いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
昨日、国立感染症研究所の脇田隆字所長が
日本でのワクチン接種の開始において
重要なことを複数の観点で
「BUSINESS INSIDER JAPAN(さん)」で述べられていました。
その中で、非常に重要な話があります。
総務省の統計では
日本には65歳以上の方が3588万人います。
日本のワクチン接種の予定では
まずはエッセンシャルワーカーである
医療に従事されている方、介護に従事されている方
加えて、
65歳以上の高齢の方に優先的に接種するとされています。
予定では来月2月の下旬ごろです。
仮にワクチンの接種が受け入れられて
3000万人の高齢の方が接種されたとした場合、
その安全性について評価していく事になります。
今までの第3相のワクチンの治験では
数万人規模のデータですから
その約1000倍の規模での接種となります。
一方で年間に日本で命を落とされる方は
138万人いるといわれています。
それを1日365日で割ると約3780人の方が1日に
亡くなられるということになります。
そうするとワクチンを接種して1週間くらいのうちに
偶然亡くなられる方は1万人以上はいるわけですから、
その時に「ワクチンの影響である」ということが
世の中に流れると非常によくないことになります。
そこでワクチン禁止運動やためらい(躊躇)が生まれます。
それで接種率が下がると集団免疫を獲得できなくなり、
社会活動に大きな遅れが生じます。
経済アナリストの方々も
2021年の日本経済の行方は世界の動向も含めて
「ワクチン次第である」という見方をしています。
一方で、
「過度な期待は禁物で引き続き感染対策は必要である。」
という見方もありますが、
その感染対策の程度が下げられて
・ためらいなく飲食店にいける、観光できる
・飛行機や公共交通機関で移動できる
これらのようになることが好ましいです。
従って、
ワクチン接種翌日に亡くなられたケースがある場合には
「ワクチンとの因果関係を慎重に判断しなければなりません。」
事実が明らかになる前に
報道が先走らないようにしていただく必要があります。
尾身会長もワクチン接種に際しては
「細かなコミュニケーションが大切です。」
と言われています。
しっかり透明性のある情報を出して
ワクチンに対するエビデンスベースの科学的な
正しい理解が大切になります。
その中で「わかりやすい情報を提供する」
という事も大切になります。
ただ、「ゼロリスクはない」という事が大切です。
例えば、
日本全員がある特定の食材を食べるとします。
口にするものですから、みんな安全だと思います。
果たしてそうでしょうか?
数百万人に1人はアレルギー、アナフィラキシーが
あるかもしれません。
食品でもそういうことがあります。
ワクチンの成分で特定の方に対して
リスクがある成分はわかっていますから
その中でしっかり接種者を振り分けすれば、
そのリスクは下げられます。
ただ、ゼロリスクはありません。
また軽いものでは「微熱」などが生じる人もいます。
あるいは患部の痛みなどもあります。
しかし、それによって手に入れられる安全もあります。
日本の歴史作家の塩野七生さんは
「日本は100%を求めすぎる。」
ということを言われていました。
イタリアのベネチアに住んでいる方で
世界の歴史的な背景に詳しいですから
外部から見た時の日本の印象だと思われます。
今の状況では
医療、一部の経済も崩壊寸前です。
このような状況の中で何をとってもリスクがあるわけです。
緊急事態宣言をすれば、
それに該当する飲食店の方にさらに大きなリスクが生じます。
一方で経済を開放すれば、
今度は医療が一気に崩壊してしまいます。
病院で治療を受けられない人が出てきます。
そういった中で「何を取るのか?」という事になります。
私は色んな均衡状態を考えた時には
「ワクチンの早期接種が一番リスクが低い」
と「今の状況では」考えています。
なぜなら治療薬もないからです。
従って、先日も記事にしましたが、
そのうえで
-
・ワクチンをより安全に運用する。
・速く多くの人がきるように流通を整える。
※1日の短縮は経済に大きな正のインパクトがあります。
・専門家の方と国民がしっかりコミュニケーションする。
※私自身も様々な情報を届けます。
・情報の透明性をしっかり上げる。
※良い情報と良くない情報を正確に届けます。
それによって信頼が生まれます。
-
これらのような事が大切になります。
今、ワクチンの躊躇について考えることは非常に重要です。
それに関してイギリス、アイルランドでの
アンケートに基づくワクチン接種の調査が
Jamie Murphy氏ら研究グループによって報告されています(1)。
その内容について紹介して
読者の方と情報共有したいと思います。
(※)
=====の⇒は私の追記、考察です
アイルランド1041人、イギリス2025人の調査。
2020年3月末のデータです。
従って、感染初期の状況なので
今とは異なる可能性があります。
現在は、イギリスではアストラゼネカ社(さん)
あるいはファイザー社(さん)、ビオンテック社(さん)
のワクチンが治験第3相をクリアして承認されているので
許容する人の割合が上がっている可能性が考えられます。
//統計結果//ーーーーーーーー
<新型コロナウィルスワクチン接種について>
(イングランド)
許容できる:69.2% (Accepting)
ためらい、迷い:24.9% (Hesitant)
拒否する:5.9% (Resistant)
---
(ウェールズ)
許容できる:70.7% (Accepting)
ためらい、迷い:24.1% (Hesitant)
拒否する:5.2% (Resistant)
---
(スコットランド)
許容できる:71.3% (Accepting)
ためらい、迷い:22% (Hesitant)
拒否する:6.7% (Resistant)
---
(北アイルランド)
許容できる:51.2% (Accepting)
ためらい、迷い:32.6% (Hesitant)
拒否する:16.3% (Resistant)
---
