いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
日本での新型コロナウィルスの重症化した患者さんの
割合は減ってきているといわれています。
その中で早い段階での適切な治療というのが
貢献している部分があると思います。
その重症化する方の免疫機能の特徴としては、
Ⅰ型インターフェロン、IL-6ケモカインの
分泌の仕方が軽症の方と異なり、
特に発病初期のⅠ型インターフェロン分泌が少なく
IL-6ケモカインの量がかなり多くなっています。
(参考文献(1) Fig.1参照)
このIL-6は炎症作用のあるサイトカインです。
前述したⅠ型インターフェロンの分泌が少なくなる
機序はよくわかっていない部分があると推測されますが、
Paul Bastard氏らは、
Ⅰ型インターフェロンの分泌を抑制するような
自己抗体が重症化した患者さんの一部にみられることを
示しました(2)。
自己抗体の発生機序はよくわかっていないですが、
自己免疫疾患との関係性も指摘されています。
調査された肺炎を併発している重症の患者さん987人のうち
101人と約10%の人がインターフェロンに対する
自己抗体を持っていることがわかりました。
さらにこの自己抗体は感染前から存在しており、
663人の無症状の方はその自己抗体がないことがわかっています(2)。
従って、
事前にインターフェロンに対する自己抗体があるかどうか?
を検査することによって、
新型コロナウィルスに対するリスクを
発症前に見積もることができるかもしれません。
ただ、比率として10%なので
インターフェロンの自己抗体がなくても
重症になる方は多くいます。
また、このような自己抗体がある
先天異常は女性よりも男性の方が比率が高くなっています(2) 。
インターフェロンに対する自己抗体によって
インターフェロン分泌を促す遺伝子ISGs、
それに作用するSTAT1-STAT2-IRF9三量体の
経路が遮断されます。
またインターフェロンに直接、
抗体が結合するとも推定されています。
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参考文献(2) Research Articles Summary
図
Neutralizing auto-Abs to type I IFNs underlie life-threatening COVID-19 pneumonia.
Auto-Abs to type I IFNs参照
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前述したようにインターフェロンの自己抗体が
ウィルスにさらされる前からあるという方が
一定割合の方います。
このインターフェロンは、
ウィルスの増殖の阻止効果があると言われています。
インフルエンザなどにも抗ウィルス性がある(3)
と言われているので
他のウィルスのリスクにも関係する可能性があります。
以上です。
(参考文献)
(1)
Anne H. Rowley
Understanding SARS-CoV-2-related multisystem inflammatory syndrome in children
Nature Reviews Immunology volume 20, pages453–454(2020)
(2)
Paul Bastard et al.
Autoantibodies against type I IFNs in patients with life-threatening COVID-19
Science 23 Oct 2020:Vol. 370, Issue 6515, eabd4585
(3)
Deborah J. Lenschow et al.
IFN-stimulated gene 15 functions as a critical antiviral molecule against influenza, herpes, and Sindbis viruses
PNAS January 23, 2007 104 (4) 1371-1376
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