2021年9月17日金曜日

3回目ブースター接種(BNT162b2)の中和抗体能の評価

3回目のワクチン接種の検討が現在されているところです。
特に医療従事者の方は、日々、感染リスクがある中で
患者さんのケアを行っています。
ワクチン接種を受けて時間が経っていますから、
医療従事者の方から3回目の接種の検討がされるものだ
という理解です。
イスラエルではすでに3回目の接種が行われていますが、
今回はAnn R. Falsey氏ら医療研究グループが
アメリカでフェーズⅠとして
合計23人(11人:18-55歳、12人:65-85歳) に対して
試験的に接種された中和抗体量の評価について
読者の方と情報共有いたします(1)。

//結果概略//---
※ワクチン:ファイザー/ビオンテック
 BNT162b2 Vaccine (mRNA)
※2回目接種から3回目接種まで7.9-8.8カ月間隔
---
今日本において重要なデルタ株に対する中和抗体量は
2回目接種から1か月後と3回目接種から1か月後で
5.5倍(18-55歳)/12倍(65-85歳)
となっています。
従って、感染リスクの高い高齢の方で
より3回目の接種の中和抗体量の増加量が多くなっています。
さらに免疫逃避のあるベータ株において
ワイルドタイプに比べて
3回目接種の中和抗体量の
2回目接種に対する上昇幅が大きくなっています。
従って、免疫逃避に強いユニバーサルな抗体が
産生されている事が明示されています。
さらに、2回目接種では接種後7日から1か月までで
抗体量が低下しますが、
3回目接種では接種後1カ月でも7日後に比べて
抗体量の増加が見られています。
このことは抗体の持続性の高さを示唆するものです。
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また気になる副反応は3回目接種は
2回目接種に比べて大きくは変化しません。
評価している人数が少ないため、参考データですが、
2回目接種同様、高齢の方で副作用が軽くなっています。
55歳以下の方ではやや発熱、筋肉痛の確率が高くなっていますが、
それぞれ軽度か中程度です。
(Figs. S1 and S2)
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これらの事からよりデルタ株による感染性が高まっている
あるいは変異のリスクがある現状において
3回目接種のメリットは顕著に大きいと考えられます。

//考察//---
2回目のブースター接種の間隔を空けたときに
抗体の産生が高まったという報告がありますが、
8カ月程度空けた後に再度ブースター接種した時の
免疫反応の強化については
免疫学的には非常に重要な結果だと考えられます。
従って、今後、そのメカニズムについて
詳しく調べられていくものであると考えます。

(参考文献)
(1)
Ann R. Falsey, M.D., Robert W. Frenck, Jr., M.D., Edward E. Walsh, M.D., Nicholas Kitchin, M.D., Judith Absalon, M.D. Alejandra Gurtman, M.D., Stephen Lockhart, D.M. Ruth Bailey, B.Sc, Kena A. Swanson, Ph.D., Xia Xu, Ph.D., Kenneth Koury, Ph.D. Warren Kalina, Ph.D. David Cooper, Ph.D., Jing Zou, Ph.D. Xuping Xie, Ph.D. Hongjie Xia, Ph.D., Özlem Türeci, M.D. Eleni Lagkadinou, M.D., Ph.D., Kristin R. Tompkins, B.Sc., Pei-Yong Shi, Ph.D., Kathrin U. Jansen, Ph.D., Uğur Şahin, M.D., Philip R. Dormitzer, M.D., Ph.D. William C. Gruber, M.D.
SARS-CoV-2 Neutralization with BNT162b2 Vaccine Dose 3
The New England Journal of Medicine September 15, 2021

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