ヒアルロン酸は高い分子量を誇る生体多糖です。
ほとんどの結合性を持つ組織、例えば、上皮組織、内皮組織などに観られます。
また、体液の中でも滑液、硝子体液、臍帯血などに多く見られます。
ヒアルロン酸は関節や目の硝子体など液性の強い結合組織において
特に重要な役割を果たします。ヒアルロン酸が持つ保水力により、
粘弾性を実現し、関節などにおいては動きに対する摩擦を減らす効果があります(1)。
関節にある軟骨を保護する効果(chondroprotective effects)があります。
実際に膝軟骨疾患を持つ患者さんにヒアルロン酸を外的に注入することで
Negative Clarke maneuver(ネガティブ・クラークマニューバー)
治療後6か月で膝の関節に関する臨床的なテストで高い数字を示しました(8)。
ただ、ヒアルロン酸は不安定で、回転率の高い物質なので
1回の施術で良くならないケースもあると思います。
それよりもヒアルロン酸の分解酵素が炎症によって生じやすいので
痛みを感じたら、患部を休めるとか、炎症を早期に取る事の方が重要です。
ヒアルロン酸による治療を促す際には、
どうやって永続的にヒアルロン酸が分泌されるようになるか
遺伝子を含めて、そういった環境を整える事が重要です。
皮膚のパッチなど簡易的に、非侵襲で
ヒアルロン酸を皮膚から近い肘関節、膝関節、アキレス腱など
患部に浸透できれば、
継続的は補給ができるので、そうした処置もおそらく有効です。
ゲルとしてのヒアルロン酸の安定性を高めたり、
皮膚の透過性を高める成分を付加したりすることで
一定のロスはあるにしろ、滑液のヒアルロン酸を
定期的に患者さんにとって負担なく高めることができるかもしれません。
但し、医師の管理なくして、個人で勝手にすることは
もちろん危険を伴います。
この方法は特に女性の美しい肌のための皮膚の保湿と
身体への安全性の知見がある
化粧品メーカーがおそらく参入できると思いますが、
最後の段落で計算しましたが、
皮膚はコルデオデスモソームという強力なバリア機能があるので
高い拡散係数を得ることが特に高分子の場合は難しく、
安全に、継続的に、負担の無い方法となると
相当なイノベーションが必要だと思います。
--
ヒアルロン酸は、
細胞の離脱、細胞分裂(有糸分裂)、細胞の移動、
腫瘍組織の発達、転移、炎症にも関わります(1)。
腫瘍組織は硬いというイメージがありますが、
実はそうではなく、水分量が多くなる傾向にあるようです。
ヒアルロン酸が腫瘍組織周りで過剰に分泌されるケースがあります(2)。
ヒアルロン酸は保湿効果があるため、
化粧水などスキンケア、美容でも利用されます。
ヒアルロン酸はイオン化したカルボキシル基密度が他の細胞外マトリっクスよりも
20倍以上高く、水分子を引き付ける性質があるため、親水性を持ちます。
また、構造として節を多く持ち、形を柔軟に変えられるため、
水をまきこんで、水分量を多くとることができます。
従って、自然由来の保湿成分(Nature's moisturizer)と定義できます(1)。
ヒアルロンは細胞から自然に生まれるものなので、
生体適合性が高く、免疫原性は低いです。
つまり、拒絶反応などにより、免疫系を過剰に高める効果がなく、
細胞などとの多様な細胞接着分子を通した結合性があるため
身体にもよくなじみます。
ヒアルロン酸は水を多く含むため、
免疫原性は他の細胞外マトリックスに比べて低いと考えられます。
ヒドロゲルによる薬物送達はすでに提案されています(3,4)。
薬物送達キャリアに求められる一つの特性は
免疫細胞が分布する循環器を通るので、
免疫機能を惹起させないことが基本的にあります。
従って、ヒドロゲルの中でも構成する物質を
自然由来のヒアルロン酸にすることは非常に有効です(5)。
--
ヒアルロン酸は分子構造自体は3週類あります(7)。
HAS1, HAS2, HAS3
その基本構成は繰り返し単位である
D-グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンから成り立っています。
負にイオン化したカルボキシル基(COO-)が水を引きつける
親水性に関わります。
従って、D-グルコロン酸が親水性を決めています。
(Chemical structure: 参考文献(1) Figure 1)
したがって、ヒアルロン酸そのものには「サブタイプ」という概念はありません。
しかし、ヒアルロン酸は以下、分子量(分子の大きさ)によって異なる特性を示すことがあります。
(1)低分子量ヒアルロン酸(Low Molecular Weight Hyaluronic Acid, LMW-HA)
分子量:おおよそ50,000~500,000ダルトン
特性:肌への浸透性が高く、保湿効果が高い。
(2)中分子量ヒアルロン酸(Middle Molecular Weight Hyaluronic Acid, MMW-HA)
分子量:おおよそ500,000~1,500,000ダルトン
特性:皮膚の弾力性を向上させ、保湿効果が持続する。
(3)高分子量ヒアルロン酸(High Molecular Weight Hyaluronic Acid, HMW-HA)
分子量:おおよそ1,500,000~4,000,000ダルトン
特性:表皮に留まりやすく、バリア機能を強化し、保湿効果が非常に高い。
一つの単位構造が1nmであり、最大で10000繰り返し構造をとるので
その長さは最大で10μmとなります。
血管の内皮細胞の大きさは長さ:10-30μm 幅:2-10μmなので
ヒアルロン酸は最大で単一内皮細胞レベルの大きさと言えます。
しかし、実際には水分子を巻き込みながら折りたたまれていますが、
複合体構造をとるのでヒアルロン酸のヒドロゲルの大きさは
粒子径で数十nmから数百μmとなります。
--
ヒアルロン酸は糖なので、細胞内の生成においては
小胞体とゴルジ体が関わります。
(参考文献(6) Fig.2)
--
ヒアルロン酸は体にあらゆる組織に共通してある
上皮細胞、内皮細胞からも分泌されるため、
多くの組織、臓器に分布が見られます。
どういった分子量のヒアルロン酸がどういった割合で存在するかはわかっていません。
ただ、ヒアルロン酸は分子量が低いほど弾性係数が低く、
弾性が高い、柔らかい傾向にあります。
(1)低分子量ヒアルロン酸(Low Molecular Weight Hyaluronic Acid, LMW-HA)
分子量: おおよそ50,000~500,000ダルトン
弾性係数(一般的な範囲): 10~100パスカル(Pa)
特性: 肌への浸透性が高く、柔軟性があり、保湿効果が高い。
(2)中分子量ヒアルロン酸(Middle Molecular Weight Hyaluronic Acid, MMW-HA)
分子量: おおよそ500,000~1,500,000ダルトン
弾性係数(一般的な範囲): 100~1,000パスカル(Pa)
特性: 皮膚の弾力性を向上させ、保湿効果が持続する。中間的な柔軟性と強度を持つ。
(3)高分子量ヒアルロン酸(High Molecular Weight Hyaluronic Acid, HMW-HA)
分子量: おおよそ1,500,000~3,000,000ダルトン
弾性係数(一般的な範囲): 1,000~10,000パスカル(Pa)
特性: 皮膚の弾力性を向上させ、保湿効果が持続する。中間的な柔軟性と強度を持つ。
ヒアルロン酸は
弾性係数が低く柔らかいとされるエラスチン約0.3~1メガパスカル(MPa)よりも
約1/30000程度変形しやすく、柔らかいですが、
エラスチンのようにゴムのように元に戻る性質はありません。
従って、可塑的であり粘弾性を持ちます。
但し、分子量に応じて強度は高くなります。
物質の機械的特性の内、弾性限界応力があります。
これは物質が永続的な破壊から逃れる事ができる最大に応力です。
エラスチンは 約300~600キロパスカル(kPa)
ヒアルロン酸は約1~10キロパスカル(kPa)で
エラスチンの方が最大で600倍程度高いことになりますが、
一般的に体にかかる応力は
皮膚: 約100~500キロパスカル(kPa)
血管: 約500~1,500キロパスカル(kPa)
腱: 約50~150メガパスカル(MPa)
靭帯: 約20~80メガパスカル(MPa)
骨: 約100~200メガパスカル(MPa)
これらなので、エラスチンの弾性限界能力よりも高く、
これらの物質単独で体の力に耐える事はできません。
細胞骨格、細胞接着分子との接続、
他の構造的に強いコラーゲンなどとの
細胞外マトリックスとの複合体化が必要です。
コラーゲンの弾性限界応力は約50~200メガパスカル(MPa)なので、
腱、靭帯、骨にかかる応力に耐える強さがあります。
--
ヒアルロン酸は
1. 線維芽細胞(Fibroblasts)
役割: 結合組織の主要な細胞で、ヒアルロン酸を大量に分泌し、皮膚や腱、靭帯などの ECM(細胞外マトリックス)の構成要素を形成します。
2. 軟骨細胞(Chondrocytes)
役割: 軟骨組織に存在し、軟骨の ECMのヒアルロン酸を合成して、関節の潤滑と圧力の分散を助けます。
3. 上皮細胞(Epithelial Cells)
役割: 皮膚や内臓の上皮組織で、ヒアルロン酸を分泌し、バリア機能や保湿、修復に寄与します。
4. 内皮細胞(Endothelial Cells)
役割: 血管の内皮に存在し、血管の健康と機能を維持するためにヒアルロン酸を分泌します。
5. 滑膜細胞(Synovial Cells)
役割: 関節の滑膜に存在し、関節液にヒアルロン酸を分泌して関節の潤滑と衝撃吸収を助けます。
6. マクロファージ(Macrophages)
役割: 免疫系の一部で、ヒアルロン酸の合成と分解に関与し、組織修復や免疫応答に寄与します。
7. 神経細胞(Neurons)
役割: 神経系においてもヒアルロン酸が発現しており、神経保護や神経の成長に関与しています。
8. 脂肪細胞(Adipocytes)
役割: 脂肪組織においてもヒアルロン酸が発現し、脂肪の分布や組織の構造維持に寄与します。
9. 筋肉細胞(Myocytes)
役割: 筋肉組織でもヒアルロン酸が発現し、筋肉の修復や再生に関与します。
これらの細胞種で発現、分泌が見られます。
--
ヒアルロン酸はタンパク質ではなく多糖です。
(基本構造単位)
2つの異なる糖が交互に連なってできた直鎖状の多糖です。これらの糖は以下の通りです:
N-アセチルグルコサミン(N-Acetylglucosamine, GlcNAc): アミノ基がアセチル化されているグルコサミン。
グルクロン酸(Glucuronic Acid, GlcA): 6-ヒドロキシル基がカルボキシル基に酸化されたグルコースの誘導体。
(ポリマーの長さ)
ヒアルロン酸のポリマーは非常に長く、数十から数百万の糖単位が連なります。分子量は数十万から数百万ダルトンに及びます。
(構造式)
[GlcNAc-β-1,4-GlcA-β-1,3-GlcNAc-β-1,4-GlcA-β-1,3-...]
