2021年1月28日木曜日

細胞性輸送媒体を開放する信号について

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

細胞特異的輸送系統で考えないといけないことは
たくさんありますが、
一つの重要な課題は、任意の場所で
その輸送媒体が解放されて、中の薬剤が放出されることです。
もちろんエンドソームのpHの変化の中で
胞といて覆っている膜を溶かすという方法もあります。
しかし、想定している輸送経路は
細胞にエンドサイトーシスさせるだけに限りません。
細胞の外で細胞膜貫通タンパク質に結合して
それをアンカーとして、
その状態で何とか輸送媒体(胞)を開放したい
という需要もあります。

輸送媒体を細胞にする場合には
もし自分の体細胞を使う形のiPS細胞から
任意に分化させた細胞を輸送媒体として使うことができれば
拒絶反応を少なくすることが期待できます(1)。
サイトカインストームなどの免疫惹起が少ない形で
細胞を輸送媒体として投与します。
その細胞の中に薬剤を封入して
標的まで特異的に運ぶことができた時には
標的細胞表面の突起、アンカーに固定されている状態を想定します。
その時に薬剤を放出するためには
その細胞が破壊される必要があります。
その時に輸送媒体が細胞であれば
細胞死という生理機序を利用することができます。
その細胞死を促す遺伝子
「Suicide gene」というのがあるので
もし、アンカーに結合した時に
うまくその細胞死を促す遺伝子をONにできたら
その時点で細胞死を通じて細胞から
薬剤の放出を促すことができる可能性があります。
そのONにするスイッチはp53タンパク質と言われています。
従って、例えば、
アンカーに結合する前にはp53は固定(抑制)された状態にありますが、
アンカーに結合した後にp53が解放されて活性になり
輸送媒体の細胞内遺伝子に結合してアポトーシスに向かわせる
ことができるか?ということです。

以上です。

(参考文献)
(1)
Ryoko Araki, Masahiro Uda, Yuko Hoki, Misato Sunayama, Miki Nakamura, Shunsuke Ando, Mayumi Sugiura, Hisashi Ideno, Akemi Shimada, Akira Nifuji & Masumi Abe 
Negligible immunogenicity of terminally differentiated cells derived from induced pluripotent or embryonic stem cells
Nature volume 494, pages100–104(2013)
Transcriptome Research Group, National Institute of Radiological Sciences, Chiba 263-8555, Japan.
PRESTO, Japan Science and Technology Agency (JST), Kawaguchi 332-0012, Japan.
Department of Pharmacology, School of Dental Medicine, Tsurumi University, Yokohama 230-8501, Japan.

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