2024年7月25日木曜日

シンデカンの構造、機能、応用

シンデカンはN末端が細胞外に位置し、C末端が細胞内に位置する
膜を1回貫通する1型膜貫通タンパク質です。
シンデカンは細胞膜上に発現される膜貫通タンパク質で
グリコサミノグリカン(GAGs)と呼ばれる糖鎖の一種である
ヘパラン硫酸を細胞外ドメインの側鎖として持ち、
この糖鎖が多くのリガンドと結合できることから
インテグリンのような細胞外マトリックスとの結合性を持ちながら
細胞同士の接着にも関わります。
従って、細胞接着分子の一つであると言えます。
また、PDZドメインを持つ多様なたんぱく質をアダプタータンパク質として
引き付けることができるので、
多様な細胞内信号経路を誘導できます。
また、足場となるタンパク質(ZO-1など)が他の細胞接着分子と共通であることから
さらに、細胞骨格を引き付ける事から
原理的に他の細胞接着分子と集合体を形成できる可能性があります。
シンデガンの発現は細胞種特異的、発達ステージ特異的であるとされています。
シンデガンのサブタイプは4種類しかありませんが、
このような特異性はエクトドメインの側鎖である
糖鎖の構造の違いによって示されます。
具体的にはヘパラン硫酸の場合には糖鎖の長さや分岐の程度が異なります。
従って、シンデカンの細胞種特異性、
あるいはシンデカンを標的とした、それを利用した
細胞種特異的薬物送達システムを考える際には
タンパク質の糖化の細胞内システムを詳細に理解する事が
一つとして重要になります。
タンパク質の糖鎖は一般的には小胞体、ゴルジ体で生じます。
(参考文献(3) Fig.2)
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タンパク質の糖鎖のバイオエンジニアリングは以下の方法が挙げられています。
タンパク質の糖鎖構造を精密にコントロールするためのバイオエンジニアリングは、非常に高度で多面的なアプローチを必要とします。以下に、そのための主要な戦略と技術をいくつか挙げます。
1. 遺伝子工学
遺伝子編集技術の利用
CRISPR-Cas9: 特定の遺伝子を精密に編集して、糖鎖を修飾する酵素の発現を調整します。
TALENsやZFN: 同様に、特定の遺伝子をターゲットにして修正します。
糖鎖合成酵素の改変
遺伝子導入: 糖鎖合成酵素(例:グリコシルトランスフェラーゼやサルファトランスフェラーゼ)を過剰発現させたり、抑制したりすることで糖鎖構造を調整します。
酵素の変異体作成: 酵素の特異性や活性を変えるために、酵素遺伝子に変異を導入します。
2. 細胞工学
適切な発現システムの選択
CHO細胞(Chinese Hamster Ovary cells): ヒト型糖鎖を生成する能力が高く、バイオ医薬品の生産に広く利用されています。
ヒト細胞: より生理的な糖鎖構造を得るために使用されます。
培養条件の最適化
培養基の成分調整: 糖供給源や補因子の追加により、糖鎖修飾を誘導または抑制します。
酸素濃度やpHの管理: 糖鎖合成酵素の活性を最適化するために、培養条件を調整します。
3. 化学的手法
化学的グリコシル化
試験管内合成: 化学的に糖を結合させることで、望ましい糖鎖構造を得ることができます。
化学的修飾
グリコシルトランスフェラーゼを用いた修飾: 目的の糖鎖構造を持つ糖をタンパク質に結合させるために使用します。
4. バイオインフォマティクスとモデリング
糖鎖構造予測と設計
糖鎖構造予測ソフトウェア: 糖鎖構造の設計とその影響を予測するために利用します。
分子動力学シミュレーション: タンパク質-糖鎖相互作用の解析と最適化に使用します。
5. 評価と解析
高度な解析技術
質量分析(MS): 糖鎖の質量と構造を詳細に解析します。
液体クロマトグラフィー(HPLC): 糖鎖の分離と特性解析に使用します。
NMR(核磁気共鳴): 糖鎖構造の立体配置を解析します。
生物学的評価
機能アッセイ: 糖鎖構造がタンパク質の機能に与える影響を評価します。
細胞ベースのアッセイ: 糖鎖修飾タンパク質の細胞内での挙動を調査します。
具体例
エリスロポエチン(EPO)の例
CHO細胞での発現: ヒト型糖鎖を生成するためにCHO細胞を使用。
糖鎖修飾酵素のコエクスプレス: 必要な糖鎖構造を得るために、特定のグリコシルトランスフェラーゼやシアル酸転移酵素を過剰発現。
培養条件の最適化: 特定の糖供給源や条件を調整して、目的の糖鎖を得る。
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シンデカンは神経細胞に発現されるニューレキシンのようん
選択的スプライシング機能を転写因子が有するという証拠はなく、
シンデカンのタンパク質構造自体に多様性があるわけではありません(1)。
シンデカンは他の細胞接着分子と同様に
結合を通じて活性化され、多量体化する事も確認されています(1)。
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シンデカンのサブタイプ