(化学的性質)
水分保持: ヒアルロン酸は多くの水分を保持する能力があり、高い保湿性を持ちます。
ゲル化特性: ヒアルロン酸は水を吸収してゲル状になり、組織の弾力性やクッション性を提供します。
(生物学的機能)
細胞外マトリックスの構成成分: 組織の構造をサポートし、細胞の移動や成長を助けます。
潤滑作用: 関節液や体液中で潤滑作用を果たし、摩擦を減少させます。
保湿作用: 皮膚の保湿を助け、乾燥を防ぎます。
従って、ヒアルロン酸は豊富に水分を含むヒドロゲル構造を取ります。
ヒアルロン酸の構成単位の一つであるグルクロン酸が
カルボキシル基(-COO⁻)を持ち負電荷をもつため
水分子と静電引力によって引き合います。
ヒアルロン酸は直鎖状で、長いポリマー鎖が複雑に絡み合い、
広い表面積を提供するので、
それによって単位体積当たり多くの水分子を収納できます。
このカルボキシル基の密度は
ヒアルロン酸: 約0.2〜0.5 mmol/g
コラーゲン: 約0.01〜0.05 mmol/g
エラスチン: 約0.01 mmol/g以下
これであり、ヒアルロン酸は他の細胞外マトリックスよりも
20倍以上高いです。従って、多くの水分を保持できるため、
特注細胞外マトリックスパッチ医療(Customized ECMs patch medicine)を
提供するために臓器に貼り付けるための細胞外マトリックスシートを
人工的に構築するとき、
あるいは、
エラスチン誘導組織回復治療(Elastin-induced tissue recovery medicine)。
これを循環器の任意の場所に提供するための
エラスチン送達キャリアとして水を多く含むヒドロゲルを形成するとき
固体内の水分量を調整するための構造要素として
ヒアルロン酸量を任意に調整することが挙げられます。
--
ヒアルロン酸の体内での寿命は
通常数日から数週間の範囲です。
例えば、皮膚や関節液などの体内では、ヒアルロン酸が比較的短期間で分解されます。
エラスチンが最大で100年程度、コラーゲンが約10~15年です。
従って、ヒアルロン酸は非常に回転率の高い細胞外マトリックスです。
この理由はヒアルロン酸が多糖からなるからです。
多糖はグリコシド結合からなり、
タンパク質間の共有結合などと比べて結合力が低く、分解されやすいです。
また、pH(酸性、アルカリ性)や酵素などに敏感で、分解しやすいです。
ヒアルロン酸は炎症、組織修復、加齢によって増える
ヒアルロン酸分解酵素によって分解されます。
そのヒアルロン酸分解酵素の種類は
Hyaluronidase (hyase)
b-d-glucuronidase
β-N-acetyl-hexosaminidase
これらです(1)。
Hyaluronidase (hyase)は大きな分子量を小さな多糖に分解する役割がありますが、
b-d-glucuronidase β-N-acetyl-hexosaminidase
これらはさらに多糖から、それ以上分解できない単糖に分解します(1)。
従って、組織がダメージを受けると
あるいは高齢になるとヒアルロン酸が減る傾向にあります。
しっかりエビデンスを取る必要がありますが、
比較的高齢になってもヒアルロン酸分泌量が保たれる細胞は
軟骨細胞、内皮細胞、神経細胞です。
ここで重要な循環器、血管の議論になります。
血管のヒアルロン酸量、保湿は、炎症によって酵素により低下しますから、
免疫機能に異常があると循環器のヒアルロン酸、水分量は減り、
組織として全体的に硬くなると考えられます。
組織として固くなると内皮細胞にかかる力が相対的に強くなるため、
細胞外マトリックスとして強いコラーゲンが増加し、
弾性の強いエラスチン、ヒアルロン酸が低下します。
コラーゲンは構造的に強く、硬く、寿命が長いですから、
組織の中に常在する事になります。
それによって、内皮細胞の連続性が喪失するため、
コラーゲンを分泌する内皮細胞の数が相対的に減少します。
そうすると血管の機能が「負のスパイラル」で低下します。
従って、エラスチンなど寿命が長く、弾性のある物質を
ヒドロゲルで各血管の内膜に制御して送達させる
エラスチン誘導組織回復治療(Elatin-induced tissue reovery medicine)は
その負のスパイラルを止め、正のスパイラルに誘導する
きっかけを与える可能性があります。
エラスチンの血管組織の馴染みを高める事、浸透性を高める事は
化学的作用(装飾)によって高められる可能性がありますが、
それ以外に超音波や電気刺激によっても高められる可能性があります。
--
エラスチンと相互作用、複合体化しやすい細胞外マトリックスは
1. コラーゲン
タイプIコラーゲン: エラスチンとともに血管や皮膚、結合組織に存在し、共に血管の強度と弾力性を提供します。エラスチンはコラーゲンと相互作用して、組織の弾力性と構造的強度を高める役割を果たします。
タイプIIIコラーゲン: 特に弾力性の高い組織に多く存在し、エラスチンと協調して組織の弾力性と柔軟性を保ちます。
2. フィブロネクチン
フィブロネクチン: 結合組織に多く含まれ、エラスチンやコラーゲンと結合して細胞接着や ECMの構築を支援します。エラスチンとフィブロネクチンは協力して細胞外マトリックスの形成や組織修復を促進します。
3. ラミニン
ラミニン: 基底膜に存在し、エラスチンと相互作用することで血管内膜や皮膚の基底膜の安定性を保ちます。ラミニンはエラスチンと結合して、基底膜の構造と機能を支える役割があります。
4. プロテオグリカン
デスモシン: エラスチンと結合し、エラスチン繊維のクロスリンクを助けることで弾力性を提供します。デスモシンはエラスチン繊維間の結びつきを強化します。
ヒアルロン酸: エラスチンと共に、細胞外マトリックスにおける水分保持と組織の弾力性に寄与します。ヒアルロン酸はエラスチンと相互作用して、組織の柔軟性や弾力性を保つ助けとなります。
5. エラスチン関連タンパク質
エラスチン結合タンパク質: エラスチンと特異的に結合し、エラスチン繊維の安定化や修復を促進します。これには、エラスチンと結合するタンパク質が含まれます。
6. カタネクチン
カタネクチン: エラスチンと結合し、細胞接着や組織の修復に関与します。カタネクチンは、エラスチンとともに組織の構造と機能をサポートします。
これらです。
従って、コラーゲンは細胞外マトリックスの強さ、
フィブロネクチンは細胞外マトリックスの折り畳み構造の制御
エラスチンは細胞外マトリックスの弾性
ヒアルロン酸は細胞外マトリックスの水分量
これらの構造的、物理的特性を変える上で有効になります。
これらは高度に複合体化せることができます。
ヒアルロン酸は免疫原性を下げる上でも有効です。
一方で、
それぞれ特異的な場所で上述した以外の多様な細胞外マトリックスを相互作用します。
アグリカン(Aggrecan)
発現場所: 主に軟骨組織
機能: 軟骨の主要なプロテオグリカンで、細胞外マトリックスの構造を提供し、軟骨の弾性と耐圧性を高める。
リンクプロテイン(Link Protein)
発現場所: 主に軟骨
機能: アグリカンとヒアルロン酸の結合を安定化し、プロテオグリカンアグリゲートの形成を助ける。
ベルシカン(Versican)
発現場所: 多様な組織(皮膚、血管、肺など)
機能: 細胞の増殖、移動、接着を調節し、組織の構造を維持する。
ニューロカン(Neurocan)
発現場所: 中枢神経系(特に脳)
機能: 神経細胞の接着や成長を調節し、シナプスの形成に関与する。
TSG-6(TNF-stimulated gene-6)
発現場所: 炎症部位の様々な細胞(マクロファージ、線維芽細胞など)
機能: 炎症の制御、細胞外マトリックスのリモデリング、ヒアルロン酸と結合して炎症反応を抑制する。
GHAP(Hyaluronan and Proteoglycan Link Protein 1)
発現場所: 軟骨およびその他の結合組織
機能: ヒアルロン酸とアグリカンの結合を安定化し、軟骨の構造を維持する。
--
ヒアルロン酸と結合できる細胞接着分子は
1. CD44
機能: ヒアルロン酸の主要な受容体で、細胞表面に広く発現しています。CD44はヒアルロン酸と結合し、細胞の接着、移動、増殖、そして細胞外マトリックスのリモデリングに関与します。
2. RHAMM (Receptor for Hyaluronan-Mediated Motility)
機能: ヒアルロン酸と結合し、細胞の運動や分裂を調節します。RHAMMは細胞の移動や増殖、がんの進行に関与することが知られています。
3. Hyaladherins
例: Hyaluronan-binding protein (HABP)、**Hyaluronan-binding cell adhesion molecule (HAB-CAM)**など
機能: ヒアルロン酸と結合し、細胞間の接着や組織の形成を支援します。これらのタンパク質は、細胞外マトリックスと細胞間の相互作用に関与しています。
4. Linker Proteins (リンクタンパク質)
例: Hyaluronan-binding link protein
機能: ヒアルロン酸と結合し、コラーゲンやプロテオグリカンといった他のマトリックス成分と連結する役割を果たします。
5. Integrins
例: α2β1インテグリン、α5β1インテグリン
機能: 一部のインテグリンはヒアルロン酸と結合し、細胞の接着やシグナル伝達、細胞外マトリックスの維持に関与しています。
6. Tetraspanins
例: CD9、CD63
機能: ヒアルロン酸と結合し、細胞膜のクロスリンクや細胞外マトリックスの相互作用を調節します。
7. Hyaluronan Synthase (HAS)
例: HAS1、HAS2、HAS3
機能: ヒアルロン酸の合成に関与し、ヒアルロン酸と結合することで細胞外マトリックスの形成に寄与します。
8. CD168 (Hyaluronan Receptor)
機能: ヒアルロン酸と結合し、細胞の接着や移動に関与します。CD168は特に免疫系細胞において重要な役割を果たします。
9. Proteoglycans(シンデカン)
例: Syndecans(特にSyndecan-1)
機能: ヒアルロン酸と結合し、細胞外マトリックスの構造をサポートします。
10 LYVE-1(Lymphatic Vessel Endothelial Hyaluronan Receptor-1)
発現場所: 主にリンパ管内皮細胞
機能: ヒアルロン酸の輸送に関与し、リンパ系の機能維持に重要。
これらです。
--
ヒアルロン酸は免疫細胞など多くの細胞上にあるCD44などの
ヒアルロン酸受容体を通じて細胞の遺伝子に働きかけます(1)。
低分子量および中分子量のヒアルロン酸(HA)は、マクロファージ、内皮細胞、好酸球、特定の上皮細胞において遺伝子発現を促進します。これらの細胞における遺伝子発現促進は、主に以下の経路および転写因子を介して行われます:
経路および転写因子
NF-κB(核因子カッパB)経路
ターゲット遺伝子: 炎症性サイトカイン(例:TNF-α、IL-1β、IL-6)
機能: NF-κBは炎症応答の主要な調節因子であり、低分子量および中分子量のHAはNF-κB経路を活性化することで、これらのサイトカインの発現を促進します。これにより、マクロファージや内皮細胞の炎症応答が増強されます。
MAPK(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)経路
ターゲット遺伝子: 炎症性サイトカイン、ケモカイン(例:CCL2、CXCL8)
機能: MAPK経路(ERK、JNK、p38)は、細胞の増殖、分化、ストレス応答に関与しています。HAはMAPK経路を活性化し、これらのケモカインやサイトカインの発現を増加させます。
STAT(シグナル伝達および転写活性化因子)経路
ターゲット遺伝子: 抗ウイルス応答遺伝子、炎症性サイトカイン
機能: 特にSTAT3は、IL-6シグナル伝達経路の下流にあり、炎症性遺伝子の発現を促進します。HAはこの経路を活性化することで、細胞の炎症応答を増強します。
HIF-1α(低酸素誘導因子-1α)経路
ターゲット遺伝子: VEGF(血管内皮成長因子)、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)
機能: HIF-1αは低酸素応答に関与する転写因子で、VEGFやMMPの発現を促進します。HAはHIF-1αの安定化や活性化を介して、これらの遺伝子の発現を増加させ、血管新生や組織リモデリングを促進します。
具体的な細胞における影響
マクロファージ
促進される遺伝子: TNF-α、IL-1β、IL-6、CCL2
機能: 炎症応答の増強、病原体や損傷組織の除去
内皮細胞
