いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
本日、日本で緊急事態宣言が発出される予定です。
昨日(1/6)の日本全体の感染者数は確認されている限りで6000人。
そのうちの半数以上は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県となっています。
重症者数も過去最高で特に神奈川県は非常に深刻な事態になっています。
今はとにかく新型コロナウィルスの患者さんの命を救うという事に
医療に従事されている方々は尽力されています。
このような状況で
なかなか後遺症まで手が回らないかもしれないですが、
自身のようにそれについて調査、考察ができる時間が
用意されている人においては後手に回らないように
今後の事を想定して後遺症の治療について探る必要があります。
なぜなら、患者さんの数が増えているわけですから
治療を終えて無事、帰宅して日常生活ができるようになっても
症状が残る人は今まで以上に多くなる可能性があるからです。
日本でいち早く後遺症外来をオンラインを含めて
実施されているヒラハタクリニックの平畑 光一先生が
メディアで私の記憶に間違いがなければ、
後遺症で一番多いのは「倦怠感」と言われていました。
微熱、疲労感、しびれ、呼吸苦、頭痛、食欲不振などが挙げられ
新型コロナウィルス罹患時の症状と類似性が認められると考えます。
つまり「症状がすっきり抜けない」ということです。
私はリハビリの重要性を述べてきましたが、
平畑先生の考えでは
「がんばって動かない事」が一番大切だ
と言われています。
患者さんによって異なると考えられるので
後遺症の治療のガイドラインが一日でも早く確立されればと思います。
これから記載する記事においてもその一助になればと考えています。
SARSのあと確認されている
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群はいずれも脳神経に関連する疾患です。
これも含めて新型コロナウィルスの後遺症と脳の関連性が気になります。
従って、新型コロナウィルスが脳神経にどのような影響を与えるのか
それについて研究、解析、分析していく事は非常に重要だと考えられます。
//ウィルス脳炎に関して//ーーーーーー
=====の⇒は私の追記、考察
--
一般的にウィルスが脳に炎症を与えるのを「ウィルス性脳炎」といいます。
ウィルスが血管の血流を通じて脳に浸入してそこで数を増やします。
その後、ミクログリアなどを含む脳の免疫系が働きます。
それによって脳は膨張します。
ウィルス感染と(炎症性を含む)免疫反応の組み合わせによって
ウィルス性脳炎の典型的な症状を引き起こします。
特に1歳以下、55歳以上の方に関しては注意が必要です。
--
(ウィルス脳炎の症状)
・発熱
・頭痛
・光恐怖症(光に対して過敏になる)
・全身倦怠感
・斜頸(首のこわばり)
・背中のこわばり
・嘔吐
・人格が変わる
・精神錯乱
・記憶喪失、健忘
・発作
・無気力
・昏睡状態
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(原因ウィルスの種類)
・腸内ウィルス
・ヘルペスウィルス
・エプスタインバーウィルス
・サイトメガロウィルス
・アデノウィルス
・風疹
・はしか
・マーレーバレー脳炎ウィルス
・日本脳炎ウィルス
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⇒
ヘルペスウィルス/エプスタインバーウィルスのように
多くの日本人に感染しているウィルスも原因になります。
このことは
・(過剰な)ウィルスが脳に浸入しないように制御されている
・免疫機能とのバランスが取れている
こういった場合には脅威にはならない場合があることを示している
と考えます。
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(浸入経路)
脳への侵入経路は血液、神経系であると言われています。
血管のルートでは血液脳関門を破った後、脳内に浸入します。
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⇒
サイトカインストームやウィルス自身が
脳を外敵から守る役割がある脳血管の内壁から外壁への組織にある
血液脳関門の機能を改変する事で脳に傷害が生じます。
また神経系のルートでは
例えば、肺には神経内分泌系の細胞があります。
これが低酸素になると形成が促進され
ある場合には過形成なります(2)
この神経内分泌系の細胞の少なくとも一部は抹消神経系に繋がっているため
その軸索、神経細胞を通じて神経系にウィルスが拡散する可能性も考えられます。
従って、一つは神経内分泌系細胞にACE2受容体があるかどうか?