Syndecan-1.2.3.4
-
シンデカンのドメイン構造は以下です(N-ターミナルドメイン:先端から)
(1)細胞外
〇Ectodomain(サブタイプ特異的ドメイン)
Heparan Sulfate Chainという糖鎖からなる側鎖があります。
この糖鎖が細胞種特異的である可能性があります。
Chondroitin Sulfate Chainと呼ばれる側鎖もあります。
これらの糖鎖が共有結合でコアタンパク質と接合しています(1)。
シンデカンは常に(Full time)糖鎖を側鎖として形成します(1)。
しかし、シンデカン1はプロテオグリカンが接続できル5つのサイトがありますが、
全てのケースでそれらが全て埋められるわけではありません(4)。
ヘパラン硫酸はコンドロイチン硫酸よりも負電荷は低いですが、
細胞外リガンドと高い結合親和性を一般的に示します(1)。
〇Cleavage site(サブタイプに関わらず保持されます)
従って、切り取られるSheddaseは共通である可能性があります。
この分解酵素はMMP-7が挙げられます(11)。
(2)細胞膜領域
〇Transmembrane Domain
(3)細胞質領域
〇C1 Region (サブタイプに関わらず保持されます)
〇Variable region (サブタイプごと構造が大きく異なります)
〇C2 Region (サブタイプに関わらず保持されます)
(参考文献(2) Fig.1)
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発現は細胞種や組織の種類によって異なり、
発生段階や病態に応じても変動することがありますが
それぞれのシンデカンサブタイプ日して示します。
Syndecan-1
上皮細胞: 主に腸管や皮膚などの上皮細胞で発現。
形質細胞: 抗体産生に関与する形質細胞で高発現。
線維芽細胞: 傷の治癒や組織の修復に関与する線維芽細胞でも発現。
癌細胞: いくつかのタイプの癌細胞で過剰発現することがある。
肝臓
シンデカン1は胚形成の時の間葉系細胞で多く、多様に見られます。
またB細胞の前駆細胞でも発現が見られますが、
循環器に存在する成熟したB細胞では発現が見られなくなります(7)。
Syndecan-2
線維芽細胞: 細胞外マトリックスの形成とリモデリングに関与。
神経細胞: 神経系の発達とシナプス形成に関与。(少ないかもしれない)
平滑筋細胞: 血管や内臓の平滑筋細胞で発現。
肝臓
Syndecan-3
神経細胞: 中枢神経系の発達とシナプスの形成に関与。(ほとんどこのタイプ)
特に生後に多く発現され、生後7日でピークを迎え、その後減少していく。
(発育過程特異的な発現)
骨形成細胞: 骨の発達とリモデリングに関与。
軟骨細胞: 軟骨の形成と維持に関与。
肝臓に発現は見られない。
Syndecan-4
線維芽細胞: 創傷治癒と細胞の移動に関与。
内皮細胞: 血管の内皮細胞で発現。
平滑筋細胞: 血管や内臓の平滑筋細胞で発現。
筋細胞: 骨格筋と心筋で発現。
腎臓に多く発現。
肝臓
創傷治癒において重要な役割を果たします(8)。
創傷治癒では間葉系幹細胞が組織の修復の上で重要な役割を果たしますが、
その時にシンデカン4の発現が見られます(9)。
シンデカンは細胞外マトリックスと結合活性があるため、
間質の細胞外マトリックスに沿った動きを支持する可能性があります。
-
シンデカンの細胞外ドメインの側鎖である
Heparan Sulfateは多様な構造を取り、多くの細胞表面、基質など
以下、多くのタンパク質と結合出来ます。
Polypeptide growth factors
Heparin-binding growth-factor family
 aFGF(FGF-1), bFGF(FGF-2), KGF(FGF-4)
EGF-related growth factors
 HB-EGF. GGF, ARIA
Hepatocyte growth factors
 HGF NK1 NK2
Pleiotrophin-related
 HB-GAM Midkine
Ohters 
 VEGF PDGF(A-chain variant) wnt-1
Enzymes
 Lipoprotein lipase  Acetylcholinesterase
Extracellular-matrix proteins
 Fibronectin Laminin Collagens Thrombospondin Tenascin
Cell-cell adhesion moleules
 L-selectin N-CAM PECAM Mac-1
Lipid -bingdin proteins 
 LDL Lipoprotein lipase
Blood-coagulation factors
 AntithrombinⅢ  Tissue factor  Platelet factorⅣ
Other 
