オクルーディンはクローディンと共に上皮、内皮など
組織の区画形成の為に必要な細胞種に全身で広く分布、発現していると
推定されますが、クローディンほどは研究が進んでいません。
従って、オクルーディンのサブタイプもまだはっきりわかっていない状況です。
オクルーディンはシス結合、クローディンとの異種結合ができ、
クローディンと協働的に組織のバリア機能に関わる
密着結合(tight junction)を形成しています。
クローディンはプロモーター選択、選択的スプライシングなどによって(1)
多様な成熟mRNA、それに伴う立体構造を取る可能性があります
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オクルーディンのサブタイプ
Occludin 1 Occludin 2 Occludin 3 Occludin 4
まだ、はっきりとしたことがわかっていません。
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オクルーディンはクローディンと類似した構造をとりますが、
2つ異なる特徴があります。
1つは2つの細胞外ループ構造の大きさ(アミノ酸数)に大きな違いがない事。
もう1つは、細胞内ドメインであるN-terminal, C-terminalが
クローディンに比べて顕著に長い事です。
(1)N-terminal(56-66アミノ酸数)
(2)Transmembrane domain (TM1, TM2, TM3, TM4)(25アミノ酸数)
(3)Extracellular loop1 (N側)(46アミノ酸数)
(4)Extracellular loop2 (C側)(48アミノ酸数)
(5)C-terminal(257アミノ酸数)
様々なアダプタータンパク質や細胞骨格を引き付け、
オクルーディンの結合を通した細胞内信号伝達に関与します。
また、オクルーディンの2量体化、多量体化にも貢献します。
これはCターミナルのcoiled coil-domainが関与します(2)。
ジフィルド結合(Cys-409)の架橋構造形成を通じて複合体を形成します(2)。
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オクルーディンのサブタイプごとの細胞種は未知です。
しかし、全体として下記の細胞種に発現が少なくとも見られます。
(上皮細胞)
腸上皮細胞(腸管の内壁を形成する細胞)
腎上皮細胞(腎臓の尿細管を構成する細胞)
肺上皮細胞(肺の気道を覆う細胞)
(内皮細胞)
血管内皮細胞(血管内面を覆う細胞)
(その他の組織)
肝細胞(肝臓の主要な機能細胞)
膵臓細胞(膵臓の細胞)
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オクルーディンのアダプタータンパク質は以下です。
ZO-1(Zonula Occludens-1)
オクルディンと直接結合し、タイトジャンクションの安定性を高める役割を果たします。
レドックス依存のオクルーディンのホモ2量体化に関連します(3)。
ZO-2(Zonula Occludens-2)
ZO-1と類似しており、オクルディンと相互作用してタイトジャンクションの構造を維持します。
ZO-3(Zonula Occludens-3)
ZO-1およびZO-2と協調して機能し、タイトジャンクションの維持に寄与します。
Cingulin
タイトジャンクションの構造タンパク質であり、オクルディンと相互作用します。
AF-6(Afadin)
細胞接着の調節に関与し、オクルディンと結合してタイトジャンクションの機能を調節します。
PAR-3(Partitioning-defective 3)
オクルディンと相互作用し、タイトジャンクションの形成と維持に関与します。
Rab13
小GTPアーゼであり、オクルディンの細胞内輸送とタイトジャンクションの動的調節に関与します。
EFA6(Exchange Factor for ARF6)
ARF6のGEFであり、オクルディンと相互作用してタイトジャンクションの形成に影響を与えます。
Vinculin
密着結合の安定化、強化、細胞骨格のリモデリング、細胞内のシグナル伝達。
オクルーディンは血管内皮や組織上皮などの主に体の中に形成される内腔と
実質を隔離する細胞間(paracellulaer)のバリア機能を持ちますが、
オクルーディンが適切な位置に配置されてないと(mislocalized)、
細胞死を誘導する様々な物質Death-inducing signaling complex (DISC)(以下)
と連携して、細胞死を誘導することがあります(4)。
Fas-associated protein with death domain (FADD)
Cleaved caspase-8
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オクルーディンが細胞外で結合できる細胞接着分子は
オクルーディン分子自身
オクルディンはホモフィリック(同種分子間)の相互作用を行うことができ、隣接する細胞のオクルディン分子と直接結合することがあります。これにより、タイトジャンクションの構造が強化されます。
Claudins(クローディン)
オクルディンはクローディンファミリーのメンバーと相互作用し、タイトジャンクションの密度と選択性を高める役割を果たします。クローディンも細胞外ドメインを持ち、オクルディンとの結合を介してタイトジャンクションを形成します。
JAM1,2,3(Junctional Adhesion Molecule-1,2,3)
オクルディンはJAM-Aと相互作用し、タイトジャンクションの安定性とバリア機能を補強します。
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オクルーディンの機能を転写後に変え、
バリア機能に影響を与える(リン酸化)酵素は以下です。
CK1, CK2, c-Src, c-yes, DEP-1, p-ERK
Pl3K, PKX, PPI, PP2A, RhoK
(参考文献(1) Table.1)
密着結合は組織の区画を形成する上皮、内皮組織の
細胞間のバリア機能を発揮する共通的な結合様式で、
イオン、溶質、水などの細胞間の浸透性を制御しています。
それによる恒常性に関与しています。
従って、この機能に不全が出ると
組織の異常な形成を呈する癌、
血管の出血を伴う脳卒中、
フィルター機能に異常が出る腎臓病、
バリア機能が極めて重要は肺、腸の炎症疾患など様々です。
実際に内皮、上皮は脳を含めた全体の循環器、臓器に影響を与える事から
密着接合の不全に影響を受ける疾患はこれだけに限りません。
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オクルーディンは他の細胞接着分子と同様に
Matrix metalloproteinase(MMP)という酵素によって分解されます。
このようなオクルーディンや細胞外マトリックス基質(ラミニン)を
分解するMMPが病理と結びついている場合があります。
例えば、血管障害を伴う神経膠腫や動脈瘤の形成過程では
血管壁が破壊されるということがありますが、
その過程で過剰なMMPによって密着接合を形成する
クローディン、オクルーディン、
接着接合を形成するカドヘリン、
あるいは細胞を支える基底であるラミニンなどを分解されるという事があります。
(参考文献)
(1)
Philip M Cummins
Occludin: one protein, many forms
Mol Cell Biol. 2012 Jan;32(2):242-50.
(2)
Juliane K Walter 1, Christine Rueckert, Martin Voss, S L Mueller, Jörg Piontek, Klaus Gast, Ingolf E Blasig
The oligomerization of the coiled coil-domain of occludin is redox sensitive
Ann N Y Acad Sci. 2009 May:1165:19-27.
(3)
Castro V, et al. 2010.
The membrane recruitment of ZO-1 and its interplay with occludin is redox sensitive and relies on the disulfide bridge-mediated homodimerization of occludin, abstr P-5.
Abstr. 13t Int. Symp. Signal Transduction Blood-Brain. University Hospital, Zurich, Switzerland.
(4)
N Beeman, P G Webb & H K Baumgartner
Occludin is required for apoptosis when claudin–claudin interactions are disrupted
Cell Death & Disease volume 3, pagee273 (2012)
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