いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
昨日、日本の東京医療センターで
最初の新型コロナウィルスワクチン接種が行われました。
海外のデータ通り、大きな問題がなければ
順次、ワクチンの接種が進んでいくものと思われます。
しかし、実際に一般の人に接種が始まり
イスラエルなどで確認されている感染抑制までは
しばらく時間がかかるものと思われます。
従って、基本的な感染対策は欠かせないと考えられます。
ワクチンの接種が始まれば、
段階的にウィルスに対する脅威は下がってくる
と考えられます。
治療薬の開発、基本的な感染対策が加われば、
ワクチンと合わせて社会的脅威はかなり下がります。
そうなってくると社会経済活動を活性化させる
施策も打たれると思います。
しかし、感染のリスクが高い
イベントや大人数の食事などの参加を逡巡する人は
これまでよりも顕著に多いと思います。
心理的な面も含めて、日常に戻るためには、
重ねて対策できる項目が多いほうがいいです。
例えば、
大人数が集まるイベントなどに参加するときにだけ
予防的に点鼻できる感染抑制効果がある薬があれば、
安心感は大きく上がります。
そうするとそのイベントも心から楽しむことができます。
ーーーーーーーー
Rory D. de Vries, Katharina S. Schmitz, Francesca T. Bovier
(敬称略)ら、オランダ、アメリカ、イタリアの
国際的な医療研究グループは
点鼻でリポペプチドを投薬することで
「フェレットで(※人ではない)」
新型コロナウィルス感染を
予防的に抑制できる事を示されています(1)。
ーーーーーーーー
//重要な結果//ーーーーーー
ウィルスと細胞の膜の融合を防ぎ、
ウィルス細胞感染を防ぐことができる
HRCペプチドを「毎日(daily)」経鼻投与することで
フェレットからフェレットの感染を
顕著に抑制する事が出来ています。
このHRCペプチドにコレステロールを結合させ
複合体とすることでその効果が高まります。
従って、人でも同じ効果が得られれば
予防的な点鼻薬として使用できる可能性があります。
ーーーーーー
//HRCペプチドに関して//ーーーーーー
新型コロナウィルスのSタンパク質のC終端面に
結合する7個の繰り返し構造を持つたんぱく質で
新型コロナウィルスに対して効果がある事が知られています(2-6)。
--
(作用機序)
細胞表面にアンカーされたHRCペプチドは
新型コロナウィルスの細胞膜との融合時に働く
S2ドメインに対して「まとわりつくように」結合して
膜融合のプロセスを停止させます。
(参考文献(1) Supplementary Materials Fig.2Sより)
--
(薬剤輸送)
脂質と複合体を作るペプチドが経鼻投薬された時
「動物のケース」では高濃度、上下気道に
輸送されています。
また肺から血液、他の臓器まで輸送されるように
設計されています(7,8)。
ーーーーーー
//HRCペプチドの薬効について//ーーーーーー
コレステロールと複合体とすることで
ウィルスと細胞の膜融合の割合の感度を
上げる事ができます。低濃度で高い抑制率となっています。
(参考文献(1) Fig.1C,Dより)
--
変異ウィルス
D614G(流行初期に起こった変異)
B.1.1.7(イギリス流行株)
B.1.351(南アフリカ流行株)
これらに対しても同程度の効果があります。
若干、イギリス株は低い。
SARS-C0V-1、MARSにも一定の効果があります。
(参考文献(1) Fig.1Eより)
ーーーーーーー
//副作用について//ーーーーーー
50%の膜融合を防ぐ濃度(35nM)においても
細胞に対する毒性がないことが示されています。
ただし、生体外の評価。
(参考文献(1) Supplementary Materials Fig.5Sより)
ーーーーーー
//HRCペプチドの感染予防効果//ーーーーーー
密閉空間に新型コロナウィルスに感染した
フェレットを入れ、
HRCペプチドを毎日点鼻投与したフェレットを
入れて経過観察したところ
遺伝子検査によって21日間ほとんど上昇が見られなかった。
一部、3日後にわずかな上昇がみられる。
しかし、偽薬のフェレットのほとんどは
遺伝子検査により感染が確認されました。
(参考文献(1) Fig.4Aより)
※水性緩衝液(Aqueous buffer)として
DMSOが使用されています。
ーーーーーー
以上です。
(参考文献)
(1)
Rory D. de Vries, Katharina S. Schmitz, Francesca T. Bovier, Camilla Predella, Jonathan Khao, Danny Noack, Bart L. Haagmans, Sander Herfst, Kyle N. Stearns, Jennifer Drew-Bear, Sudipta Biswas, Barry Rockx, Gaël McGill, N. Valerio Dorrello, Samuel H. Gellman, Christopher A. Alabi, Rik L. de Swart, Anne Moscona, Matteo Porotto
Intranasal fusion inhibitory lipopeptide prevents direct-contact SARS-CoV-2 transmission in ferrets