 Influenza virus  Diphtheria toxin  Prion proteins
(参考文献(1) Table 1)
これら個別のシンデカン結合因子が発現される細胞種は以下です。
Polypeptide Growth Factors
Heparin-binding Growth-factor Family
aFGF (FGF-1)
発現細胞種:線維芽細胞、上皮細胞、神経細胞、内皮細胞
bFGF (FGF-2)
発現細胞種:線維芽細胞、内皮細胞、神経細胞、平滑筋細胞
KGF (FGF-4)
発現細胞種:上皮細胞、線維芽細胞
EGF-related Growth Factors
HB-EGF (Heparin-binding EGF-like growth factor)
発現細胞種:平滑筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、マクロファージ
GGF (Glial Growth Factor)
発現細胞種:グリア細胞、神経細胞
ARIA (Acetylcholine Receptor Inducing Activity)
発現細胞種:神経細胞
Hepatocyte Growth Factors
HGF (Hepatocyte Growth Factor)
発現細胞種:肝細胞、内皮細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞
NK1, NK2
発現細胞種:詳細な情報は限られていますが、HGFと同様に内皮細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞などで発現する可能性があります
Pleiotrophin-related
HB-GAM (Heparin-binding Growth-associated Molecule)
発現細胞種:神経細胞、グリア細胞
Midkine
発現細胞種:神経細胞、上皮細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞
Others
VEGF (Vascular Endothelial Growth Factor)
発現細胞種:内皮細胞、マクロファージ、平滑筋細胞、上皮細胞
PDGF (Platelet-derived Growth Factor, A-chain variant)
発現細胞種:血小板、マクロファージ、平滑筋細胞、線維芽細胞
wnt-1
発現細胞種:神経細胞、線維芽細胞
Enzymes
Lipoprotein Lipase
発現細胞種:脂肪細胞、心筋細胞、骨格筋細胞
Acetylcholinesterase
発現細胞種:神経細胞、筋細胞、赤血球
Extracellular Matrix Proteins
Fibronectin
発現細胞種:線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞
Laminin
発現細胞種:上皮細胞、筋細胞、神経細胞
Collagens
発現細胞種:線維芽細胞、軟骨細胞、骨細胞
Thrombospondin
発現細胞種:血小板、線維芽細胞、内皮細胞
Tenascin
発現細胞種:線維芽細胞、神経細胞
Cell-cell Adhesion Molecules
L-selectin
発現細胞種:白血球、リンパ球
N-CAM (Neural Cell Adhesion Molecule)
発現細胞種:神経細胞、筋細胞、内皮細胞
PECAM (Platelet Endothelial Cell Adhesion Molecule)
発現細胞種:血小板、内皮細胞、白血球
Mac-1 (Integrin αMβ2)
発現細胞種:マクロファージ、好中球、単球
Lipid-binding Proteins
LDL (Low-Density Lipoprotein)
発現細胞種:肝細胞、マクロファージ
Lipoprotein Lipase
発現細胞種:脂肪細胞、心筋細胞、骨格筋細胞
Blood-coagulation Factors
Antithrombin III
発現細胞種:肝細胞
Tissue Factor
発現細胞種:上皮細胞、平滑筋細胞、マクロファージ
Platelet Factor IV
発現細胞種:血小板
従って、シンデカンは他の細胞接着分子同様に
各組織、臓器の形態に関連する上皮組織、
循環器を含めた内皮、平滑筋組織
神経系、細胞外マトリックスとの連結に関わります。
様々な形式で組織の形態軽視に関与していると言えます。
-
細胞質の3つのドメインに結合できるアダプタータンパク質と機能を示します。
(C1 Region)※サブタイプ共通
シンタフィリン(Syntrophin): 細胞骨格と膜タンパク質の相互作用を調節。
カルパイン(Calpain): 細胞骨格タンパク質のプロテアーゼ。
PDZドメインを持つタンパク質: 特にSyndecan-1のC1領域と結合し、シグナル伝達に関与。
(Variable Region)
