2021年1月28日木曜日

変異や新型のコロナ系ウィルスに強い抗体

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

新型コロナウィルスはインフルエンザなどに比べて
比較的感染力に関わる部分の構造は安定であるという話もありますが、
RNAウィルスでRNAは動的で、不安定さもあるので
今1億人を超える感染者が世界で出ている事、
これからも新規感染者が出る事などを考えると
色んな変異が起こることが想定されます。
その中でワクチンに求められることは、
変異に対する「交差性」です。
つまりいろんな変異をしても中和能を大きく落とさない
変化に寛容的な抗体を生み出すワクチンを作ることです。
アメリカのC. Garrett Rappazzo氏ら医療研究グループは
2003年に流行したSARSの記憶型B細胞から
いくつかの抗体を取り出し、
それを酵母を使って成熟化させることで
抗体を最適化しました(1)。
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Yeast surface display technology
⇒Affinity matured antibody
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参考文献(1)Fig.2BではSARS-CoV-1およびSARS-CoV-2に対して
広く高い中和能を持つ抗体が生まれています(ADG-2)。
このADGという成熟化された抗体は
想定される様々なRBD(受容体結合部位)の変異に対して
強いことを示しています(参考文献(1)Fig.2Cより)
また
Fcドメインを通じた自然免疫系のNK細胞の活性は
親和性が成熟されたADG-2抗体のほうが
他の抗体よりも強いことが示されています。
(参考文献(1) Fig.4Aより)

//筆者の追記、考察//ーー
このような親和性の成熟(Affinity maturation)は
1回目の免疫反応よりも2回目の免疫反応のほうが
数倍、親和性が上がることを示しています。
参考文献(1)では単一のウィルス株ではなく
親和性成熟の中で交差性を発揮しました。
Booster doseのように
2回接種が行われることによって生み出される抗体の
中和能が上がることを示しているのか?
あるいは、
定期的に異なるワクチンを接種することで
新型コロナウィルスに対する免疫網が精緻になるのか?
言い換えれば変異に強い獲得免疫を手に入れられるのか?
これらの事は調査の余地があると考えられます。
ーー

以上です。

(参考文献)
(1)
C. Garrett Rappazzo et al.
Broad and potent activity against SARS-like viruses by an engineered human monoclonal antibody
Science  25 Jan 2021:eabf4830

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