体は大きく分けて非神経系と神経系である。」
というようなことを言われています。
例えば、
一卵性双生児は
後天的なものは違う可能性がありますが、
遺伝情報の多くが一致しているため
外見では区別がつきにくいほど似ていると言われます。
それは外見を作る
細胞や細胞外マトリックスなどの
アミノ酸、脂質、核酸、金属などの構成が
一次的な完成形として類似性を示していると言えます。
しかし、
同じタイミングで全く同じことを考えているか?
同じ言葉を発言するか?
というとそれは必ず異なります。
もし、神経系も全く同じならばどうでしょうか?
その答えは未知ですが、
おそらく「行動や心」が異なるのは
神経系の差異によるものだと考えられます。

細胞特異的輸送系統は
どちらかというと分子レベルで見ていくので
自然科学的なアプローチをとりますが、
神経細胞のつながりとしてみた時の
治療の在り方という点において盲点はないか?
と慎重な考えが生まれます。

例えば、
「あなたは癌ですが、5年後、10年後には
必ずその癌に対して有効な治療法が見つかります。」
と医師(の方)から言われるか、
「あなたは癌ですが、現状の医療では
治る見込みはありません。」
と言われるか。
もちろん同じ患者さんであれば
自然科学的に見れば患部の状況は同じです。
でも、そこから時間軸を連続的に未来に伸ばして
患者さんの心、つまり「神経系」と
自然科学で記述できる分子レベルの体との
相互作用を見ていった時
上の2つの答えによってどのように
未来の結果が変わるか?ということです。
おそらく違うだろうと思います。

「心を診る」というのは
医療において大切だと思います。
それを直感だけに委ねることなく
普遍的に説明するとするならば
「神経系が変わる」
それとの相互作用によって
「神経系以外の細胞や組織が変わる」
ということです。

細胞特異的輸送系統で
患者さんの病を副作用を少なくして治す
という事を考えた時に
仮にそれが脳や神経の病でなかったとしても
患者さんの心の部分を無視して
薬剤の開発や治療はできないと思う部分が
養老先生の話を伺って感じています。

新型コロナウィルスでは
酸素濃度の管理が最重要課題です。
その時に看護師の方が優しく手を差し伸べて
患者さんの不安を取り除くと
呼吸は安定する可能性があります。
不安で呼吸が浅くなると
酸素の取り込み効率が下がります。
その時に「自然科学で説明するならば」
身体でどんな変化が起きているでしょうか?
精神神経免疫学という分野もありますが、
患者さんの安心は
新型コロナウィルスの治療において
どのような利点があるでしょうか?
それは治療の上で無視できないと思います。

細胞特異的輸送系統は
ある種「精製された」「純化された」
なかでの治療ですが、
「複雑系の中で」「つながりの中で」
天秤が調整されていくようなイメージを考えた時
人々の生活に密着する様な中での
身体の動きであったり
心のそれであったりすることが
治療において良い方向を示すことで
一定の奏功に繋がることもあるかもしれない
と考える事があります。
そういった中で
治療というのは短い期間で決まるものではなく
長い時間の中で良し悪しが決まっていく部分もあるかもしれない
と思います。
より時間の長さを大きくしたときには
そういった日常的な事に治療のヒントがある
可能性もあると考えます。

以上です。

 

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