(アイルランド)
許容できる:64.9% (Accepting)
ためらい、迷い:25.6% (Hesitant)
拒否する:9.5% (Resistant)
---
(参考文献(1) Fig.1より)
-----
(日本)
すぐに接種したい:10.6%
いずれ接種したい:62.8% (一定のためらいがある)
接種したくない:26.6%
(日本トレンドリサーチ1000名:12月9日時点)
----
(参考データ)
インフルエンザワクチン接種率(2017年:65歳以上)
日本:50%
イギリス:72.6%
(OECD Health at a glance 2019)
-----
⇒
ワクチンに対する受容性はイギリスのほうが高い。
新型コロナウィルスワクチンに対しては
受容的である人は差はイギリス、アイルランド>>日本となり
イギリス、アイルランドの方が高い。
もし、この結果が今もある程度維持されているとするならば、
新しいワクチンに対する不安の感じ方の違いと
新型コロナウィルスの社会的状況の差もあると考えられます。
イギリスでは1日数万人の新規感染者であり、
日本は数千人なので1/10程度。
イギリスの人口はおおよそ日本の1/2なので
感染率は日本の方が1/20程度となります。
-
このことから政府や諮問機関の方々
私も含めてかなり良いコミュニケーションを取らないと
集団免疫が獲得できる60~80%にならない
と考えられます。
情報の透明性が求められる中で
良い情報と良くない情報を正確に素早く伝えて
国民からの信頼を得る事が大切になります。
-----
<任意集団別傾向>
(アイルランド)
・接種ためらい:女性>男性
・接種ためらい、拒絶:35~44歳が多い
・接種拒絶:都市在住>地方
---
(イギリス)
・接種ためらい:女性>男性
・接種拒絶:若い層>中年層>65歳以上
・接種拒絶:妊娠女性
---
⇒
女性、若年層が接種に対して肯定的、積極ではない
傾向にあるのは、新型コロナウィルスに罹患した時の
リスクに関係しているかもしれません。
女性、若い人は軽症が多いという事。
-
日本でも同じ傾向があるかもしれません。
若い人に接種してもらうためには
接種することによる利点を適切に伝える必要があります。
日本が集団免疫を獲得することで
--
・生活の自由が生まれやすくなる
・経済が回復するので収入が得やすくなる
--
このような金銭面的、娯楽的な利点があることを
上手く伝えていく必要があります。
-----
<どの情報ソースを信用するか?>
(アイルランド)※参考文献(1) Fig.2
#ワクチン接種積極的なグループ#
新聞、テレビ、ラジオ、政府
---
#ワクチン接種否定的なグループ#
インターネット、ソーシャルメディア、家族や友人
---
(イギリス)※参考文献(1) Fig.3
#ワクチン接種積極的なグループ#
新聞、テレビ、ラジオ、かかりつけ医、専門家、
政府、家族や友人
---
#ワクチン接種否定的なグループ#
インターネット、ソーシャルメディア
------
⇒
積極的な高齢の方の情報源が新聞、テレビ、ラジオだから
という事が考えられます。
逆に消極的な若い層の情報源が
インターネット、ソーシャルメディアということになります。
従って、情報源の違いは
年齢層とリンクしている可能性があります。
-
イギリスに関しては基本的には
新型コロナウィルスの情報取得に積極的な人が
ワクチンに対して積極的であると考えることができそうです。
イギリスの国内の状況が厳しいですから
そのような国全体の報道によって
ワクチンに対して積極的になる可能性があります。
-----
//追記//ーーーーーーーー
参考文献(1)の中で言われている事は
ワクチンに対する「ためらい」「拒絶性」を緩和させるためには
国民(特に若い人)に伝えるメッセージとして
「鮮明である」
「直接的である」
「繰り返す」
「ワクチンのメリットをしっかり伝える」
これらが大切であるということです。
-----
⇒
しかし、身体の健康に関わる事ですから
ワクチンの中には一定の副反応があるという
良くない情報も伝える必要があります。
そこを隠そうとすると不信感につながります。
新型コロナウィルス感染という
医療的な問題だけではなく、
経済、生活に関わる事まで
幅広くワクチン接種のメリットを伝える事が大事です。
すなわち
「大学生はアルバイト先が増える」
「リモートワークなどの仕事の制約が減る」
「会食も可能になる」
「旅行や娯楽も満喫できる」
「企業の業績も戻るから雇用も生まれる」
、、、、、
もちろん「すぐには」難しいですが、
ワクチンの接種によってウィルスの社会的脅威が小さくなれば
通常の生活に「近づいてはいきます」。
どれだけ早く日常に戻るかは
みなさんがどれだけワクチンに対して
積極的になるかにかかっている部分もあります。
なぜなら若い人の中で感染が続けば、
ウィルスは日本や世界に残るからです。
ワクチンを接種しても罹る人はいますが
その数は少なく、症状も軽いです。
-----
以上です。
(参考文献)
(1)
Jamie Murphy, Frédérique Vallières, Richard P. Bentall, Mark Shevlin, Orla McBride, Todd K. Hartman, Ryan McKay, Kate Bennett, Liam Mason, Jilly Gibson-Miller, Liat Levita, Anton P. Martinez, Thomas V. A. Stocks, Thanos Karatzias & Philip Hyland
Psychological characteristics associated with COVID-19 vaccine hesitancy and resistance in Ireland and the United Kingdom
Nature Communications volume 12, Article number: 29 (2021)
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