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自己免疫疾患ではT細胞の表面にある
膜貫通タンパク質受容体であるCD28にアンタゴニスト
を結合させて、機能を抑制、拮抗させることが
重要であると言われています(1)。
しかし、ICOSという活性化受容体に
モノクローナル抗体を付けることも
同じように自己免疫疾患を抑制するとあります(1)。
例えば、T細胞表面には
4-1BB, CD40L, OX40, CD27, TCR, CD28, CTLA4, ICOS, PD1、、、
など様々な膜貫通受容体があり(ref.(1) fig.2参照)、
それらの複数が免疫機能に影響を与えていると考えられます。
従って、上述した自己免疫疾患に対する治療においても
それを緩和する方向に作用する受容体は1つではない
ということです。
おそらく医療においては、
一つの経路に頼るよりも
複数の経路で程度としては軽く少しずつ作用させる方が
副作用が少ない可能性があるのではないか?
と推測しています。
もちろんそれによって薬効を評価するプロセスが
非常に複雑になるという弊害はあります。
その中で、例えば複数の受容体に対して作用させる時には、
通常は融合タンパク質、抗体などを複数入れて、
標的となる細胞に個別に運ぶ必要がありますが、
それぞれが独立した形で供給されると
それぞれの薬剤としての生体内動力学が異なるために、
標的となる細胞に対しての同時供給に課題があると思います。
ナノ粒子を使った細胞特異的薬剤供給系統の
一つのメリットは
こうした細胞表面に作用する複数の抗体を
同時に封入して、標的となる細胞の近くまで運び
そこで同時に放出することで
意図した組織に、複数安定的に供給できることです。
ナノ粒子の装飾因子は
細胞特異的に発現している細胞表面にある物質に対して
高い親和性を持つように設計されていて
そこでアンカーされるところは1つ
あるいは近接した複数だけなので、
抗体を独立して複数運ぶよりも
特異性を上げられる可能性があります。
従って、自己免疫疾患であっても
全身でそれが起こっているのではなく
ある特定の体の組織、臓器などに
多く出ていることがわかっていて
そこに特異的に運びたい場合には、
ナノ粒子に作用が期待される抗体を複数封入して
その近くで放出するようにすれば、
任意の場所で、局所的に、複数の経路で治療できる
可能性があります。
以上です。
(参考文献)
(1)
Natalie M. Edner, Gianluca Carlesso, James S. Rush & Lucy S. K. Walker
Targeting co-stimulatory molecules in autoimmune disease
Nature Reviews Drug Discovery (2020)
doi.org/10.1038/s41573-020-0081-9
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