3回目のブースター接種において
異なる種類のワクチンを打つかどうか(交差接種)は
明らかではありませんが、
おそらく同じ種類のワクチンを接種することになる
と推測しています。
一定割合、モデルナ社mRNA-1273ワクチンを接種しています。
Angela Choi, Matthew Koch(敬称略)ら
医療研究グループはこのワクチンにおける
3回目接種の中和抗体価をデルタ株も含めて人のケースで
評価しています(1)。
本日は、その結果の一部について
読者の方と情報共有いたします。
//条件//---
場所:アメリカ8か所
治験参加時期:2021年1月28日~2021年4月2日
3回目接種完了時期:2021年10月(予定)
人数:約600人
2回目からの接種間隔:6か月
//結果//---
(副反応に関して)
モデルナのワクチンは日本では発熱などの副反応が
多く出るというのがあります。
用量が0.5mL(100μg)ですが、
その量が日本人にとっては多すぎるかもしれないという指摘があります。
今回ブースター接種として試験された量は
50μg, 20μgとなっています。
発熱に関しては
50μgに関しては38℃以上に関しては20%程度となっています。
20μgに関しては
ワクチンのタイプがベータ株に合わせた設計になっている事と
評価人数が20人と少ないこともありますが、
38℃以上の発熱が確認された人はいません。
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一方、50μg, 20μgにおいても
十分な抗体量が得られています。
20μgでも中和抗体価は50μgに劣りません。
(Fig.3より)
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3回目接種から2週間後の
デルタ株に対する中和抗体価は
2回目接種から1か月後の
アルファ株に対する中和抗体価と
同程度の値が得られています。
十分な値です。
ワクチンの用量は半分の50μgです。
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逃避変異を持つベータ株に対する抗体価も
アルファ株に対して低下しますが、
低下の程度は2回目接種よりも顕著に低く
絶対値としても十分高い抗体価が得られています。
このことから変異に強い
ユニバーサルな抗体が得られていることが示されています。
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またmRNAの設計をベータ株に合わせたワクチンでは
ベータ株に対する抗体価の上昇が見られています。
しかし、その絶対値は
アルファ株よりも小さくなっています。
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一方、従来とベータ株に合わせたワクチンを混ぜた
多価のワクチンに関しては、
ベータ株に対して同様の抗体価が得られただけではなく
デルタ株を含む他の系統に対して
全体的に高い中和抗体価が得られています。
従って、多価のワクチンは
変異により効果的なユニバーサル性に優れている
と評価する事ができます。
//考察//---
これらの事から、モデルナのワクチンに関しては
少なくともワクチンの用量を下げる事が副反応のリスクから考えて
好ましいのではないかと考えられます。
また、好ましくは多価のワクチンが採用される事です。
副反応に関してはワクチンのタイプによって
大きな変化はありません。
但し、絶対的な評価の人数が少ないため
安全性に関する評価は慎重に行う必要性があります。
このデータはフェーズⅡ(NCT04405076)のデータなので、
フェーズⅢが行われるかどうか?
承認プロセスの動向の追跡が必要です。
(参考文献)
(1)
Angela Choi, Matthew Koch, Kai Wu, Laurence Chu, LingZhi Ma, Anna Hill, Naveen Nunna, Wenmei Huang, Judy Oestreicher, Tonya Colpitts, Hamilton Bennett, Holly Legault, Yamuna Paila, Biliana Nestorova, Baoyu Ding, David Montefiori, Rolando Pajon, Jacqueline M. Miller, Brett Leav, Andrea Carfi, Roderick McPhee & Darin K. Edwards
Safety and immunogenicity of SARS-CoV-2 variant mRNA vaccine boosters in healthy adults: an interim analysis
Nature Medicine (2021)
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Author information
Author notes
These authors contributed equally: Angela Choi, Matthew Koch, Kai Wu.
Affiliations
Moderna Inc., Cambridge, MA, USA
Angela Choi, Matthew Koch, Kai Wu, LingZhi Ma, Anna Hill, Naveen Nunna, Wenmei Huang, Judy Oestreicher, Tonya Colpitts, Hamilton Bennett, Holly Legault, Yamuna Paila, Biliana Nestorova, Baoyu Ding, Rolando Pajon, Jacqueline M. Miller, Brett Leav, Andrea Carfi, Roderick McPhee & Darin K. Edwards
Benchmark Research, Austin, TX, USA
Laurence Chu
Immune Assay Team at Duke University Medical Center, Duke University, Durham, NC, USA
David Montefiori
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