子供も含めて、どの年代の人も
病院は楽しい場所であると考える人は少数だと思います。
定期的に通院するというのは、
生活リズムの中で心地よいという
高齢の方はいるかもしれないですが、
少なくとも長期間入院する事を好む人は少ないと思います。
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日本は超高齢化社会に入ります。
高齢になると細胞が老化します。
このような細胞の老化は全身の多くの疾患に関わりがあることから
高齢になればなるほど、
身体のどこかに疾患を持つ人が多くなります。
それが複数現れるケースも出てきます。
高齢の方の割合が増えて、
日本全体で一人当たりの疾患の数が多くなった場合、
それを果たして全部治す必要があるか?
このような問いが社会として生まれてきます。
これからは病気を治さないという選択肢もあるかもしれません。
あるいは病院という場所での医療介入ではなく
日常生活の中でうまく付き合っていくという医療が
もっと今よりも高いレベルになる可能性があります。
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高齢の方においては
人生を全うするまで家にいたいと考える方も
多いのではないか?と思います。
社会的に豊かな生活を維持しながら、
病気と付き合っていくという選択肢の中で
「在宅医療」が浮かび上がってきます。
それは高齢ではなく、若い人でも同じだと思います。
治療しながら日常生活を送れる
というレベルが上がることは
社会から望まれるかもしれません。
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David A. Simon, I. Glenn Cohen, Celynne Balatbat and Anaeze C. Offodile II
(敬称略)からなる医療研究グループは
在宅医療のメリット、求められる義務について
コメントされています(1)。
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そのメリットとしては
〇費用を抑えられる
〇臨床症状の改善
〇患者さんの移動性の向上
〇感染症のリスク低下
これらが挙げられています(2,3)。
感染症のリスクの低下は議論の余地があると思いますが、
様々な人と会う頻度、人との接点、空間共有が
病院の方が多ければ、
感染症のリスクは在宅医療のほうが下がると考えられます。
冒頭で述べた様に
生活の満足度が家の方が高く心理的によく
かつ運動などの機会が家の方が増えれば、
薬による治療効果も変わってくる可能性があります。
そうしたことから
臨床症状の向上が期待できる可能性です。
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ただし、在宅医療は当然高度な医療を受ける事が
難しくなります。
従って、上述したように積極的な治療を行いたい人にとっては
罹患している疾患によっては適さない可能性があります。
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また、在宅医療の場合には
病状が急変した時の即時の対応ができないため
それによって病態の悪化や命を落とす可能性もあります。
これが大きい負の要素だと思われます。
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David A. Simon氏らは在宅医療(Hospital-at-home)の中においては
それぞれの疾患に対して「標準的な水準」を
満たす必要があるとされています。
その中で、法的責任を
医師、病院、第三者供給者(医療デバイスなど)
介護士、患者
それぞれ負う必要があるとされています。
例えば、医師であれば、
〇入院、退院の判断
〇適切なモニタリング
〇適切な治療をタイムリーに行う
〇注意や警告などの発信
これらに対して法的責任が伴うとされています(1)。
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在宅医療の質の向上のためには法整備の他に
技術的な事もあると考えられます。
例えば
ウェアラブルデバイスなどによる
24時間のモニタリングシステムなどがあります。
他には
自動で尿検査ができるトイレなどもあります。
また、
冷蔵庫の中の特に(水分量)をチェックして
毎日、栄養管理や水分摂取を
介護士がモニターするなどもあります。
おそらく、これからこういったモニタリングシステムは
新型コロナウィルス感染症でも経験されたことから、
一気に進んでいくだろうと考えられます。
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在宅医療の向上のための要因としては
治療薬の改善もあると考えられます。
今よりも身体の負担が少なく、
治療効果の高い薬が今後開発されれば、
今まで入院が必要だった疾患に対して
在宅医療や通院が可能になるケースもあると思います。
高齢の方のケースだけではなく、
難病を抱えた若い人でも学校に通いながら
治療が受けられるという時代も来る可能性があります。
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これからは社会や医療における
疾患に対する考え方が
それを治すというものから、
それも含めた生活の質、ウェルビーイングを
どう実現するかに変わってくると想定されます。
その一つの核として
在宅医療(Hospital-at-home)。
これがあると考えられます。
(参考文献)
(1)
David A. Simon, I. Glenn Cohen, Celynne Balatbat & Anaeze C. Offodile II
The hospital-at-home presents novel liabilities for physicians, hospitals, caregivers, and patients
Nature Medicine (2022)
(2)
American Hospital Association.
https://www.aha.org/system/files/media/file/2020/12/issue-brief-creating-value-by-bringing-hospital-care-home_0.pdf
(2020).
(3)
American Hospital Association.
https://www.aha.org/case-studies/2018-09-12-brigham-and-womens-hospital-boston
(accessed 4 October 2021).
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