いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
先日メディアで、東京都江東区の開業医の方が
かかりつけ医として新型コロナウィルスのワクチン接種に
協力してくださるという事を一つのニュースとして知りました。
この医師によれば、そのようにしないと
円滑なワクチンの接種は難しいと考えている
という事でした。
一方、
全国、市792区198町743村183の自治体があります。
メディアで伺っていますが、
それぞれの市区町村の職員の方が今、一生懸命
円滑なワクチン接種に対して準備してくれています。
先日は神奈川県の川崎市でシミュレーションがありました。
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このような取り組みを有効にするためには
もちろん色んな要素がありますが、
一番上流にあるのはワクチンがしっかり届くことです。
ファイザー社(さん)は米国から輸入となります。
4月からは生産設備が増強されるという
首相官邸のTwitterの情報を拝見しましたが、
今、アメリカも接種が遅れていることから
早期に供給されるか不安要素はないわけではありません。
もし、ワクチンが4月初旬に届かなければ
いろんな準備も無駄とはいいませんが、
スムーズな接種の為の努力の一部は失われてしまいます。
--
その様な事も考えると
アストラゼネカ社(さん)、モデルナ社(さん)のワクチンも
保険として供給を早い段階で確保しておきたいところです。
28日の加藤官房長官の記者会見で
4500万人以上のワクチンについて
日本で生産する方針を厚生労働省に伝えた事を明らかにされました。
1500万人分に対しては3月末までに供給される契約となっています。
製造はJCRファーマ社(さん)、第一三共社(さん)などが
関わるとされています。
しかし、昨年12月に発表された第三相の治験結果では
接種された年齢は18歳から55歳までとされており(3)、
ドイツでは65歳以上は接種推奨しないとされています。
それを受けて日本政府はどのような判断をするか?です。
ただ、不活化アデノウィルスを使ったワクチンであり
保存に関しては寛容的で特殊な冷凍庫を必要としないので
地方、島、山間部の地域など
ワクチンの保管、冷凍輸送が難しいところを含めて
上手く割り当てながら
全国民に1日でも早くワクチンが届くようにしていただきたい
と思います。
ただ、一方で決められた計画があるでしょうから
その中でどれくらい弾力性を持たせることができるか?
という事になると思います。
保存温度も違うのでかなり難しい手続きとなると拝察します。
--
厚生労働省の職員の方々を始め日本政府、
JCRファーマ社、第一三共社の
交渉の貢献も、もちろんあると思いますが、
イギリスのアストラゼネカ社、オックスフォード大学に対しては、
日本に供給する事、日本で生産する事を
選択して下さった事には非常に感謝しています。
このような決断を無駄にしないためにも
精緻な計画、準備を期待します。
国民といたしましても定められたルールに従って
接種していく事が求められます。
繰り返しになりますが
世界では新型コロナウィルスワクチンは
決して供給過多ではなく行きわたらない国もありますから
国民全員が接種を受けられる供給が予定されている
日本は非常に恵まれていると考えられます。
私も含め国民はそれが当たり前ではないと
少なくとも認識する事が必要です。
--
医療機関やローカルな経済を必要としている業種の方など
体力が奪われている事は日々、報道によって伝えられています。
1日も早く負担を軽くするためにも
その決め手の一つとなるワクチン接種が
滞りなく進められることを願っています。
ーーーーーーーー
このイギリスから日本に供給される
チンパンジー由来のアデノウィルスワクチン
(以下、ChAdOx1ワクチン)
これについての免疫獲得過程に関して
Nicholas M. Provine, Ali Amini, Lucy C. Garner, Alexandra J. Spencer,
Christina Dold, Claire Hutchings, Laura Silva Reyes,
Michael E. B. FitzPatrick, Senthil Chinnakannan,
Blanche Oguti, Meriel Raymond, Marta Ulaszewska,
Fulvia Troise, Hannah Sharpe, Sophie B. Morgan,
Timothy S. C. Hinks, Teresa Lambe, Stefania Capone,
Antonella Folgori, Eleanor Barnes, Christine S. Rollier,
Andrew J. Pollard, Paul Klenerman(敬称略)
からなるイギリス、イタリアの医療、研究チームが
アメリカの科学雑誌サイエンスで報告されています(1)ので
その内容の一部について読者の方と情報共有したいと思います。
(※)
=====の⇒は読者の追記、考察です。
//概要、重要な内容まとめ//ーーーーーーーー
ChAdOx1ワクチンは自然免疫系と獲得免疫系のつなぎ役(4)となる
