いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
昨日の東京都の新型コロナウィルスの感染者数は175人。
前週が116人でしたから、増加に転じている可能性があります。
実際に1週間平均でも13.5%増加しており、
第4波の前兆である可能性も否定できません。
現状、尾身会長のコメントによれば
感染源となっている社会的な特徴が自明ではないということです。
従って、集中的な感染対策も難しい状況です。
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今問題となっている変異株(系統)において
イギリスで昨年9月ごろから確認され、
現地で感染が広がっている変異系統(B.1.1.7)は
感染力が数十パーセント以上高い事が示されています。
イギリスでのランダム検査による変異有無の系統の時系列分布
をみると昨年12月くらいから広がりみせて
今年の2月の時点ではほとんど変異系統(B.1.1.7)になっています。
(参考文献(1) Fig.1aより)
従来のウィルス系統(株)は11月ごろから上昇を見せず
2月には収束していますが、
昨年末からイギリスで感染が広がった大きな波の要因は
この変異系統(B.1.1.7)によるものだと評価できます。
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日本でも同じようにイギリスで広がりを見せている
この変異系統(B.1.1.7)の確認が各地で相次いでいます。
実際には検査結果は1か月遅れ、検査割合は5%くらいなので
実際に市中で、現時点でどれくらい広がっているかは不明です。
今、関東で感染対策の中でも上昇の兆しが見られているのは
この感染力の強い変異系統(B.1.1.7)の影響である
可能性も視野に入れておく必要があります。
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Karla Diaz-Ordaz & Ruth H. Keogh(敬称略)ら
イギリスの医療研究グループは
上述した変異系統(B.1.1.7)の死亡率における疫学データを
詳しく評価されています(1)。
非常に重要な結果ですので、
速やかに読者の方と情報共有したいと思います。
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//重要な結果//ーーーーーー
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変異系統(B.1.1.7)のハザード比
61%(42-82%)
従来系統と比較。
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従って、少なくとも変異系統(B.1.1.7)の死亡率は
数十パーセント以上高いことが示されています。
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変異系統と従来系統で
発症から10日後の死亡率の差は大きくないが
10-30日後の死亡率において差が生じ
変異系統では従来系統に比較して
この期間で亡くなられる方が多く
治療が長期間にわたっている可能性も示唆されます。
(参考文献(1) Fig.1cより)
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(カテゴリ別)
死亡率:従来系統⇒変異系統(%)(比率;B.1.1.7/従来)
〇女性
0-34歳:0.00069⇒0.0011(1.59)
34-54歳:0.033⇒0.05(1.52)
55-69歳:0.18⇒0.281.56)
70-84歳:2.9⇒4.4(1.52)
85歳-:13⇒19(1.46)
女性平均リスク:1.52
-
〇男性
0-34歳:0.0031⇒0.0047(1.52)
34-54歳:0.064⇒0.099(1.55)
55-69歳:0.56⇒0.86(1.54)
70-84歳:4.7⇒7.2(1.53)
85歳-:17⇒25(1.47)
男性平均リスク:1.52
(参考文献(1) Table1より)
⇒
従って、性別、年齢で変異系統(B.1.1.7)のリスクが
変わるわけではなく一律で1.5倍程度に死亡率が上がる
事が示されています。
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//条件//ーーーーーー
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(期間)
2020年11月1日~2021年2月14日
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(人数)
1146534人(遺伝子検査)
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(場所)
イングランド
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(筆者の視点、考察)ーーーーー
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ウィルスの感染力が強いことと変異がSスパイク結合面に
入っていることからウィルス株の細胞内エントリーの効率が
向上している可能性があります。
そうすると体内でのウィルスの増殖能力が向上しますから
体内でのウィルス絶対量が増える事が考えられます。
参考文献(2)Fig.2の緑のラインで示されるように
ウィルス量が増えれば重症化しやすいことが推定されますから、
死亡率が感染性の高い変異株で上昇する事は十分に考えられる事です。
実際にKarla Diaz-Ordaz氏、 Ruth H. Keogh氏らも
参考文献(1)Discussionでウィルス量の増加が確認されている事から
このことが少なくとも「部分的に」死亡率増加に
関与している可能性があると明言されています。
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(参考文献)
(1)
Nicholas G. Davies, Christopher I. Jarvis, Kevin van Zandvoort, Samuel Clifford, Fiona Yueqian Sun, Sebastian Funk, Graham Medley, Yalda Jafari, Sophie R. Meakin, Rachel Lowe, Matthew Quaife, Naomi R. Waterlow, Rosalind M. Eggo, Jiayao Lei, Mihaly Koltai, Fabienne Krauer, Damien C. Tully, James D. Munday, Alicia Showering, Anna M. Foss, Kiesha Prem, Stefan Flasche, Adam J. Kucharski, Sam Abbott, Billy J. Quilty, Thibaut Jombart, Alicia Rosello, Gwenan M. Knight, Mark Jit, Yang Liu, Jack Williams, Joel Hellewell, Kathleen O’Reilly, Yung-Wai Desmond Chan, Timothy W. Russell, Simon R. Procter, Akira Endo, Emily S. Nightingale, Nikos I. Bosse, C. Julian Villabona-Arenas, Frank G. Sandmann, Amy Gimma, Kaja Abbas, William Waites, Katherine E. Atkins, Rosanna C. Barnard, Petra Klepac, Hamish P. Gibbs, Carl A. B. Pearson, Oliver Brady, W. John Edmunds, Nicholas P. Jewell, Karla Diaz-Ordaz & Ruth H. Keogh, Nicholas P. Jewell, Karla Diaz-Ordaz, Ruth H. Keogh, Katherine E. Atkins
Increased mortality in community-tested cases of SARS-CoV-2 lineage B.1.1.7
Nature (2021)
(2)
Thiago Carvalho, Florian Krammer & Akiko Iwasaki
The first 12 months of COVID-19: a timeline of immunological insights
Nature Reviews Immunology (2021)
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