促進される遺伝子: VEGF、ICAM-1、VCAM-1
機能: 血管新生、白血球の接着と移動の調節
好酸球
促進される遺伝子: IL-4、IL-5、CCL5
機能: アレルギー応答の増強、寄生虫感染の防御
上皮細胞
促進される遺伝子: IL-8、MMP-9
機能: 炎症応答の調節、組織リモデリング
低分子量および中分子量のヒアルロン酸は、これらの細胞においてさまざまな経路と転写因子を活性化し、炎症応答や組織リモデリングに関与する遺伝子の発現を促進します。
従って、免疫原性は低いとされていますが、
ヒアルロン酸自体が免疫原性を生じないわけではありません。
ここは重要なポイントなので整理が必要です。
具体的にはヒアルロン酸は「高分子量の場合」免疫原性が低い傾向にあります。
その理由は以下です。
免疫細胞のCD44と結合して、遺伝子経路を惹起させる場合には
複数のCD44が同時に結合し、信号が強化される必要があります。
そうした場合、短い分子量のヒアルロン酸は
独立して、複数のCD44と結合することができます。
そうなる事の空間的制約が少ないです。
とどのつまり分子が小さいから邪魔にならないという事です。
しかし、分子量が大きくなると
一つの細胞に対して、同じ分子が同時にCD44と結合する必要性が出てきます。
なぜなら、独立して複数の大きな分子が
細胞の周りに存在することが空間的に、邪魔で許されないからです。
この事が同時にCD44と結合することを難しくします。
これが一番、本質的な理由です。
従って、ヒアルロン酸が炎症反応によって
Hyaluronidase (hyase)の分泌が上がり、高分子が切断されると
バラバラになり分子量が小さくなるため、
CD44を通じて、免疫細胞に多価で認識されやすくなり、
ヒアルロン酸の免疫原性が上がってしまいます。
これは、あらゆる分子における免疫原性の基本的なことです。
すなわち、ヒドロゲルのような構造の場合、
それぞれの単位構造が免疫細胞に対して相対的に大きければ、
必然的に免疫原性はどのような物質であっても下がります。
しかし、ヒドロゲルの拡散性を上げるためには
粒子径は小さい方がいいのです。
それを決めるのがStokes-Einstein式です。
粒子の拡散係数Dは
D = (kb*T)/(6π*μ*r)できまります。
ここで:
D は粒子の拡散係数(m²/s)
kbはボルツマン定数(1.380649 × 10^-23 J/K)
T は絶対温度(ケルビン、K)
η は流体の粘性(Pa·s、パスカル秒)
r は粒子の半径(m)
これらです。従って、拡散係数は粒子径の1乗で反比例します。
また、流れに対して同じ速度で拡散する限界はペクレ数(Pe)です。
Pe = (L×U) / D
L は特徴長さ(m)
U は流速(m/s)
D は拡散係数(m²/s)
これあrです。
ペクレ数が1に近い場合、拡散と対流が同程度の影響力を持つことを示します。
ペクレ数が1以下になると、拡散の影響が大きくなり、
ペクレ数が1以上になると対流の影響が大きくなります。
すなわち、ペクレ数が1以下では
その流れと違う方向に速く動くことができます。
一方で、1以上になると物質は血液の流れに従って動きます。
--
従って、流速が速ければ、媒体の動的機序は対流律速になるという事です。
しかし、ヒドロゲルが大きくて重ければ、血管内壁に留まって、
蓄積してしまう、場合に依ったら、血管内腔を狭窄したり、
毛細血管など細い血管の場合は閉塞するという事も考えられます。
--
ヒドロゲル100nmの時には
拡散係数は血液中のヒドロゲル粒子の拡散係数は
1.94×10^−12m2/s
これであり、
ペクレ数Peは3.09×10^10なので
圧倒的に対流律速であるということです。
おそらくヒドロゲルが自らの拡散を駆動する条件は
受容体と極めて近い位置になった時の局所だけに限られます。
おそらく
ヒドロゲルの沈降の影響もあまりないと推定されます。
ヒドロゲルの密度が血液の密度(約1g/cm³)とほぼ同じであるためです。
但し、蓄積は可能性があります。
血管の狭窄部や曲がりくねった部分では、流れの速度が変わり、
ヒドロゲルが局所的に蓄積する可能性があります。
衝突を考慮した場合に拡散係数は
Deff 約2.55×10^-14m2/s
これで約2桁下がります。
但し、血流が速いので、ほとんどの細胞が対流律速になっているため
こうした衝突の影響をあまり考える必要はないかもしれません。
物質間の強い結合に基づいた局所的な動きに限られます。
--
ヒアルロン酸の濃度と半減期
1. 硝子体
ヒト: 100–400 μg/ml
リスザル: 100–180 μg/ml(注入液: 10 mg/ml、10–20% 濃度)
フクロウザル: 300–900 μg/ml(注入液: 10 mg/ml、20–30% 濃度)
ウサギ: 14–52 μg/ml(注入液: 0.02 mg/ml、70% 濃度)
2. 前房
ヒト: 1.1 μg/ml
フクロウザル: 11.4 μg/ml(注入液: 10 mg/ml、0.2–0.6% 濃度)
シノモルガスザル: 10 μg/ml(注入液: 0.8 mg/ml)
ウサギ:
1.1 μg/ml(注入液: 10 mg/ml、0.3–0.5% 濃度)
1.1 μg/ml(注入液: 0.02 mg/ml、0.04–0.06% 濃度)
3. 関節
馬: 300–500 μg/ml(注入液: 10 mg/ml、1% 濃度)
ウサギ:
0.3 μg/ml(注入液: 0.5 mg/ml)
3,800 μg/ml(注入液: 20 mg/ml、0.5% 濃度)
4. 胸膜
ウサギ:
0.76 μg/ml(注入液: 0.03–0.05 mg/ml、0.4–1.0% 濃度)
5. 心膜
ウサギ:
5 μg/ml(注入液: 10 mg/ml、3–4% 濃度)
5 μg/ml(注入液: 0.06 mg/ml、3–4% 濃度)
6. 腹膜
ウサギ:
2–93 μg/ml(注入液: 10 mg/ml、1.2% 濃度)
0.07 μg/ml(注入液: 0.1 mg/ml)
7. 骨格筋
ウサギ: 26–28 μg/ml(注入液: 10 mg/ml、1.25% 濃度)
8. 羊水
ヒツジ:
12週: 5.1 μg/ml(トレーサー)
15–17週: 1.9 μg/ml(トレーサー、0.5–0.8% 濃度)
9. 皮膚
ウサギ:
1.9 μg/ml
0.07 μg/ml(注入液: 0.5 mg/ml)
10 μg/ml(注入液: 2 mg/ml)
ラット: 840 μg/ml(注入液: 2.6–4.5 mg/ml)
半減期(t1/2)のデータ
硝子体:
ヒト: データなし
リスザル: 約10日
フクロウザル: 約10日
ウサギ: 約0.02日
前房:
ヒト: データなし
フクロウザル: 約10日
シノモルガスザル: 約0.8日
ウサギ:
約10日(0.3–0.5% 濃度)
約0.02日(0.04–0.06% 濃度)
関節:
馬: 約10日
ウサギ:
約0.5日
約20日(0.5% 濃度)
胸膜:
ウサギ: 約0.03–0.05日
心膜:
ウサギ:
約10日(3–4% 濃度)
約0.06日(3–4% 濃度)
腹膜:
ウサギ:
約10日(1.2% 濃度)
約0.1日
骨格筋:
ウサギ: 約10日(1.25% 濃度)
羊水:
ヒツジ:
12週: 約3–8日
15–17週: 約0.5–0.8日
皮膚:
ウサギ:
約1.9日
約0.5日
約2日
ラット: 約2.6–4.5日
従って、眼の硝子体と関節が最も多いです。
それ以外で多いのは骨格筋です。
高齢になって関節を痛めている人も多いので、
特に歩行に影響を与える膝関節のヒアルロン酸の量の調整を
非侵襲で、患者さんに負担がない形で
皮膚などのパッチによって浸透で出来るようにすることは大切です。
半減期が1週間程度なので、継続的なケアが少なくとも必要です。
これは、高齢の方に限らず、
運動強度の高いスポーツ選手のケアなどでも重要性が高いです。
できるだけ高分子量のヒアルロン酸を入れたいという需要もあります。
しかし、これを実現することは非侵襲ではおそらくかなり難しいです。
人の筋肉において腱は非常に重要です。
12か所ある腱のヒアルロン酸の推定濃度を上げます。
アキレス腱 (Achilles Tendon)
推定濃度: 約50–150 μg/ml
膝蓋腱 (Patellar Tendon)
推定濃度: 約40–120 μg/ml
腸脛靭帯 (Iliotibial Band)
推定濃度: 約30–100 μg/ml
大腿四頭筋腱 (Quadriceps Tendon)
推定濃度: 約50–130 μg/ml
肩甲下筋腱 (Subscapularis Tendon)
推定濃度: 約50–120 μg/ml
肩峰下腱 (Supraspinatus Tendon)
推定濃度: 約60–140 μg/ml
上腕二頭筋腱 (Biceps Brachii Tendon)
推定濃度: 約50–110 μg/ml
前腕屈筋腱 (Flexor Tendons)
推定濃度: 約40–100 μg/ml
前腕伸筋腱 (Extensor Tendons)
推定濃度: 約40–100 μg/ml
長腓骨筋腱 (Peroneus Longus Tendon)
推定濃度: 約30–90 μg/ml
短腓骨筋腱 (Peroneus Brevis Tendon)
推定濃度: 約30–90 μg/ml
内側広筋腱 (Medial Vastus Tendon)
推定濃度: 約50–120 μg/ml
腱のヒアルロン酸は骨格筋よりは多い傾向にあります。
特に問題となるアキレス腱は皮膚から距離が近いため、
皮膚パッチで非侵襲で入れたいという需要があります。
私も左のアキレス腱を少しだけだけど痛めていて、
大きな速度で走ることができません。
アキレス腱は細いから痛めると治らないので、
できるだけ柔らかい細胞外マトリックスである
ヒアルロン酸の分子量と量を最適化したいという事があります。
特にスポーツ選手においては重要です。
例えば、ヒアルロン酸を皮膚からアキレス腱まで浸透圧を使って
届けることを考えます。
前提条件と仮定
皮膚からアキレス腱までの距離: 約2–5 cm(皮膚から腱までの皮下組織の厚さ)
皮膚のバリア構造: 角質層(stratum corneum)は約10–20 μmの厚さ
ヒアルロン酸の拡散係数 (D):
皮膚内のヒアルロン酸の拡散係数は約 1×10^−7m-^2/s(仮定)
温度 (T): 体温である約37°C(310 K)
膚の透過率 P
P= D / S
D = 拡散係数 = 1×10−7m2/s
h = 皮膚の厚さ約10–20 μm
P = 0.01m/s
ヒアルロン酸が皮膚からアキレス腱に到達するためには、一定の浸透圧差を確保する必要があります。仮に皮膚からアキレス腱までの距離を5 cm(0.05 m)とすると、拡散による時間 t を計算できます。拡散の距離 x に対する時間は以下の式で表されます:
t = x^2/D
x = 0.05 m
D = 拡散係数 = 1×10−7m2/s
t = 29日
従って、約1か月もかかってしまうため現実的ではありません。
仮に10秒で届けようとすれば、
2.5×10^-4m2/sの拡散係数が必要です。
もともと皮膚はそういった物質が中に浸透しないようにできているので
それを打ち破って、中まで浸透させるにはやはり
ニードルなど侵襲的な処置が必要になりそうです。
電気、超音波などもありますが、
現実的には少し難しい可能性があります。
高分子量のヒアルロン酸ならなおさらバリア機能を通過する事は難しいです。
例えば、深さ方向に対して
非常に高い精度で制御した形でニードルを指し、
角質層だけをスキップするとか、
侵襲するにしてもデメリットが少ない形での注入方式はあるかもしれません。
ヒアルロン酸による治療が普及していないという事は
どこかに潜在的な困難性があるということです。
その一つはおそらくヒアルロン酸の回転率の高さ、
すなわち寿命の短さです。
(参考文献)
(1)
J. Necas 1 , L. Bartosikova 1 , P. Brauner 2 , J. Kolar
Hyaluronic acid (hyaluronan): a review
Veterinarni Medicina, 53, 2008 (8): 397–411
(2)
William Donelan, Paul R. Dominguez-Gutierrez, and Sergei Kusmartsev
Deregulated hyaluronan metabolism in the tumor microenvironment drives cancer inflammation and tumor-associated immune suppression
Front Immunol. 2022; 13: 971278.
