2021年2月28日日曜日 0 コメント

西洋医学と東洋医学の架橋について考える

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

2月27日に日本で放送された
NHK総合テレビの
「東洋医学 ホントのチカラ「今こそ元気に!健康長寿SP」」
を拝観しています。
紹介されている内容は
・漢方薬
・ツボ(指圧、鍼灸)
・マインドフルネス
・太極拳
・皮膚刺激(マッサージなど)
これらです。
漢方薬は異なりますが、
この東洋医学のアプローチを西洋医学的な観点で見ていました。
例えば、
鍼をつぼに打って刺激するときには
その信号が末梢神経から中枢神経に伝達され
神経系が整うといった研究成果が挙げられていました。
身体の各組織には神経内分泌細胞というのがありますから
ツボの鍼灸、マッサージなどを通じて
これらの細胞が「機械的な力、刺激」を受けた時に
神経系に何らかの信号が伝わる可能性を考えました。
手段は東洋医学ですが
このような考察は西洋医学的なアプローチです。
そうした場合、
細胞、その集まりである組織が
機械的なストレス、力を受けた時に
どのような機能改変があるか?
このことに非常に興味を持ちました。
他にも
太極拳をすると呼吸が深くなるといいます。
呼吸が浅い状態と深い状態で何が違うか?
その一つは肺や周りの筋肉などの「体積変化量」です。
つまり、深い呼吸では
ゆっくり大きく動くということです。
これは言い換えれば
組織として大きく動くという事ですから
細胞レベルでみれば機械的な力が大きくなっている
と考える事も出来ます。
もちろん
限界を超えると細胞膜は破れてしまい
損傷する恐れがありますが、
適度に全身の細胞に機械的なストレスを与えて
神経系を始め、神経細胞以外を刺激することで
具体的にどのような変化があるか?
それはマクロスコピック、巨視的に
血流や脳の信号などの結果を分析するのではなく
細胞レベルで形を変えた時に
細胞間、表面、内部の信号がどのように改変されるか
強化されるか、抑制されるか?
ここを考える事は
分析としては西洋医学的なアプローチです。

そうすると東洋医学で歴史的に良いと考えられていることが
世界で鋭意研究が幅広く進められている
西洋医学の概念と架橋する事になります。

西洋医学が細胞レベルの信号の改変を行い
組織特異的に治療していくとすれば、
東洋医学はもっと巨視的なアプローチで
身体の部位ごとに治療していくイメージを持っています。
それらを併用することで
良い臨床効果を示すこともあると思いますので
それぞれ根底にある生物学、生理学を理解することで
世界的に積極的に考えられる
一つの駆動力になる可能性があります。
私は「細胞の一時的な可逆性のある変形」
に興味があります。
すでにそのような変形を伴う細胞の代表は筋細胞であり、
運動と神経系の関わりというのは多くの研究があります。

以上です。


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後遺症(Long-COVID)について

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

新型コロナウィルスが日本で流行した初期、昨年の3月ごろから
いち早く新型コロナウィルスの後遺症の診療を行ってきた
東京都渋谷区のヒラハタクリニックの平畑医師が
新型コロナウィルスの後遺症に関する声明を出しています。
------
(症状、診断)
・感染後、2週間以上身体の異常が続く
・一番多い症状は倦怠感
倦怠感の症例
・お風呂に入るだけでも1日寝込んでしまう
・ドライヤーを持つことができない
・歯ブラシを持って歯を磨くことが体力的に苦痛
------
(傾向)
・女性のほうが男性よりも1.4倍多い
・罹患時の症状の重さに関連がない。軽症でも出る。
・幅広い年齢層に見られ、10代、20代の少なくない
具体例
・10代の学生さんで運動部で飛び跳ねていたような人が
感染後、突然動けなくなってしまう。
ずっと寝ていないと辛い状態で、学校活動にも支障が出る。
トイレに行く事にも障害がある。
------
(症例:多いもの)
※複数回答、患者1062人の統計 
カッコ内のパーセントは後遺症で来院した人の中での割合
・倦怠感(94%)
・気分の落ち込み(86.2%)
・思考力の低下(82.4%)
・頭痛(79.5%)
・身体の痛み(74.2%)
・動機(71.1%)
・不眠(71.1%)
・食欲不振(61.8%)
・味覚障害(48.4%)
・脱毛(47.4%
・味覚障害(42.1%)
------
(倦怠感の原因)
・脳脊髄炎/慢性疲労症候群
(※この疾患について下記に詳細を記載)
------
(気を付ける事)
・強い運動をすると急に悪くなることがある
・症状を示すレベルまで無理に動かない事
従って、軽症の方は特に
重症の方が行うようなリハビリは適さない
と考えられています。

//脳脊髄炎(CFS)/慢性疲労症候群(ME)//ーーーーーー
通称
Chronic fatigue syndrome (CFS)
Myalgic encephalomyelitis (ME)
これらの疾患は共通のものとして扱われます。
--
倦怠感などの複雑な臨床症状を長期間示します。
その症状は広範です
まっすぐに立つ、座るのが難しい。
認知機能の低下。
慢性的な痛みが共通(1,2)。
共通の診断テストは定まっていない(3)。
時間の経過とともに回復するかもしれないが
長期間で重篤に影響を受け、身体障害が残ることもあります。
承認された共通の治療法はありません。
CDCは治療の指針として
心理的、身体的活動を症状が悪くなることを避けるように
それらの活動をしっかり制御する事を推奨しちえます(4)。
これは平畑医師の声明と一致するものです。

(疫学)
男性よりも女性のほうが1.5~2倍多い(5)。
最も多い年齢層は40~60歳(6)。
しかし、子供も含めて他の年齢でも生じる(7)。

(診断の推奨される評価基準)(2)
・活動能力が以前と比べて顕著に低下。
・倦怠感を伴う活動レベルの低下が6か月以上続く。
・再発がある
・睡眠障害。睡眠後の疲れ。日中の眠気
・思考力、記憶力の低下(認知機能の低下)
・立ちくらみ、めまい、衰弱、視力の低下、失神
--
(他の共通の症状)(2)
・筋肉痛、関節痛(腫れ、赤みがない)、頭痛
・リンパ節(首、脇の下)の圧痛
・咽頭炎
・過敏性腸症候群(下痢、便秘)
・寒気、夜間時の発汗
・食物、匂い、化学物質、光、音などのアレルギー、感受性
・息切れ
・不安定な心拍数
--
(原因)
まだはっきりをはわかっていない。
生物学的な病気であると考えられていますが、
診断にとって十分有益な感受性が高い、特異性のある
生物学的な異常(バイオマーカー、サイン)などは
特定されています(8)。
新型コロナウィルスのような感染症が原因となりうる
ことが指摘されています。
しかし、一般的な慢性疲労症候群においては
感染症との因果関係を明示するのに十分な証拠はありません(9,10)。
--
(リスク因子)
・全ての年齢、人種、収入群がリスクがあります。
・女性のほうがリスクが高い
・最も頻度が高い年齢は40~60歳(6)
-
・心理的ストレス・トラウマ・完全主義・高齢
・低教育レベル・体力の低下(運動、栄養不足)
・精神疾患・アレルギー
これらはリスク因子の可能性があります。
-
・ストレス関連の本能的な反応との相関(11,12)。
従って、
心の状態と関連がある可能性があります。
WHOによれば神経学的な疾患であると
ICD-11の中で分類されています(13)。
CDCによれば生物学的な疾患であるとされているので
脳の神経組織に何らかの病変が見られる
可能性があります。
--
(生理と治療戦略)
<神経学的な視点>
・前頭葉、脳幹での代謝が減り、血流が減少します。
(しかし、サンプル数はまだ少ない)(15)
・WHOは慢性疲労症候群は中枢神経系の疾患であるとしています(14)。
-
<免疫学的な視点>
・NK細胞が減少する(16,17)。
・酸化ストレス上昇、抗酸化反応減少(18)
・IL-10、TLR4が上昇(18)
・サイトカイン上昇はATP産生を落とす、運動時の乳酸増える(19,20)。
⇒細胞内の代謝活性が弱まる。それによって
運動に対する耐性が下がっている可能性があります。
従って、脳の代謝の情報も加えて考えると
細胞内の代謝を助ける、活発にするような
治療が有効かもしれません。
しかし、根本は免疫異常にあります。
・Ribonuclease L, IFN、NF-κBの過剰活性(21)。
従って、
血中のこれらのサイトカインのレベルを調べて
例えば、異常があれば、それをアンタゴナイズ(抑制)させる
薬剤は治療として有効である可能性もあります。
・B細胞、自己抗体の活性上昇(25)。
-
自己抗体
・M3、M4ムスカリン性アセチルコリン受容体
・β2アドレナリン性受容体
これらが向上。
ドイツで29%の患者さん(26-28)。
--
<内分泌学的な視点>
hypothalamic-pituitary-adrenal axis (HPA axis) 
この神経系の反応が弱まっている可能性が指摘されています。
従って、薬剤(鍼灸治療なども含めて)
これらの神経系を刺激する事ができるか?
これらの反応が弱まっていることで生じる
臨床症状と一致していれば選択肢の一つとなると考えられます。
しかし、
これらのHPA軸が影響を与えているかどうかは
調査の余地が多く残されています(22-24)。
--
<代謝学的な視点>
細胞のエネルギー産生のミトコンドリアの異常。
⇒免疫機能異常と関連があるかもしれません。
遺伝的、構造的な問題が見られない事から
ミトコンドリア異常は今述べた様に免疫機能の異常によって
ATP産生に影響が出て、それで生じた可能性があります(29)。

//筆者の観点//ーーーーーー
新型コロナウィルスは組織の損傷も含めて
免疫系の異常が見られますから
まずは血液や脳脊髄液から
免疫細胞、サイトカイン、自己抗体などの
バイオマーカーを検出し、異常を見つけ、
その検査結果に合った適切な治療を行うことで
症状をコントロールできる可能性があります。
また、同様に
漢方、鍼灸治療など東洋医学的なアプローチも
検討の余地があると思います。
ーーーーーー

以上です。

(参考文献)
(1)
"Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS) | CDC". 
www.cdc.gov. 2020-04-13. Retrieved 2020-05-20.
(2)
"Symptoms of ME/CFS | Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS) | CDC". 
www.cdc.gov. 2019-11-19. Retrieved 2020-05-20.
(3)
Estévez-López, Fernando; Mudie, Kathleen; Wang-Steverding, Xia; Bakken, Inger Johanne; Ivanovs, Andrejs; Castro-Marrero, Jesús; Nacul, Luis; Alegre, Jose; Zalewski, Paweł; Słomko, Joanna; Strand, Elin Bolle; Pheby, Derek; Shikova, Evelina; Lorusso, Lorenzo; Capelli, Enrica; Sekulic, Slobodan; Scheibenbogen, Carmen; Sepúlveda, Nuno; Murovska, Modra; Lacerda, Eliana (2020-05-21). 
"Systematic Review of the Epidemiological Burden of Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome Across Europe: Current Evidence and EUROMENE Research Recommendations for Epidemiology". 
Journal of Clinical Medicine. MDPI AG. 9 (5): 1557. doi:10.3390/jcm9051557
(4)
"Treatment of ME/CFS | Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS) | CDC". 
www.cdc.gov. 2019-11-19. Retrieved 2020-05-22
(5)
Lim EJ, Ahn YC, Jang ES, Lee SW, Lee SH, Son CG (February 2020). 
"Systematic review and meta-analysis of the prevalence of chronic fatigue syndrome/myalgic encephalomyelitis (CFS/ME)". 
J Transl Med. 18 (1): 100.
(6)
 "Epidemiology | Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS) | CDC". 
www.cdc.gov. 2018-07-12. Retrieved 2020-05-24.
(7)
 "ME/CFS in Children | Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS) | CDC". 
www.cdc.gov. 2019-05-15. Retrieved 2020-05-24.
(8)
Unger ER, Lin JS, Brimmer DJ, Lapp CW, Komaroff AL, Nath A, Laird S, Iskander J (December 2016). 
"CDC Grand Rounds: Chronic Fatigue Syndrome - Advancing Research and Clinical Education". 
MMWR. Morbidity and Mortality Weekly Report. 65 (50–51): 1434–1438. 
(9)
asa S, Nora-Krukle Z, Henning N, Eliassen E, Shikova E, Harrer T, Scheibenbogen C, Murovska M, Prusty BK (October 2018). 
"Chronic viral infections in myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome (ME/CFS)". 
J Transl Med. 16 (1): 268. doi:10.1186/s12967-018-1644-y
(10)
Committee on the Diagnostic Criteria for Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome; Board on the Health of Select Populations; Institute of, Medicine (10 February 2015).
(11)
Van Houdenhove B, Kempke S, Luyten P (June 2010). 
"Psychiatric aspects of chronic fatigue syndrome and fibromyalgia". 
Current Psychiatry Reports. 12 (3): 208–14. doi:10.1007/s11920-010-0105-y. 
(12)
Hempel S, Chambers D, Bagnall AM, Forbes C (July 2008). 
"Risk factors for chronic fatigue syndrome/myalgic encephalomyelitis: a systematic scoping review of multiple predictor studies". 
Psychological Medicine. 38 (7): 915–26. 
(13)
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(14)
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(15)
Maksoud R, du Preez S, Eaton-Fitch N, Thapaliya K, Barnden L, Cabanas H, Staines D, Marshall-Gradisnik S (2020). 
"A systematic review of neurological impairments in myalgic encephalomyelitis/ chronic fatigue syndrome using neuroimaging techniques". 
PLOS ONE. 15 (4): e0232475.
(16)
Lapp, Charles W. (16 February 2016). 
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CDC Public Health Grand Rounds. 
(17)
 "Possible Causes | Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS) | CDC". 
www.cdc.gov. 15 May 2019. Retrieved 20 May 2020.
(18)
Nijs J, Nees A, Paul L, De Kooning M, Ickmans K, Meeus M, Van Oosterwijck J (2014). 
"Altered immune response to exercise in patients with chronic fatigue syndrome/myalgic encephalomyelitis: a systematic literature review". 
Exercise Immunology Review. 20: 94–116. 
(19)
Armstrong, Christopher W.; McGregor, Neil R.; Butt, Henry L.; Gooley, Paul R. (2014). 
Metabolism in Chronic Fatigue Syndrome. 
Advances in Clinical Chemistry. 66. pp. 121–172. 
(20)
 Morris G, Anderson G, Galecki P, Berk M, Maes M (March 2013). 
"A narrative review on the similarities and dissimilarities between myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome (ME/CFS) and sickness behavior". 
BMC Medicine. 11: 64. 
(21)
Meeus M, Mistiaen W, Lambrecht L, Nijs J (November 2009). ]
"Immunological similarities between cancer and chronic fatigue syndrome: the common link to fatigue?". 
Anticancer Research. 29 (11): 4717–26.
(22)
Cho HJ, Skowera A, Cleare A, Wessely S (January 2006). 
"Chronic fatigue syndrome: an update focusing on phenomenology and pathophysiology". 
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(23)
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Nature Reviews. Endocrinology. 8 (1): 22–32. 
(24)
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"Meta-analysis and meta-regression of hypothalamic-pituitary-adrenal axis activity in functional somatic disorders". 
Biological Psychology. 87 (2): 183–94. 
(25)
Morris G, Berk M, Galecki P, Maes M (April 2014). 
"The emerging role of autoimmunity in myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome (ME/cfs)". 
Molecular Neurobiology. 49 (2): 741–56. 
(26)
Loebel, Madlen; Grabowski, Patricia; Heidecke, Harald; Bauer, Sandra; Hanitsch, Leif G.; Wittke, Kirsten; Meisel, Christian; Reinke, Petra; Volk, Hans-Dieter (Feb 2016). 
"Antibodies to β adrenergic and muscarinic cholinergic receptors in patients with Chronic Fatigue Syndrome". 
Brain, Behavior, and Immunity. 52: 32–39. 
(27)
"Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome – Evidence for an autoimmune disease". 
Autoimmunity Reviews. 17 (6): 601–609.
(28)
 "A Unifying Hypothesis of the Pathophysiology of Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS): Recognitions from the finding of autoantibodies against ß2-adrenergic receptors". 
Autoimmunity Reviews. 19 (6). 2020-06-01
(29)
Holden, Sean; Maksoud, Rebekah; Eaton-Fitch, Natalie; Cabanas, Hélène; Staines, Donald; Marshall-Gradisnik, Sonya (2020-02-18). 
"A systematic review of mitochondrial abnormalities in myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome/systemic exertion intolerance disease". 
Journal of Translational Medicine. 18 (1): 290.