Syndecan-1:
 ALIX(Apoptosis-linked gene 2-interacting protein X): エクソソーム形成に関与。
 NHERF(Na+/H+ Exchange Regulatory Factor): イオン輸送とシグナル伝達に関与。
Syndecan-2:
 CASK(Calcium/calmodulin-dependent serine protein kinase): シナプス形成に関与。
 Grb2(Growth factor receptor-bound protein 2): 増殖因子シグナル伝達に関与。
Syndecan-3:
 Caveolin-1: 膜ドメインの形成とシグナル伝達に関与。
 α-actinin: 細胞骨格と相互作用。
Syndecan-4:
 PKCα(Protein Kinase C alpha): 細胞内シグナル伝達に関与。
 RACK1(Receptor for Activated C Kinase 1): PKCのシグナル伝達と位置決め。
(C2 Region)※サブタイプ共通
PDZドメインを持つタンパク質(例: CASK, Syntenin): シグナル伝達とタンパク質相互作用の位置決め。
ERK(Extracellular signal-regulated kinases): シグナル伝達経路の調節。
フィロポディア形成タンパク質: 細胞運動と形態形成に関与。
上述した内、例えばC1領域ではPDZドメインを持つたんぱく質と結合できますが、
このPDZドメインを持つたんぱく質は多数あるため、
原理的に多くのアダプタータンパク質を引き付ける事ができます。
この事は多くの細胞内信号経路を誘導できることを示します。
加えて、例えば、ZO-1, ZO-2, ZO-3は他の細胞接着分子の
Scaffold proteinsであり、シンデガンに対しても
同じように位置安定性に寄与し、
また、他の細胞接着分子との集合体かに関与するかもしれません、
他方で、
上述したようにシンデカンは細胞骨格分子に働きかける為
他の細胞接着分子同様、細胞の形態形成、運動、接着において重要な役割を果たします。
--
シンデカンの細胞接着分子としての機能を考える上で
糖鎖の構造を考える事は必要不可欠です。
例えば、層化された固定的な上皮細胞よりも、
単層の上皮細胞のほうがシンデカンの糖鎖が長いとされています(5)。
単層の上皮細胞は露出されており
基質、間質を含めた細胞外マトリックスと高い相互作用を必要とします。
長い糖鎖は細胞外マトリックスとの結合点を多くとる事ができるため、
こうした細胞の特質を得る上で有利になります。
糖鎖が長くなることは細胞の移動性にも関わります。
シンデカンが細胞外マトリックスと高い結合親和性を示すのは
多糖を直列につなぐことやクラスター形成することが
理由として挙げられています(1)。
(参考文献(6) Figure 1)
--
シンデカンは胚形成など組織、臓器が形作られていくときに
間葉系細胞などを含め、多くの前駆細胞に発現が見られる事と
創傷治癒などに関わる事から
組織形成、臓器形成に深くかかわっている可能性があります。
実際に異常な組織形成である腫瘍形成(癌)との関連も指摘されています(2)。
従って、iPS細胞など多能性幹細胞で臓器を形成する際には
シンデカンも細胞接着分子の一つとして重要な役割を果たす可能性があるため、
自然な形態形成における定量CAMomeで
各種細胞種でデータベース化するシンデカンのサブタイプ、数を
人工臓器を形成するための初期条件、評価項目として確認する事は大切です。
但し、シンデカンの場合は構造として糖鎖が重要になるため
シンデカンを人工的に再現するためにはCAM-glycomeは欠かせません。
この時には糖鎖はタンパク質のように言語化されていないため、
タンデム質量分析から機械学習によって糖鎖の構造を予測するようなこと(10)が
シンデカンの場合には求められるかもしれません。
--
シンデカンも他の細胞接着分子によって
エンドサイトーシス-リソソーム経路によって活発に代謝回転されます(1)。
シンデカンの平均的な半減期は明らかではありません。
--
シンデカンの細胞接着分子としての機能を高めるためには
他のそれと同じように多量体化することが重要で、
多量体化は確認されています(12)。
この時、シンデカンのコアタンパク質が主要に関与します。
少なくとも細胞膜貫通ドメイン(12)、細胞外ドメインが複合的に貢献するとされています。
細胞膜貫通ドメインが関与するのはおそらく
シンデカンが細胞膜で集合するときには膜流動が重要であり、
細胞膜の構成(例えば脂質量)などによって集まる性質を得る時に
直接的に関与するのが細胞膜貫通ドメインであるからであると想定されます。
但し、シンデカンは足場タンパク質とのPDZ依存的な結合も示唆されることから、
ZO-1などの複合体化によって安定した多量体化が構築される事はあるかもしれません。
シンデカンが細胞膜のどこに局在化するか?
