いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
世界の新型コロナウィルスの感染者数は9874万人で1億人近くになっています。
日本はやや感染が落ち着いてきて、
昨日は東京は1000人を切りましたが、
依然、高止まりの状況で、専門家の方は
引き続き緊急事態宣言は必要な可能性が高いと考えられています。
世界で1年に1億人、世界中に蔓延している感染症ですから
これを抑え込むためには「集団免疫」が必要です。
つまり、人との人の接触機会を劇的に減らして
大気中で新型コロナウィルスが死滅して収まるのを待つのではなく
人の身体の免疫機能で人の身体の中で消滅させる能力を
世界全体で高めるということです。
もちろん、極端なことはできず、
今のように
〇手洗い・〇消毒・〇マスク・〇三密回避
など基本的な対策は必要です。
しかし、一方で経済活動の事も考慮に入れると
「如何に安全な形で免疫を手に入れるか?」
それを個人レベルだけではなく、社会全体で考えていく必要があります。
基本的には、日本に供給予定、
2月末から段階的に接種されるワクチンがあります。
治験による科学データは効果がある事を示していますから
2回目の接種が終わったころから十分な効果が期待できます。
徐々にワクチンの効果が目に見えるようになってきますが、
その時期というのはまだ見通せない要素もあり
実際に一般の多くの人が接種して効果が出るのは
もう少し先という事になると思います。
それまでは「ワクチンなし」で感染症の中で
どのように社会として向き合っていく必要があるか
政府、自治体の方だけではなく国民一人一人が考えていく必要があります。
どんなに素晴らしい政策も
国民に実際の行動も含めたことが浸透しなければ、
機能を果たさないからです。
Takashi Akamatsu氏ら研究チームは
ワクチンを前提としないで社会としてどのように
集団免疫を獲得していくのが得策か考えるために
亡くなられる方の割合、医療機関の能力を考慮しながら
数理モデルを構築されています(1)。
本日はその内容の一部を参照しながら
ワクチンの普及も踏まえて社会としての感染症蔓延の中での
在り方を探っていきたいと思います。
(※)
=====の⇒は筆者の追記、考察です。
//基本的な考え方//ーーーーーー
ワクチンを前提としない形で集団免疫を手に入れるためには
「リスクの高い人への感染を防ぎながら」
医療機関の容量を超えない形で感染制御していく必要があります。
例えば、80歳以上の方の亡くなられるリスクは
10代の人よりも1000倍~10000倍高いと言われています(2,3)。
-----
⇒
その比較参照基準40代以下にすると
40代では2倍、50代では20倍、60代では40倍、70代では100倍
とおおよそ見積もることができます。
(参考文献(4) Fig.1より)
従って、40代以下の人の100人の感染と
70代の方の1人の感染は
新たに生まれる亡くなられる方の数において
このリスクからすると同じになります。
集団免疫は年齢に対する重みづけはないですから、
より安全に社会として免疫を手に入れるためには
リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方に対する
感染を防ぐことが重要になります。
しかし、
若い人の中で無秩序に感染が広がることは、
社会生活がどうしても必要な高齢の方への感染リスクが高まります。
あるいは、医療機関の収容能力の問題もあります。
もし、ワクチンがないとすれば
実際に感染する中でどうやって集団免疫を獲得していくか
考える必要がありますが、
今は、ワクチンがありますから
ワクチンを接種して、免疫を手に入れるまで
社会としてどう機能させていくか考える必要があります。
水谷大二郎助教率いる研究チームの報告を考慮にいれると
少なくとも
「リスクの高い高齢者のコミュニティーを閉じる」
ということが重要です。
西村康稔新型コロナウィルス担当大臣が明言されている事の中で
成人式の時でしたが、
「久しぶりに会うと人の会食を控えてください」
というのがあります。
久しぶりに会うというのは
「異なるコミュニティーのつながり」を意味します。
これが一気に感染症を拡大させる要因となります。
逆に言えば、コミュニティーを閉じる事が
感染抑制のためには重要です。
例えば、高齢の方と同居している3世代の家族は
子供であっても学校は仕方がないですが
できるだけ家族以外の人とは会わないことです。
もちろん高齢者自身もそうです。
高齢の方、基礎疾患などリスクの高い疾患を持っている
方と同居している人は生活環境の範囲を限定して、
食材の買い出しなど必要な外出も
いつもの近くのスーパーで済ませる事です。
このように「リスクの高いコミュニティーを独立、閉じながら」
感染状況を見てうまく社会経済活動と両立させる事が重要です。
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ーーーーーー
集団免疫を手に入れるためには60~80%の方の
新型コロナウィルスの免疫が必要ですから
仮にワクチンがないことを想定すると
医療崩壊を防ぐためには、
「長い間かけて免疫を手に入れること」が重要です。
仮に1か月に今のような数千人という感染者がでると
一気に医療崩壊してしまうので、
社会経済活動を制限した形で感染者数を
ある程度の水準に保ちながら免疫を獲得していくことです。
参考文献(1)にある一番上のグラフの
積分が総感染者数ですから
