いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
今、日本では医療に従事されている方、病床の数が
足りていない状況で、十分に治療が受けられない人が出ています。
重症患者が遅れて出てくること
あるいは治療に時間がかかることを考えると
仮に新規感染者数が減ってきたとしても
この逼迫状況は2月以降も続くと考えられます。
そうした中で順調に行けば
医療に従事される方からワクチンの接種が2月末から行われます。
そして3月には高齢者、基礎疾患がある方から接種が始まります。
しかし、ワクチン接種には
様々な問題があると指摘されています。
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①接種会場の確保
接種後すぐの副反応を確認するため
接種した後30分、1時間程度は待機してもらう必要があります。
そうした場合、3密を避けながら
多くの人数を収容できる会場の確保が必要です。
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②接種券、発送業務
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③予約管理システムの構築、運用
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④コールセンター
接種予約、案内など
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⑤接種データの納品、共有
個人カルテ情報、接種人数、接種率などのデータ
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⑥医療スタッフの確保
接種の実施、アレルギーなどの確認、副反応時の対応
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これらが少なくとも挙げられ
今、業務が逼迫している保健所や医療従事者の方に対して
付加的にこのような仕事が果たしてできるか?
この点が非常に懸念されます。
自治体の方々の力が大きく必要とされます。
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このような事を考えると
ワクチンは原則2回接種となっていますが、
1回接種の方が接種する機会、数は半分になるわけですから
好ましいという事になります。
2回接種する事は「Booster dose」といわれ
ワクチンの効果を強化させるために行われます。
子供への指定ワクチン接種でも複数回接種することがあります。
しかし、
新型コロナウィルスの場合は
全年齢層にわたるわけですから接種する規模が圧倒的に大きく、
1回の接種で生涯、効果が持続するというわけでもないので
毎年の接種イベントであると想定すると
できれば1回接種で、保存条件が寛容的なワクチンが好ましいです。
J. Sadoff氏ら医療、研究グループは
1回接種を視野に入れたワクチン開発を行っています。
その第1相の治験の抗体価、中和能、副反応など
基本的なワクチンの性能評価を中間報告しています(1)。
本日はその内容の一部を読者の方と共有したいと思います。
(※)
=====の⇒は私の追記、考察です。
//ワクチンについて//ーーーーーーーー
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(開発企業)
Janssen Pharmaceutical(さん)(ベルギー)
Johnson and Johnson(さん)(アメリカ)
Beth Israel Deaconess Medical Center(さん)(アメリカ)
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(種類)(2,3)
不活化アデノウィルス、
Full length Sタンパク質コード化
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//治験条件//ーーーーー
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(時期)
2020年7月22日から
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(場所)
ベルギーとアメリカの12か所
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(人数)
805人
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(グループ分け)
低ドープ 18-55歳 162人
高ドープ 18-55歳 158人
偽薬 18-55歳 82人
低ドープ 65歳以上 161人
高ドープ 65歳以上 161人
偽薬 65歳以上 81人
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(ドープ量)
低ドープ 5×10^10 virals/ml
高ドープ 1×10^11 virals/ml
つまり高ドープは2倍の量
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(ワクチン評価、抗体、中和能)
接種から1,15,29,57,71日後
新型コロナウィルス回復者と比較
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(接種対象者)
新型コロナウィルス血清陰性
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(人種)
ほとんど白人
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//副反応、副作用//ーー
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倦怠感、頭痛、筋肉痛、嘔吐、接種箇所痛み、発熱
・高ドープが程度、頻度が高い
・高齢の方は副反応が少ない
※
次の日か、24時間以内に緩やかに収まる
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<発熱に関して>
(18-55歳)
38℃以上ー39℃以下
低ドープ 15%
高ドープ 39%
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39℃以上
低ドープ 5%
高ドープ 9%
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(65歳以上)
38℃以上ー39℃以下
低ドープ 4%
高ドープ 9%
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39℃以上
低ドープ なし
高ドープ 1%
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偽薬群では発熱なし
※
