いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
新型コロナウィルスで
子供の重症化が顕著に少ないことは不幸中の幸いです。
もし、子供のリスクが大人よりも高かったら、
社会の人々の意識、各国政府の危機意識のレベルは
桁違いに高くなったと考えられます。
今後、ウィルス性の感染症で子供のリスクが高いものが
出ないとは確実にはいえないので、
これを機に感染症に対しての医療を含めた社会の強靭性は
高めていく必要があると考えています。
筆者としてもできる事を探っていきます。
いずれにしても
「子供の命は優先的に救いたい。」
このように考える方は多いと思います。
子供が生まれた時から持つ先天的な疾患というのは
色々あると思いますが、
代表的なものとして「ダウン症候群」があります。
初めの細胞融合の段階で減数分裂するときに
誤って21番の染色体が3つ(トリソミー)になることが
根本的な病因とされています。
身体がふっくらした感じになるのは
染色体が多くある事で細胞内でのタンパク質の形成などの
状態が改変されているからだろうと考えています。
ある医療の専門家の方の意見では
何兆個もある細胞からすべて21番の染色体の一つを取り除く
あるいは1つの機能をオフさせる(??筆者の一つの見方)ことは
非現実であるとされていました。
従って、余分なたんぱく質を制御するような薬のほうが
現実的だろうとされていました。
しかし、どちらにしても全身に対して介入が必要なので
結局はどちらも非常に困難ではないか?
と筆者は現時点では考えています。
それならば余分な染色体に介入する根治を目指したほうが
成功した時に得られるベネフィットは大きなものになる
と考えている部分があります。
同じように先天性の遺伝子性疾患である
デュシェンヌ型筋ジストロフィーに関しても
骨格筋など身体の骨を支える大部分の
筋細胞の遺伝子の改変(ex.DMD exons 45–55)
が起こることが原因とされています(1)。
例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは
生まれてから2,3年で有症になり
10-12年で車いすになり
寿命は20~40年と言われています(2)。
これらの疾患の根治が難しい理由は
基本的には
・患部が大きい、広範囲である
これが潜在的にあると思っています。
逆に機会なのは
・医療介入できる期間が潜在的に長い。
・進行が比較的遅い。
これがあると思っています。
例えば、同じような範囲、癌、腫瘍組織になったら
おそらく数日で命を落とすのではないか?
このように思います。
下手したら数時間かもしれません。
従って
進行性の癌の場合は、時間が残されていないため
強い医療介入を行う必要があります。
しかしながら
ダウン症候群にしても
デュシェンヌ型筋ジストロフィーにしても
医療介入できる期間は数十年ありますし、
子供なので細胞の状態も基本的にはいいので
その利点を生かして
なんとか根治出来ないか?
現時点ではそのような考えを持っています。
イメージとしては
結晶が核形成してやがて成長して広がっていくように
核となる患者さん自身の正常な細胞や組織を作って
それを「ゆっくり」全身に広げていく感じです。
例えば、組織に一部存在する多能性分化能を持つ幹細胞の
特異的マーカー(受容体)を認識して、
その幹細胞が持つ遺伝子異常をCrisper-Cas9などで
正常な遺伝子に改変することです。
あるいは、トリソミーとなっている21番の染色体が
2倍体(の機能)になるような薬剤の介入を行う事です。
その幹細胞は定期的に入れ替わる組織の細胞の再生に関わりますから
時間の経過とともにその幹細胞が大元で正常に変われば、
段階的に組織が正常になっていくか?ということです。
この構想を実現するためには
特定の組織だけではなく、ダウン症候群であれば
身体の全ての組織の再生の機序を理解する必要があります。
その理解の為、人の組織(の一部)を作製したり(オルガノイド)、
マウスの体内に人由来の組織を遺伝子改変で成長させた
することで治験に繋がる基礎研究を進めていきます。
マウスは寿命が短く、組織の回転率が人よりも顕著に早ければ
人の治験ではより長期的な効果確認が必要になります。
その際には医師の方が臨床症状をこまめにチェックしながら
副作用、回復について基礎研究と同じように実現されているか
モニターしていくことなどを仮に想定しています。
そういう視点を持ちながら
根治が現状では難しいこれら疾患に対して
糸口を見つけられたらと思っているところです。
以上です。
(参考文献)
(1)
Dongsheng Duan, Nathalie Goemans, Shin’ichi Takeda, Eugenio Mercuri & Annemieke Aartsma-Rus
Duchenne muscular dystrophy
Nature Reviews Disease Primers volume 7, Article number: 13 (2021)
(2)
Mercuri, E., Bonnemann, C. G. & Muntoni, F.
Muscular dystrophies.
Lancet 394, 2025–2038 (2019).
登録:
コメントの投稿 (Atom)

0 コメント:
コメントを投稿