いろんなシナリオにおける積分は集団免疫のために同じ
と仮定するとグレーで示されたように
上限を医療崩壊が起こらない水準に保ちながら
免疫を持つ人を社会として確保していく戦略です。
そのためには一番下のグラフの
社会的活動を今の緊急事態宣言のように制限していく必要があります。
その時には初めは強くハンマーを打って
徐々に弱めていくシナリオです。
-----
⇒
しかし、2月からワクチンがありますから
今までのデータに依拠すれば、
かなり安全な形で免疫を手に入れる事が出来、
免疫獲得の中での入院などの確率も大きく下がります。
そうした中にはおいては
ワクチン接種には様々な課題がありますが、
短い時間で多くの国民にいきわたるような準備が大切です。
そうすれば、
これらの計算、社会的条件はかなり有利になるので
Go Toなどの経済喚起の選択肢が生まれます。
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基本的にリスクの低いグループ(Active group)の
感染の割合が増える、
逆に言えば、リスクの高いグループ(Protected group)の
感染の割合が減れば、実行再生産数が上がっても
社会としてのリスクが減るという事です。
(参考文献(1) Figure 2のグレーが許容できない領域)
-----
⇒
しかし、上で述べた様に
リスクの低いと考えられている若い人のリスクは
感染症蔓延や後遺症などを考えると決して低いわけではありません。
従って、ワクチン接種でリスクの低い群が多くなれば
もちろんそれでも感染対策は必要ですが、
社会経済活動のつまみをかなり開放しても
新型コロナウィルスとうまく社会として付き合っていける
状況になることを示すものです。
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従って、海外では度々都市のロックダウンが行われますが、
上の事を考慮に入れると
「リスクの高い人に如何に感染させない政策が機能するか?」
これが重要であるという事が謳われています。
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⇒
今、変異ウィルスなど未知の脅威はあります。
もちろん水際対策などが大切になりますが、
もし仮に広がってまた第4波が来た時には
今のように
〇リスクの高い場所の活動を制限する
このことに加えて
〇リスクの高い人のコミュニティーを閉じる
これらの事がうまく機能するように政策を組むことが
大切になると考えられます。
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以上です。
(参考文献)
(1)
Takashi Akamatsu, Takeshi Nagae, Minoru Osawa, Koki Satsukawa, Takara Sakai & Daijiro Mizutani
Model-based analysis on social acceptability and feasibility of a focused protection strategy against the COVID-19 pandemic
Scientific Reports volume 11, Article number: 2003 (2021)
Graduate School of Information Sciences, Tohoku University, Sendai, Miyagi 980-8579, Japan.
Graduate School of Engineering, Tohoku University, Sendai, Miyagi 980-8579, Japan.
Institute of Economic Research, Kyoto University, Kyoto 606-8501, Japan.
New Industry Creation Hatchery Center, Tohoku University, Sendai, Miyagi 980-8579, Japan.
International Research Institute of Disaster Science, Tohoku University, Sendai, Miyagi 980-8572, Japan.
(2)
Verity, R. et al.
Estimates of the severity of coronavirus disease 2019: a model-based analysis.
]Lancet Infect. Dis. 20, 669–677 (2020).
(3)
Salje, H. et al.
Estimating the burden of SARS-CoV-2 in France.
Science 369, 208–211 (2020).
(4)
Norbert Stefan, Andreas L. Birkenfeld & Matthias B. Schulze
Global pandemics interconnected — obesity, impaired metabolic health and COVID-19
Nature Reviews Endocrinology (2021)
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