2021年2月27日土曜日 0 コメント

GLP1阻害薬による老化細胞の選択除去

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

日本は世界に先駆けて
超高齢化社会と向き合っていく必要があります。
年齢別人口動態は数少ない予測できる未来の指標です。
今の団塊世代の方が10年後には後期高齢になります。
そうした場合、それに応じた社会医療体制が必要になります。
そもそも老化とは何なのか?
その根本的な問いも含めて
産学連携した組織群を核として
老化に関わる疾患のついて考えていく必要があります。
また、介護などの問題もあります。
もし、自分の親がより長く自立した生活の中で
健康的な生活を行うことができ、
その中で人生を全うできたら、
次の世代の方の負担も小さくなります。
従って、老化に関わる生理の理解が進むことは
本人だけではなく、次の世代の方に対しての貢献にもなります。
--
細胞には細胞分裂に関わる染色体の先端に
テロメアと呼ばれる部分があり、
遺伝子的な恒常性を保つため、
それに周期的な切り目があり
段階的に短くなっていくとされています。
そのテロメアの長さによって細胞分裂の回数が決められます。
老化細胞は不可逆的な増殖停止ともよばれ
テロメアの長さとの相関も考えられます。
逆に癌細胞はテロメアーゼ活性があることで
増殖回数に制限がないと考えられています。
癌は老化との関わりの深い疾患ですから
老化細胞の増殖停止と癌細胞の増殖促進の
極性、2色性(dichromatic)がどのように生じるのか?
これも議論になっているところです。
--
細胞の集まりである組織の中で
一元的に細胞の寿命が決まっているのではなくて
ある程度の偏差があると考えられます。
従って、老化細胞を選択的に除去する事ができれば
それらの相対数が組織の中で少なくなるため
あるいは老化細胞の増殖を防ぐことができるため
組織の機能が若返り、向上する事が考えられます。
実際に老化細胞を遺伝子工学的に除去することで
動脈硬化や腎障害などの老年病の発症が有意に遅れ、
健康寿命を延伸する事が示されています。
ーーーーーーーー
Yoshikazu Johmura, Takehiro Yamanaka, Satotaka Omori, 
Teh-Wei Wang, Yuki Sugiura(敬称略)ら
日本(東京、福岡、神奈川、愛知)の医療研究グループは
今まで多様な老化細胞を除去する事が難しかった課題に対して
GLS1阻害剤を投与することで様々な組織、臓器におけて
老化細胞が除去され、「マウスにおいて(人ではない)」
加齢現象が有意に改善されました(1)。
本日は、その内容の一部について
読者の方と情報共有したいと思います。
ーーーーーーーー

純化した老化細胞をレンチウィルスを導入することで
個々のタンパク質の機能を網羅的に調査できるようにして
老化細胞の時系列の評価を行うことで
老化細胞が生存するのに必要なたんぱく質を調べたところ
上述したGLS1(アイソフォームKGA)と正の相関がある
ことが分かりました。
(参考文献(1) Fig.3Aより)
これは老化細胞に多く発現されているタンパク質なので
GLS1の働きを阻害する物質を細胞内に導入したところ
「選択的に」老化細胞を死滅させる事ができた
とされています。
参考文献(1) Fig.1Cによれば
完全な選択性ではなく通常細胞もある程度は
細胞死すると考えられます。
しかし、正常細胞の多くは細胞死せず
そのまま残ることになります。
この選択性はGLS1阻害剤を老化が一部で認められる
組織に到達させることができれば、
正常な細胞を損傷させることなく、
老化細胞だけ特異的に死滅させる事ができるため
組織内の細胞の分布、勢力を変える事ができる可能性があります。

実際に老齢マウスの組織でGLS1阻害剤を使った結果
糸球体硬化、肺の線維化、肝臓の炎症細胞浸潤といった
様々な症状が改善する事が可能であることが
確かめられています。

//筆者の視点//ーーーーーーーー
今回老化細胞においてGLS1との相関がありましたが、
例えば、若い人でも新型コロナウィルスの感染などで
肺や血管などが損傷する事があります。
そのような損傷した細胞に対して
このGLS1との相関はどのようであるか?
という点が気になります。
もし、老化細胞と同様にGLS1が高ければ、
同じアプローチで組織の炎症を改善することができる
可能性があります。
また、今回研究対象とはなっていない
脳ではどのようであるか?
任意に作り出した人の様々な細胞を炎症、老化させたときに
GLS1との相関はどうか?
あるいは同じような分析アプローチで
正常な細胞との特異性が認められるタンパク質があるか?
それが知りたいと思います。
また、実際に老化細胞を組織の中で選択的に死滅させたときに
組織はどのように再構成されるのか?
そのダイナミクス、動的機序も気になります。
あるいは生体内では生成、排出の循環が
間質液等を通じてどのように起こるのか?
これは組織の再生を図るうえで重要な知見であると
筆者は考えています。
参考文献(1) Fig.4Bを見ると細胞間の間質の
状態が変わっていて細胞外マトリックスのタンパク質の
蓄積が少なくなっているように見えます。
老化細胞が細胞外にも何らかの影響を及ぼしているのか
という視点を持ちました。
また、癌細胞は酸性度が高いと考えられています。
細胞の老化が進み、組織が酸性になり、
それを中和させるためにグルタミン酸(GLS1)が働き
老化細胞の寿命延長に貢献する事と、
そこから逸脱して癌化する事に関して
pHの変化とそれに関わる物質がどう関わっているか
あるいは関係性は小さいのか?
その点にも関心があります。
実際にGLS1阻害薬の癌治療の応用も考えられている
ということですので、その背景にある機序が
どのようであるか?という視点を持っています。
ーーーーーーーー

//細胞特異的輸送系統の観点//ーーーーーーーー
--
GLS1阻害薬は老化細胞に対してすでに特異性を有しているので
さらに老化細胞の表面に活発に発現している受容体を
標的とするナノ粒子においてGLS1阻害薬を輸送出来れば
さらに老化細胞だけ死滅させるような
選択性を上げられる可能性があります。
また、老化細胞を酸性(LLOMeの追加導入)にすることで
数を有効に減らすことができています。
(参考文献(1) Fig.2Iより)
従って、GLP1阻害薬に加えて細胞内の酸性の
状態を促すような薬剤をナノ粒子に同封して
エンドサイトーシスさせることで
より効果の高い治療系統を築ける可能性があります。
ーーーーーーーー

以上です。

(参考文献)
(1)
Yoshikazu Johmura, Takehiro Yamanaka, Satotaka Omori, Teh-Wei Wang, Yuki Sugiura, Masaki Matsumoto, Narumi Suzuki, Soichiro Kumamoto, Kiyoshi Yamaguchi, Seira Hatakeyama, Tomoyo Takami, Rui Yamaguchi, Eigo Shimizu, Kazutaka Ikeda, Nobuyuki Okahashi, Ryuta Mikawa, Makoto Suematsu, Makoto Arita, Masataka Sugimoto, Keiichi I. Nakayama, Yoichi Furukawa, Seiya Imoto, and Makoto Nakanishi
Senolysis by glutaminolysis inhibition ameliorates various age-associated disorders
Science  15 Jan 2021:Vol. 371, Issue 6526, pp. 265-270


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北米、欧州でのトシリズマブの臨床効果分析

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

日本では重症患者病床占有率は少しずつですが
下がってきていますが、日々、亡くなられる方の
数は大きく減っている状況ではありません。
緊急事態宣言の効果もあり、
感染者数が減っている中においても
それぞれの感染対策はもちろんですが、
重症患者に対する治療を改善していく事は
これからも継続的に求められると考えられています。
医療現場で医師の方が選択される治療のうち
薬物治療に関しては
抗ウィルス薬としてレムデシビル、
免疫調整剤として
デキサメタゾン、アクテムラ(トシリズマブ)
血液抗凝固薬としてヘパリンが
患者さんの臨床症状を見ながら投与されている
と理解しています。
今のところ特効薬はありませんが、
これらリパーポスによって治療されています。
このうち、アクテムラ(トシリズマブ)の
新型コロナウィルスの臨床効果について
2つの報告が紹介されています(1,2)。
順次情報共有いたします。
ーーーーーーーー
I.O. Rosas, N. Bräu, M. Waters(敬称略)ら
アメリカ、イギリス、カナダ、スペイン、
デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ
の国際的な医療研究グループは
上述したIL-6阻害薬であるトシリズマブの薬効について
既に症状を示している入院患者に対して
大規模な分析されています(1)。
本日は、読者の方とその内容の一部を情報共有したい
と考えています。
ーーーーーーーー

//重要な結果//ーーーーーーーー
集中治療が必要ではない中等症、軽症患者においては
治療から2週間程度までにおいては
トシリズマブの臨床的奏功性が示されました。
この条件において、
退院した人の割合が標準的な治療に対して高いことが
示されています。
しかし、28日後の死亡率に対しては
標準的な治療に対してトシリズマブの優位性を
見出すことはできません。
トシリズマブは重症患者においても
退院率を高める効果があり、
臨床症状の改善が見られた人とそうではない人の
差が大きくなっています。
このような極化を示す要因は何なのか?
トシリズマブの特異的薬効を調べるために
さらなる患者の層化、分類が必要だと考えられます。
ーーーーーーーー

//Special note in English//ーーーーーーーー
The clinical effect of tocilizumab indicates polarization among clinical categories(1-7) especially for the patients with severe symptom at 28 days.
Therefore, further and detailed stratification for the patients is needed in order to analyze specific clinical effect of tocilizumab.
ーーーーーーーー

//トシリズマブと新型コロナウィルスの関係、背景//ーー
--
(阻害するインターロイキン6(IL-6)について)
IL-6のレベルは
新型コロナウィルスの重症度と関係します(4,5)。
その中で、IL-6は
免疫の制御不全、呼吸器系機能不全(ARDS)
との関連が指揮されています(3,6)・
IL-6は血管内皮組織の不全を引き起こします。
それにより炎症性サイトカイン、免疫細胞の
血管内外の浸透率が上がる事が
臨床症状の一部と関連すると考えられます(7)。
--
(過去の臨床報告)
・ケース報告(8-10)
・コホート研究(11-17)
ーーーーーー

//条件//ーーーーーー
--
(時期)
2020年4月3日~5月28日
--
①トシリズマブ投与群/②偽薬群
※数字:人数/括弧内数字:割合
--
(場所)
カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア
オランダ、スペイン、イギリス、アメリカの
62か所の病院
--
(人数)
①294/②144
--
(性別)
①男性205(69.7)/女性89(30.3)
②女性43(29.9)/男性101(70.1)
--
(年齢)
平均:①60.9/②60.6
18-64歳:①163(55.4)/②81(56.2)
65-84歳:①117(39.8)/②60(41.7)
85歳以上:①14(4.8)/②(2.1)
--
(人種)
アメリカ先住民、アラスカ:①8(2.7)/②5(3.5)
アジア人:①28(9.5)/②10(6.9)
黒人:①40(13.6)/②26(18.1)
ハワイ、太平洋島民:①3(1.0)/②5(3.5)
白人:①176(59.9)/②76(52.8)
不明:①39(13.3)/②21(14.6)
--
(地域)
ヨーロッパ:①120(40.8)/②59(41.0)
北アメリカ:①174(59.2)/②85(59.0)
--
(臨床状態)
2  ①9 (3.1)  ②6 (4.2)
3  ①78 (26.5) ②44 (30.6)
4  ①94 (32.0) ②39 (27.1)
5  ①45 (15.3) ②15 (10.4)
6  ①68 (23.1) ②40 (27.8)
(※)臨床状態定義
2:入院(酸素補充なし)
3:酸素補充あり
4:集中治療あり、なし(非侵襲通気、高酸素濃度補充)
5:集中治療あり(人工呼吸器)
6:ECMO、人工呼吸器+臓器サポート

治験対象となったのはほとんど酸素補充が必要で
おおよそ1/4はECMOなど重症患者
--
(IL-6レベル ng/L)
平均値:①201.9±418.4/②195.4±368.2
中央値:①88.1(3.1-4020)/②71.2 (3.1–2810)

基準値:8 (ng/L)以下
従って、中央値でも10倍以上
--
(C反応性タンパク mg/L)
平均値:①168.4±101.4/②172.6±114.0
中央値:①157.2(1.1–446.6)/②150.3(1.6–499.6)

