コルネオデスモシンは接着斑特異的なたんぱく質です。
コルネオデスモシンが複合体を作る接着様式は
コルネオデスモソーム(Corneodesmosome)と呼ばれます。
デスモソームとの違いはデスモソームの接着構造が動的にあるのに対して
コルネオデスモソームの接着構造が固定的であることです。
(参考文献(1) Figure 1)
コルネオデスモソームは細胞接着分子なので接着機能があり、
その接着機能はNターミナル末端のグリシンリッチドメインに依ります(2)。
コルネオデスモソームは上述したように非常に強い、固定的な接着機能を持つ
コルネオデスモソームを形成するため、
組織としての強靭性が必要な表皮に存在する結合様式です。
従って、コルネオデスモシンの発現や構造(truncated form)に異常が出ると
皮膚の表皮のバリア機能が失われることがマウスのケースで確認されています(2)。
コルネオデスモソームは染色体6番のPSORS1遺伝子座に遺伝子的にコードされています。
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皮膚の最も表層にある角質層はミイラのような層で、
水すらも浸透させない非常にバリア機能の高い層です。
この層に存在する細胞を角質細胞(Corneocytes)と呼びます。
この角質細胞は"コルネオ"サイトと呼ばれ、
この角質層の非常に高いバリア機能に貢献しているのが
細胞間の固定的な接着斑であるコルネオデスモソームで
一つ一つの細胞接着分子を
コルネオデスモシン(Corneodesmosin (CDSN)) と呼びます。
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CDSNは52-56 kDaのリンタンパク質を持ちます。
従って、この基礎構造の長さはおおよそ0.17-0.18μmとなります。
CDSNの結合に関わるサイトは「グリシンループ」構造を作っており、
グリシンの柔軟性とセリンの水素結合能力が組み合わさる事で
こうした3次元的なループ構造の安定性が保持されます。
このループ構造は「ナイロンテープ(Velcro)」のような働きをし、
Youngjoo Ahn(敬称略)らがGraphical Abstractに示す(3)ような
イメージで結合します。
この「グリシンループ」構造はCDSNの先端にある
Nターミナルドメインに存在します。
従って、この部分が構造的に刈り取られる(truncated)変異が入ると、
CDSNの結合性は失われ、
最終的には皮膚の角質層の構造が崩れる事になります。
毛包にも関連するため、こうした変異は
hypotrichosis simplex(頭皮の減毛症)と関連があります。
このCDSNはカドヘリンと同様に同種多量体構造を形成します。
この多量体構造がコルネオデスモソームの結合強靭性を発揮します。
皮膚の落屑は定期的に角質層のリフレッシュのため起こりますが、
これはCDSNの細胞外ドメインをタンパク質分解酵素によって
構造的に切る、分解する事によって生じます。
CDSNは5つの構造的ドメインを持ちます。
CDSNは分子的構造的な理解が進んでいません。
従って、こうしたドメイン構造の詳細に関する報告もほとんどありません。
(参考文献)
(1)
Yasuo Kitajima
Implications of normal and disordered remodeling dynamics of corneodesmosomes in stratum corneum
Dermatologica Sinica Volume 33, Issue 2, June 2015, Pages 58-63
(2)
Nathalie Jonca, Cécile Caubet, Marina Guerrin, Michel Simon and Guy Serre *
Corneodesmosin: Structure, Function and Involvement in Pathophysiology
The Open Dermatology Journal, 2010, 4, 36-45
(3)
Youngjoo Ahn, Yoonjung Jang, Dr. Narayanan Selvapalam, Gyeongwon Yun, Prof. Dr. Kimoon Kim
Supramolecular Velcro for Reversible Underwater Adhesion†
Angewandte Chemie vol.52 issue.11 March 11 2013 pp.3140-3144
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