(3)
Ruibo Zhong, Sepehr Talebian, Bárbara B. Mendes, Gordon Wallace, Robert Langer, João Conde & Jinjun Shi
Hydrogels for RNA delivery
Nature Materials volume 22, pages818–831 (2023)
(4)
Jianyu Li & David J. Mooney
Designing hydrogels for controlled drug delivery
Nature Reviews Materials volume 1, Article number: 16071 (2016)
(5)
Chao-Ping Fu 1 2 3, Xing-Yu Cai 1 2, Si-Lin Chen 1 2, Hong-Wei Yu 1 2, Ying Fang 2, Xiao-Chen Feng 2, Li-Ming Zhang 4, Chang-Yong Li
Hyaluronic Acid-Based Nanocarriers for Anticancer Drug Delivery
Polymers (Basel). 2023 May 16;15(10):2317.
(6)
Colin Reily, Tyler J. Stewart, Matthew B. Renfrow & Jan Novak
Glycosylation in health and disease
Nature Reviews Nephrology volume 15, pages346–366 (2019)
(7)
Naoki Itano, Theerawut Chanmee & Koji Kimata
Hyaluronan Synthase 1-3 (HAS1-3)
Handbook of Glycosyltransferases and Related Genes pp 865–872
(8)
Diego Costa Astur 1, Felipe Berteli Angelini 1, Marcelo Abdulchlek Santos 1, Gustavo Gonçalves Arliani 1, Paulo Santoro Belangero 1, Moisés Cohen 1
Use of Exogenous Hyaluronic Acid for the Treatment of Patellar Chondropathy- A Six-Month Randomized Controlled Trial
Rev Bras Ortop (Sao Paulo). 2019 Sep;54(5):549-555.
ヒアルロン酸の構造、機能、応用
エラスチン誘導組織回復治療による系統的技術の拡張
特注細胞外マトリックスパッチ治療。
(Customized ECMs patch madicine)
昨日の私の提案を聞いて、日本、世界の研究者の方が
この提案の価値についてどれくらいの値を付けたか?
それについては未だわかりません。
少なくとも、私の中では
「細胞種特異的薬物送達システム」の発明と同等か、それを超えるものです。
なぜなら、組織学的な治療はほとんど進展がないからです。
その進展を強力に駆動する可能性があるからです。
今、私が取り組んでいる細胞接着分子と細胞外マトリックスで
共通的に関与する学問は「組織学」です。
その中で、人の臓器形成(Organogenesis)や
組織学的な恒常性の理解はまだ黎明期(infancy)にあると思っています。
理解が伴っていないわけですから、
当然、組織学的な治療も進むはずがありません。
日本の大阪大学の澤 芳樹先生が主導されている
心筋シートによる心臓機能の回復は組織学的治療と言えますが、
こうしたケースは非常に限られています。
(あとは、網膜などもあります。)
特注細胞外マトリックスパッチ治療は仮の名前であり、
名称を変える可能性があります。
なぜなら「パッチ」という部分が外科的であり、
私は当然、内科的なアプローチも考えているからです。
今まで、細胞外マトリックスを最適化するという構想はあったかもしれませんが、
それについて臨床応用を真剣に考えた人はいないと思いますし、
細胞接着分子をここまで理解して、骨格のネットワークを掴んで
具体的なプロトコルに落とし込んだ人はさらに皆無だと思います。
「パッチ」はどちらかというと、
組織を積極的に作って、それを適切な位置に外科的に貼る。
あるいは、内科的においても
何らかの方法で特異的に送達して結合させる(貼る)ということです。
こうしたアプローチは施術する範囲が限定されるというデメリットもあります。
例えば、
「90歳の人の身体の大きな血管のほとんどを20歳若返らせる」
という壮大なプロジェクトを考えたとします。
ステントのアプローチでは範囲が大きすぎてできません。
外科的アプローチでは一回で送達できる量が限られるので、
何度も施術する必要があり、現実的ではありません。
身体に残るものなので、高いリスクはありますが、
そのリスクの裏側には非常に大きな可能性があります。
主要な循環器の組織が広範囲に若返ったら、
脳を含めて、全身の臓器に影響があるはずです。
しかも、血管の内皮細胞は通常は癌化しない、
少なくとも極めてしにくいので、
細胞外マトリックスが細胞に何らかの影響を与えるにしても、
その細胞が上皮細胞のように癌化するリスクも少ないです。
しかも、循環器は内科的な薬物送達のメインルートです。
細胞外マトリックスは水分を通常含むので
ヒドロゲルとも言えます。
このヒドロゲルを使った薬物送達はすでに考えられてますが(1,2)、
そのヒドロゲルそのものが組織を回復させる機会がある
という報告はあまりないかもしれません。
あったとしても、少し目的が乖離しています(5-7)。
鍵を握るのはエラスチンです(6,7)。
血液の中の薬物の濃度分析から
全身の血管に比較的均一に弾性の富んだ細胞外マトリックスが
送り込まれるというのでもいいですし、
もっと制御した形で血管に取り込まれるようにするでもいいです。
血管は脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、胃、気管支、骨、骨格筋など
全ての臓器、組織に当然、影響供給が必要ですから伸びています。
その人にとって可能な限りの「最高の」血管網を実現することです。
それを細胞外マトリックスを起点として具現化する事を考えます。
そうした時に欲しいのが
それぞれの臓器、組織の中に入り込んでいる主要な血管の
特に細胞外マトリックス(基質)に結合する事ができる
細胞接着分子
インテグリン、
シンデカン、
サルコグリカン-ジストログリカン-ラミニン複合体
これらの組織特異的な分子レベルの構造の情報です。
プロモーターや選択的スプライシングによる構造の違い、
あるいはmiRNA、siRNAの違いによる発現量の違い、
これらの転写因子に組織特的な違いが
血管の内皮、平滑筋、周皮などにあれば、
血管内の「最適化された細胞外マトリックスを骨格とする」
あるいは「エラスチンベースの」
ヒドロゲルの特異的送達の実現の可能性が出てきます。
細胞外マトリックスの細胞接着分子との結合部位を
その組織特異的に結合親和性が上がるように設計して
ヒドロゲルとして組み込むということです。
例えば
脳の血管は「細胞外マトリックスA」からなるヒドロゲル
肺の血管は「細胞外マトリックスB」からなるヒドロゲル
肝臓の血管は「細胞外マトリックスC」からなるヒドロゲル
腎臓の血管は「細胞外マトリックスD」からなるヒドロゲル
胃、気管支、骨、骨格筋、、、
といったようにそれぞれの血管で設計を変えて
個別に送達する事も可能になります。
では、それぞれの血管の弾性があがると
それぞれの臓器、組織にどういった影響があるか?