10(mg/L)を超えると
臨床的に明らかな急性期反応を示す
--
(フェリチン pmol/mL)
平均値:①6891±106,736/②4027±45,431
中央値:②2.3(0.0–1,657,000)/②2.2(0.1–514,000)

基準値:女性(5~152ng/mL) 男性(13~277ng/mL)
--
(臨床症状)
発熱:①193(65.6)/②98(68.1)
咳:①216(73.5)/②102(70.8)
息切れ:①213(72.4)/②93(64.6)
胃腸:①96(32.7)/②41(28.5)
頭痛:①37(12.6)/②21(14.6)
倦怠感:①91(31.0)/②44(30.6)
--
(併存症:リスク因子)
肥満:①63(21.4)/②27(18.8)
糖尿病:①105(35.7)/②62(43.1)
心臓血管機能不全:①88(29.9)/②35(24.3)
高血圧:①178(60.5)/②94(65.3)
肝臓機能不全:①6(2.0)/②2(1.4)
慢性肺疾患:①49(16.7)/②22(15.5)

7,8割以上の方がリスク因子を少なくとも1つ有する。
--
(他の治療)
グルココルチコイド:①57(19.4)/②41(28.5)
抗ウィルス薬:①71(24.1)/②42(29.2)
回復期血漿療法:①5(1.7)/②1(0.7)

//治療、比較条件、用量//ーーーーーー
--
①トシリズマブ投与
静脈内注射
8mg/kg(body-weight) ※最大800mg
--
②偽薬群
標準的な治療
・抗ウィルス治療
・低用量グルココルチコイド
・回復期血漿療法
・対症療法
--
ーーーーーー

//結果//ーーーーーー
------
(臨床症状カテゴリ3,4の患者において)
3:酸素補充あり
4:集中治療あり、なし(非侵襲通気、高酸素濃度補充)
-
(死亡者に関して)
①トシリズマブ投与/②偽薬に関して
死亡率の推移(1~28日)に関しては
臨床的な奏功は認められません。
(参考文献(1) Supplementary appendix Figure.S6Dより)
-
(軽症化、退院について)
亡くなられた方以外の重症の継続に関しては
投与から7~14日間において
トシリズマブ投与群では少なくなり
退院、退院準備の患者さんが顕著に増えています。
この効果はそれ以降では小さくなります。
従って、
トシリズマブは一定割合の患者さんの
「回復を早める」効果があると考えられます。
(参考文献(1) Supplementary appendix Figure.S6Dより)
-
(臨床症状改善3⇒1(退院)14日後)
①トシリズマブ投与/②偽薬に関して
①:75.6% / ②:61.4%
(参考文献(1) Supplementary appendix Figure.S3Bより)
-
(臨床症状改善4⇒1(退院)14日後)
①トリシズマブ投与/②偽薬に関して
①:42.6% / ②:23.1%
(参考文献(1) Supplementary appendix Figure.S3Bより)
------
(臨床症状カテゴリ5,6の患者において)
5:集中治療あり(人工呼吸器)
6:ECMO、人工呼吸器+臓器サポート
-
(死亡者に関して)
①トシリズマブ投与/②偽薬に関して
28日後の死亡率:①27.9%/②24.1%
従って、
効果がないか逆に悪化する結果となっています。
(参考文献(1) Supplementary appendix Figure.S6Bより)
-
(軽症化、退院について)
①トシリズマブ投与/②偽薬に関して
28日後の退院率:①30.6%/②24.1%
従って、
退院の比率はトリシズマブ投与の効果があります。
従って
トシリズマブの投与によって
臨床結果が2極化する結果となっています。
よって
効果が出た患者さんと
亡くなられた患者さんとで
どのような初期症状、併存症の違いがあったのか?
この分類が大切になると思います。
(参考文献(1) Supplementary appendix Figure.S6Bより)
ーーーーーー

//副作用//ーーーーーー
①トリシズマブ投与/②偽薬
(頻度の多いもの)
感染症:①38.3% / ②40.6%
重篤な感染症:①21.0% / ②25.9%

ややトリシズマブが少ない
--
(トリシズマブが偽薬に対して相対的に高いもの)
過敏症:①6.4% / ②2.8%
出血:①15.3% / ②11.2%
ーーーーーー

以上です。

(参考文献)
(1)
I.O. Rosas, N. Bräu, M. Waters, R.C. Go, B.D. Hunter, S. Bhagani, D. Skiest, M.S. Aziz, N. Cooper, I.S. Douglas, S. Savic, T. Youngstein, L. Del Sorbo, A. Cubillo Gracian, D.J. De La Zerda, A. Ustianowski, M. Bao, S. Dimonaco, E. Graham, B. Matharu, H. Spotswood, L. Tsai, and A. Malhotra  
(Appendix 1. List of Hospital and Investigator)
Emilia Falcone, Hugo Chapdelaine, Madeleine Durand, Rahima Jamal, Me Linh Luong 
Zain Chagla, Waleed Alhazzani, Emilie Belley-Cote 
Zain Chalga 
Lorenzo del Sorbo, Bryan Coburn, Eddy Fan, Niall Ferguson, Shahid Husain 
Thomas Benfield, Gitte Kronborg, Michaela Tinggaard 
Isik Somuncu Johansen, Thilde Fabricius, Mathias Amdi Hertz, Inge Holden, Karen Frederikke Christie Knudtzen, Andrew Larsen, Lone Wulff Madsen, Line Dahlerup Rasmussen 
Jan Gerstoft, Bibi Nielsen 
Lothar Wiese, Toke Seierøe Barfod, Lene Surland Knudsen, Christian Poulsen 
Denis Garot, Laetitia Bodet Contentin, Pierre-Francois Dequin, Stephan Ehrmann, Antoine Guillon, Annick Legras, Stefan Mankikian, Emmanuelle Mercier, Marlene Morisseau, Yonatan Perez, Charlotte Salmon-Gandonnière 
Caroline Pouplet, Marie-Ange Azais, Konstantinos Bachoumas, Remi Bernardon, Yves Bleher, Gauthier Blonz, Delphine Boucher, Gwenhael Colin, Clementine Coudon, Merrien Dominique, Jean Luc Esnault, Maud Fiancette, Thomas Guimard, Matthieu Henry-Lagarrigue, Jean-Claude Lacherade, Sophie Leautez-Nainville, Christine Lebert, Laurent Martin-Lefevre, Marine Morrier, Isabelle Vinatier, Aihem Yehia 
Bruno François, Thomas Daix, Arnaud Desachy, Bruno Evrard, Anne-Laure Fedou, Guillaume Gilbert, Marine Goudelin, Philippe Vignon  
Mehdi Mezidi, Laurent Bitker, Paul Chabert, Louis Chauvelot, David Guillaume, Julie Provoost, Jean-Christophe Richard, Hodane Yonis 
Charles Edouard Luyt, Marc Pineton de Chambrun, Ania  
Jean Paul Mira, Alain Cariou, Julien Charpentier, Jean-Daniel Chiche, Pierre Dupland, Zacharia Ait Hamou, Paul Jaubert, Mthieu Jozwiak, Lee Nguyen, Frederic Pene 
François Raffi, Clotilde Allavena, Karim Asehnoune, Bonnet Benedicte, Charlotte Biron, Sabelline Bouchez, Marwan Bouras, Alexandre Bourdiol, David Boutoille, Dominique Demeure, Colin Deschanvres, Benjamin Gaborit, Antoine Gregoire, Nicolas Grillot, Romain Guery, Yannick  Hourmant, Pascale Morineau Le Houssine, Paul Le Turnier, Raphael Lecomte, Maeva Lefebvre, Julien Lorber, Pierre-Joachim Mahé, Antoine Roquilly 
Michael von Bergwelt, Marion Subklewe, Christian Schmidt, Clemens Gießen-Jung, Joachim Stemmler, Stephanie Susanne Stecher 
Tobias Welte, Isabell Pink, Matthias Stoll 
Boris Böll, Jorge Garcia Borrega, Philipp Koehler, Armin Tuchscherer, Thomas Zander 
Bjorn-Erik Jensen, Johannes Bode, Linda Drößler, Torsten Feldt, Noemi Freise, Verena Keitel, Alexander Killer, Caroline Klindt, Anselm Kunstein, Alexander Mertens 
Paolo Bonfanti, Paola Columpsi, Giulia Gustinetti, Ester Pollastri, Nicola Squillace 
Raffaele Bruno, Valentina Zuccaro 
Kornelis van der Leest, Jeryll Asin, Ingrid C. de Backer, Hubertus N.A. Belderbos, Remco S. Djamin, Marco J.J.J. Grootenboers, Peter Heukels, K. Merijn Kant, Eva Lamboo, Christi M.J. Steendam, Simone van der Sar, Nicolaas C. van Walree 
Daphne W. Dumoulin, Anne-Marie C. Dingemans, Jelle R. Miedema 
Jan C. Grutters, Willem J. Bos, Thijs W. Hoffman, Hazra. S. Moeniralam, Erik Scholten 
Helen L. Leavis, Pauline M. Ellerbroek, Jan J. Oosterheert, Julia Spierings 
Alex Soriano Viladomiu, Felipe Garcia, Marta Bodro, Antonio Moreno, Pedro Castro, Montse Sola 
Patricia Muñoz, Teresa Aldamiz-Echevarria, Almudena Burillo, Juan Carlos Lopez Bernaldo de Quiros, Marina Machado, Valerio Maricela, Maria Olmedo  
Jordi Carratala, Gabriela Abelenda Alonso, Mª Angeles Dominguez, Carlota Gudiol, Alexander Rombauts 
Antonio Cubillo Gracian, Rafael Alvarez Gallego, Paula Villares Fernandez, Paloma Peinado, Enrique Sanz, Jose F. Varona. 
Jose Ramon Arribas Lopez, Fernando de la Calle-Prieto, Francisco Arnalich Fernandez, Juan Carlos Figueira Iglesias, Alberto Borobia Perez, Marta Mora-Rillo, Maria Concepcion Prados Sanchez, Rocio  Montejano  
Jesus Fortun Abete, Sabina Herrera, Francesca Gioia, Andrés Gonzalez Garcia, Bachiller Francisco Javier, Begoña Monge Maillo, Pilar Martin, Rosa Escudero Sanchez, Chamorro Sandra, Pilar Vizcarra, Ana Maria Moreno Zamora, Enrique Navas, Juan Carlos Galán 
Ricard Ferrer Roca, Alejandro Cortes, Sofia Contreras Medina, Xavier Nuvials 
Kevin G. Blyth, Alistair Colin Church, Andrew Kidd, Paul McCaughey, Fatemeh Shams, Malcolm Sim, Martin Johnson, Katie Ferguson, R. Andrew Morrow, S. Erica Peters, David Bell, Andrew Seeton, Beth White 
Queen Elizabeth University Hospital, Glasgow: Kevin G Blyth, Jenny Ferguson 
Nichola Cooper, Taryn Youngstein, James Barnacle, Anna Daunt, Barnaby Flower, Shawki El-Ghazali, Hasnain Hashim, Andrew Porter, Karen Sarmiento  
Sinisa Savic, Sammiya Ahmed, Mark Kacar, Jennifer Murira 
Andrew Ustianowski, Anirudh Bhandare, Jennifer Hoyle, Thomas Lamb, Alison Uriel 
Sanjay Bhagani, Amit Adlakha, Dinesh Aggarwal, Tehmima Bharulha, Fiona Burns, Melissa Chowdhury, Ian Cropley, Mark DeNeef, Michael Jacobs, Adam Jones, Natasha Karunaharan, Lucy Lamb, Helen Lachmann, Simon Lee, Tabitha Mahungu, Daniel Martin, Nicolas Massie, Stephen Mepham, Iain Milligan, Edward Monk, Rachel Moores, Deidre Morley, Jennifer Murura, Zhain Mustufvi, William Nevin, Gabrielle Pollard, Alison Rodger, Animesh Singh, Antonia Scoble, Dominic Wakerley 
Daniel Forton, Kamal Patel, Metin Devrim Yalcin 
Claire Roddie, Wei Yee Chan, Thomas A. Fox, Maria Marzolini, Lorna Neill, Kwee Yong 
Ivan O Rosas , Sreevidya Coimbatore, Fernando Poli, Kalpalatha Guntupalli, Nicola A. Hanania, Juan Vicente Rodriguez, Hinali Zaveri 
Daniel Skiest, Armando Paez, Mark Tidswell Ben Taub General Hospital – HCHD, Houston, TX: Ivan O Rosas, Kalpalatha Guntupalli, Nicola A. Hanania, Hinali Zaveri 
Leslie Tolle, Prabalini Rajendram 
Igor Barjaktarevic, Joanne Bando, Steven Chang, Augustine Chung, Sonia Jasuja, Ramin Salehi-Rad, Robert Stretch, Tisha Wang 
Ivor Douglas 
Mehri McKellar, John Franzone, Daniel Gilstrap, Thomas Holland, Noel Ivey, Bryan Kraft, Micah McClain, Rebekah Moehring, Jennifer Saullo, Craig Rackley, Cameron Wolfe 
Michael Waters, Hanh Chu, Kia Lee, Jeffrey Overcash, Anuja Vyas, Karla Zepeda 
Francis Riedo, Diego Lopez de Castilla, Jason Van Winkle 
Ronaldo Go, Danit Arad, Lauren Koniaris, Robert Lee, Chinwe Ogedegbe, Ronak Shah, Andre Sotelo 
Bradley Hunter, Andy Badke, Marlin Christianson, Ali Fazili, Daanish Hoda, Ian Mecham, Brandon Webb 
Derrick Haslem 
Norbert Bräu, Eka Beriashvili, Sheldon Brown, Mei Chang, Sujin “Esther” Chang, Michael Gelman, Joon Woo Kim, Roberta Lenner, Bindu Raju, Johane Simelane, Monique Tukes, Amelia Tisi, Kirsten Vest 
Raymund Razonable 
Julia Garcia-Diaz, Julie Castex, Jenna Griffin, Samuel King, Derek Vonderhaar 
Sabiha Hussain, Tanaya Bhowmick, Deepali Dixit, Sugeet Jagpal 
Mariam Aziz, Maureen McNichols, Beverly Sha 
Nidhi Rohatgi, Neera Ahuja, Kari Nadeau 
Krish Patel, Vanessa Dunleavy, John Page 
Marianthi Kiriakidou, Gautam George 
Atul Malhotra, Constance Benson, Aaron F. Carlin, Robert Owens 
Kathleen Mullane, Jean-Luc Benoit, Karen Cornelius, Randee Estes, Christopher Frohne, Aniruddha Hazra, Christopher Lehmann, Michelle Moore, Cheryl Nuss, Jade Pagkas-Bather, David Pitrak, Mai Pho, Kenneth Pursell, Jessica Ridgway, Stephen Schrantz, Renslow Sherer, Jill Stetkevych 
David de la Zerda, Laiqua Khalid 
Tocilizumab in Hospitalized Patients with Severe Covid-19 Pneumonia
The New England Journal of Medicine  February 25, 2021, 
(2)
The REMAP‑CAP Investigators
Interleukin-6 Receptor Antagonists in Critically Ill Patients with Covid-19
The New England Journal of Medicine  February 25, 2021, 
(3)
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Subcutaneous  tocilizumab  treatment  in  patients  with  severe  COVID-19-related  cytokine  release  syndrome:  an observational  cohort  study.  
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Tocilizumab  for  treatment  of mechanically  ventilated  patients  with COVID-19.  
Clin  Infect  Dis  2020  July  11 (Epub ahead of print).

