2021年1月4日月曜日

皮膚に安全な紫外線利用によるウィルス撲滅

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

紫外線と聞くと、女性の方は拒絶反応があると思います。
肌は女性の命であり、
露出している皮膚に対してダメージを与える事は
避けたい事だからです。
基本的には紫外線は通常の見える光よりも
エネルギーが高いので皮膚の細胞に
ダメージを与える力を持っています。
それは一方で人以外のウィルスに対してもそうです。
エネルギーの高い紫外線は
ウィルスの核をそのまま分解し死滅させることができます(9)。
実際に紫外線の照射によって
新型コロナウィルスのほかに、
2003年に流行したコロナウィルス(SARS)や
インフルエンザなどにおいても
非接触での抗ウィルス効果を示しています(2-4)。

従って、今社会に求められる光に対して
「人には影響はないけど、ウィルスを死滅させる」
このような需要があります。

基本的には光はエネルギーが高くなると
空間中や物質に当たるとすぐに吸収されます。
従って、エネルギーの高い紫外線の一部しか大気圏を通過できません。
よりエネルギーの高い光は吸収されてしまいます。
実はこの「吸収されやすい特性」が
「人には無害、ウィルスに有害」という需要を満たしてくれます。
紫外線の中で地上に届かないような
エネルギーが高い(波長が短い:222nm(例))ものは
人の皮膚に照射されるとごく表層にしか届かないため
深部に浸入することはなく、
大きな皮膚のダメージにつながりません(5-8)。
一方、空気中に飛散しているウィルスは
大きさがものすごく小さいために
その光の影響をダイレクトに受けることになります。
従って、ウィルスが何か膜か何かでシールドされていない限り、
ウィルスを除去することがができます。
例えば、水分に包囲されていると
おそらく222nmによるウィルス除去効果は変わると思います。
なぜなら周辺の水に吸収されるからです。
ただ、その水の層はおそらくかなり薄いので
効果は落ちたとしても抗ウィルス性はあるだろうと思います。
従って、参考文献(1)でもありますが
特に乾燥している状態では紫外線照射による
抗ウィルス効果は高くなります。
参考文献(1)の254nmの紫外線で湿度の高い条件で
9秒の照射で効果が出ている事を考えると
おそらく222nmでも湿度が高くても
あるいは口から飛沫したウィルスでも効果がある
可能性があると考えます。

ボストン大学、Signify Research社の研究グループは
紫外線254nmにおいて湿度に関わらず
新型コロナウィルスの不活化を確認しました(1)。
おおよそ0.4~0.9mW/cm2(4~9J/s・m2)
(この光を1000秒当てた時4kJ~9kJ/m2となります)
の光において9秒間で99.9%(湿度高い)
5秒間で99.9%(湿度低い)を達成しました。

一方、この254nmの光よりも
さらにエネルギーが高く波長が短い222nmの光のほうが
人体にとって有害性が低く
人がいる環境内での使用性を高められる結果を
日本の大学、企業が証明しています。

この254nm殺菌ランプは強い殺菌力を持つ反面,
皮膚がんや白内障を生じさせるなど人体に対して
有害性が強いことから,これまでは照射中は
ヒトが立ち入れない場所でのみ使用されてきました。
従って、上述した条件では
人がいない環境での殺菌に限られます。

そこで
神戸大学、島根大学、長崎大学、
ウシオ電機株式会社の研究グループは
それに対して222nmでも同様の効果が見られて
222nmは身体の極めて表層で吸収されて体内に浸透しないため
10000倍皮膚がんになりやすいように改変した
マウスにおいて皮膚癌に発展することはありませんでした(5,6)。
さらにマウスにおける目に対する安全性も証明されています(5,6)。
ーーーーーーーー
通常マウス:5kJ/m2 変異マウス:1.0kJ/m2
24週間連続照射:皮膚癌発生なし
(参考文献(6) Figure 4より)
ーーーーーーーー
この222nmのランプは研究に参加された
ウシオ電機社(さん)からCare222ユニットタイプとして
販売されています(7)。
但し、個人向けの販売はありません。
コロンビア大学の研究成果によれば
この222nmのランプを使うことで
同じ種類のコロナウィルス(CoV-229E、HCoV-OC43)において
安全性が通常マウスで確かめられた5kJ/m2において
4.2Lの空間において約1/10の数に減らすことができました。
それを4倍にするとその数は1/1000~1/10000になります(8)。

従って、この光量の領域の安全性についてのデータが大切になります。
また10月7日このCare222は加賀市医療センターに30台導入されました。
実際に光量、出力、空間的配置など使用条件があると思います。
その際には現状では専門の方によるアドバイスも必要だと思われます。
空間における吸収量も大きい中で抗ウィルス性を発揮し
その中で安全に使うためにはエビデンスと専門家の介入が必要です。

//追記//
この波長域の詳しい大気中の透過率のデータを持ち合わせていませんが、
基本的に地上に届かない領域のこの紫外線の大気中透過率は
かなり低いと思われますので、
空間中で使う場合にはその空間における光出力、光量の
勾配が大きくなると考えられます。
そうした時には「許容範囲」のエビデンスが大事になります。
・ウィルスを死滅できる範囲
・人の身体に安全な範囲
これらについて比較的幅広いデータをとることが重要だと
考えられます。
この許容範囲が広ければ、
人の生活環境の様々な場所で使うことができます。
特に天井が高い公共施設などもありますから
そういった環境で使用する場合において大切になるデータだと考えられます。

以上です。

(参考文献)
(1)
Nadia Storm, Lindsay G. A. McKay, Sierra N. Downs, Rebecca I. Johnson, Dagnachew Birru, Marc de Samber, Walter Willaert, Giovanni Cennini & Anthony Griffiths 
Rapid and complete inactivation of SARS-CoV-2 by ultraviolet-C irradiation
Scientific Reports volume 10, Article number: 22421 (2020) 
(2)
 Darnell, M. E. R. et al. 
Inactivation of the coronavirus that induces severe acute respiratory syndrome SARS-CoV. 
J Virol Methods 121, 85–91. 
(3)
McDevitt, J. J. et al. 
Aerosol susceptibility of influenza virus to UV-C light. 
Appl Environ Microbiol 78, 1666–1669. 
(4)
Buonanno, M. et al. 
Far-UVC light (222 nm) efficiently and safely inactivates airborne human coronaviruses. 
Sci Rep 10, 10285. 
(5)
神戸大学
皮膚がんなどの発症なし 222nm紫外線(UV-C)繰り返し照射の安全性を世界で初めて実証 -医療分野や日常での殺菌・消毒の用途拡大に期待-
(6)
Nozomi Yamano  Makoto Kunisada  Sachiko Kaidzu  Kazunobu Sugihara  Aiko Nishiaki‐Sawada  Hiroyuki Ohashi  Ai Yoshioka  Tatsushi Igarashi  Akihiro Ohira  Masaki Tanito  Chikako Nishigori
Long‐term Effects of 222‐nm ultraviolet radiation C Sterilizing Lamps on Mice Susceptible to Ultraviolet Radiation
Photochemistry & Photobiology 2020/3/29
(7)
USHIO Group
Care222®ユニットタイプの 国内販売開始について
(8)
Manuela Buonanno, David Welch, Igor Shuryak & David J. Brenner
Far-UVC light (222 nm) efficiently and safely inactivates airborne human coronaviruses
Scientific Reports volume 10, Article number: 10285 (2020) 
(9)
Ariza-Mateos, A. et al. 
RNA self-cleavage activated by ultraviolet light-induced oxidation. 
Nucleic Acid Res 40, 1748–1766


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