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新型コロナウィルスで重症化した患者さんの
血液をECMOで血液に酸素を送り込むときに
その状態を見ることができますが、
白い乳液状のようなものがあり、
その原因は血栓ではないかと言われています。
このように血管、血液の損傷が表れることがあります。
そこで、どのようなガイドラインを持って
診断、あるいは治療していけばいいか?
を考えるときに従来から疾患として存在する
血管炎を参考にすることが
一つの方略として考えられます。
その血管炎の中で
新型コロナウィルスの病理に重なるような
免疫暴走を原因として発症する
抗好中球細胞質抗体関連血管炎
anti-neutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitides
ANCA-associated vasculitides
があります。
このANCA関連血管炎では腎臓が最も障害されやすい臓器
と言われています。
従って、これが当てはまるかどうかを考えることにおいて
新型コロナウィルスと腎機能の関係を
調査することは極めて重要です。
実際にアメリカ、イギリス、中国の報告によると
新型コロナウィルスで入院した患者さんのうち
17~43%の人が急性の腎臓障害が見られた
とされています。
また重症の患者さんんの場合には
さらにこの確率が上昇し61~76%と言われています(1,4)。
従って、
腎臓障害は多くのケースで診られるということで
日本の状況も気になります。
その中で新型コロナウィルスの場合には
人工呼吸器に関連した
血液中にあるヘモグロビンの動きの不安定性
(haemodynamic instability)
が虚血性の急性腎臓障害を引き起こしているかもしれない
という報告もあります(2,4)。
また新型コロナウィルスが細胞内に入って
増殖する経路として
ACE2エントリー受容体があります。
この受容体が腎臓に近接した尿細管(tubule)
に多く発現していることが確認されています(3,4)。
腎臓内部でのウィルスの検出はまだ確認されていませんが、
腎臓の内部の血管が硬くなる
glomerulosclerosis:糸球体硬化(症)は
新型コロナウィルスでも確認され、
HIV, parvovirus B19 (Parvo19), BK virus, cytomegalovirus (CMV)
など他のウィルス感染でも確認されています(4)。
従って、尿検査を代表する
腎機能のモニターは少なくとも
新型コロナウィルスの治療の中で必要になってくる
と考えます。
以上です。
(参考文献)
(1)
Coca, S. G. et al.
Acute kidney injury.
NephJC http://www.nephjc.com/news/covidaki (2 August 2020).
(2)
Hirsch, J. S. et al.
Acute kidney injury in patients hospitalized with COVID-19.
Kidney Int. 98, 209–218 (2020).
(3)
Batlle, D. et al.
Acute kidney injury in COVID-19:emerging evidence of a distinct pathophysiology.
J. Am. Soc. Nephrol. 31, 1380–1383 (2020).
(4)
Anitha Vijayan and Benjamin D. Humphreys
SARS-CoV-2 in the kidney: bystander or culprit?
Nature Reviews Nephrology (2020)
doi.org/10.1038/s41581-020-00354-7
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