2021年2月26日金曜日 0 コメント

癌クローン性増殖の視点を含めた組織形成(1)

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

読者の方の中に小学校以下のお子さんが
家族にいる方もいると思います。
自分の肌と子供の肌を比べると
子供の肌はしわがなくきめ細やかで
非常に表面状態が良いことが一般的です。
それは細胞、細胞の連結状態
細胞の間の間質の状態が大人と比べて良いからである
と考える事も出来ます。
日本だけではなく世界でも
これから高齢化が進むと考えられます。
平均寿命が延びている事も一つの要因です。
その老化は人の身体を微視的に見ると
細胞の老化を一つ示すものです。
老化に伴う疾患は多くありますが、
時間の経過とともに細胞の質がどのように低下していくか
という事を考える事は
それら多くの疾患の根本的な理解、治療につながります。
身体の各器官を構成する組織は細胞の集まりで
その状態はそれぞれの表現型を持つ
細胞の分布に依存する部分が大きくあります。
例えば、その機械的特性において
延性が低い細胞の勢力が組織内で高ければ、
組織として硬くなります。
そうするとMRIなどでは白く見える事になります。
このような視点を持つと
細胞の発展を継ぎ目なく連続的な見地で
考えていく事は前述したように大きな意味を持ちます。
それが組織の中の細胞の勢力図に影響を与え
表現型、理科的性質を決めるものだからです。
化学療法に代表される薬物治療の
初期の視点が細胞内の信号に依拠する部分が
大きいとすれば、ここで議論したい事は
もう少し巨視的、マクロスコピックな視点とも言えます。
細胞内の遺伝子の事についても考えが及びますが、
その作用機序を考えるにあたっては
単一の細胞にとどまらず、
一つの組織単位での細胞の発展を考えます。
このような研究開発を進め、臨床につなげるためには
人の組織を作るオルガノイド技術の躍進は
必要不可欠となります。
ーーーーーーーー
Nobuyuki Kakiuchi、Seishi Ogawa(敬称略)からなる
日本(京都)、スウェーデンの医療研究グループは
癌の視点を中心に据えて、
癌細胞以外の通常細胞も含めた
ドライバー変異によるクローン性増殖について
包括されています(1)。
本日は筆者の追記、考察を加えながら
その内容の一部を読者の方と情報共有したいと思います。
ーーーーーーーー

//概要(1)//ーーーーーー
癌細胞は前駆細胞において同じゲノム持つクローン細胞への
発展に優位性を持つ「ドライバー変異」を獲得した細胞に
由来するクローン性の疾患であると考えられます。
-----

癌細胞はこのドライバー変異を多く持ち(2)、
その組織の中での発展優位性を獲得していると
考える事も出来ます。
ドライバーというのは「推進力」ということですから
その変異は相同的増殖能力が高いという意味を
含有していると考えられます。
-----
このようなドライバー変異を有する
クローン細胞の組織の中の拡大は
必ずしも腫瘍組織を示すものではなく
表現型として通常細胞を典型的に示す組織にも見られます。
そのようなドライバー変異は
老化、環境負荷、慢性炎症などを示す組織にも
少なくとも一部は見られることがあります。
これらの相同的増殖優位性を持つドライバー変異は
血液、皮膚、食道、気管支、肝臓、子宮内膜、膀胱
などでも確認され、
組織の形成状態が再構築されています。
これらの表現型として典型的には腫瘍性を示さない
ドライバー遺伝子を持つ通常細胞は
これらの組織の中での腫瘍組織への初期形成、発展に
深くかかわっている事が示唆されています。
しかしながら、
このようなドライバー遺伝子の頻度は
必ずしも癌細胞へ発展する確率と正の相関を持つわけではなく
少なくとも一部のドライバー遺伝子においては
癌細胞に発展しにくい逆相関があるものもある
とされています。
-----

つまり、通常細胞へのクローン性の高い
ドライバー変異もあるということかもしれません。
-----
これらのドライバー遺伝子によるクローン性増殖において
癌化への過程、老化、炎症に関わる疾患における
生物学的な重要性について包括されています(1)。
ーーーーーー

//これまでの知見、報告//ーーーーーー
--
癌細胞の増殖に関与するドライバー変異(3-6)。
--
ドライバー遺伝子と環境要因、組織特異性の評価(7,8)。
--
通常組織から癌細胞まで発展するまでの
遺伝子的な進化、発展の過程と
癌組織内のクローン性の蓋然性、異種性、分布(9-33)。
--
診断、臨床症状が現れる前の初期の段階で
人の組織を調べる事が困難であることから
通常細胞からどのように癌細胞へ発展するのか
その境界の最も初期の段階の理解は進んでいない状況です。
このことは通常細胞と癌細胞の境界条件の
曖昧性を示唆するものであると考えられます。
ーーーーーー

//問い//ーーーーー
-----
(Q1:癌発生の根本的な問いに関して)
・癌細胞は「いつ」生じるのか?
・どの遺伝子的な事象によって生じるのか?
・生まれる分子的な機序は?
・微小環境によってどのように影響を受けるか?
・発がん物質や癌抗原などの影響は?
--
<Q1の解答が促す進展>
・癌生成機序
・早期の診断、予測
・予防
--
(Q2:癌細胞発展、通常組織との相違に関して)
・選ばれたクローン性が通常細胞をどう改変するか?
・通常細胞のクローン性との違いは?
・再構成される事によって生じる差異は?
--
<Q2の解答が促す進展>
・癌生成の新たな見識
・癌の予防
・新たな治療法
・組織恒常性への理解
・炎症プロセスの理解、治療
-----
継ぎ目のない時間的な細胞発展の可視化によって
発展プロセスが分かれば予防につながります。
また、
iPS細胞の山中因子(Oct3/4・Sox2・Klf4・c-Myc)
ように時計を戻すこともできるかもしれません。
また画像分析において人工知能、機械学習の導入や
画像だけではなく全遺伝子的な時間連続評価が
「Method Primer」に存在するか?
このような事を人由来の組織を使った
オルガノイドで易分析性を持たせた状態でできないか?
ーーーーー

//筆者の視点//ーーーーー
細胞の細胞核の中にある23種類の染色体の2倍体、
46本の染色体が糸を引くように有糸分裂した後
娘細胞2つになります。
その際、遺伝子配列自体は前駆細胞の情報を
ほとんど引き継ぐことになります。
稀にコピーミスはあるのかもしれません。
しかし、DNAはRNAよりも安定的であると考えています。
では、なぜ細胞の表現型はこれだけ多能なのか?
ということです。
多能性を有する幹細胞であれば
身体の色んな組織になることができます。
それはおそらくアセチル化、ユビキチン化、
メチル化、それらの価数という
遺伝子の活性度を変える
DNAに結合するタンパク質などの影響に
一つは依存すると理解しています。
あるいはその遺伝子の表現型は
その遺伝子の配座、3次元構造
さらには時間発展(4次元構造)によっても変わる
可能性があります。
いずれにしても同じゲノム(全遺伝子情報)であったとしても
それがどのような機能を持つかというのは
一義的に決まるものではなくて
非常に多様であるという事です。
しかし、Nobuyuki Kakiuchi、Seishi Ogawa(敬称略)らが
議論しているクローン性とは
このような遺伝子によって生じた
細胞の表現型、機能の互いの均質性(homogeneity)が
高いことを示しています。
従って、
ドライバー遺伝子を深く考えていくにあたっては
細胞が有糸分裂するときに
染色体ば娘細胞に振り分けられて
その後、遺伝子構造が出来上がる時の
構造上の変化がクローン性の高い場合と
そうではない場合とでどのように異なるか?
それを調べることに対して一定の生物学的な意義を
見出しています。
ーーーーー

//細胞特異的輸送系統//ーーーーーーーー
癌化のリスク評価は慎重に行う必要がありますが、
通常細胞への相同的増殖優位性を持つ
ドライバー変異があるなら
その変異を人為的に導入する事によって
組織の細胞表現型勢力図の改変を行う事ができる
可能性があります。
多くの疾患において
病変部位での細胞の質が良くなれば
基礎的、根本的な治療の一翼を担うと考えられます。
--
もちろん形の恒常性、保護や
細胞同士の連結状態、生成、廃棄の循環
細胞間の間質の状態、液体、免疫機能との相関など
考えないといけないことは多くあります。
--
細胞の質を改善した細胞治療や
組織の一部に常在する質の高い幹細胞の有効利用や
生体内での遺伝子治療などによって
質の良い細胞の組織の中での
クローン性を上げる事ができるか?
これら実現において
特定の組織に対して走化性を与える事が
潜在的にできると考えられる細胞特異的輸送系統の
コンセプトが利用できる可能性があります。
ーーーーーーーー

以上です。

(参考文献)
(1)
Nobuyuki Kakiuchi & Seishi Ogawa 
Clonal expansion in non-cancer tissues
Nature Reviews Cancer (2021)
(2)
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臨床症状に関連する遺伝子と予防機会

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

山中先生が提唱されている「ファクターX」。
日本人を含めアジア系の人が
なぜ新型コロナウィルスで亡くなる人が少ないのか?
それについて「未知の因子」があると考えられています。
おそらく、
・マスク・3密回避・消毒・手洗い・うがい
これらの社会的な因子もあると考えられます。
あるいは、肥満などの生活習慣病など
リスク因子が疫学的に少ないという事もあるかもしれません。
入院患者が少ない事によって
より個別医療が充実していることもあるかもしれません。
その中での医療現場の方の懸命の治療があります。
---
しかし、人が先祖から受け継いできた遺伝的な影響も
リスク因子から排除できるものではありません。
ーーーーーー
Hugo Zeberg, Svante Pääbo(敬称略)ら
ドイツ、スウェーデン、日本(沖縄)の
医療研究グループは
新型コロナウィルスのリスク因子としての
対立遺伝子(rs35044562)が染色体3番に見られ
それは先祖ネアンデルタール人から引き継いだとされています(2)。
現生人類(ホモサピエンス)との交雑が起こり
その遺伝子が引き継いだ可能性が指摘されています。
この遺伝子は欧米、インド、オーストラリアではみられますが、
東アジアではほとんど確認されていない遺伝子です。
(参考文献(2) Fig.3より)
--
それからさらに追加的な報告として
逆に新型コロナウィルスのリスクを下げる遺伝子が
見つかっています。
対立遺伝子(rs10735079)が染色体12番に見られ
侵入するウィルスの遺伝子破壊を助けるとされています(3)。
その遺伝子はヨーロッパでは多く見られます。
アメリカ合衆国では地域による差が大きい結果となっています。
アジアや日本でも見られます。
(参考文献(3) Fig.3より)
この遺伝子は後述するOAS(1~3)と符号化されています。
--
しかし、Hugo Zeberg氏, Svante Pääbo氏の
声明によれば、遺伝子の影響はあるけど
年齢など他のリスク因子に比べれば小さいかもしれない
と日本の報道でありました。
ーーーーーーーー
Sirui Zhou, Guillaume Butler-Laporte, Tomoko Nakanishi
(敬称略)ら、
カナダ、日本(京都、東京)、イギリス、アメリカ、
スウェーデン、ドイツの
国際的な医療研究グループは
上述した先祖ネアンデルタール人から受け継いだ
リスクを下げると考えられているOAS1遺伝子(2)
によって生まれたタンパク質レベルと
臨床症状(感染感受性、入院、重症)の関連について
過去のデータベース分析および
疫学調査を男女504人規模で行われています(1)。
本日は、その内容について読者の方と情報共有したいと思います。
ーーーーーーーー

//重要な結果//ーーーーーーーー
過去の大規模なデータから
従来から指摘されていたOAS1遺伝子によって
生み出されたタンパク質レベルと
臨床症状の相関はあります。
タンパク質が多くなるほど感染、入院、重症の
リスクはさがります。
症状が重くなればなるほど
その相関は大きくなりリスクは下がります。
--
感染中にはOAS1遺伝子でコード化された
タンパク質は感染時には活性化され
その量が多くなっていることが示されました。
--
これらの遺伝子は抗ウィルス性を示す
インターフェロンの働きと関係があり
この遺伝子レベルが高いことは
新型コロナウィルスだけではなく、
他のウィルスに対する抵抗性も高くなることが
示唆されます。
ーーーーーーーー

//OAS1の正式名称//ーーーーー
2'–5′oligoadenylate synthetase 1 (OAS1)
ーーーーー

//結果1(過去のデータ大規模分析)//ーーーーー
対象:新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)
--
(OAS1コード化タンパク質との相関)
感染感受性:オッズ比 0.78
入院:オッズ比 0.61
重症:オッズ比 0.54
--
(1L10RBコード化タンパク質との相関)
※interleukin-10 receptor beta subunit 
感染感受性:オッズ比 0.87
入院:オッズ比 0.53
重症:オッズ比 0.47
--
(参考文献(1) Fig.2より)
ーーーーー

//結果2(実施された疫学調査(1))//ーーーーー
---
(条件)
女性:250人/男性:254人
-
(年齢)
65.4歳(中央値)
-
(PCR陽性/陰性)
399人/105人
-
(入院状況:あり/なし)
406人/98人
-
死亡/生存:43人/461人
-
(呼吸器支援状況)
必要なし:233人
酸素補充:143人
人工呼吸器:128人
-
(参考文献(1) Table 2より)
---
(感染中のOAS1タンパク質レベルの相関)
感染感受性:オッズ比4.39(無症状、軽症も含む)
入院:オッズ比1.93
重症:オッズ比1.50
--
つまり、重症患者ほどOAS1タンパク質レベルが
高くないことを示しています。
---
(非感染状態でのOAS1タンパク質レベルの相関)
感染感受性:オッズ比0.69
入院:オッズ比0.46
重症:オッズ比0.20
--
過去のデータ分析と傾向は同じ。
重症になればなるほど
タンパク質レベルが高くなると頻度は少なくなります。
ーーーーー

