いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
今、イギリスや南アフリカなどで
主に発生している変異株があります。
マイナーな変異も含めて新型コロナウィルスが
どのように進化していくのかというデータは世界で
リアルタイムに共有されていると伺っています。
メディアで日本でも慶応大学でそのモニターが一室に
用意されている様子がありました。
アメリカ合衆国のボストンでもどのように
ウィルスが広がったか、その変異がどうであるか
などが調べられていますが、
一つの大きな要因としては国際ビジネス会議がある
と考えられています。
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参考文献(2)
Spread of SARS-CoV-2 at an international business conference
より
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日本でも西村内閣府特命担当大臣は
「久しぶりに会う人との会食を避けてほしい。」
このように言われていました。
これは大学でネットワーク理論を研究されている専門家の方が
コミュニティーを限定して、閉じる事が
感染抑制のため有効であると考えられているからです。
従って、現地での国際会議がリスクとなることは
論理根拠が少なくとも一定割合示されると考えられます。
ゆえに東京五輪が開催されるときには
参加者の強固な水際対策などが求められます。
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ウィルスの発展にはもう一つの懸念があります。
進化においては環境に適応できるものが結果的に存在する
という考え方があると思っています。
単純なグラフ理論で考えると
簡単に消滅してしまうウィルス株はそこで終端し
存在できなくなるからです。
逆に、様々な治療が行われる中でも変異によって
長く存在できるウィルス株は増殖を繰り返し、
やがてそれが支配的になります。
ただ、複雑なのがウィルスの場合は細胞内でしか
数を増やせないので細胞そのものが死滅してしまうと
そこで強いウィルス株も消滅するので
逆にウィルスの毒性は感染が広がれば下がる
という一側面の見方もあります。
ただ、毒性と感染性は必ずしも一致しないので
両者を分けて考える必要があります。
一方、
細菌でも「Microbial resistane(抗微生物薬耐性)」
これがある事は広く知られていることです。
つまり薬の効力が下がっていくことです。
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実際には人の免疫機能も記憶性によって
親和性成熟が起こり、交差反応性が高まっていく
ということは考えられます。
従って、ウィルスの抵抗性と
人の身体の抵抗性のせめぎあいになる部分があると思っています。
ウィルスの勢力を下げていくためには
人の免疫とウィルスの抵抗性の闘いの中で
ワクチンや薬剤など
人智を結集する必要があると考えています。
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Steven A. Kemp, Dami A. Collier, Rawlings P. Datir(敬称略)
ら、からなる
イギリス、オランダ、メキシコ、アメリカ、南アフリカ
の医療研究グループは
治療の中でのウィルスの変異の進化について報告しています(1)。
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//重要な結果まとめ//ーーーーー
人に対して新型コロナウィルスの治療を行う中で
101日間までのウィルス株の変異について調べています。
その中で
「抗ウィルス薬レムデシビル」
これのウィルス変異の効果は小さい一方で
「回復者血漿療法」
による抗体による治療においては
その後、ウィルスの変異を生みやすいとされています。
(参考文献(1) Fig.3Aより)
実際に確認された変異はΔH69/ΔV70、D796Hで
これらは抗体の中和能を下げる効果がありました。
(参考文献(1) Extended Data Fig.7より)
感染力に関しては
ΔH69/ΔV70は強まり、D796Hについては大きく弱まっています。
(参考文献(1) Fig.4Bより)
従って、抗体の効き目は悪くなっても
それが感染力を上げる事には必ずしもつながりません。
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//筆者の追記、考察//ーーーーー
抗体による治療におけるウィルスの変異の頻度が大きいことは
ワクチンに対する新型コロナウィルスの変異の頻度が
高いかもしれないことを暗示するものかもしれません。
なぜならワクチンも抗体による予防だからです。
ただし、ワクチンの場合は
体内においてはウィルス株が増える前に
作用してくれると考えられるため
そこでのウィルス変異の頻度は
回復者血漿療法に比べて低い可能性があります。
しかし、
世界的に広がっている新型コロナウィルスに対して
大規模なワクチン接種を行っていった時の
社会、人の中でのウィルス株の変異の進化がどのように変わるか?
現在の延長線上で注意深く監視していく必要があります。
ーーーーー
以上です。
(参考文献)
(1)
Steven A. Kemp, Dami A. Collier, Rawlings P. Datir, Isabella A. T. M. Ferreira, Salma Gayed, Aminu Jahun, Myra Hosmillo, Chloe Rees-Spear, Petra Mlcochova, Ines Ushiro Lumb, David J. Roberts, Anita Chandra, Nigel Temperton, The CITIID-NIHR BioResource COVID-19 Collaboration, The COVID-19 Genomics UK (COG-UK) Consortium, Katherine Sharrocks, Elizabeth Blane, Yorgo Modis, Kendra Leigh, John Briggs, Marit van Gils, Kenneth G. C. Smith, John R. Bradley, Chris Smith, Rainer Doffinger, Lourdes Ceron-Gutierrez, Gabriela Barcenas-Morales, David D. Pollock, Richard A. Goldstein, Anna Smielewska, Jordan P. Skittrall, Theodore Gouliouris, Ian G. Goodfellow, Effrossyni Gkrania-Klotsas, Christopher J. R. Illingworth, Laura E. McCoy & Ravindra K. Gupta
SARS-CoV-2 evolution during treatment of chronic infection
Nature (2021)
https://doi.org/10.1038/s41586-021-03291-y
(2)
Jacob E. Lemieux, Katherine J. Siddle, Bennett M. Shaw, Christine Loreth, Stephen F. Schaffner, Adrianne Gladden-Young, Gordon Adams, Timelia Fink, Christopher H. Tomkins-Tinch, Lydia A. Krasilnikova, Katherine C. DeRuff, Melissa Rudy, Matthew R. Bauer, Kim A. Lagerborg, Erica Normandin, Sinéad B. Chapman, Steven K. Reilly, Melis N. Anahtar, Aaron E. Lin, Amber Carter, Cameron Myhrvold, Molly E. Kemball, Sushma Chaluvadi, Caroline Cusick, Katelyn Flowers, Anna Neumann, Felecia Cerrato, Maha Farhat, Damien Slater, Jason B. Harris, John A. Branda, David Hooper, Jessie M. Gaeta, Travis P. Baggett, James O ’ Connell, Andreas Gnirke, Tami D. Lieberman, Anthony Philippakis, Meagan Burns, Catherine M. Brown, Jeremy Luban, Edward T. Ryan, Sarah E. Turbett, Regina C. LaRocque, William P. Hanage, Glen R. Gallagher, Lawrence C. Madoff, Sandra Smole, Virginia M. Pierce, Eric Rosenberg, Pardis C. Sabeti, Daniel J. Park, Bronwyn L. MacInnis
Phylogenetic analysis of SARS-CoV-2 in Boston highlights the impact of superspreading events
Science 05 Feb 2021: Vol. 371, Issue 6529, eabe3261
DOI: 10.1126/science.abe3261
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