これが新型コロナウィルスにおいては重要になると考えられます。
なぜなら呼吸器系ウィルスで肺胞との関連が高いからです。
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(ウィルス脳炎の合併症、併存症)
・低血圧
・血液の低酸素状態
・脳の出血
・永続的な脳の損傷
・救命不可
--
(ウィルス脳炎の診断)
・身体検査
・血液検査
・腰椎穿刺による脳脊髄液の検査
・CT/MRI
・EEG(脳波の検査)
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(ウィルス脳炎の治療)
・入院
・抗ウィルス薬
・脳の膨張を減らす薬剤(デキサメタゾンなど)、治療
・痛み、嘔吐、痙攣を和らげる治療
・解熱の治療
・適切な水分量の確保(少なすぎず、多すぎず)
--
(長期的な経過)
多くのケースでは患者さんは完治すると言われていますが、
ウィルスの種類、適切な治療のタイミングによって
異なると言われています。
もし症状が残る場合には長期間にわたる医療のサポートが必要です。
--
新型コロナウィルスにおいても
中枢神経系への走化性、正の向性に関して調査されているところです。
亡くなられた後の脳の中からはウィルスが検出されなかった
という報告もありますが、治療を受けている急性期においての
脳へのウィルスの浸入についてはまだわかっていません。
この事を考慮し、
Oliver Harschnitz氏、 Lorenz Studer氏は
中枢神経系の宿主(人など)とウィルスの相互作用機序解明のための
人の幹細胞の利用やそのモデルの構築について総括しています(1)ので
その内容を細かく見ていきながら、
今日から段階的に考えていきたいと思います。
追記、考察を加えながら読者の方と情報共有していきます。
(※)
=====の⇒は私の考察、追記です。
//概要//ーーーーーーーー
iPS細胞技術を始めとした人の多能性幹細胞の発展は
人の中枢神経系の疾患関連細胞における人などの宿主とウィルスの
相互作用を神経免疫学領域を中心に研究するうえで
従来にない特異的で貴重な機会を与えてくれます。
上で詳しく述べたウィルス脳炎では
それに該当するウィルスが中枢神経系に作用することで
神経学的な損傷を与え、臨床症状を悪化させます。
またこれとは違って神経向性を示す(神経系に引き付けられる)
ウィルスは特徴的な発展段階を持って影響を与えます。
出産前の初期の胎児の脳から高齢の方の脳まで様々です。
-
人由来の多能性幹細胞の柔軟性、可動性、汎用性、
拡大性(数が増やせること)は
新型コロナウィルスのような急性の感染から
HIVのように潜伏性を示す感染の分子機序を解明する事に貢献します。
・中枢神経系のどの亜型細胞が感染しているか?
・ウィルス感受性の時間依存性はどうか?
このような事を考えることができます。
また
・ウィルス抑制因子探索のための作業効率の良い
化学的、遺伝子的スクリーニング(分別)
・Bystander効果などを含む自律的ではない相互作用を含めた
複雑な疾患機序の解明
これらにも貢献します。
これらにより、人由来の多能性幹細胞の技術は
中枢神経系のミクログリアなどを含めた抗ウィルス免疫機能の
未知の問いかけについて答えを示してくれる潜在性があります。
その明示の中には
重い急性呼吸器疾患を伴う新型コロナウィルスが
潜在的に中枢神経系に走化性、正の向性を示すかどうかの疑問も含まれます。
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⇒
人の多能性幹細胞に由来する神経細胞では
新型コロナウィルスのエントリー受容体であるACE2受容体の発現を
確認しました。このことは新型コロナウィルスが
神経細胞内に浸入できる可能性を示しています(3)。
後は、神経細胞に新型コロナウィルスが入った時に
RNAを増殖させることができるか?
そうでなければ、間もなく消滅するはずなので
そのことを確かめる事が神経向性を問う事の基礎にあります。
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(参考文献)
(1)
Oliver Harschnitz & Lorenz Studer
Human stem cell models to study host–virus interactions in the central nervous system
Nature Reviews Immunology (2021)
(2)
Manjunatha Shivaraju, Udbhav K. Chitta, Robert M. H. Grange, Isha H. Jain, Diane Capen, Lan Liao, Jianming Xu, Fumito Ichinose, Warren M. Zapol, Vamsi K. Mootha, Jayaraj Rajagopal
Airway stem cells sense hypoxia and differentiate into protective solitary neuroendocrine cells
Science 371 , 52 – 57 (2021)
(3)
Jiaxi Xu and Eric Lazartigues
Expression of ACE2 in Human Neurons Supports the Neuro-Invasive Potential of COVID-19 Virus
Cell Mol Neurobiol. 2020 Jul 4 : 1–5.

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