Science 17 Feb 2021: eabf4896
DOI: 10.1126/science.abf4896
(2)
V. K. Outlaw, F. T. Bovier, M. C. Mears, M. N. Cajimat, Y. Zhu, M. J. Lin, A. Addetia, N. A. P. Lieberman, V. Peddu, X. Xie, P.-Y. Shi, A. L. Greninger, S. H. Gellman, D. A. Bente, A. Moscona, M. Porotto,
Inhibition of coronavirus entry in vitro and ex vivo by a lipid-conjugated peptide derived from the SARS-CoV-2 spike glycoprotein HRC domain.
mBio 11, e01935-20 (2020).
doi:10.1128/mBio.01935-20 Medline
(3)
S. Xia, L. Yan, W. Xu, A. S. Agrawal, A. Algaissi, C. K. Tseng, Q. Wang, L. Du, W. Tan, I. A. Wilson, S. Jiang, B. Yang, L. Lu,
A pan-coronavirus fusion inhibitor targeting the HR1 domain of human coronavirus spike.
Sci. Adv. 5, eaav4580 (2019).
doi:10.1126/sciadv.aav4580 Medline
(4)
S. Xia, M. Liu, C. Wang, W. Xu, Q. Lan, S. Feng, F. Qi, L. Bao, L. Du, S. Liu, C. Qin, F. Sun, Z. Shi, Y. Zhu, S. Jiang, L. Lu,
Inhibition of SARS-CoV-2 (previously 2019-nCoV) infection by a highly potent pan-coronavirus fusion inhibitor targeting its spike protein that harbors a high capacity to mediate membrane fusion.
Cell Res. 30, 343–355 (2020).
doi:10.1038/s41422-020-0305-x Medline
(5)
Y. Zhu, D. Yu, H. Yan, H. Chong, Y. He,
Design of potent membrane fusion inhibitors against SARS-CoV-2, an emerging coronavirus with high fusogenic activity.
J. Virol. 94, e00635-20 (2020).
doi:10.1128/JVI.00635-20 Medline
(6)
X. Wang, S. Xia, Q. Wang, W. Xu, W. Li, L. Lu, S. Jiang,
Broad-spectrum coronavirus fusion inhibitors to combat COVID-19 and other emerging coronavirus diseases.
Int. J. Mol. Sci. 21, 3843 (2020).
doi:10.3390/ijms21113843 Medline
(7)
M. Porotto, B. Rockx, C. C. Yokoyama, A. Talekar, I. Devito, L. M. Palermo, J. Liu, R. Cortese, M. Lu, H. Feldmann, A. Pessi, A. Moscona,
Inhibition of Nipah virus infection in vivo: Targeting an early stage of paramyxovirus fusion activation during viral entry.
PLOS Pathog. 6, e1001168 (2010).
doi:10.1371/journal.ppat.1001168 Medline
(8)
T. N. Figueira, L. M. Palermo, A. S. Veiga, D. Huey, C. A. Alabi, N. C. Santos, J. C. Welsch, C. Mathieu, B. Horvat, S. Niewiesk, A. Moscona, M. A. R. B. Castanho, M. Porotto,
In vivo efficacy of measles virus fusion protein-derived peptides is modulated by the properties of self-assembly and membrane residence.
J. Virol. 91, e01554-16 (2016).
doi:10.1128/JVI.01554-16 Medline
登録:
コメントの投稿 (Atom)

0 コメント:
コメントを投稿