シンデカンは細胞外マトリックスと結合性を持つので
インテグリンと系統的な制御性を持ちます。
例えば、上皮組織の基底は細胞外マトリックスの基底膜である
ラミリンと整列して結合しますが、
その際には半接着斑や焦点接着(Focal adhesion)が関与します。
この焦点接着においてインテグリンとシンデカンは協調的な働きをします(13)。
特にシンデカンは細胞外マトリックスとシンデカンの側鎖として伸びる
糖鎖がまとわりつくように複数の結合部位を持って高い親和性で結合します(13)。
この一つの理由はシンデカンの糖鎖の典型的な長さが60nmと長いからです(1)。
インテグリンの細胞外ドメインの長さが20nmなので(1)、
その3倍程度の長さの側鎖がシンデカンの途中から延び、
繰り返し構造によって複数の結合ドメインを持つので、
細胞外マトリックスに対して、その様な配座を取ることができます。
このような機能は平滑筋や内皮細胞でも見られます(1)。
シンデカンはインテグリン、ジストログリカン、サルコグリカン同様に
細胞骨格と細胞外マトリックスを繋ぐ関節のような働きを持つと考えられます。
インテグリンと同様にシンデカンが多量体化すると
細胞膜側にアダプタータンパク質のDense layer(Plaque)が形成され、
細胞骨格の網目構造の組織化が促進される可能性がります。
--
シンデカンは細胞-細胞接着にも関与します。
シンデカンはカドヘリンに様にホモ、シス結合するのではなく、
ヘテロ、トランス結合することが想定されています。
相手のリガントは免疫グロブリンスーパーファミリーや
Platelet–endothelial cell adhesion molecule-1 (PECAM-1)などです(1)。
シンデカンは内皮細胞も発現が見られるため、
免疫細胞の捕獲をSyndecan-IgSF依存的に行う可能性があります。
シンデカンは上述したようにセレクチンとも結合できる可能性があります(1)。


(参考文献)
(1)
David J. CAREY
Syndecans: multifunctional cell-surface co-receptors
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(2)
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Syndecans in cancer: A review of function, expression, prognostic value, and therapeutic significance
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(3)
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Glycosylation in health and disease
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(4)
Jeffrey D Esko, Koji Kimata, and Ulf Lindahl.
Chapter 16Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans
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(5)
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Molecular polymorphism of a cell surface proteoglycan: distinct structures on simple and stratified epithelia.
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(6)
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(8)
Horacio Maldonado, Bryan D. Savage, Harlan R. Barker, Ulrike May, Maria Vähätupa, Rahul K. Badiani, Katarzyna I. Wolanska, Craig M. J. Turner, Toini Pemmari, Tuomo Ketomäki, Stuart Prince, Martin J. Humphries, Erkki Ruoslahti, Mark R. Morgan & Tero A. H. Järvinen 
Systemically administered wound-homing peptide accelerates wound healing by modulating syndecan-4 function
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(9)
R L Gallo, M Ono, T Povsic, C Page, E Eriksson, M Klagsbrun, and M Bernfield
Syndecans, cell surface heparan sulfate proteoglycans, are induced by a proline-rich antimicrobial peptide from wounds.
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Predicting glycan structure from tandem mass spectrometry via deep learning
Nature Methods volume 21, pages1206–1215 (2024)
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(13)
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