発熱は接種2日後以内に起こり
1日、2日以内に収まります。
80%の人は解熱剤を処方しました。
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⇒
従って、高齢の方、低ドープで少なくなっています。
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--
(重篤な副作用)
ワクチンに関連する重篤な副作用はなし
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(2回目の接種)
副反応が1回目接種時よりも小さい。
これはmRNAワクチンの傾向と異なる。
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//結果//ーーーーー
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(抗体価のタイミングについて)
新型コロナウィルスから回復した人の抗体レベルには
29日後に達する。29日後から値は安定
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29日後までには段階的に上がる
15日後には半分程度の抗体レベルが確認されています。
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(接種量について)
接種量の差による抗体レベルの差は顕著ではありません。
しかし、57日後に2回目接種した場合には
抗体価の向上が見られます。
従って、接種量よりも接種回数の方が
抗体価に反映されます。
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(抗体価の評価)
新型コロナウィルスから回復した人の抗体価と
同等のレベルが低ドープ、1回接種でも確認されています。
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(抗体価の持続期間)
71日間は持続
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(年齢差)
65歳以上の人は若年層に比べてやや抗体価は低い
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(中和能)
抗体価と同じ傾向
すなわち
・回復者と同レベル
・接種量差がなし、回数で差があり
ただし
・年齢依存はない
・安定するまでに2か月くらいかかる。29日後は少し低い。
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(T細胞への影響)
CD4+T細胞Th1の発現が15日後に確認
年齢依存なし
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CD8+T細胞の発現が15日後に確認
※65歳以上、高ドープで低い
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ーーーーー
//過去の結果//ーーーーー
人以外のアカゲザルのケースでは
このワクチンによる鼻付近、肺での
新型コロナウィルスの複製を防いでいることが
示されています(4)。
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//追記//ーーーーーーーー
現在第3相治験が行われてます。
(ClinicalTrials.gov number, NCT04614948).
この治験では
低ドープ条件で1回接種と2回接種の比較を行っています。
従って、
ワクチンによる新型コロナウィルス予防効果として
1回接種で十分かどうかの結果が出てくることになります。
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⇒
//考察、追記//ーーーーー
抗体価、中和能が低ドープ、1回接種で十分であったことから
副反応、手続きを考慮に入れると
低ドープ、1回接種が好ましいと考えられます。
また、2回目接種時の副作用が小さいことが注目される点です。
これはひょっとすると
1年ごとに繰り返し接種することを想定した場合
不活化アデノウィルスワクチンの場合には
過去に接種したことがある場合には
副作用がどんどん小さくなることを示しているかもしれません。
この点において注目しています。
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(参考文献)
(1)
J. Sadoff, M. Le Gars, G. Shukarev, D. Heerwegh, C. Truyers, A.M. de Groot, J. Stoop, S. Tete, W. Van Damme, I. Leroux‑Roels, P.‑J. Berghmans, M. Kimmel, P. Van Damme, J. de Hoon, W. Smith, K.E. Stephenson, S.C. De Rosa, K.W. Cohen, M.J. McElrath, E. Cormier, G. Scheper, D.H. Barouch, J. Hendriks, F. Struyf, M. Douoguih, J. Van Hoof, and H. Schuitemaker
Interim Results of a Phase 1–2a Trial of Ad26.COV2.S Covid-19 Vaccine
The New England Journal of Medicine January 13, 2021
(2)
Bos R, Rutten L, van der Lubbe JEM, et al.
Ad26 vector-based COVID-19 vaccine encoding a prefusion-stabilized SARS-CoV-2 Spike immunogen induces potent humoral and cellular immune responses.
NPJ Vaccines 2020; 5: 91.
(3)
Custers J, Kim D, Leyssen M, et al.
Vaccines based on replication incompetent Ad26 viral vectors: standardized tem-plate with key considerations for a risk/benefit assessment.
Vaccine 2020 October 2 (Epub ahead of print).
(4)
Mercado NB, Zahn R, Wegmann F, et al.
Single-shot Ad26 vaccine protects against SARS-CoV-2 in rhesus macaques.
Nature 2020; 586: 583-8.
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