少なくとも「(その部位の)血圧」が下がるため
血管の動きと連動して動く実質や上皮組織の圧力も下がります。
機械的なストレスが増えると
線維化、細胞外マトリックスの合成が高まります。
細胞外マトリックスは
線維芽細胞から放出されますが、
弾性の為に大切なエラスチンは高齢になるとほとんど発現されません(3)。
一方で、線維として固いコラーゲンが放出されます。
(参考文献(4) Fig.3)
コラーゲンの弾性係数はエラスチンの100倍です。
つまり、100倍硬いということです。
従って、各臓器の機械的ストレスが高まる事は
特に高齢になると「負のスパイラル」と言えます。
弾性の高い細胞外マトリックスはエラスチンとヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸は内皮細胞、上皮細胞からも発現されます。
年齢と共に減りますが、成人以降も分泌します。
但し、重要なポイントがあります。
ヒアルロン酸は数週間で代謝されるので半減期が1か月程度です。
しかし、エラスチンは約70年です(3)。
ヒアルロン酸はすぐに分解されるため、
弾性を得るための介入には適していません。
ヒアルロン酸で介入を行うならば、細胞の機能にアプローチする必要性が出てきます。
例えば、ヒアルロン酸のDNAやRNAに作用して発現量を亢進させるとかです。
従って、エラスチンが鍵になります。
エラスチンは安定性が高いので、1回の最適化で
その効果が長期間続く可能性があるからです。
しかし、それは「リスク」も伴います。
初めから組織化してパッチのように固定するというコンセプトもありますが、
エラスチンをうまく元々ある細胞外マトリックスに浸透させたい
という需要もあります。
血管の弾性がエラスチン依存的に適正に高まることで
組織にかかる圧力が緩和され、
それが細胞レベルで見た時の細胞の機能の回復につながる事は十分に考えられます。
少なくとも炎症、線維化などの悪化は防げるはずです。
また、主要な血管の径が必要な血流量に対して弾性により最適化されると
全体的な血流のバランスがよくなる可能性もあります。
毛細血管の拡張や局所的な調節が活発化される可能性もあります。
ただ、高齢の人にする場合には、下手したら即死します。
それだけ循環器は生命活動にインパクトがあるからです。
エラスチンによる弾性の効果がそれだけ大きい可能性があるからです。
ただ、血流の分布だけではなく、
そのポンプ機能に関わる心臓の負担も減るため、
心臓の機能劣化のスピードも下げられる可能性があります。
しかし、影響が絶大的であればあるほど
「ハイリスク、ハイリターン」です。
従って、リスクを
コンピューター解析、AI、医師の手腕、
私を含めた技術者の実力によって最小化できれば、
それによって医療的な利益(健康)を得る人は
特に高齢の人で多く生まれます。
系統的技術
〇細胞外小胞(⇒薬物キャリア(合成ナノ粒子、ウィルス、ゲルなど)
〇細胞接着分子
〇CAMome
〇iPS細胞技術との融合(⇒多能性幹細胞技術)
〇細胞種特異的薬物送達システム
〇人工知能、スーパーコンピュータ、仮想空間
〇CAM-Glycome(各細胞接着分子-糖鎖の集合)
〇CAM-Adhesome(各細胞接着分子-アクセサリタンパク質の集合)
〇CAM-trascriptome(各細胞接着分子-転写因子ネットワーク構造)
〇マルチオミックスデータベース構築(CAMome,CAM-Glycome、CAM-Adhesome、CAM-transcriptome)
〇過去の文献の整理
これは、どちらかというと細胞にアプローチするものです。
例えば、癌細胞を細胞死させるとか、
神経細胞内のシグナル伝達を最適化させる、
免疫細胞の機能を調整するとかです。
でも、おそらくこれだけではできる事は限られています。
細胞外マトリックス、特に20歳から分泌が見られない
エラスチンを最適に送達する事で
機械的特性の調整を行い、
それを起点とした組織の若返りを図る事は
細胞ベースの治療を拡張させるものです。
従って、エラスチンベースの治療は系統的技術と
技術的かつ医療的な連携性があります。
内科的なアプローチをするとなると
〇CAM-Glycome(各細胞接着分子-糖鎖の集合)
〇CAM-Adhesome(各細胞接着分子-アクセサリタンパク質の集合)
〇CAM-trascriptome(各細胞接着分子-転写因子ネットワーク構造)
〇マルチオミックスデータベース構築(CAMome,CAM-Glycome、CAM-Adhesome、CAM-transcriptome)
これらの資源は共通的に利用できます。
特に、全身の血管の組織特異的な内皮細胞、平滑筋細胞、周皮細胞の情報がほしい。
そして、この場合
薬物キャリアの要素である
〇細胞外小胞(⇒薬物キャリア(合成ナノ粒子、ウィルス、ゲルなど)
これが
〇ヒドロゲル
これに代わります。
ヒドロゲルそのものがエラスチンを含む細胞外マトリックスです。
エラスチンは10万~50万ダルトンあるので、
通常のナノ粒子で輸送できる大きさではないので、
断片化する必要があります。
それなら、それそのものを水で保護しながら
ヒドロゲルとして血管になじむ形で
細胞種特異的送達を実現しようということです。
ヒドロゲルを用いた薬物送達は提案されています(1,2)。
ただ、なぜ、20歳を過ぎるとエラスチンが分泌されなくなるのか?
進化の過程で何らかの重要な理由があるかもしれません。
少なくとも高齢のマウスに対して、
ある程度、ダイナミックにエラスチンを変えた時に与える
高齢のマウスの細胞への影響を見る必要があります。
あるいは人のiPS細胞技術や
高齢の方からの組織採取などで任意の細胞種において
高齢の状態にしておいて、人の高齢の細胞で作られた組織に対する
エラスチンの影響(特に負の影響)を見ておく必要があります。
例えば、エラスチンはしばらく高齢の人の体内にないのであれば
免疫原性が高い状態にあるかもしれません。
つまり、高齢の人の身体は「異物とみなす」ということです。
それを避けるためにはエラスチンの分子量、
あるいはヒドロゲルにするのであれば、水でうまく覆ったり、
ヒドロゲルの粒子径を上げる事が重要です。
しかし、ヒドロゲルを薬物キャリアとしてみて、
血液中の拡散性を上げるためには、
粒子径をできるだけ下げる必要があります。
その計算式が以下です。これは非常に重要です。
しかし、血液中は理想的な液体ではなく、多くの細胞を含むため
固体同士の衝突の影響を考慮する必要があります。
それは別途、下記以外で数式化する必要があります。
それを決めるのがStokes-Einstein式です。
粒子の拡散係数Dは
D = (kb*T)/(6π*μ*r)できまります。
ここで:
D は粒子の拡散係数(m²/s)
kbはボルツマン定数(1.380649 × 10^-23 J/K)
T は絶対温度(ケルビン、K)
η は流体の粘性(Pa·s、パスカル秒)
r は粒子の半径(m)
これらです。従って、拡散係数は粒子径の1乗で反比例します。
また、流れに対して同じ速度で拡散する限界はペクレ数(Pe)です。
Pe = (L×U) / D
L は特徴長さ(m)
U は流速(m/s)
D は拡散係数(m²/s)
これあrです。
ペクレ数が1に近い場合、拡散と対流が同程度の影響力を持つことを示します。
ペクレ数が1以下になると、拡散の影響が大きくなり、
ペクレ数が1以上になると対流の影響が大きくなります。
すなわち、ペクレ数が1以下では
その流れと違う方向に速く動くことができます。
一方で、1以上になると物質は血液の流れに従って動きます。
この治療の仮の名前として
Elastin induced tissue recovery medicine
エラスチン誘導組織回復治療
このようにしておきます。
(参考文献)
(1)
Ruibo Zhong, Sepehr Talebian, Bárbara B. Mendes, Gordon Wallace, Robert Langer, João Conde & Jinjun Shi
Hydrogels for RNA delivery
Nature Materials volume 22, pages818–831 (2023)
(2)
Jianyu Li & David J. Mooney
Designing hydrogels for controlled drug delivery
Nature Reviews Materials volume 1, Article number: 16071 (2016)
(3)
Hanna Trębacz 1, Angelika Barzycka
Mechanical Properties and Functions of Elastin: An Overview
Biomolecules. 2023 Mar 22;13(3):574.
(4)
Xingpeng Di, Xiaoshuai Gao, Liao Peng, Jianzhong Ai, Xi Jin, Shiqian Qi, Hong Li, Kunjie Wang & Deyi Luo
Cellular mechanotransduction in health and diseases: from molecular mechanism to therapeutic targets
Signal Transduction and Targeted Therapy volume 8, Article number: 282 (2023)
(5)
Helena Vilaça-Faria, Jennifer Noro, Rui L. Reis, Rogério P. Pirraco a b
Extracellular matrix-derived materials for tissue engineering and regenerative medicine: A journey from isolation to characterization and application
Bioactive Materials Volume 34, April 2024, Pages 494-519
(6)
Duo-Mei Tian,a,b,1 Huan-Huan Wan,b,c,1 Jia-Reng Chen,d,1 Yong-Bin Ye,e,1 Yong He,b,c Yu Liu,b,c Lu-Yao Tang,d Zhong-Yuan He,b,f Kai-Zheng Liu,g Chong-Jian Gao,g Sheng-Lin Li,h Qian Xu,i Zheng Yang,j Chen Lai,k Xiao-Jun Xu,l Chang-Shun Ruan,g Yun-Sheng Xu,c,∗∗ Chao Zhang,d,∗∗∗ Liang Luo,a,∗∗∗∗ and Le-Ping Yanb,m
In-situ formed elastin-based hydrogels enhance wound healing via promoting innate immune cells recruitment and angiogenesis
Mater Today Bio. 2022 Jun; 15: 100300.
(7)
Chandrasekhar R. Kothapalli1 and Anand Ramamurthi2,
Induced Elastin Regeneration by Chronically-Activated Smooth Muscle Cells for Targeted Aneurysm Repair
Acta Biomater. 2010 Jan; 6(1): 170–178.