//結果3(OAS1アイソフォームG対立遺伝子)//ーーーーー
--
(背景)
ネアンデルタール人由来のOAS1遺伝子ファミリーの中に
アフリカ人が多く持つ変異である
rs10774671-Gがあります(4,5)。
このGを含むGG、GAの遺伝子表現型は
p46というたんぱく質を多く発現することがわかっています(6)。
--
(G遺伝子型OAS1タンパク質レベルとの相関)
感染感受性:オッズ比0.29
入院:オッズ比0.09
重症:オッズ比0.05
これらの結果から、G遺伝子型OAS1タンパク質(p46)を
多く持つ方の新型コロナウィルスのリスクは
極めて低いことが疫学調査から示されています。
--
(p46の生理機能)
p46は新型コロナウィルスでだけではなく
ウィルス感染後の抗ウィルス、酵素活性を高める
ことが知られています(7)。
ーーーーー

//OAS遺伝子とインターフェロンの関係//ーーーーー
--
OASファミリー(OAS1, OAS2, OAS3)は
インターフェロン刺激遺伝子と言われています(8-12)。
--
薬剤Interferon beta-1bはOAS1発現を
向上すると考えられており(13)、
多発性硬化症の治療薬の選択肢の一つです(14)。
また他のウィルスの治療にも使われています(15)。
薬剤Interferon beta-1bの
新型コロナウィルスへの臨床効果は
必ずしも有効性を示しませんが、
吸入における投与においてフェーズ2の治験で
有効性が示されています(16)。
吸入においては肺での特異的効果性が高まることによる
という示唆もあります(1)。
ーーーーーー

//その他//ーーーーー
新型コロナウィルスではOAS1たんぱく質を逃れる
ウィルス性タンパク質が作用し
それが宿主(人)免疫反応逃避効果を示す
とされています(17,18)。
従って、OAS1タンパク質が強く出る人が
抗ウィルス効果がある事は
この逃避効果が臨床症状の悪化とつながっている
可能性が高いことを示唆します。
これは疫学調査(1)に論理的根拠を示すものです。
ーーーーー

//筆者の考察//ーーーーー
OAS1遺伝子を活性化させる薬剤が
治験では必ずしも強い臨床効果を示さない(1)ことは
投薬するタイミングもあると思います。
ウィルス感染した初期の段階で
インターフェロンが働き抗ウィルス性を示すと
ウィルス量の最大値が小さくなるため
それに応じて肺などの身体の組織の損傷も緩和される
と考えられます。
従って、すでにOAS1遺伝子が強く出る人は
新型コロナウィルスに暴露した時点で
この遺伝子が迅速に働くために
感染しない(検出限界以下にとどまる)、
症状を示さない、重症化しないということになる
と考えられます。
そうすると「予防的な介入」がより効果的です。
例えば、
新型コロナウィルスやインフルエンザワクチンなどで
ウィルス性の免疫機能を定期的に高めることで
OAS1遺伝子の活性度は変わるかどうか?
その点が一つ知りたいです。
もし、ワクチン接種によって
この遺伝子の活性度に変化があれば、
特異的抗体の発現そのものだけではなく、
ウィルス全般に効果があるような交差性への価値を
見出すこともできます。
また、逆にOAS1遺伝子を刺激するような
ワクチンの開発も考えられます。
その際、G遺伝子表現型を高める事が大切です。
ーーーーー

//Special note in English//ーーーーー
Is it possible that activity of OAS1 gene changes by vaccination?
Can we enhance its activity in a prophylactic fashion?
Bacause, the rapid fuction of interferon is important after SARS-CoV-2 infection.
It may be valuable that we will develope vaccine in a manner that OAS1 gene (especially G genotype) is effectively activated.
ーーーーー

以上です。

(参考文献)
(1)
Sirui Zhou, Guillaume Butler-Laporte, Tomoko Nakanishi, David R. Morrison, Jonathan Afilalo, Marc Afilalo, Laetitia Laurent, Maik Pietzner, Nicola Kerrison, Kaiqiong Zhao, Elsa Brunet-Ratnasingham, Danielle Henry, Nofar Kimchi, Zaman Afrasiabi, Nardin Rezk, Meriem Bouab, Louis Petitjean, Charlotte Guzman, Xiaoqing Xue, Chris Tselios, Branka Vulesevic, Olumide Adeleye, Tala Abdullah, Noor Almamlouk, Yiheng Chen, Michaël Chassé, Madeleine Durand, Clare Paterson, Johan Normark, Robert Frithiof, Miklós Lipcsey, Michael Hultström, Celia M. T. Greenwood, Hugo Zeberg, Claudia Langenberg, Elin Thysell, Michael Pollak, Vincent Mooser, Vincenzo Forgetta, Daniel E. Kaufmann & J. Brent Richards 
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Nature Medicine (2021)
(2)
Hugo Zeberg & Svante Pääbo 
The major genetic risk factor for severe COVID-19 is inherited from Neanderthals
Nature volume 587, pages610–612(2020)
(3)
Hugo Zeberg & Svante Pääbo 
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2021年2月25日木曜日 0 コメント

オルガノイドの医療工学(1)

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

基礎研究から臨床までの連携を考える
トランスレーショナル医療では
基礎研究を如何に実際の疾患を持つ方の
治療に役立てるか考えます。
そのためには試験管による
最も基礎的な研究をマウスの生体による研究につなげ
そしてそれから人での治験を小規模から始めます。
しかし、マウスと人では
組織の特徴も異なりますし、
身体の大きさも大きく異なります。
その中で一定の不連続性があります。
つまりマウスでうまくいっても
人で同じような結果が得られるかどうかはわからない
ということです。
また、マウスは意思疎通できませんから
副作用についても人の治験で初めてわかることもあります。
そのような様々な課題が考えられますが、
人への臨床応用を考えるときには
人の細胞で出来た組織を人工的に作って
それで薬剤の疾患への効果を確認することができます。
任意に様々な組織を作ることができれば、
医療研究としては非常に有望です。
特に脳など研究が難しい組織においては
期待が大きいと考えられます。
ーーーーーーーー
Moritz Hofer、 Matthias P. Lutolf(敬称略)ら
スイスの医療研究グループは
オルガノイドを医療工学的な観点も含めて
総括されています(1)。
本日はその内容の一部を読者の方と情報共有
したいと思います。
ーーーーーーーー

//概要//ーーーーーー
--
(展望、期待)
・縮小可能、臓器モデルの簡素化
・組織の成長、疾患のモデル構築
・個別化医療、薬剤スクリーニング、細胞特異的治療
--
(課題)
・自己組織化成長における高い変動性、不安定性、揺らぎ
・実験的、分析的なアクセスが制限される
--
(改善案)
・細胞表面、遺伝子的アプローチ
・組織の成長、形状を時空間で制御できる幹細胞
・マイクロ流体のアプローチ
・チップ状臓器(organs-on-a-chip)
・再現性の改善
ーーーーーー

//幹細胞と組織の3次元化//ーーーーーー
--
幹細胞の理科的な振る舞いの理解によって
複雑な3次元の組織、オルガノイドを作製する技術が
高まっています(3-9)。
--
(幹細胞の特徴)
・違い細胞のタイプに分化できる
・定期的に自身で新しくなる
・増殖するだけではなく、自己組織化する
これらがあります。
-
幹細胞は
体細胞では働きが禁制されている
細胞分裂の回数、細胞の老化に関わるテロメアを
自発的に延ばすテロメアーゼが働くとされています。
(ただし、その活動は強くはありません。)
それによって体細胞よりも老化が緩やかです(10)。
-
--
(幹細胞による3次元化)
・自然の臓器と似た特徴を持つ3次元組織ができる
例えば、たんぱく質分泌、代謝機能、微小組織構造など
従って
チップの上に臓器を作る(Organ-on-a-chip)システム
に良い形で応用する事ができます。
--
(オルガノイドの期待)
・発展的な個別化医療
・次世代の薬剤スクリーニング(選び出し)
・動物実験を減らすこと
--
(各臓器オルガノイドの実績)
・腸(11-17)
・胃(18-24)
・腎臓(25-30)
・肝臓(31-41)
・膵臓(42-46)
・乳腺(47-50)
・前立腺(51-54)
・上下気道(55-62)
・甲状腺(63,64)
・網膜(65-71)
・脳(72-86)
--
(オルガノイドの応用)
・患者さんの病理を再現する
・宿主-微生物、ウィルスの相互作用(新型コロナウィルスなど)
・バイオバンク、薬剤スクリーニング
・組織の成長、恒常性、再生のモデル
(参考文献(1) Fig.1より)
--
(iPS細胞由来オルガノイドの応用)
ES細胞と並んでオルガノイドの細胞源として
iPS細胞が一つの有力な候補です。
-
・移植(iCAR-T細胞治療なども含む)
・薬剤の開発(細胞特異的輸送系統も含む)
・組織の発達の生物学、生理学
・宿主(人)-微生物、ウィルスの相互作用
・患者さんの病理の再現
・病理の理解
(参考文献(1) Fig.2より)
--
ーーーーーー

//組織常在幹細胞ASCs由来のオルガノイド//ーーーーーー
組織の一部には幹細胞があり、
損傷を受けた時の再生など
組織の恒常性の一翼を担っているのが
Tssiue-resident adult stem cell(ASCs)です。
--
(腸の組織)
ASCsの成長経路
・単層として成長
・陰窩(ひだ)様の突起に成長(腸の腺上皮に類似)
これらは
粘膜、生体分子の吸収、分泌、上皮バリア構造など
実際の組織と類似する機能を持ちます(87)。
ーーーーーー

//多能性幹細胞(PSC)由来のオルガノイド//ーーーーーー
--
(脳の組織)
成長経路
・凝集、胚様体を形成
・細胞外マトリックス、たんぱく質に組み込む
・神経上皮構造を自己組織化によって形成(72)。
<課題>
分化の過程が確率的な要素が強いので
安定的に同じオルガノイドを作製することができず
異種性が強い。
<改善策>
神経上皮前駆細胞を選び出すことで
そこから中脳を形成、機能性を上げる事ができました(88,89)。
--
人工多能性幹細胞は上述したように
3次元組織を作る際に
間質を形成する細胞外マトリックス材料である
タンパク質の中に組み込むことをします。
その際、組織としての完成度は
大人の組織に常在する幹細胞よりも高いですが、
一旦組織が出来上がってしまうと
そこから成長させる際には
複雑なプロセスで組織成長させる必要があり
その点において難しさを伴います(8,9)。
ーーーーーー

//オルガノイドの現状//ーーーーーーーー
基礎研究から臨床につなげる
トランスレーショナル医療の一つのアイテムとして
オルガノイドは期待されますが、
薬剤の選定、スクリーニングや
再生医療への応用はまだ普及している段階ではありません(1)。
まだ応用までの道のりは長く、
その経路では多くの課題を解決する必要があります(1)。
ーーーーーーーー

//筆者の一つの期待//ーーーーーー
--
オルガノイドによって
組織の再生の機序の理解が深まれば
現在では難しいとされている様々な治療の
根本的な治療につながります。
例えば、
ダウン症候群、デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの
先天的な遺伝子異常による疾患も
正常な幹細胞からの組織の再生によって
少しずつ組織を発展させていく事ができる可能性があります。
また、人が根本的に抱えている
老化に関わる病気にも光明が差します。
老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤などが
明らかにされています(2)が、
老化細胞を除去しつつ、質の良い幹細胞の
生体内での自己組織化によって
患部、老化組織を回復させることができれば
癌や生活習慣病など様々な病気に対して
化学、免疫、代謝、放射線、外科治療などに加えて
新たな治療戦略が生まれる可能性があります。
ーーーーーー

//細胞特異的輸送系統の観点//ーーーーーー
--
(オルガノイド医療工学によってもたらされるもの)
様々な細胞、組織を作れることになる事によって
細胞特異的輸送系統で想定している
任意の細胞からなる輸送媒体の選択性
質の向上につながります。
--
(薬理の確認)
任意に設計したナノ粒子、細胞からなる
輸送媒体が標的とする組織にアンカーされるか?
アンカーされたときに
どれくらいの機械的にストレスに耐えられるか?
さらには薬剤開放のスイッチ(pHなど)が
狙い通りに機能するか?
これらの物理的な事も含めた要因を
数字化、可視化できる可能性があります。
ーーーーーー

以上です。

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mRNAワクチン(BNT162b2)のイスラエル大規模疫学調査

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

日本でも先行して行われている
医療従事者の方へ1万人を超える方が
新型コロナウィルスのワクチン接種を終えています。
ワクチンのタイプはファイザー製のmRNAワクチンです。
これと同様のタイプのワクチンで
世界で人口比で最もワクチン接種が進んでいる
イスラエルがあります。
イスラエルはワクチンの接種データを提供するという
契約を結んでいます。
比較群を含めると
100万人を超える規模のデータが2月24日付で
The New England Journal of Medicine誌に
報告されています(1)。
ーーーーーーーー
Noa Dagan, Noam Barda, Eldad Kepten(敬称略)ら
イスラエルとアメリカの医療研究グループは
そのデータを詳しく掲載、分析ししています(1)ので
その内容の一部を読者の方と情報共有したいと思います。
ーーーーーーーー

//重要な結果//ーーーーーー
--
・感染予防において9割程度の効果が出るまでは
1回目接種から28日(2回目接種から7日)程度かかります。
--
・1回目接種から2週間までの効果は低い
従来の治験結果から示されるように
抗体価が上がるまである程度時間がかかると考えられます。
(参考文献(3) Fig.4より)
--
・重症化のリスク因子があるほどワクチンに対する
反応が遅い傾向にあります。
--
(訂正)
・入院、重症の患者さんは一部は陽性判明からイベント発生まで
時間がずれている可能性があります。
従って、初めの一週間が発生率が下がっています。
逆に初期のデータは急速に病状が悪化した患者さんの
データである可能性が高いです。
無症状、軽症の患者さんに比べて
入院、重症に対してのワクチンの効果が
接種開始から早く上がってくるのは
初期に感染しても無症状や軽症で終わっている患者さんが
多いことを示していると考えます。
--
(追加)
・無症状に対するワクチンの効果は
有症状のワクチンの効果よりも遅延します。
従って、市中感染を完全に抑えるためには
ワクチンを接種してから1か月程度は
感染対策を今までと同じレベルでする必要があります。
ーーーーーー

