いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
新型コロナウィルスのワクチンにおいて
イギリス、アメリカなど海外からのワクチン提供の
契約を締結済みだと理解しています。
厚生労働省から
海外からと国内製造のワクチン供給体制を整える
という方針が発表されています。
従って、国内のワクチン開発の状況についても
関心が集まっていると思われてます。
日本の武田薬品社(さん)とNovavax社(さん)が提携して
日本向けにワクチン製造を行うとされています。
NVX-CoV2373という名前のワクチンで
Novavax社から製造技術の提供を受けて
武田薬品社がそれを量産製造するものです(6)。
このノヴァヴァックス(Novavax)社は
メリーランド州ゲーサーズバーグに本社を置く
アメリカのワクチン開発会社です。
このNVX-CoV2373というワクチンの
フェーズ1,2の治験結果が報告されているので
その情報の一部を共有したいと考えています。
NVX-CoV2373というワクチンは
ナノ粒子ワクチンで
三量体からなる等身大の糖プロテインからなる
Sタンパク質(スパイク)と
補助剤としてMatrix-M1を含みます。
三量体(trimetric)というのは、
タンパク質を架橋する部分が内部に2つあって
そのたんぱく質の架橋の結合状態の変化によって
オープン配座(open confomation)と
クローズ配座(close conformation)をとれる
構造だと理解しています。
従って、より新型コロナウィルスの
Sタンパク質の構造を精密に再現したものである
と考えられます。
補助剤として含まれるMatrix-M1とは
M1タンパク質の事ではないかと理解しています。
膜とRNA両方に結合する2面性を持ち、
機能としてはウィルスの転写を防ぐものなので
それを補助剤として加えることで
ワクチンとしての抗ウィルス機能を
強化するものであると理解しています。
2020年5月に実施。
治験場所はオーストラリア。
131人の健康な大人に摂取。
(83人:補助剤あり, 25人:補助剤なし 23人:偽薬)
21日空けて2度接種。
補助剤を使ったときには、
特にヘルパーT細胞(Th1)の反応が強まり
免疫機能の強化が確認されました。
このTh1タイプの細胞は
CD4+、CD+8T細胞を誘発するとされています。
総合的な判断として目立った副作用はない
とされています。
注射を打った時の腕の痛みや腫れなどの
反応原生はないか、あったとしても軽度です。
(※副作用に関して下記に追加記述。)
補助剤を使ったグループ(5μg:2回接種)では
抗体の能力をしめす
IgG:63160 ELISa units
中和抗体価:3960
でありました。
※1回目接種から35日後
※量を25μg上げてもこれらの値は上昇せず
これは、新型コロナウィルスで症状があった人の
回復期のこれらの値を大きく超えています。
IgG:8344 ELISa units
中和抗体価:983
※治験ナンバー:NCT04368988
最適であると考えられる接種条件
(5μg、2回、補助剤あり)の治験参加者
男性:13人 女性13人 計26人
平均年齢29.5±7.99(対象者は比較的若い)
人種
アメリカ、アラスカ先住民:2人
アジア:6人
白人:18人
ラテン系:6人
(数が合わない?)
BMI平均値:25.59±4.217
従って、治験の中にはアジア人が含まれています。
副作用について(5μg、2回、補助剤ありの条件)。
副作用の評価。FDAの基準に基づく。
評価期間は接種後7日まで。(0~7日,21~28日)
偽薬でもある程度あるので、
ワクチンを接種した時の心理的な面が含まれる
ということです。
偽薬に対して差があった副作用は
特に2度目の接種後にあり、
関節痛、倦怠感、筋肉痛、不快感などがあります。
程度としては軽度が多い。
5μgにおいて熱の症状はありません。
対象者は比較的若いので
日本で使用するときには
初めに接種する人は高齢者や基礎疾患が
ある方を対象としているので、
効果、副作用など注視する必要はあります。
次のプログラムでは
既往歴のある人や高齢の方を含めた治験、
あるいは評価期間を35日から105日まで延長して
評価するとされています。
今Novavax社は子供から高齢の方まで
14000人規模の安全性データを
これまで蓄積してきました(2-5)。
今後、ナノ粒子ワクチンを使用、評価していく中で
これらのデータの蓄積は役に立つものと考えられます。
以上です。
(参考文献)
(1)
C. Keech, G. Albert, I. Cho, A. Robertson, P. Reed, S. Neal, J.S. Plested, M. Zhu, S. Cloney‑Clark, H. Zhou, G. Smith, N. Patel, M.B. Frieman, R.E. Haupt, J. Logue, M. McGrath, S. Weston, P.A. Piedra, C. Desai, K. Callahan, M. Lewis, P. Price‑Abbott, N. Formica, V. Shinde, L. Fries, J.D. Lickliter, P. Griffin, B. Wilkinson, and G.M. Glenn
Phase 1–2 Trial of a SARS-CoV-2 Recombinant Spike Protein Nanoparticle Vaccine
The New England Journal of Medicine September 2, 2020
DOI:10.1056/NEJMoa2026920
(2)
Fries L, Shinde V, Stoddard JJ, et al.
Immunogenicity and safety of a respiratory syncytial virus fusion protein (RSV F) nanoparticle vaccine in older adults.
Immun Ageing 2017; 14: 8.
(3)
Muňoz FM, Swamy GK, Hickman SP, et al.
Safety and immunogenicity of a respiratory syncytial virus fusion (F) protein nanoparticle vaccine in healthy third-trimester pregnant women and their infants.
J Infect Dis 2019; 220: 1802-15.
(4)
Glenn GM, Fries LF, Thomas DN, et al.
A randomized, blinded, controlled, dose-ranging study of a respiratory syncytial virus recombinant fusion (F) nanoparticle vaccine in healthy women of child-bearing age.
J Infect Dis 2016; 213: 411-22.
(5)
Shinde V, Cai R, Plested J, et al.
Induction of cross-reactive hemagglutination inhibiting antibody and polyfunctional CD4+ T-cell responses by a recombinant Matrix-M-adjuvanted hemagglutinin nanoparticle influenza vaccine.
May 18, 2020 (https://www . medrxiv . org/ content/ 10 . 1101/ 2020 . 05 . 11 . 20098574v1). preprint.
(6)
Novavax社と武田薬品による日本における新型コロナウイルス感染症ワクチンに関する提携について
https://www.takeda.com/jp/newsroom/newsreleases/2020/20200807-8192/
登録:
コメントの投稿 (Atom)

0 コメント:
コメントを投稿