呼吸器、循環器は私たちの命を支える上で非常に重要で、
これらの機能に不全が出ると、即時的に命に関わります。
例えば、呼吸が十分に出来なくなり、
酸素、二酸化炭素、窒素などの身体の適性な濃度から逸脱すると
数分で命に関わります。
循環器も大動脈などが閉塞すると即死する可能性があります。
循環器にしても、呼吸器にしても
媒体は液体か、気体かでそれぞれ違いますが、
物質の適性な流れがあります。
こうした流れを支えるのは媒体となる物質の密度差、
言い換えれば、圧力差による力です。
呼吸器では肺(葉、肺胞)の体積を変える事により、
大気から人は空気を吸う事ができます。
循環器では心臓が血液の拍出のため体積を一定リズムで変えながら、
血管などの循環器を通して、全身に血液を送っています。
血管はその水圧を受けて、流れを円滑にする必要があります。
流れのベクトルがバラバラになる乱流となると、
所々に渦ができて、成分の濃度差が生じます。
あるいは、血液を供給するためにより多くの圧力が必要になります。
圧力変化に応じて適切な血管径を用意する必要があるため、
血管には平滑筋があり、径を柔軟に変えるシステムがあります。
こうした体積変化の大きな臓器、組織では筋系の細胞が存在します。
ただ、こうした細胞だけでは不十分で、
細胞を支持する繊維状の物質である細胞外マトリックスの支持も必要です。
細胞外マトリックスは様々な種類があり、
その構造に従って、それぞれ独自の物理特性を持っています。
このエラスチンは親水性ドメインと疎水性ドメインの連続構造で
疎水性ドメインの集まる力を利用して
可逆的な伸縮特性、つまり高い弾性を発揮します。
従って、必然的な心臓、血管、肺などでは
こうしたエラスチンの需要が多く、発現が多く見られます。
細胞の動きと連動させる必要があるので
そうした細胞外マトリックスとの節(関節)の役割をするのが
ジストログリカン(を含む複合体構造)、
インテグリン、シンデガンなどの細胞接着分子です。
--
エラスチンの構造と機能
トロポエラスチン(Tropoelastin):
エラスチンの前駆体タンパク質で、可溶性の単量体。細胞内で合成され、分泌後に繊維状に集合し、成熟したエラスチンを形成する。
成熟エラスチン(Mature elastin):
トロポエラスチンがエラスターゼや他の酵素によって架橋結合し、不可溶性の弾性繊維を形成したもの。
トロポエラスチンのドメイン構造
トロポエラスチンは、反復構造を持つ二つの主要なドメインから成り立っています:
とポロエラスチンのドメイン
(1)疎水性ドメイン(Hydrophobic Domains)
特徴:主にグリシン(Glycine)、バリン(Valine)、アラニン(Alanine)、プロリン(Proline)などのアミノ酸から成る。
機能:疎水性ドメインはエラスチンの伸縮性と弾性を提供します。
これらのドメインは、水和時に分子内および分子間の相互作用を通じて、エラスチンが伸長・収縮する能力を持ちます。
疎水性ドメインはエラスチン分子が水に溶けにくくする。
(2)親水性ドメイン
特徴
親水性ドメイン(Hydrophilic Domains)は、トロポエラスチン分子の中で水との相互作用を好むアミノ酸残基が集まっている領域です。これらのドメインには以下の特徴があります:
アミノ酸組成:リジン(Lysine)、ヒスチジン(Histidine)、グルタミン酸(Glutamic acid)、アスパラギン酸(Aspartic acid)など、極性を持つアミノ酸が多く含まれます。
配列:親水性ドメインは、疎水性ドメインとの間に配置され、分子全体の水溶性と柔軟性を調整します。
機能
架橋形成の促進:親水性ドメインに含まれるリジン残基は、エラスチン分子間での共有結合(架橋)を形成するために重要です。これにより、エラスチン繊維が強固で安定なネットワーク構造を形成します。
可溶性の維持:トロポエラスチンが細胞から分泌される際に、親水性ドメインはタンパク質の可溶性を維持し、分泌過程をスムーズにします。
分子間相互作用の調整:親水性ドメインは、水との相互作用を通じて、トロポエラスチン分子間の配置や結合を調整し、最終的なエラスチン繊維の構造と機能に影響を与えます。
(2)架橋ドメイン(Cross-linking Domains)
特徴:
リシン(Lysine)残基が多く含まれる。
架橋ドメインにはアミノ酸配列として、リジン(Lysine)残基が連続して配置されている部分が含まれます。
機能:
架橋ドメインはトロポエラスチン分子同士が共有結合で架橋されることで、強固な網目構造を形成します。
この架橋によって、エラスチンの弾性繊維が安定化され、長期間にわたりその弾力性を維持します。
〇トロポエラスチンのドメイン構造の重要性
トロポエラスチンの疎水性ドメインと架橋ドメインの相互作用により、エラスチンはその特有の弾性を発揮します。疎水性ドメインが水を避ける性質を持つことで分子が集まりやすくなり、架橋ドメインがこれをしっかりと固定することで、弾力性と耐久性を兼ね備えた構造が形成されます。
具体的には、エラスチン分子が引っ張られると、疎水性ドメインが伸び、ストレスが解放されると元の形状に戻ります。このメカニズムが、血管、皮膚、肺などの組織におけるエラスチンの伸縮性を支えています。
-
Hanna Tr˛ebacz(敬称略)らがFigure.1に示すように(1)
圧縮状態では疎水性ドメインが高度に折りたたまれ、
疎水性ドメインと親水性ドメインの繰り返し構造を取ります。
親水性ドメインはらせん構造を取り、親水性ドメインの特定の結合サイトにおいて
架橋ドメインが結合し、離れた親水性ドメイン同士を架橋します。
疎水性ドメインは自らの構造を集合させたり、
周りの水分子などの物質を集合させる働きがあります。
この集合体、複合体に対して引っ張る力が加わった時、
折りたたまれた疎水性ドメインが伸び、構造としてのエントロピーが下がります。
より直線的な構造となり、形は大きく変わります。
そうした力が乗り除かれると再び、疎水性ドメインは水分子を集合させ
折り畳み構造を取り、エラスチン全体として圧縮されます。
架橋ドメインの親水性ドメインの結合サイトは
リシンリッチ(Lysine-rich)領域:
親水性ドメインにはリシン残基が高頻度で含まれている領域があります。これらのリシン残基が、トロポエラスチン分子間の架橋結合に重要な役割を果たします。
アミノ酸配列:
トロポエラスチンのアミノ酸配列には、リシン残基が特定のパターンで配置されており、これらが架橋ドメインとの結合サイトとなります。
架橋酵素の作用:
エラスターゼ(elastase)やロイシンオキシダーゼ(lysyl oxidase)などの酵素が、トロポエラスチンのリシン残基を酸化してアリシル基(allysine)を形成します。
これにより、隣接するトロポエラスチン分子のアリシル基とリシン残基が共有結合を形成し、架橋結合が成立します。
架橋形成:
酵素によって形成されたアリシル基は、別のトロポエラスチン分子のリシン残基と反応してシッフ塩基(Schiff base)やリジノル(desmosine)を形成し、強固な架橋を作ります。
これにより、エラスチン繊維全体が強固で弾性のある構造となります。
--
エラスチンは下述するように半減期が少なくとも数十年以上の安定した物質です。
内部にクロスリンク構造を持ち、90%が不溶性のコアの構造をもちます。
このエラスチンは体内にある水と複合体を作り、Droplet構造を取ることがあります。
これに対してFibrillinやfibulinが繊維構造として複合体化することがあります。
Fibrillinは繊維状に突き刺す構造を取り、
fibulinはドロップレット構造の周りを覆うように結合します。
(参考文献(3) Fig.7)
いずれにしてもエラスチンは水と複合体化し、
収縮する構造を力を受けなければとるので
Fibrillinのようなマイクロ繊維構造の足場は
大きな構造体を取るときに必要となります。
エラスチンと複合体化しやすい細胞外マトリックスを以下に挙げます。
フィブリリン(Fibrillin): 微細線維(microfibrils)の主要構成成分であり、エラスチンとともに弾性繊維を形成します。フィブリリンはエラスチンの適切な配置と機能をサポートします。
フィブリン(Fibulin): エラスチンと相互作用して、弾性繊維の形成と安定化に寄与します。複数のタイプがあり、弾性繊維の組織特異的な配置に関与します。
ラミニン(Laminin): 基底膜の主要構成成分であり、エラスチンとともに細胞-マトリックス相互作用をサポートします。
プロテオグリカン(Proteoglycans): 特にアグリカン(Aggrecan)やデコリン(Decorin)などのプロテオグリカンは、エラスチンと相互作用して組織の弾力性と機械的特性を向上させます。
ヒアルロン酸(Hyaluronan/Hyaluronic Acid): 大量の水を引き寄せる能力があり、エラスチンとともに組織の保湿と柔軟性を維持します。
コラーゲン(Collagen): 特にコラーゲンIVやコラーゲンVIなどは、エラスチンと相互作用して、組織の構造的安定性を提供します。
これらの成分は、エラスチンと協力して、細胞外マトリックスの弾力性、強度、柔軟性を確保し、組織の健康と機能を維持するために重要な役割を果たします。
--
エラスチンの弾性を決めるは70%以上がエントロピー的要因です(4)。
すなわち、疎水性ドメインが伸長応力を受けた時に延び、
力から開放されると自律的に、ある程度、可逆性を持って、
また、収縮します。このようなダイナミックな構造は
エントロピーの変化を伴うと解釈されます。
一般的な物質の弾性を決める
その他の要因としては
結合力などのエネルギー的な要因や物質の分子構造そのものや
構造中に点欠陥や線欠陥や結晶粒界境界などの不規則性なども
弾性に影響を与えます。
しかし、細胞外マトリックスは高分子であり、
無機の結晶構造を取る物質とは性質が異なるので、
エントロピー要素以外の弾性に影響を与えるのは
細胞外マトリックスを構成する物質の組成は当然として、
エラスチンなどの細胞外マトリックスは
体内にある水を取り込むので、
どれくらい含水するかによっても構造体の弾性が変わります。
従って、エラスチンを含めて
特注の細胞外マトリックスパッチ治療を
臓器や組織の弾性を変えるためにするときには
設計したシート状の構造において
環境中、体内で水分を積極的に取り込む形質があるかもしれない。
また、それは機械的性質を変えるということを認識しておく必要があります。
そもそも、細胞外マトリックスのシート状の構造体を作るときに
どういった細胞外マトリックスを選択するか?
どれくらいの割合で、どのように相互作用させるか?
どの細胞接着分子を標的として結合リガンドを組み込むか?
、、、???
考えられる様々な要因がありますが、
一方で、含水率やその水中にどういったイオンを入れるか?
このような設計因子もあります。
従って、特注細胞外マトリックスパッチ医療
(Customized ECMs patch medicine)を実現させるための
貼り付けるシートの材料開発には多くのノウハウが存在するため
開発する側としては参入障壁が高く非常にエキサイティングです。
--
そもそもエラスチンはなぜ、自律的に疎水性ドメインが
引き延ばされた後、元に戻るのでしょうか?