//条件//ーーーーーー
①ワクチン未接種群/②ワクチン接種群
--
(接種期間)
2020年12月20日~2021年2月1日
--
(ワクチン)
ファイザー製mRNAワクチン
BNT162b2
--
(人数)
①596618人/②596618人
--
(スクリーニング)
事前の感染(PCR陽性歴)はなし
--
(年齢)①、②完全に一致
16歳以上
45歳(中央値)
16-39歳:35.7%
40-49歳:21.9%
50-59歳:14.3%
60-69歳:14.8%
70-79歳:9.5%
80歳以上:3.7%
--
(男女比)①、②一致
1:1
--
(人口区分)①、②一致
ユダヤ系:77.6%
アラブ系:20.3%
--
(CDCに基づくリスク因子)
0:56.7%
1:23.6%
2:9.3%
3:4.9%
4以上:5.4%
--
(過去5年間インフルエンザワクチン接種歴)①、②一致
0回:58.9%
1~2回:19.5%
3~4回:8.5%
5回以上:13.2%
--
(CDCが定めるリスク因子)5%以上のもの抽出
慢性腎疾患:①6.8%/②6.8%
心疾患:①6.6%/②6.5%
肥満BMI30~40:①16.9%/②17.7%
喫煙:①19.9%/②16.4%
2型糖尿病:①11.1%/②11.0%
--
(その他の特性)5%以上のもの抽出
高血圧:①16.9%/②17.3%
肥満BMI25~30:①34.1%/②35.7%
ーーーーーー

//結果1//ーーーーーー
リスク比
(1回目接種から14~20日まで)
感染:46%
有症状:57%
入院:74%
重症:62%
--
(1回目接種から21~27日まで)
※2回目接種から7日まで
感染:60%
有症状:66%
入院:78%
重症:80%
--
(2回目接種から7日後以降)
感染:92%
有症状:94%
入院:87%
重症:92%
--
(参考文献(1) Table 2より)
ーーーーーー

//カテゴリ別結果2//ーーーーーー
①1回目接種から14~20日まで
②1回目接種から21~27日まで
③2回目接種から7日後以降
数字はリスク比
--
(男性)
①41%/②57%/③91%
--
(女性)
①50%/②63%/③93%
--
(年齢16-39歳)
①49%/②64%/③94%
--
(年齢40-69歳)
①47%/②58%/③90%
--
(年齢70歳以上)
①22%/②50%/③95%
--
(リスク因子なし(No coexisting condition))
①49%/②66%/③91%
--
(リスク因子1つか2つ)
①43%/②56%/③95%
--
(リスク因子3つ以上)
①37%/②37%/③86%
--
(肥満)
①49%/②48%/③95%
--
(2型糖尿病)
①25%/②49%/③91%
--
(高血圧)
①28%/②45%/③93%
--
(参考文献(1) Table 3より)
--
(筆者の考察:結果2に関して)
女性はやや男性に比べてワクチンに対する
反応が「早い」可能性があります。
--
高齢になればなるほど
ワクチン接種に対する免疫反応の応答が
遅くなる傾向にあります。
従って、特に高齢の方は
ワクチンを接種してしばらくの間は
接種する前と同様の感染対策が必要になります。
しかし、それは
全対象者でいえることです。
--
リスク因子が多くなると
ワクチン接種後の免疫反応の応答が
遅くなる傾向にあります。
従って、2回目接種から7日後までは
接種する前と同様の感染対策が必要になります。
--
肥満、2型糖尿病の方は
ワクチン接種後の免疫反応が遅いです。
ーーーーーー

//結果3//ーーーーーー
参考文献(1) Supplementary appendix Table S7
この生データを元に計算。
ワクチンの効果
①モデル1
その期間での累積発生率の変化の比率から計算
②モデル2
その期間でのイベント発生率の比率から計算

日数は1回目接種からの期間
カッコ内は②モデル2のデータ
(イベント発生数/検査件数 A:接種なし、B:接種あり)
--
(感染:全て)
1~7日:①14.5%/②16.8% (A:2362人/209214人 B:1965人/209143人)
8~14日:①7.0%/②2.5% (A:1609人/136698人 B:1568人/136603人)
15~21日:①50.0%/②47.7% (A:1133人/65512人 B:591人/65396人)
(2回目接種)
22~28日:①57.9%/②58.3% (A:671人/83739人 B:281人/84093人)
29~35日:①86.3%/②81.9% (A:278人/68265人 B:51人/69108人)
36~42日:①92.0%/②91.7% (A:47人/25054人 B:4人/25718人)
--
(感染:無症状)
1~7日:①6.4%/②8.6% (A:943人/209340人 B:862人/209311人)
8~14日:①-9.0%/②-10.9% (A:635人/137065人 B:704人/137026人)
15~21日:①34.7%/②31.0% (A:447人/65860人 B:308人/65781人)
(2回目接種)
22~28日:①52.4%/②50.2% (A:317人/84638人 B:158人/84726人)
29~35日:①77.2%/②71.4% (A:129人/69465人 B:37人/69687人)
36~42日:①92.9%/②91.0% (A:22人/25668人 B:2人/25903人)
--
(感染:有症状(軽症、入院、重症))
1~7日:①20.0%/②22.2% (A:1419人/209364人 B:1103人/209290人)
8~14日:①17.0%/②11.2% (A:974人/137081人 B:864人/136998人)
15~21日:①60.4%/②58.7% (A:686人/65737人 B:283人/65685人)
(2回目接種)
22~28日:①62.7%/②65.4% (A:354人/84365人 B:123人/84628人)
29~35日:①93.8%/②90.7% (A:149人/68986人 B:14人/69634人)
36~42日:①91.2%/②92.1% (A:25人/25408人 B:2人/25885人)
--
(感染:入院)
1~7日:①43.8%/②46.5% (A:58人/209489人 B:31人/209454人)
8~14日:①24.8%/②31.3% (A:67人/137439人 B:46人/137409人)
15~21日:①74.4%/②71.2% (A:73人/66064人 B:21人/66054人)
(2回目接種)
22~28日:①71.2%/②78.3% (A:46人/85206人 B:10人/85231人)
29~35日:①78.9%/②83.4% (A:12人/70087人 B:2人/70179人)
36~42日:①100%/②100% (A:3人/25952人 B:0人/26057人)
--
(感染:重症)
1~7日:①63.4%/②64.7% (A:17人/209490人 B:6人/209458人)
8~14日:①58.5%/②50.0% (A:40人/137445人 B:20人/137417人)
15~21日:①69.1%/②66.7% (A:57人/66071人 B:19人/66064人)
(2回目接種)
22~28日:①88.7%/②83.7% (A:43人/85222人 B:7人/85246人)
29~35日:①86.8%/②78.6% (A:14人/70118人 B:3人/70189人)
36~42日:①100%/②100% (A:3人/25976人 B:0人/26064人)
ーーーーーー

//副反応について//ーーーーーー
詳細なデータはありません。
ーーーーーー

//定義//ーーーーーーー
--
無症状
以下の症状がない
--
有症状
熱、悪寒、咳
呼吸が浅くなる、困難である
咽頭痛
鼻水
筋肉痛
吐き気
嘔吐
下痢
腹痛、
味覚障害
嗅覚障害
飲食ができない
他、医師が有症と認める
--
(参考文献(1) Supplementary appendix Table S1より)
ーーーーーーーー

//その他//ーーーーーー
ワクチンの効果は変異株も含めて
複数の株による効果であると考えられています。
しかし、
調査機関で中和能の低下が指摘される南アフリカの変異株
Lineage B.1.351の市中感染はほとんどなかった
とされています(2)。
--
イスラエルは委託なしで数時間で
PCRの結果が得られる体制が整っているので
タイムラグの問題はある程度は抑えられていると
考えられます。
ーーーーーー

//筆者の考察、意見//ーーーーーー
日本でも順次ワクチンの接種が始まりますが、
公式な声明を含めて、
1回目の接種をしたらすぐに効果がでるという
間違った先入観は払拭する必要があります。
ファイザー社(さん)が治験で示している
十分な効果が出るまでは2回目接種後
2週間程度は必要とするということです。
また、上述したように
併存症、高齢などリスクが高い人は
効果が出るまで時間がかかる傾向にあるので
特にこの点に関しては注意が必要です。
繰り返しにになりますが、
接種後すぐに効果が出るわけではないので
2回目接種から1週間程度経過するまでは
少なくとも今までと同じレベルでの感染対策が必要です。
ーーーーーー

以上です。

(参考文献)
(1)
Noa Dagan, M.D., Noam Barda, M.D., Eldad Kepten, Ph.D., Oren Miron, M.A., Shay Perchik, M.A., Mark A. Katz, M.D., Miguel A. Hernán, M.D., Marc Lipsitch, D.Phil., Ben Reis, Ph.D., and Ran D. Balicer, M.D. 
BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting 
The New England Journal of Medicine February 24, 2021,
(2)
Hoffman M. Coronavirus: 80 cases of South African variant discovered in Israel. 
Jerusalem Post. February 2, 2021 
(https://www . jpost . com/  breaking - news/  coronavirus - 80 - cases - of - south - african - variant - discovered - in - israel - 657452).
(3)
Mark J. Mulligan, Kirsten E. Lyke, Nicholas Kitchin, Judith Absalon, Alejandra Gurtman, Stephen Lockhart, Kathleen Neuzil, Vanessa Raabe, Ruth Bailey, Kena A. Swanson, Ping Li, Kenneth Koury, Warren Kalina, David Cooper, Camila Fontes-Garfias, Pei-Yong Shi, Özlem Türeci, Kristin R. Tompkins, Edward E. Walsh, Robert Frenck, Ann R. Falsey, Philip R. Dormitzer, William C. Gruber, Uğur Şahin & Kathrin U. Jansen 
Phase I/II study of COVID-19 RNA vaccine BNT162b1 in adults
Nature volume 586, pages589–593(2020)

2021年2月24日水曜日 0 コメント

セリン477残基ののACE2受容体との相互作用

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

現在、イギリス、南アフリカ、ブラジルで
主に流行が見られる変異株、
あるいは日本でも変異が見つかっています。
RNAはランダムに任意の割合でコピーミスが起こりますから
それによってウィルスはマイナーな変化も
加えればどんどん変異していきます。
結果として世の中に大きく影響を与えるものは
感染力が強かったり、
ワクチンに対して耐性を持つものです。
それ以外のものは自然に勢力を失うからです。
新型コロナウィルスの流行が収まれば
そのような変異は起こらなかったということになります。
従って、変異を継続的にモニターしていく事は
社会としてとても重要になります。

Amit Singh, Georg Steinkellner, Katharina Köchl
(敬称略)らオーストリアの医療研究グループは
セリン477というSタンパク質の残基が
構造的に柔軟性に富んでいて
この部分の変異がD614Gという
感染初期で起こった変異とセットで変異起こりやすく
ACE2受容体との結合性に影響を与えるかもしれない
という事を計算で示しました(1)。

このセリン477は
原子の揺らぎが大きく、
ACE2受容体との結合の有無によって
構造的な柔軟性を大きく変える事が示されています。
またセリン477Gというタイプでは
ACE2受容体との結合安定性が
力を加えた時に乖離が遅延することから
高いことが計算で示されています(1)。

従って、セリン477の構造が
今の新型コロナウィルス株でどのようになっているか
というのを確認するのが重要になります。

以上です。

(参考文献)
(1)
Amit Singh, Georg Steinkellner, Katharina Köchl, Karl Gruber & Christian C. Gruber 
Serine 477 plays a crucial role in the interaction of the SARS-CoV-2 spike protein with the human receptor ACE2
Scientific Reports volume 11, Article number: 4320 (2021) 


2021年2月23日火曜日 0 コメント

緊急挿管について

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

新型コロナウィルスで酸素レベルが下がり、
呼吸が困難になった場合においては
緊急挿管が検討されることがあると思います。
Gentle Sunder Shrestha, Ninadini Shrestha, Ritesh Lamsal
(敬称略)らネパールとアメリカの医療研究チームは
新型コロナウィルスに関する緊急挿管について
ビデオ、文章により、
その手順、想定される問題、対策を報告されています(1)。
その内容の一部について
読者の方と情報共有したいと思います。

//準備//ーーーーーー
新型コロナウィルスに気管内挿管を行う場合
作業される方は感染のリスクにさらされます。
従って、それを予防するために
極めて周囲深い計画、準備、実施訓練を行う必要があります。
予め手順や注意事項など書面でのチェックリストを作成、確認します。
しかしながら
新型コロナウィルスの緊急挿管については
共通のガイドラインが現状ではなく、
医療機関ごとによって変わるのが現状です。
また、利用できる装置によってもそれは変わります。
ーーーーーー

//挿管を行うチーム//ーーーーーー
期間内挿管を行うスタッフは必要最小限にする必要があります。
4人が適切だと考えられています。
第一、第二の作業者のみ
個人用保護具(PPE)を身に着け、患者の部屋に入ります。
-
(個人用保護具)
・マスク(N95レベル、それ以上の性能)
・ガウン
・グローブ
・保護メガネ
(参考文献(1) Figure 2より)
-
(第一作業者)
最も高い専門性を有する。
全ての作業に関わります。
・事前の酸素供給(Preoxygenation)
・気管内挿管
・期間内チューブを固定
-
(第二作業者)
第一作業者の作業を支援します。
・人工呼吸器、モニターの管理、動作

気道確保困難、心停止時を除いて
第二作業者は患者とは直接接触はしません。
-
(第三、第四作業者)
患者の部屋の外側から作業をモニターします。
気道確保困難、心停止時など
緊急の状態に備えて個人用保護具を準備してきます。
ーーーーーー

//装置//ーーーーーー
理想的な環境としては
挿管を行う部屋は陰圧室であることです。
陰圧であれば部屋の中から外部に空気が漏れ出る
割合が顕著にさがるからです。
薬物治療や装置の準備は患者の部屋の外で行う必要があります。
部屋の中でしかできない投薬、装置の準備だけ
患者の部屋の中で行います。
つまり、患者の部屋の中での作業は
必要最小限にするように努めます。
-----
((準備するアイテム))
<ベッドサイド>
・心電計
・パルスオキシメーター
・二酸化炭素はき出し量を検出する装置
・非侵襲血圧モニター
・吸引カテーテル
・バッグバルブマスク
※肺胞虚脱を最小化し、酸素供給を必要に応じて改善する
-
<挿管に必要な装置>
・ビデオ喉頭鏡(なければ直達喉頭鏡)
・(Cuffed)気管内チューブ(適切なサイズ)
・気管内チューブスタイレット(探り針)
・エアシリンジ
・適切なサイズのフェースマスク
・経口咽頭チューブ
・気管内チューブを固定するもの(粘着テープ、チューブホルダー)
・高効率ウィルスフィルター
-
<追加装置>
・付属的な気道カート(気道確保が難しい時)
例えば、ブジー、ラリンジアルマスク、気管支ファイバースコープ
・心肺蘇生カート
・比色化学試験(二酸化炭素検出のため)
・カプノグラフ(二酸化炭素検出のため)
-
(参考文献(1) Table 1より)
ーーーーーー

