いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
アメリカで昨年12月21日から
モデルナ社(さん)の新型コロナウィルスのワクチン接種が
始まりました。日本も5000万回分の供給を受ける予定なので
2500万人分のワクチンをモデルナ社から確保できることになります。
昨日の東京の感染者数が1337人で、
神奈川県など周辺の県も合わせて一気に増えています。
医療と特定の経済がもう限界にきているので、
非常に難しい状況がこれから続くと思われます。
医療に従事されている方、
高齢の方、基礎疾患があるの方など
感染のリスクが高い、あるいは感染した時に重症化しやすい方に対しては
「急ぐべきではない」という意見もありますが、
今の社会状況を考えると
1日でも早くワクチンの接種を開始してほしいと願います。
海外の変異種の存在もありますし、
すでに日本の中でもそれが起こっている可能性も否定できません。
そうした中で第一波、第二波の後のように
感染が一時、低水準になることは期待できないのではないかと思います。
本日、紹介するモデルナ社のワクチンも含めて
高齢の方や基礎疾患のある方において
接種に際して特別高いリスクがあるという情報はありません。
また感染を予防する効果は見られていることから、
経済なども含めて様々なバランス関係、天秤を考えると
ワクチンの接種を迅速に進める事が求められるのではないか
と思います。1日の短縮が大きな意味を持ちます。
本日はL.R. Baden, H.M氏ら医療、研究グループが
モデルナ社のmRNAワクチンの治験第3相の結果(1)について
読者の方と情報共有したいと思います。
//結果概要//---------
ワクチンの接種において感染のリスクは1/10程度になります。
但し、評価期間は最大で3か月程度です。
接種群の感染者が少ないために
統計的な精度の観点から1/10程度としました。
また、無症状で陽性になっている方に関しては
この結果には含まれていません。
しかし、ワクチン接種において重症化した人は0人で
38℃以上の発熱が見られた人も14134人中2人しかいませんでした。
従って、軽症化の効果もあると考えます。
効果に対して年齢依存性はなく、
高齢の方でも同様のワクチン接種予防効果があります。
軽い副反応はいくつかみられますが、
そのほとんどは1日~3日程度で収まります。
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//ワクチンについて//--------
(ワクチン名)
mRNA-1273
-
(ワクチンの設計)
脂質ナノ粒子の中に新型コロナウィルスのSタンパク質
(抗体が結合してウィルスの細胞感染を防ぐ部位を含む)
を体内で作り出すmRNAを封入。
新型コロナウィルスのSタンパク質だけ作り出すので
それ自体、細胞内で増殖することはありません。
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//条件//--------
(年齢)
18歳以上
※高校生以下のリスクの低い群に対しては
対象から除かれています。
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(接種)
2回接種:100μg 28日間空ける
偽薬:生理食塩水
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(保管条件)
2℃~8℃(接種場所における接種準備段階)
接種前において8時間まで室温で保管可能
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(接種箇所)
三角筋(肩)への筋肉注射
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(治験期間)
接種:2020年7月27日か10月23日まで
経過観察期間:最大で3か月程度
報告は2020年11月21日までのデータ
(参考文献(1) Figure3 No.at Riskの数字参照)
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(治験場所)
アメリカ、99か所
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(接種後の感染確認条件)
ワクチン接種、偽薬接種後の感染確認方法
-
A:発熱(38℃以上)、悪寒、筋肉痛、頭痛、咽頭炎、
嗅覚、味覚異常
これらの2つ以上の条件を満たす
-
B:鼻咽頭、鼻、唾液によるPCR陽性(いずれか)
-
AとBを満たせば「陽性、感染」とカウント
(※)
数万人の調査で何回も定期的にPCR検査を
全員するわけにもいかないので、上の条件を定めて、
Aのうち2つ以上の条件がある場合にPCR検査を受ける事にしている
と考えられます。
従って、参考文献(1)Discussionにも記載がありますが
Aの症状に該当しないような
無症状で陽性になった方のカウントは反映されていません。
その点に関しては注意が必要です。
しかし、それは同様に偽薬群にも当てはまります。
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(新型コロナウィルス重症の基準)
-
呼吸数:30回/分
酸素飽和度:93%以下
酸素分圧:300mmHg
呼吸不全
急性呼吸促迫症候群
昇圧剤の使用が必要(最大血圧 90mmHg以下、最小血圧 60mmHg以下)
腎臓、肝臓、神経の顕著な臨床症状
ICU
救命不可
-
これらいずれか1つに該当