粘膜に関連するT細胞(MAIT細胞)を活性化します。
単球や樹状細胞がこの不活化ウィルスを抗原認識して
それによって生み出されたサイトカインによって活性化されます。
(参考文献(2) Figureより)
このMAIT細胞はワクチンによる獲得免疫において
アドジュバントとして働いている可能性があります。
(補助的な役割)
それらのサイトカインに対して陽性なT細胞は
MAIT細胞の活性化に部分的に関わっています。
またアデノウィルスの種類によってMAIT細胞の活性化の
度合いは変わっています。
このチンパンジー由来のChAdOx1は他のAd5などと比較しても
高くMAIT細胞を活性化することがわかっています。
実際にこのワクチン接種によって高められた
MAIT細胞が獲得免疫系であるT細胞、B細胞において
ウィルス特異的な発展に関わっているかどうかは不明ですが
B細胞に関してはMAIT細胞が活性化される事により
抗体の発現が活性化されることが報告されています。
ただし、HIV/SIVワクチン、感染のケース。
(参考文献(5) Figure.6G,Hより)
またMAIT細胞は脳を始め
脂肪組織、腸、関節、肝臓、すい臓、肺(?)、唾液腺、皮膚
などに血流などを通して拡散する事が知られています。
(参考文献(4) Fig.2より)
従って、特異的ではない抗原認識など
自然免疫系の要素を持つT細胞であるMAIT細胞の働きについて
T細胞やB細胞などの特異的発展を含めた
新型コロナウィルスでの詳細な研究が待たれます。
しかし、
このMAIT細胞はインターフェロン依存的な活性化が認められており
新型コロナウィルスで重症化する患者(さん)においては
このインターフェロンの反応が抑制されるということもあります。
また新型コロナウィルスでのリスク因子となっている
2型糖尿病、肥満、老化などによって
MAIT細胞の反応が変わるという指摘もあります。
(参考文献(4) Table 3より)
従って、これらのリスク因子に対する
ChAdOx1ワクチンの生理反応の相違という点も
調べる余地がある可能性があります。
ーーーーーーーー
//結果//ーーーーーー
--
(インターフェロン依存的なCD69+MAIT細胞変化量)
インターフェロンの量が向上すると
MAIT細胞分泌量は増加します。
※CD69はMAIT細胞活性化に関わる受容体
(参考文献(1) Fig.2C、Fig.4Bより)
--
(MAIT細胞の有無によるT細胞の影響)
MAIT細胞はMR1受容体を抗原認識細胞(単球、樹状細胞など)
をTCR(T細胞受容体)を介して結合して活性化されます。
(参考文献(4) Fig.1より)
このMR1を欠損させる事によりMAIT細胞の発現の有無を
実現しています。
それによるとCD107、IFNγ、TNF陽性の
CD8T細胞おいてMAIT細胞が欠損することにより
その量を減らすことがわかっています。
これらはMAIT細胞を自然免疫系から活性化させる
サイトカイン特異的なCD8+T細胞です。
(参考文献(1) Fig.4C,D,E,Fより)
--
(血漿樹状細胞とインターフェロンの関係)
樹状細胞が欠損することでIFNαは顕著に少なくなっています。
(参考文献(1) Fig.2Hより)
--
(単球とインターフェロン陽性MAIT細胞の関係)
CD14+単球が欠損するこでIFN-γ陽性MAIT細胞の数が
ほとんど検出されなくなっています。
(参考文献(1) Fig.3Bより)
--
(インターフェロン陽性MAIT細胞の偏差要因)
アデノウィルスの種類によって
IFNγ陽性MAIT細胞の割合が変わります。
また、個人差があります。
(参考文献(1) Fig.1Eより)
ーーーーーー
以上です。
(参考文献)
(1)
Nicholas M. Provine, Ali Amini, Lucy C. Garner, Alexandra J. Spencer, Christina Dold, Claire Hutchings, Laura Silva Reyes, Michael E. B. FitzPatrick, Senthil Chinnakannan, Blanche Oguti, Meriel Raymond, Marta Ulaszewska, Fulvia Troise, Hannah Sharpe, Sophie B. Morgan, Timothy S. C. Hinks, Teresa Lambe, Stefania Capone, Antonella Folgori, Eleanor Barnes, Christine S. Rollier, Andrew J. Pollard, Paul Klenerman
MAIT cell activation augments adenovirus vector vaccine immunogenicity
Science 371 (6528) 521-526 (2021)
(2)
Jennifer A. Juno, Shelby L. O'Connor
Translating viral vaccines into immunity
Science 371 (6528) 460-461 (2021)
(3)