//薬物治療//ーーーーーー
部屋に入る前の静脈注射による薬物治療
・プロポフォール
・ミダゾラム
・ケタミン
・エトミデート(etomidate)
これらのいずれかが睡眠薬として検討されます。
決定因子は、臨床状態、薬の禁忌などの利用可能性、
第一作業者の判断などです。
神経筋遮断薬として
・サクシニールコリン
・ロクロニウム
これらが検討されます。
その他、循環作動薬、昇圧剤などが検討されます。
・エフェドリン
・フェニレフリン
ーーーーーー

//手順//ーーーーーー
迅速導入が手順の時間を減らすため望ましい。
--
無呼吸のリスクが高い患者さんにおいては
挿管の前に肺を通気する事によって
状況が改変する可能性があります。
--
患者の手術用マスクを外します。
--
患者が高流量鼻腔カニューレや非侵襲の通気により
酸素補充処置をすでに受けている場合には
挿管を試みる準備までに
これらの装置を適切な場所に置くことを考えます。
--
100%純度の酸素を3~5分間バッグバルブ装置で投与します。
自発的な呼吸を患者にさせながら行います。
--
呼吸による飛沫、エアロゾルの飛散を最小化させるために
密封性の良いフェースマスクを患者に装着し、酸素供給します。
--
適切な事前の酸素供給を達成するために必要最小限の
酸素流量を採用します。
--
あおむけ状態で呼吸が難しいようであれば、
一時的に頭部を少し上げます。
その時も酸素供給は行います。
--
「flow-inflating resuscitation」装置の使用が
吸入の抵抗性を避けるために好ましい患者さんは
いるかもしれません。
吸入の抵抗性は手順の中で使われる
バッグバルブ装置の使用中に起こるかもしれません。
--
事前の酸素供給が完了したら
第二の作業者は睡眠導入剤、神経筋遮断薬を投与します。
--
気管内挿管を行う前に神経筋遮断薬の投与を完了します。
その後、薬や用量に依存しますが、
薬が効力を発揮するまでは30秒から60秒待つ必要が
あるかもしれません。
--
末梢神経の刺激は神経筋作動薬の開始、効力の決定因子を
促進するものです。
--
ビデオ喉頭鏡、スタイレットと気管内チューブを使用して
気管内挿管を行います。
(参考文献(1) Figure 3より)
ーー
気管内チューブからスタイレットを取り外します。
--
通気を試みる前に気道を閉じるためにチューブカフを
膨張させます。
inflate the tube cuff to seal the airway 
before attempting ventilation.
-
呼吸装置を気管内チューブに接続して、
チューブの最も近くにウィルスフィルターを置きます。
--
もし、二酸化炭素が比色化学試験、カプノグラフィーで
検出されたら気管内チューブが正しい位置に装着されているか
確認します。
--
患者さんの胸部の上下動を確認します。
--
汚染物質のリスクを減らすために聴診器の使用は避けます。
--
最後に気管内チューブを固定します。
ーーーーーー

//想定される問題//ーーーーーー
重症患者に対する気管内挿管においては
軽度な問題から、生命に関わる事まで様々な問題があります。
生命に関わるものは
肺の通気を遮断したり、血液の流れを止めるものです。
--
もし、麻酔薬の投与後、酸素飽和度の低下が進行すれば
バッグバルブ装置で低一回換気量、陽圧通気を導入し、
酸素供給を維持しながら、
気管内挿管を迅速に行う必要があります。
(参考文献(1) Figure 4より)
--
もし気管内挿管が初めの試みで成功しなければ、
フェースマスクを通して低換気量、陽圧通気を行います(2)。
それによって酸素供給を維持します。
--
第二の作業者は第一のメイン作業者の補助をします。
・患者の位置、ベッドの一の調整
・喉頭鏡の視認性を上げるために外部から喉頭鏡の調整
・気道の付属アイテムを第一作業者に渡す
--
もし気管内挿管が2回目の試みでも失敗すれば
第二の作業者は挿管を行う事を検討します。
その際も
適切な酸素供給をフェイスマスクを通した
低流量、陽圧通気を供給維持します。
--
フェースマスク通気が適用できなければ、
喉頭マスク気道(laryngeal mask airway)
を設置する必要があります。
--
もし喉頭マスク気道による通気が難しく、
酸素レベルの低下が起これば、
緊急の「front-of-neck(首の喉頭隆起のあたり、体外から)」
通気の為のアクセスを気道に対して行います。
--
心停止の場合、第一、第二の作業者は蘇生をすぐに
行う必要があります。
それはガイドラインに従います。
第三、第四の作業者が挿管室内に入る際には
個人用防護装置を着用する必要があります。
そして心肺停止の組成救急を援助します。
それでも不足で有れば
他のヘルスケア作業者が援助する事も検討します。
その際には同様に個人用防護装置を着用します(3)。
ーーーーーー

以上です。

(参考文献)
(1)
Gentle Sunder Shrestha, M.D., Ninadini Shrestha, M.D., Ritesh Lamsal, M.D., D.M., Saurabh Pradhan, M.D., D.M., Anil Shrestha, M.D., Robert Canelli, M.D., and Rafael Ortega, M.D. 
Emergency Intubation in Covid-19
The New England Journal of Medicine  2021;384:e20.
(2)
Orser BA. 
Recommendations for endotracheal intubation of COVID-19 patients. 
Anesth Analg 2020; 130: 1109-10.
(3)
Ramzy M, Montrief T, Gottlieb M, Brady WJ, Singh M, Long B. 
COVID-19 cardiac arrest management: a review for emergency clinicians. 
Am J Emerg Med 2020; 38: 2693-702.


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周辺系と独立性を有する神経中枢系の食欲制御機構

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

程度によると考えられますが、
基本的には肥満は生活習慣病、
新型コロナウィルスのリスクを高めるといわれています。
生活習慣病は老化に伴う病気に含まれますが、
健康寿命を延ばすためには
少なくとも中程度、重度の肥満は避ける必要がある
と考えられます。
最近の老化研究においては
「間欠的断食」と呼ばれる食事を制限する事が
まだ人においては確実性はありませんが、
健康において一つの重要な因子になる可能性がある
と考えられています(2)。
例えば、食事の時間を空けたり、
時々何も食べない日があったり、
カロリーを制限する日を定期的に設けたり
、、、
これらのようなことが間欠的断食にあたります。
--
もちろん個人、個人が肥満におけるリスクを理解して
生活習慣を改善するという事は欠かせませんが、
食欲やエネルギー代謝の科学的な理解も求められます。
また、肥満に対して薬剤による医療的な介入によって
減量が成功したという千人規模の治験結果があります(3)。
ーーーーーーーー
Daniel I. Brierley, Marie K. Holt, Arashdeep Singh
(敬称略)らイギリス、アメリカ、スイスの
医療研究グループは
インスリンを通じて血糖値を調整したり、
摂食制限に関わる消化管ホルモンである
GLP-1システムにおいて中枢系、末梢系が
それぞれ部分的には独立性を持って
摂食抑制に関わっていることを報告されています(1)。
本日はその内容の一部について
読者の方と情報共有したいと思います。
ーーーーーーーー

//重要な内容//ーーーーーー
GLP-1系統における中枢系と抹消(周辺)系。
-
中枢系:脳プログルカゴン神経細胞
(brain preproglucagon (PPG) neurons)
周辺系:腸内分泌細胞(gut enteroendocrine cells)
-
中枢系のPPG神経細胞は迷走神経に発現している
オキシトシン受容体からの信号を受け取るため
必ずしも摂食制限を促進する
GLP-1作動薬(アゴニスト)を必要としません。
この中枢系PPG神経細胞に作用させる事は
既に参考文献(3)の大規模治験で肥満抑制の成果がでている
GLP-1に作用する薬剤Semaglutideを単独で作用させるよりも
摂食制限の効果を上げる可能性が示唆されます。
--
従って、GLP-1アゴニストに加えて
脳プログルカゴン神経細胞を
迷走神経の受容体を活性化せることは
肥満抑制のより高い効果に繋がる可能性があります。
そのことが「マウスの実験により」で示唆されています。
ーーーーーー

//結果(1)//ーーーーーー
マウス
--
(PPG神経細胞「脳幹に」直接的に化学的刺激)
機能を高めることで摂食を減らしました。
(参考文献(1) Fig.2cより)
--
(GLP1受容体「抹消神経」直接的に化学的刺激)
機能を高めることで摂食を減らしました。
(参考文献(1) Fig.3bより)
--
(PPG神経細胞「脳幹に」直接的に「オキシトシンで」刺激)
機能を高めることで摂食を減らしました。
(参考文献(1) Fig.5gより)
--
薬剤SemaglutideとPPG神経細胞活性化
両立により摂食量がより少なくなっています。
(参考文献(1) Fig.8d-fより)
---
これらの事から身体の各組織に延びている
末梢神経のGLP1受容体の機能によって
食欲の度合いが影響を受けることが示されています。
その信号の行き先はPPG神経細胞です。
ーーーーーー

//筆者の考察//ーーーーーー
GLP-1作動薬は2型糖尿病の患者さんに使用されることがあります。
GLP-1受容体の働きを強める薬で
主に膵臓に作用させる事を目的としていると考えています。
それによってインスリンの血糖値に対する感受性を上げることです。
2型糖尿病の場合は(1型糖尿病ではない)、
減量、食事のコントロールが求められますから
食欲をどう制御するかがカギになります。
食欲は視床下部と関連がありますが、
その視床下部とつながっている脳幹にある
PPG神経細胞の働きが活性化されることで
満腹の感受性があがり、過剰な摂食を防ぐことができる
と考えられます。
生活習慣病やそのリスクがある肥満の方に対して
膵臓、胃腸に直接働くようなGLP-1に関わる薬剤と
食欲の信号そのものに関わる中枢神経系への薬剤
両方を組み合わせることで
より効果が高まることが期待できます。
その際には治療を受けた方は
「お腹がすいていないのに食べない。」
「食欲に従って食べる。」
「過剰な満腹を避ける。」
できれば「ゆっくり食べる。」
このようなことが必要になると思います。
そうではなくても中年以降になると
肥満のリスクはあがりますから
自分の食欲に耳を傾けて摂食する、
食べ過ぎないという事は求められると思います。
--
また、これからの研究に期待する事として
脳幹にあるPPG神経細胞を化学的な薬剤ではなく
運動などの生活習慣の中で活性化する方法はないか?
私の知る限り、そのような報告はないので
その点知りたいと思います。
そうすれば、治療対象以外の人も
予防的に日常生活を改善できる可能性があります。
参考文献(1)によればオキシトシンが関係している
可能性が示唆されています。
例えば、女性のマウスでは有酸素運動で
オキシトシンのレベルが向上したという報告もあります(4)。
(男性ではみられなかった。)
周期的にも変わる可能性があるので
それと摂食の関係はどうかという点は気になります。
(ただし、オキシトシンが脳幹のPPG神経細胞に伝わるか
どうかという要因はあります。)
例えば、出産後、女性が体重増加することがありますが、
これはオキシトシンの「増減が大きい事」
(参考文献(5) 図2より)と
関係している可能性があります。
ーーーーーー

以上です。

(参考文献)
(1)
Daniel I. Brierley, Marie K. Holt, Arashdeep Singh, Alan de Araujo, Molly McDougle, Macarena Vergara, Majd H. Afaghani, Shin Jae Lee, Karen Scott, Calyn Maske, Wolfgang Langhans, Eric Krause, Annette de Kloet, Fiona M. Gribble, Frank Reimann, Linda Rinaman, Guillaume de Lartigue & Stefan Trapp 
Central and peripheral GLP-1 systems independently suppress eating
Nature Metabolism volume 3, pages258–273(2021)
(2)
Valter D. Longo, Maira Di Tano, Mark P. Mattson & Novella Guidi 
Intermittent and periodic fasting, longevity and disease
Nature Aging volume 1, pages47–59(2021)
(3)
John P.H. Wilding, D.M., Rachel L. Batterham, M.B., B.S., Ph.D., Salvatore Calanna, Ph.D., Melanie Davies, M.D., Luc F. Van Gaal, M.D., Ph.D., Ildiko Lingvay, M.D., M.P.H., M.S.C.S., Barbara M. McGowan, M.D., Ph.D., Julio Rosenstock, M.D., Marie T.D. Tran, M.D., Ph.D., Thomas A. Wadden, Ph.D., Sean Wharton, M.D., Pharm.D., Koutaro Yokote, M.D., Ph.D., Niels Zeuthen, M.Sc., and Robert F. Kushner, M.D., for the STEP 1 Study Group
Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity
The New England Journal of Medicine  February 10, 2021,
(4)
Oğuz Yüksel et al.
Regular Aerobic Voluntary Exercise Increased Oxytocin in Female Mice: The Cause of Decreased Anxiety and Increased Empathy-Like Behaviors
Balkan Med J. 2019 Sep; 36(5): 257–262.
(5)
久納智子
周産期におけるオキシトシン値の変化と母親役割獲得過程の関連
心身健康科学 15巻1号 2019年