1つは物質は統計的な分布として
エントロピーを最大化させる方向に動き系は安定化します。
(いいかえれば、ギブス自由エネルギーを最小にする方向)
しかし、最大値まで必ず届き、そこで安定化するかはわかりません。
ただ、エントロピーが極端に低い状態だと、
エントロピー成分が多い状態では
エントロピーを上げる方向に構造体が高い可動性を持ちます。
また、エラスチンは水をはじく性質があります。
これはエラスチンの疎水性ドメインを
仮に平面に見立てた時に水滴ができることですから、
水分子との活発な結合の手がないことになります。
これは言い換えれば、エラスチンの疎水性ドメインの表面エネルギーが低く、
水分子に対して露出しやすいという事があります。
こうした性質は水分子の塊を作るので、
水分子は双極子ですが、その静電引力によって
系に力が生じ、結果として構造がギザギザになり、
最終的に高い圧縮率の折り畳み構造を取るのを
力学的に支援する事になります。
また、物質が伸びるという事は分子間の平均距離も増大するので
元々物質が持つ分子間力が歪められた状況です。
外部の伸張応力が消滅すると、
分子間はまた真性な距離に戻ろうとするので
それが一定割合、自律的な圧縮に貢献します。
--
エラスチンを分泌する細胞種は
1. 線維芽細胞(Fibroblasts)
役割: 結合組織に存在し、エラスチンを合成して細胞外マトリックスの弾性を提供します。皮膚、腱、靭帯などでエラスチンを分泌し、組織の弾力性を維持します。
2. 平滑筋細胞(Smooth Muscle Cells)
役割: 血管や気道の平滑筋に存在し、エラスチンを合成して血管壁や気道壁の弾性を提供します。血管や気道の柔軟性と弾力性を維持するために重要です。
3. 内皮細胞(Endothelial Cells)
役割: 一部の内皮細胞(特に動脈内皮細胞)はエラスチンを合成し、血管の弾性を保つ役割を果たします。
4. 軟骨細胞(Chondrocytes)
役割: 軟骨組織に存在し、エラスチンを合成して軟骨の弾性と構造的サポートを提供します。
5. 結合組織細胞(Connective Tissue Cells)
役割: 結合組織に含まれる様々な細胞がエラスチンを合成し、組織の弾性と強度をサポートします。
(結合組織細胞)
1. 線維芽細胞(Fibroblasts)
役割: 結合組織の主要な細胞で、コラーゲンやエラスチンなどの細胞外マトリックス成分を合成し、組織の強度と弾力性を提供します。
2. マクロファージ(Macrophages)
役割: 組織の免疫応答に関与し、異物や死細胞を貪食し、炎症反応を調節します。結合組織での修復過程において重要な役割を果たします。
3. 脂肪細胞(Adipocytes)
役割: 脂肪組織に存在し、エネルギーの貯蔵、保温、機械的なクッションの提供を行います。
4. 線維母細胞(Fibrocytes)
役割: 線維芽細胞の成熟した形態で、細胞外マトリックスの維持と修復に関与します。線維芽細胞ほど活発ではないですが、結合組織の維持に重要です。
5. 間葉系細胞(Mesenchymal Cells)
役割: 多能性を持ち、結合組織のさまざまな細胞に分化する能力があります。損傷や疾患の際に組織の修復や再生を助けます。
6. プラズマ細胞(Plasma Cells)
役割: 主に免疫系に関与し、抗体を産生します。結合組織に存在し、免疫応答をサポートします。
7. 肥満細胞(Mast Cells)
役割: アレルギー反応に関与し、ヒスタミンや他の化学物質を放出して免疫反応を調節します。
8. 骨芽細胞(Osteoblasts)
役割: 骨組織の形成に関与し、骨基質の合成を行います。
9. 骨細胞(Osteocytes)
役割: 骨組織内に存在し、骨基質の維持と修復に関与します。
10. 軟骨細胞(Chondrocytes)
役割: 軟骨組織の形成と維持に関与し、軟骨の弾性と構造的な支持を提供します。
これらであり、血管、骨、関節、創傷治癒に関連する細胞種に集中しています。
--
親水性ドメイン(Hydrophilic Domains)のリガンド
コラーゲン(Collagen):エラスチンとコラーゲンはしばしば協調して機能し、コラーゲンとエラスチンの結合は組織の強度と弾力性を高めます。
フィブロネクチン(Fibronectin):フィブロネクチンは親水性ドメインに結合し、細胞接着や組織修復に関与します。
ラミニン(Laminin):ラミニンは基底膜の構成要素であり、エラスチンと相互作用して細胞の固定や基底膜の強化に寄与します。
ヒアルロン酸(Hyaluronic acid):ヒアルロン酸はエラスチンと結合し、組織の弾力性をサポートします。
α5β1インテグリン:エラスチンと結合することがあり、細胞の接着と移動に関与します。
αvβ3インテグリン:エラスチンと結合し、血管内皮細胞の機能や組織修復に関連しています。
疎水性ドメインのリガンド
脂質(Lipids):疎水性ドメインは脂質と強い相互作用を持ちます。特に細胞膜に存在する脂質や脂肪酸と結合し、細胞膜との相互作用をサポートします。
プロテオグリカン(Proteoglycans):一部のプロテオグリカンは疎水性領域を持ち、エラスチンの疎水性ドメインと結合します。これにより、エラスチンとプロテオグリカンの相互作用が強化されます。
疎水性小分子(Hydrophobic Small Molecules):疎水性ドメインは特定の疎水性小分子(例:ステロイドホルモンや一部の薬物)と結合することがあります。これにより、エラスチンの構造や機能に影響を与える場合があります。
フィブロネクチン(Fibronectin):フィブロネクチンには疎水性領域があり、エラスチンの疎水性ドメインと結合することがあります。これにより、細胞接着や組織の修復に関与します。
コラーゲン(Collagen):コラーゲンの一部の構造領域も疎水性を持ち、エラスチンと相互作用します。これにより、コラーゲンとエラスチンの共同作用が強化されます。
-
エラスチンは臓器、組織の弾性を支える代表的な細胞外マトリックスです。
エラスチンの発現が多く見られる組織は以下です。
血管(Vascular System)
1, 動脈(Arteries):エラスチンは動脈壁に多く含まれており、特に大動脈などの大血管に豊富です。エラスチンの弾性により、血管は血流に合わせて伸縮し、圧力変動を吸収します。
静脈(Veins):静脈にもエラスチンが含まれており、血液の逆流を防ぐための弾力を提供します。
2. 肺(Lungs)
肺組織(Lung Tissue):エラスチンは肺の間質に存在し、肺胞の弾力性を保持するために重要です。これにより、呼吸時の肺の伸縮が可能になります。
3. 皮膚(Skin)
真皮(Dermis):皮膚の真皮層にエラスチンが多く含まれており、皮膚の弾力性と柔軟性を維持します。エラスチンはコラーゲンとともに皮膚の構造をサポートします。
4. 心臓(Heart)
心筋(Myocardium):心臓の弁や大血管(大動脈など)にエラスチンが含まれており、心臓の弁の弾力性を保持し、血液のポンプ機能を助けます。
5. 尿路(Urinary System)
膀胱(Bladder):膀胱の壁にもエラスチンが含まれており、膀胱の伸縮性を提供します。これにより、膀胱は尿の蓄積と排出に適応できます。
6. 筋肉(Muscle)
骨格筋(Skeletal Muscle):骨格筋の周囲にエラスチンが存在し、筋肉の弾力性をサポートします。
7. 腸(Intestines)
腸壁(Intestinal Wall):腸の壁にもエラスチンが含まれており、腸の伸縮性と運動を助けます。
--
エラスチンは体の弾性機能を保つ上で非常に重要ですが、
老化に伴いエラスチンの量、構造は変化します。
(1)エラスチンの量の減少
減少傾向:
エラスチンの合成は若年期にピークを迎え、その後は減少傾向にあります。特に成人以降、新たなエラスチンの合成はほとんど行われません。
組織への影響:
エラスチンの減少は、皮膚、血管、肺などの弾力性が低下する原因となります。これにより、これらの組織が硬くなり、機能が低下します。
(2)エラスチンの構造変化
架橋の変化:
エラスチンは架橋(クロスリンク)によって安定化されていますが、老化に伴いこれらの架橋が増加し、エラスチン繊維が硬くなります。過剰な架橋は繊維の柔軟性を失わせ、弾性が低下します。
変性と断片化:
老化に伴い、エラスチン繊維は変性しやすくなり、断片化が進行します。紫外線や酸化ストレスなどの外的要因がこれを促進します。
(3)エラスチンの分解
エラスターゼの活性:
老化に伴い、エラスターゼなどのエラスチン分解酵素の活性が増加することがあります。これにより、エラスチンの分解が促進され、エラスチンの量がさらに減少します。
これらによって
皮膚(皮膚のたるみ、しわの形成)、血管(動脈硬化)、肺(呼吸機能低下)に繋がります。
ただし、エラスチンの半減期は70年から100年程度と言われています。
紫外線、酸化ストレス、分解酵素などによる外的因子で分解されますが、
細胞のように寿命は短くなく、物質としての安定性は高いです。
従って、成人以降、生成が止まっても、
その後、最大で100年程度に渡り、身体に留まることができます。
従って、組織の硬化が見られる患者さんや高齢の人に対して
エラスチンを肺、血管、心臓、皮膚などに運び、組織化できれば、
細胞よりも容易に細胞外マトリックスの若返り、機能向上ができる可能性があります。
細胞の場合は分裂、分化、癌化、免疫反応など様々な要因があります。
エラスチンは構造を再現できれば、細胞に対して
このような複雑な要因はないかもしれません。
いずれにしても半減期が長いことは非常に魅力です。
エラスチンはiPS細胞技術などを使って
良質な若い細胞に合成させてもいいです。
先日、「若返りはできない」と決めつけましたが、
それは「細胞にとらわれすぎていた」事が挙げられます。
案外、細胞外マトリックスを最適化するという事は
組織に異常がある人や高齢の人の健康に大きく貢献するかもしれません。
これは外科的なアプローチ、内科的なアプローチ両方が考えられます。
呼吸機能、心臓血管、循環器の性能が上がる事は、
腎臓、肝臓、消化器などにも影響を及ぼすかもしれません。
これは、真剣に考えたほうがいいテーマです。
ある程度、組織を作って外科的に入れるのか?
それとも内科的に届けて、自己組織化を促すのか?
そういった点です。
但し、細胞の老化は避けられませんから、
エラスチンだけではなく、コラーゲン、フィブロネクチンなど
様々な細胞外マトリックスで機械的性質を調整する必要があります。
おそらく、コンピューターシミュレーションが必要になります。
例えば、高齢の人の肺、血管、心臓の動きはモニターできますから、
その映像を人工知能に分析させて、
元々、その患者さんが持っている肺、血管、心臓の
機械的特性を含めた様々な数字データを計算させます。
そうしたうえで、細胞は変えられませんから、
どういった位置に、どういった3次元構造の
どういった機械的特性を持つ細胞外マトリックスが
機能低下を緩和させるために、安全な範囲で介入するために求められるか?