-----
(治験参加人数)
mRNA-1273接種:15181人
偽薬:15170人
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(分類)
①18歳以上65歳まで リスクが高くない群
--
②18歳以上65歳まで リスクが高い群
高リスクの条件
-肺の疾患-
肺気腫、慢性気管支炎、肺線維症、中程度以上のぜんそく
-心臓の疾患-
心不全、冠動脈疾患、心筋症、肺高血圧
-重度の肥満-
BMI:40以上
-膵臓の疾患-
Ⅰ型、Ⅱ型糖尿病
-肝臓の疾患-
-免疫不全ウィルス感染症-
これらのいずれか一つが条件として指定されています。
--
③65歳以上
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//結果//--------
-
(左)感染人数/(右)総人数
①18歳以上65歳まで リスクが高くない群
mRNA-1273接種:5/8396
偽薬:121/8403
ワクチンの効果:95.9%
---
②18歳以上65歳まで リスクが高い群
mRNA-1273接種:2/2155
偽薬:35/2118
ワクチンの効果:94.4%
---
③65歳以上
mRNA-1273接種:4/3583
偽薬:29/3552
ワクチンの効果:86.4%
--
全体
mRNA-1273接種:11/14134
偽薬:185/14073
ワクチンの効果:94.1%
----
(私の追記)
⇒
接種群は一人の感染の上下でワクチンの効果の数字は
大きく変わるため、細かい数字の上下は参考程度であると考えます。
いずれにしてもリスクは1/10程度に抑えられています。
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(感染者の重症度)
偽薬で感染した185人中32人が
上述した重症の基準を満たしています。
一方、mRNA-1273接種群の感染者11人のうち
「重症はいません。0人です。」
また、38℃以上の発熱も2人。
多い症状は倦怠感9人。頭痛10人。鼻づまり8人。
(参考文献(1) Supplementary appendix Table S13より)
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(私の追記)
⇒
ワクチンを接種した人で1か月から3か月程度の評価で
14134人中感染して発熱がみられたのは2人だけです。
従って、重症化や症状を軽くすることにも
ワクチンの接種は貢献すると考えられます。
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//副反応、副作用について//---------
1回目接種よりも2回目接種のほうが副反応が多くなる傾向。
偽薬と差があり、頻度としてやや高い副作用
・接種箇所の痛み
・頭痛
・倦怠感
・筋肉痛
・関節痛
・悪寒
(参考文献(1) Figure 2より)
副作用から回復する期間は
おおよそ1~3日間
(参考文献(1) Supplementary appendix Table S5より)
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深刻な副作用は偽薬と比較して
顕著に差があるものはないと評価します。
(参考文献(1) Supplementary appendix Table S10 S11より)
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年齢別見ると③の65歳以上の方の副反応は
参考文献(1)では①、②18~65歳より少ないという記載になっており
実際にデータを見る限り少なくとも
高齢者に対して特別副反応のリスクが高いとは評価できません。
(参考文献(1) Supplementary appendix Table S4より)
リスク別①と②の分類について
副反応については行われていません。
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以上です。
(参考文献)
(1)
L.R. Baden, H.M. El Sahly, B. Essink, K. Kotloff, S. Frey, R. Novak, D. Diemert, S.A. Spector, N. Rouphael, C.B. Creech, J. McGettigan, S. Khetan, N. Segall, J. Solis, A. Brosz, C. Fierro, H. Schwartz, K. Neuzil, L. Corey, P. Gilbert, H. Janes, D. Follmann, M. Marovich, J. Mascola, L. Polakowski, J. Ledgerwood, B.S. Graham, H. Bennett, R. Pajon, C. Knightly, B. Leav, W. Deng, H. Zhou, S. Han, M. Ivarsson, J. Miller, and T. Zaks, for the COVE Study Group
Efficacy and Safety of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine
The New England Journal of Medicine December 30, 2020,
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