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日本大学工学部生命応用化学科の
石原務教授の研究チームでは
ナノ粒子を使った
薬剤輸送系統(Drug Delivery System)を研究されています。
ナノ粒子にポリエチレングリコール(PEG)
ポリビニルピロリドン?(PVP)
リガンド分子を付けることで
細胞を標的にしようとする試みが検討されています。
その中で
細胞にエンドサイトーシスをして
細胞内に入り込み薬剤を放出させようと提案されています。
ナノ粒子を使った薬剤輸送では
「必要なところだけ薬剤を供給する」
という究極の目的があると思っています。
放射線治療のように
標的となる部分に絞って治療することは難しく
化学療法の場合はどうしても薬剤が
体中をめぐり分散してしまいます。
それによって損失が生じるために
本来必要な分量よりも多く投薬する必要があります。
それによって副作用が強く出てしまいます。
それを回避するために
必要なところだけに薬剤を運びたい
という需要は医療の世界であるのだと推察します。
しかし、ナノ粒子に薬剤を詰め込んだとしても
本当に薬効を示してほしいところに
排他的に輸送させるために
その方略をどうとればいいか?
という点には課題があると推測しています。
そこでナノ粒子を装飾して
ターゲッティングしよういう試みがありますが、
この研究開発的要素は非常に大きいと思っています。
細胞膜表面には、そこから飛び出す
受容体を含め、多くの化学物質があると理解しています。
例えば、
外科的手術を持ってしても
治療が難しいとされる転移が進んでいる
癌細胞がもし原発腫瘍の性質を引き継いで
各臓器、それ以外の組織に播種しているとすると
その細胞が「共通で持っている」
細胞膜表面から出ている化学物質があるかもしれません。
もしその化学物質が極性を持っているとします。
仮に+に帯電しているとすれば
-に帯電していて、
かつ結合部位が一致し、高い親和性を示すような
化学物質の突起を
抗がん剤など薬剤が詰め込まれたナノ粒子の膜の
外側にウィルスのスパイクのように
多く人工的に作製したものを作製できれば、
体内で血液を通じて循環させた時に
それが無い時よりも特異的に
全身に播種した癌細胞に結合してくれる可能性があります。
そうすると
そこでより効率的な薬効、奏功が認められる
可能性があります。
しかし、難しいのが
そういった膜表面にある化学物質は
生理において非常に重要な信号の元になっている場合があり
例えば、サイトカインなどの免疫機能を誘発する可能性があります。
それを逆に利用するという考えもありますが
予期しない副作用がでるかもしれません。
冒頭で述べたエンドサイトーシスさせる際にも
様々な形質変換を得て細胞内に入る必要があるので
思っている以上にハードルは高いと思います。
またそれが実際に起こっているかどうかの
解析も難しいと思います。
先ほど、研究開発的要素が大きいと申し上げました。
このような方式を考慮すると
細胞レベルの治療の動機の一つになると思います。
特定の治療したい疾患の
最も高い病因になっている細胞がわかれば
それが標的細胞となります。
その細胞膜の表面から突き出ている受容体を含む
化学物質を調べて、
どの突起に、どのエピトープに結合させることが
最も好ましいか研究することに
大きな余地があると思います。
細胞が定まってもこれだけの広がりがありますから
その細胞が様々な種類があって
かつ細胞の年齢などによって異なることを考えれば
そのすそ野は非常に大きいと考えられます。
しかし、
その様なテーラーメイドのナノ粒子の薬剤を
そもそも作製できるか?
さらには大量生産することが可能かどうか?
という点があります。
もしうまくいけば
少ない分量で標的細胞に特異的に輸送できる
可能性がありますが、
それを作製するコストが気になります。
いずれにしても実現するには
分野横断的な研究が必要だと思います。
すでにナノ粒子を使った薬剤輸送は
従来から活発に研究されていると理解していますので
その研究を前進させる一つの手段として
検討いただけることを願います。
以上です。
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