任意の領域において細胞接着分子の数、密度を制御できる。
その具体的な方法を確立する事は、
私のこの創案(草案)に限らず、多くの事に適用可能です。
この概念に従い、
流動性(白血病)、固形性に限らず、
癌細胞のセレクチン密度を人為的に、選択的に増やすことができたら、
免疫機能を局所的に高める事ができるし、
あるいは3次リンパ様組織の形成を促す事にもつながります
しかし、局所的輸送に失敗し、全身にその効果が及ぶと、
病変部位以外の炎症に繋がってしまいます。
従って、特異的送達というのが前提条件となります。
しかし、この特異的送達という条件をクリアすれば、
その後、大きなフロンティア(未開拓の地)があります。
例えば、白血病の元になる
B細胞やT細胞に対してCAR-T細胞の標的に倣って、
細胞外小胞にCD19(リガンド)などを装飾し、
膜融合と、セレクチン、セレクチンリガンド両方の
発現を誘導するnon-cording RNAを入れる事によって(※)、
癌化したB細胞、T細胞に対して、
他の癌化していない免疫細胞による
攻撃性を高める事ができる可能性があります。
固形癌の場合も同様に
固形癌特有の標的リガンドを探して、
細胞外小胞によってセレクチン密度を
周辺の内皮、上皮組織を含めた微小環境を含めて
全体として局所的にセレクチン、セレクチンリガンド両方の濃度を上げる事で、
免疫細胞を集め、さらには3次リンパ様組織の形成を促す可能性があります。
この時、送達キャリアである細胞外小胞の装飾因子として
セレクチン、セレクチンリガンドを選択することも有効です。
すでに腫瘍組織では炎症性反応に応じて、
セレクチン濃度がある程度高まり、免疫細胞も集まっているからです。
免疫細胞が塊を作り、組織化すれば、
様々な癌種で多くの場合、予後はよいとされています(1)。
免疫チェックポイント阻害薬による効果も
このセレクチン依存的な免疫細胞の集中促進によって
高まる可能性があります(2)。
しかしながら、癌細胞のセレクチンが増えると共通的に
転移形質の獲得を誘導します(3)。
これは癌細胞が「免疫細胞様の形質を手に入れる」事に繋がるからです。
免疫細胞のように全身の移動を促してしまいます。
このことから、細胞外小胞は
できれば、癌細胞ではなく、癌細胞周辺の免疫細胞に対してだけ
セレクチン密度を上げるようにしなければならないかもしれません。
(※)セレクチン、セレクチンリガンド発現を高める
non-cording RNAは以下です。
miR-155
炎症反応の促進因子であり、セレクチンやそのリガンドの発現を上昇させることが報告されています。
miR-199a
細胞の炎症反応を調節し、セレクチンの発現を増加させることが示されています。
miR-214
細胞接着分子の発現を調節し、セレクチンリガンドの発現を高める可能性があります。
miR-223
炎症性サイトカインの発現を制御し、間接的にセレクチンの発現を増加させます。
lncRNA NEAT1 (Nuclear Paraspeckle Assembly Transcript 1)
炎症性応答を調節し、セレクチンの発現を増加させることが報告されています。
lncRNA MIR31HG (miR-31 Host Gene)
miR-31を介してセレクチンの発現を調節し、炎症応答に関与しています。
(参考文献)
(1)
Wolf H. Fridman, Maxime Meylan, Florent Petitprez, Cheng-Ming Sun, Antoine Italiano & Catherine Sautès-Fridman
B cells and tertiary lymphoid structures as determinants of tumour immune contexture and clinical outcome
Nature Reviews Clinical Oncology volume 19, pages441–457 (2022)
(2)
Lucile Vanhersecke, Maxime Brunet, Jean-Philippe Guégan, Christophe Rey, Antoine Bougouin, Sophie Cousin, Sylvestre Le Moulec, Benjamin Besse, Yohann Loriot, Mathieu Larroquette, Isabelle Soubeyran, Maud Toulmonde, Guilhem Roubaud, Simon Pernot, Mathilde Cabart, François Chomy, Corentin Lefevre, Kevin Bourcier, Michèle Kind, Ilenia Giglioli, Catherine Sautès-Fridman, Valérie Velasco, Félicie Courgeon, Ezoglin Oflazoglu, Ariel Savina, Aurélien Marabelle, Jean-Charles Soria, Carine Bellera, Casimir Sofeu, Alban Bessede, Wolf H. Fridman, François Le Loarer & Antoine Italiano
Mature tertiary lymphoid structures predict immune checkpoint inhibitor efficacy in solid tumors independently of PD-L1 expression
Nature Cancer volume 2, pages794–802 (2021)
(3)
Heinz Läubli 1, Lubor Borsig
Selectins promote tumor metastasis
Semin Cancer Biol. 2010 Jun;20(3):169-77.
2024年7月18日木曜日
CAMome,
Cell-type-specific delivery system,
癌・腫瘍学,
細胞外小胞,
細胞生物学,
免疫学
病変部位局所的セレクチン発現促進による癌に対する免疫学的、概念的治療
登録:
コメントの投稿 (Atom)

0 コメント:
コメントを投稿