Merryn Voysey*, Sue Ann Costa Clemens*, Shabir A Madhi*, Lily Y Weckx*, Pedro M Folegatti*, Parvinder K Aley, Brian Angus, Vicky L Baillie, Shaun L Barnabas, Qasim E Bhorat, Sagida Bibi, Carmen Briner, Paola Cicconi, Andrea M Collins, Rachel Colin-Jones, Clare L Cutland, Thomas C Darton, Keertan Dheda, Christopher J A Duncan, Katherine R W Emary, Katie J Ewer, Lee Fairlie, Saul N Faust, Shuo Feng, Daniela M Ferreira, Adam Finn, Anna L Goodman, Catherine M Green, Christopher A Green, Paul T Heath, Catherine Hill, Helen Hill, Ian Hirsch, Susanne H C Hodgson, Alane Izu, Susan Jackson, Daniel Jenkin, Carina C D Joe, Simon Kerridge, Anthonet Koen, Gaurav Kwatra, Rajeka Lazarus, Alison M Lawrie, Alice Lelliott, Vincenzo Libri, Patrick J Lillie, Raburn Mallory, Ana V A Mendes, Eveline P Milan, Angela M Minassian, Alastair McGregor, Hazel Morrison, Yama F Mujadidi, Anusha Nana, Peter J O’Reilly, Sherman D Padayachee, Ana Pittella, Emma Plested, Katrina M Pollock, Maheshi N Ramasamy, Sarah Rhead, Alexandre V Schwarzb
Nisha Singh, Andrew Smith, Rinn Song, Matthew D Snape, Eduardo Sprinz, Rebecca K Sutherland, Richard Tarrant, Emma C Thomson, M Estée Török, Mark Toshner, David P J Turner, Johan Vekemans, Tonya L Villafana, Marion E E Watson, Christopher J Williams, Alexander D Douglas*, Adrian V S Hill*, Teresa Lambe*, Sarah C Gilbert*, Andrew J Pollard* on behalf of the Oxford COVID Vaccine Trial Group†
Safety and efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 vaccine (AZD1222) against SARS-CoV-2: an interim analysis of four randomised controlled trials in Brazil, South Africa, and the UK
The Lancet (2020) doi.org/10.1016/S0140-6736(20)32661-1
(4)
Amine Toubal, Isabelle Nel, Sophie Lotersztajn & Agnès Lehuen
Mucosal-associated invariant T cells and disease]
Nature Reviews Immunology volume 19, pages643–657(2019)
(5)
Mohammad Arif Rahman, Eun-Ju Ko, Farzana Bhuyan, Gospel Enyindah-Asonye, Ruth Hunegnaw, Sabrina Helmold Hait, Christopher James Hogge, David J. Venzon, Tanya Hoang & Marjorie Robert-Guroff
Mucosal-associated invariant T (MAIT) cells provide B-cell help in vaccinated and subsequently SIV-infected Rhesus Macaques
Scientific Reports volume 10, Article number: 10060 (2020)
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