2021年2月22日月曜日 0 コメント

ANCA関連血管炎とアバコパンの臨床効果

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

身体には毛細血管を含めると
全身に血液が流れていて酸素や代謝生成物などの栄養が
各組織、それを基礎とした臓器、器官に送られます。
新型コロナウィルスでは
多臓器不全を導くことや、脳に傷害が生じることがあります。
これらの傷害の原因の一部は
全身を流れる血管を通じた血液の影響である
可能性も考えられます。
--
感染が収束したとしても
これからも医療現場の方だけではなく
研究分野、社会として継続的に向き合っていかないといけない
後遺症に関しては
・ウィルス自身の影響
・免疫機能の影響
・組織の炎症などの影響
これらの要因が考えられます。
これらは独立ではないですが、
何が主因になっているかというのは現状ではわかっていません。
しかし、冒頭で述べた様に血液を送る血管に異常が起きると
その影響は身体の広範囲に及ぶ恐れがあり、
各組織には神経が繋がっていますから
それによって倦怠感、微熱、関節痛、吐き気、抑うつなどの
後遺症として典型的に表れている症状につながる可能性があります。
従って、
後遺症の治療に当たっては、
一つ一つ問題のあるところを正常に戻していく
ということが基礎として求められると思います。
新型コロナウィルスでは川崎病に似た症状が現れることありますし、
血栓症なども引き起こすので
従来から基礎研究、臨床試験が行われてきた
血管炎の治療を参考にして
血管の状態をどのように改善していくか?
という糸口を見つける事に
一定の臨床的意義を見出すことができます。
ーーーーーーーー
(The ADVOCATE Study Group)
David R.W. Jayne, Peter A. Merkel, Thomas J. Schall, Pirow Bekker,  
(敬称略)からなるイギリスとアメリカの医療研究グループは
ANCA関連血管炎の治療において薬剤アバコパンの
臨床効果をステロイド系免疫抑制剤である
プレドニゾンと比較されています(1)。
本日は新型コロナウィルスとの関連の考慮に入れながら
その内容の一部を読者の方と情報共有したいと思います。
ーーーーーーーー

//ANCA関連血管炎について(2)//ーーーーーー
血清中のANCA
(抗好中球細胞質抗体:anti-neutrophil cytoplasmic antibody)
これを陽性とする小型血管炎。
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(サブタイプ、亜型)
①顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis、MPA)
②多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis、GPA)
③好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis、EGPA)
があります。
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(臨床症状)
共通してみられることが多い症状。
・肺胞出血、腎障害
・発熱、全身倦怠感、体重減少
-
①顕微鏡的多発血管炎では
・腎障害(91%)
・肺病変(39%)
・抹消試験障害(42%)
これらの頻度が高いと言われています。
-
肺との関連としては
①:結節影、浸潤影、空洞性病変、肺胞出血
②:肺胞出血、間質性肺炎
③:気管支喘息、好酸球性肺炎、肺胞出血
これらとなっています。
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(検査)
<肺病変の評価>
胸部X線、胸部CT、KL-6、SP-D、動脈血ガス、
呼吸機能検査、気管支鏡、経気管支肺生検(TBLB)、
外科的肺生検(VATS)
-
<腎病変の評価>
尿定性、沈渣、尿生化学、腎生検
-
<神経病変の評価>
神経内科診察、神経伝導速度検査、腓腹神経生検、
頭部MRI
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(治療)
重症度や年齢などに応じて、
ステロイド使用量や免疫抑制剤の併用を決定
-
①寛解導入療法(remission induction)
重要臓器障害がある場合には、
・高用量ステロイド、ステロイドパルス
・エンドキサンパルス(IVCY)もしくはリツキサン(RTX)
これらを併用
-
②寛解維持療法(maintenance)
・少量ステロイドとアザチオプリン(AZP)
・リツキサン(RTX)
これらを併用。
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//ANCA関連血管炎について(3)//ーーーーーー
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(最も影響が受けやすい器官)
上下気道、腎臓
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(病理)
好中球タンパク質に対する耐性の喪失による
自己抗体(ANCA)による好中球、単球の活性化
-
血管組織の炎症による
エフェクターT細胞の誘引
-
損傷⇒自己抗体⇒免疫惹起⇒損傷、、、
このような雪崩的な生理現象により悪化します。
重度になると線維化、組織機能喪失につながります。
従って、免疫抑制剤を使う事により
この悪化経路(免疫惹起)を遮断する事を試みます。
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(診断)
血管炎の患者は特徴的な症状を示さない。
・体重減少
・倦怠感
・関節痛、筋肉痛
・ぜんそく(共通してみられます)
一般的な症状なので度々誤診が生じるとされています。
誤診が起こりやすい他の疾患。
感染症、悪性腫瘍、鬱、骨粗しょう症(特に高齢者)(4)。
-
ANCAs
leukocyte proteinase 3 (PR3)-ANCAs 
myeloperoxidase (MPO)-ANCAs
これらの自己抗体自身は血管炎に対する
特異的なバイオマーカーにはなりません。
なぜなら他の状態でも存在するものだからです。
ex.結核、緑膿菌感染、心内膜炎、嚢胞性肺線維症
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(診断:バイオマーカー)
免疫蛍光試験(8)
高品質免疫測定法(8)
これらが挙げられていますが、
上述したように完全な特異性がないために
確立されたものではないと理解しています。
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(治療、マネイジメント)
免疫抑制剤を使用
・glucocorticoids
・cyclophosphamide
・rituximab(※PR3-ANCA陽性患者反応良好(7))  
(以上、一般的な治療)
用量の調整は必要。できるだけ必要最小限にします。
・azathioprine
・methotrexate
これらは副作用が少ないので
途中で入れ替える事も検討されます。
また、臓器の損傷状態を継続評価します。
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(日本人に現れやすい症状)
①顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis、MPA)
これにおいて肺線維症が臨床症状の兆候として
生じやすい傾向にあります(5,6)。
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(生活の質:QOL)
高容量のグルココルチコイドは
心の状態を悪化するなどの副作用があります(9)。
従って、参考文献(3)Fig.8のように
投薬から3か月、6か月の間に
用量を臨床症状を見ながら段階的に下げていく事が
好ましいとされています。
またそれ以降の維持期間では
より副作用の少ない薬剤に変える事が推奨されます。
グルココルチコイドの副作用の指標
・Glucocorticoid Toxicity Index
これが定められています(10)。
-
後遺症については患者さんごとに異なるので
個別的な治療戦略を組む必要があります。
現在、運動、リハビリが血管炎の患者さんに対して
効果があるかどうか評価されているところです(11)。
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//新型コロナウィルスと血管炎の関連(12)//ーーーーーー
新型コロナウィルスは肺の疾患との関連が高いです。
肺胞などの肺の組織にウィルス感染して
組織特異的な炎症などを通じて
免疫機能が惹起され、肺胞の周りにある毛細血管、
リンパ管などを通じて免疫惹起による血栓が生じることが
考えられています。
(disseminated intravascular coagulation (DIC)) (13)
これらが脳を含めて多臓器の血管系に影響を与えるのは
低酸素血症、ウィルス性敗血症、血管炎などが
免疫機能惹起以外に考えられています(14)。
血管炎などは新型コロナウィルス感染症での
肺や気道などの組織の炎症によって
生じた好中球などの惹起によって
ウィルス感染に対して間接的に生じている可能性も考えられます。
実際に血管炎との関連については
子供において川崎病に似た症状が現れています。
このことから血管炎との関連性が示唆されます。
ーーーーーー

//補体C5a受容体(C5aR)について//ーーーーーー
今回の内容のメインであるANCA関連血管炎に対する
アバコパンはC5a受容体を阻害する働きがあります。
この補体受容体は血液中に含まれるたんぱく質で
炎症、損傷の原因となる好中球、単球に向性を示す(引き付ける)
ケモカインとして働きます(15)。
従って、これを阻害する事によって
好中球の炎症組織への走化性を弱めることができます。
ステロイド系の免疫抑制剤は
遺伝子を介するものとそうではないものがありますが、
基本的には細胞内に作用するものであり
免疫機能(の生成)そのものに関与するものだと理解しています。
しかし、このアバコパンは
免疫機能を示す細胞の「分布」に主に関与するものです。
-

但し、C5a受容体に薬剤が結合することで
何らかの細胞内生理経路を改変させる可能性は除外できません。
-
その中で長期使用のリスク、副作用などが
変わってくる可能性があります。
好中球や単球の分布に特異的に関与するのであれば
長期服用のリスクは少ない可能性があります。
--
(ANCA血管炎との関連)
補体C5aの産生はANCA血管炎の病理の一つの要素です(17-20)。
--
(新型コロナウィルスとの関連)
実際に新型コロナウィルスの重症度と
血液中のC5aのレベルとは正の相関がありました。
これらの受容体は血液や肺の好中球や単球などの
骨髄性細胞に多く発現されていることがわかりました(16)。
--
(過去の治験の情報)
血管炎に対するアバコパンの効果。フェーズ2(21,22)。
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//Special note in English//ーーーーーー
Avacopan may indicate a pharmacological effect for "the distribution" of neutrophil and monocyte in a specific manner through the pathway of chemoattractant(C5a) inhibition.
Vasculitis becomes severe through the activation of these innate immune cells.
So, avacopan may have specificity for vasculitis pathology.
On the other hand, a steroid affects immune system itself via the pathway "in a cell" in a non-specific manner(?).
Therefore, Avacopan "itself" may not lead severe side effect compared to steroid medication.
("itself")It is emphasized that the other drug was used in this clinical trial.
How did cyclophosphamide (followed by azathioprine) or rituximab affect side effects?
These drugs are commonly used in this clinical trial(3).
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//比較薬剤について//ーーーーーー
プレドニゾン(免疫抑制剤)
合成副腎皮質ホルモン剤。ステロイドホルモン。
高用量で癌の治療に用いられることもあるが、
副作用が多い。免疫系を抑制するため、患者は易感染性となる。
プレドニゾンはそれ自身では作用を持たず、
肝臓でプレドニゾロンに代謝されて活性を示す。
細胞の受容体に結合後、たんぱく質が細胞質内に遊離されて
細胞核内に浸入。細胞核内の炎症遺伝子の働きを停止させます。
ーーーーーー

//投薬条件//ーーーーー
①アバコパン群
アバコパン30mg 1日2回、経口投与
52週間継続投与。
--
②プレドニゾン群
プレドニゾン60mg 徐々に減薬 20週まで
21週から投薬中止。
--
全ての患者に対して
①cyclophosphamide 静脈注射
 15mg/kg(body weight)(最大1.2g/day)
 2, 4, 7, 10, 13週目投与
②cyclophosphamide 経口投与
  2mg/kg(body weight)(最大200mg/day)
  14週間投与
③rituximab 静脈注射
 375mg/m2(body-surface area)
 4週間(それを超えない)
※①、②15週目からazathioprine経口投与
  2mg/kg/day
これら①~③の選択肢いずれか併用療法
ーーーーー

//条件(1)//ーーーーーー
①アバコパン/②プレドニゾン
--
(年齢)
①61.2±14.6歳/②60.5±14.5歳
--
(性別)
①男性98人/女性68人
②男性88人/女性76人
--
(治験前ANCA関連血管炎罹患期間)
①0.23 (0–362.3)カ月/②0.25 (0–212.5)カ月
--
(血管炎の既往歴)
①初診:69.3%/再発:30.7%
②初診:69.5%/再発:30.5%
--
(ANCAの状態)
①Antiproteinase 3 陽性:43.4%
②Antiproteinase 3 陽性:42.4%
①Antimyeloperoxidase 陽性:56.6%
②Antimyeloperoxidase 陽性:57.3%
--
(血管炎のタイプ)
顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis、MPA)
①45.2%/②45.1%
多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis、GPA)
①54.8%/②54.9%
--
(Birmingham Vasculitis Activity Score) 
※各臓器、器官の血管の炎症状態を測る指標(0~63)
①16.3±5.9/②16.2±5.7
--
(Vasculitis Damage Index)
※11臓器の損傷を定量化(0~64)。初診では通常0。
①0.7±1.5/②0.7±1.4
--
(免疫抑制剤:併用)
Intravenous rituximab:①64.5%/②65.2%
Intravenous cyclophosphamide:①30.7%/②31.1%
--
(臓器病変:20%以上のみ抽出)
腎臓:①80.7%/②81.7%
General:①66.9%/②69.5%
耳、鼻、喉:①45.2%/②42.1%
肺:①42.8%/②43.3%
神経系:①22.9%/②18.9%
--
(治験参加選び出し期間でのグルココルチコイド投薬)
使用:①75.3%/②82.3%
ーーーーーー

//結果//ーーーーーー
①アバコパン/②プレドニゾン
(再発しない確率)
320日後:①約90%/約80% 
ハザード比:0.46(①/②)

治療開始から160日後くらいまでの
アバコパン治療実績は非常に高い。
(参考文献(3) Figure.2より)
--
(寛解)
26週後(182日):①72.3%/②70.1%
52週後(364日):①65.7%/②54.9%
--
(The Glucocorticoid Toxicity Index Cumulative Worsening Score (GTI-CWS))
26週後:
①39.7±3.4/②56.6±3.4
ーーーーーー

//安全性の評価、有害事象(Adverse event)//ーーーーーー
①アバコパン/②プレドニゾン
--
(重篤な有害事象)
①23.5%/②25.0%
--
(生命に危機がある有害事象)
①4.8%/②8.5%
--
(亡くなられた割合)
①1.2%(2人)/②2.4%(4人)
--
(血管炎悪化に関連する有害事象)
①10.2%/②14.0%
--
(血管炎悪化に関連しない有害事象)
①37.3%/②39.0%
--
(感染症併発)
①68.1%/②75.6%
※ただし、重篤な感染症については①がやや高い
①15.2%/②13.3%
(参考文献(3) Supplementary appendix Table S11より)
--
グルココルチコイドに関連する有害事象は
心臓血管、感染症、胃腸、精神、内分泌
皮膚、骨格筋、眼
あらゆる組織において①<②
頻度として多いのは心臓血管①43.4%/②51.8%
ーーーーーー

//生活の質//ーーーーーー
身体的機能においては
①アバコパンが②プレドニゾンに対して高く
26週の評価が相対的に高い
--
精神的機能においても
①アバコパンが②プレドニゾンに対して高い
治療を続けることで52週まで改善が見られる
--
(参考文献(3) Supplementary appendix Figure.S4より)
ーーーーー

//臨床効果(筆者の評価)//ーーーーー
アバコパンをプレドニゾンの変わりに使ったほうが
寛解持続期間が長く、再発確率が低いことが示されています。
アバコパン単体の副作用がどのようであるか
というのはこの報告からは明らかにすることは困難がありますが、
52週継続投与の中でグルココルチコイド毒性を減らした状態で
血管炎臨床症状を改善できたことと
身体、心の生活の質を改善できたことは
顕著な臨床実績であると評価できます。
ーーーーー

以上です。

(参考文献)
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(2)
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A. Richard Kitching, Hans-Joachim Anders, Neil Basu, Elisabeth Brouwer, Jennifer Gordon, David R. Jayne, Joyce Kullman, Paul A. Lyons, Peter A. Merkel, Caroline O. S. Savage, Ulrich Specks & Renate Kain 
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