これは、多分、今の技術であれば、できるはずです。
衣類を合成するように細胞外マトリックスを合成する事も
多分、真剣に技術開発すればできるはずです。
おそらくこれは「外科的なアプローチ」になります。
あるいは細胞種特異的薬物送達システムを使うのであれば、
外科的にアプローチしにくい部位に
プラモデルのピースのように個別に送達させ、
ある程度、その場所で自己組織化してもらう必要があります。
これは、難易度がさらに上がります。
--
例えば、
血管に対しては狭窄が生じた時に外科的にステントを入れて
広げる事をします。このステントにエラスチン成分をうまく合成し、
特に劣化が進んでいる血管を広げながら、エラスチンを
周辺の組織に人為的に浸透させ、組織の柔軟性を確保する外科的処置が考えられます。
いずれにしても細胞を若返らせるよりも構造、システムが単純なので
一部、皮膚などですでに美容医療で導入されているかもしれないですが、
心臓、肺、特に血管に対して外科的な治療の機会はあると思います。
これについてOpen AIの解答です。
エラスチンを血管に運ぶことをステントのようなコンセプトで実現することは、技術的に非常に興味深く、有望なアプローチです。このコンセプトを実現するためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
1. エラスチンの供給方法
生体適合性マテリアルの使用:
ステントの素材には、生体適合性の高い金属やポリマーが使用されます。エラスチンを運ぶステントも同様に、生体適合性が高く、炎症反応を引き起こさない素材を使用する必要があります。
エラスチンの固定化:
エラスチンをステントに固定するための方法として、化学的結合や物理的吸着が考えられます。これにより、エラスチンがステント表面に安定的に存在し、血管内でその機能を発揮できるようにします。
2. エラスチンの放出制御
制御放出システム:
ステントにエラスチンを固定するだけでなく、徐々にエラスチンを放出するシステムを組み込むことで、長期間にわたりエラスチンを血管に供給できます。ポリマーコーティングやナノキャリアを利用して、エラスチンの制御放出を実現できます。
3. 治療効果の検証
前臨床試験と臨床試験:
エラスチンを含むステントの有効性と安全性を確認するためには、動物モデルを用いた前臨床試験や人を対象とした臨床試験が必要です。これにより、血管の弾力性回復や血管壁の強化が確認されます。
4. ターゲティングと局所効果
特定部位への配達:
血管の特定部位にエラスチンを効率的に届けるために、ステントを設置する部位を正確に選定します。カテーテル技術を用いて、狙った血管部位にステントを配置します。
5. 長期的効果と持続性
長期的なエラスチン供給:
ステントによりエラスチンを長期間供給することで、血管の弾力性を維持し、動脈硬化の進行を遅らせる効果が期待されます。エラスチンの長寿命を利用して、持続的な効果を狙います。
具体的なアプローチ
1. エラスチンコーティングステント
エラスチンをステント表面にコーティングし、直接血管内に配置する方法です。この方法では、エラスチンが血管壁と接触し、弾力性を提供します。
2. エラスチン放出ステント
ステントにエラスチンを含むポリマーやナノキャリアを組み込み、徐々にエラスチンを放出するシステムです。これにより、長期間にわたり血管内でエラスチンを供給できます。
まとめ
エラスチンをステントのようなコンセプトで血管に運ぶことは、血管の弾力性を回復させるための革新的なアプローチです。生体適合性の高い素材を使用し、エラスチンを固定化または制御放出するシステムを組み込むことで、効果的な治療が期待できます。前臨床試験や臨床試験を通じて、その有効性と安全性を確認することが重要です。
--
1. エラスチンを合成する細胞
エラスチンは主に以下の細胞によって合成されます:
線維芽細胞(Fibroblasts):
皮膚、肺、血管壁などの結合組織に多く存在し、エラスチンを含む細胞外マトリックス(ECM)の主要な成分を合成します。
平滑筋細胞(Smooth Muscle Cells):
血管壁や内臓の平滑筋層に存在し、特に血管の弾力性維持に重要なエラスチンを合成します。
軟骨細胞(Chondrocytes):
軟骨組織に存在し、エラスチンを含む弾性軟骨を形成します。
特に線維芽細胞のELN遺伝子、エラスチンを合成する遺伝子の発現量が
成人を過ぎると急激に減少します。
2, エラスチン遺伝子
エラスチンの合成に関与する主要な遺伝子は、ELN遺伝子です。
ELN遺伝子(Elastin Gene):
ELN遺伝子は、エラスチンの前駆体であるトロポエラスチン(tropoelastin)をコードしています。トロポエラスチンは分泌後、細胞外で架橋され、成熟エラスチン繊維を形成します。
3.エラスチンの合成を調節する転写因子
エラスチンの合成は、いくつかの転写因子によって調節されます。これらの転写因子は、ELN遺伝子の転写を促進または抑制します。
c-Jun:
c-JunはAP-1(アクチベーター・プロテイン-1)複合体の一部であり、ELN遺伝子の転写を活性化します。
Ets-1(E26 transformation-specific sequence-1):
Ets-1はELN遺伝子のプロモーターに結合し、トロポエラスチンの発現を調節します。
TGF-β(Transforming Growth Factor-Beta):
TGF-βはエラスチン合成を促進する重要な成長因子です。TGF-βシグナル伝達経路は、ELN遺伝子の転写を活性化する転写因子を誘導します。
SMADファミリーの転写因子:
TGF-βシグナル伝達経路において、SMAD2/3が活性化され、これがSMAD4と結合し、ELN遺伝子の転写を促進します。
FOXO1(Forkhead Box O1):
FOXO1はエラスチンの合成を負に調節することが知られています。FOXO1の抑制はエラスチンの発現を増加させる可能性があります。
--
エラスティンの機械的特性
エラスチンがない腱:
Elastic modulus(MPa)1200, Maximal Strength(MPa)120, Maximum Strain(%)13
項靱帯のエラスチン
Elastic modulus(MPa)1.1, Maximal Strength(MPa)2, Maximum Strain(%)150
動物の動脈、静脈
Elastic modulus(MPa)0.6-3.5, Maximal Strength(MPa)2
人の皮膚動脈
Elastic modulus(MPa)21.4, Maximal Strength(MPa)4.1, Maximum Strain(%)145
人の皮膚静脈
Elastic modulus(MPa)3.4, Maximal Strength(MPa)1.4, Maximum Strain(%)193
従って、
エラスティンの無い腱はある場合に比べて、
1000倍以上変形しにくい事を示します。
エラスティンが状態にあると上の二つの間の値となります。
すなわち
エラスチンがある腱:
Elastic modulus(MPa)200-2000
Maximal Strength(MPa)30-150
Maximum Strain(%)10-30
これらの幅でかわり、エラスチンが多いと
弾性係数が低くなり、機械的強度は弱くなります。
一方で、歪量の割合は高くなります。
エラスチンは腱の強さを一定犠牲にしますが、
腱の可動性を高める効果があります。
もし、エラスチンがないと身体の動きは顕著に悪くなります。
また、エラスチンがないと、腱は早く疲労し、損傷しやすくなります。
心臓、血管、肺などの機械的特性を測るうえで
弾性係数、機械的強度、歪量を
複雑な形の臓器、組織に対して
ある一定の解像度でメッシュを切り、
そのメッシュにおける3次元のこれらの機械的特性を計測し、
その動きをAIに覚えさせます。
適切な位置にどういった特性を持つ細胞外マトリックスをどういった
大きさで貼ればいいかを目標年齢を定めさせて、提案させます。
エラスチンだけだと強度が弱いし、
3次元構造の自由度はフィブロネクチンが高いし、
強度はコラーゲンが高いです。
こういった全ての細胞外マトリックスの情報を入れ、
それらのどういう配合で組み合わせたらいいかもAIに提案させます。
色んな身体の動きのデータをAIに学習させて、
年齢別、身長、体重、民族、病気の有無、性別など
様々な軸でそれぞれの条件の平均的な動きを統計により学習させます。
例えば、80歳の人の肺の機能を20歳若返らすのであれば、
同じ身体の大きさの60歳の典型的な動きを実現するために
必要な細胞外マトリックスを提案できるようにします。
--
これは、視力の回復にも新たな治療機会を与えるかもしれません。
視力の矯正において、エラスチンや細胞外マトリックス(ECM)を筋組織に「貼り付ける」ことで機械的特性を変えるというアイデアは、非常に革新的で興味深いです。以下のような観点から、このアプローチについて考えてみましょう。
1. エラスチンとECMの役割
エラスチン: 主に弾力性を提供し、組織の伸縮性や柔軟性を向上させます。筋組織にエラスチンを追加することで、筋肉の伸びやすさや反発力に影響を与える可能性があります。
その他のECM成分: コラーゲンやプロテオグリカンなども筋組織の機械的特性に影響を与えます。ECMは組織の構造的支持と信号伝達に関与しており、これらの成分を調節することで筋肉の性質を変えることができます。
2. 視力と筋組織の関係
視力に直接関与するのは主に眼の筋肉や網膜、角膜などであり、これらの組織の機械的特性を変更することが視力の矯正にどう影響するかは不明です。筋肉の機械的特性の変更が視力にどのように関連するかは、以下のような点で考えられます:
眼筋: 眼球の動きや調整に関与する眼筋の柔軟性や強度を調整することで、視力の調節に影響を与える可能性があります。
角膜: 角膜の機械的特性を変更することで、屈折率が変わり視力が変化する可能性があります。ただし、これは筋組織ではなく、角膜やその他の組織に関するアプローチです。
3. 技術的および生物学的課題
ターゲット組織の特定: 筋組織や他のECM成分をどのように精確に調整するかが課題です。エラスチンや他のECM成分を特定の組織に局所的に適用する技術が必要です。
生体適合性: 外部のECM成分を体内に導入する場合、生体適合性や免疫応答に関する問題が考慮される必要があります。
効果の検証: 筋組織やECM成分の変更が視力にどのように影響するかを確認するためには、広範な研究と実験が必要です。
4. 現在の技術と研究
現在のところ、視力矯正には主に以下の技術が使用されています:
レーシック手術: 角膜の形状を変えることで屈折異常を矯正する方法。
眼鏡やコンタクトレンズ: 眼の屈折異常を補正するためのレンズ。
視力トレーニング: 眼筋のトレーニングやリハビリテーションによる視力改善。
エラスチンやECMを筋組織に応用して視力を矯正するというアイデアは、革新的でまだ実現していない領域ですが、将来的には生物工学や再生医療の発展によって新しいアプローチが見つかる可能性もあります。
--
頚靭帯 (Nuchal ligament)
エラスチン濃度: 約 70%
説明: 頚靭帯は首の後部にあり、大きな弾力性が要求されるため、エラスチンが豊富です。エラスチンの高濃度により、首を支える強い伸縮性が提供されています。
大動脈 (Large arteries)
エラスチン濃度: >50%
説明: 大動脈は心臓から全身へ血液を運ぶため、エラスチンが多く含まれ、弾力性が高くなっています。エラスチンは血管の拡張と収縮を助け、血流をスムーズに保つ役割を果たします。
黄色靭帯 (Yellow ligament)
エラスチン濃度: 約 47%
説明: 黄色靭帯は脊柱の周囲にあり、高い弾力性が必要です。エラスチンの濃度が高く、伸縮性を提供して脊柱を支えています。
大伏在静脈 (Saphenous vein)
エラスチン濃度: 約 32%
説明: 大伏在静脈は下肢の静脈で、エラスチンが含まれていますが、コラーゲンの比率が高いです。エラスチンは静脈の柔軟性を保つ役割を果たします。
肺実質 (Lung parenchyma)
エラスチン濃度: 20–30%、約 30%
説明: 肺実質は呼吸による弾力性が重要です。エラスチンは肺の弾力性を提供し、呼吸運動をサポートします。
耳介軟骨 (Auricular cartilage)
エラスチン濃度: 約 19%、20%、15%
説明: 耳介軟骨は弾力性を提供するためにエラスチンが含まれていますが、コラーゲンの方が多く含まれています。エラスチンの濃度は比較的低いですが、軟骨の柔軟性に寄与しています。
心臓弁 (Heart valves)
エラスチン濃度: 10–15%
説明: 心臓弁は血流の調整に重要であり、エラスチンが含まれていますが、コラーゲンが主成分です。エラスチンは弁の弾力性を支える役割があります。
肺血管 (Pulmonary blood vessels)
エラスチン濃度: 7–16%
説明: 肺血管にはエラスチンが含まれ、血管の弾力性を提供していますが、大動脈ほどの濃度ではありません。
僧帽弁弦索 (Mitral valve chordae tendineae)(※1)
エラスチン濃度: 約 5%
説明: 僧帽弁弦索は心臓弁の構造で、エラスチンは少量含まれています。弦索の主成分はコラーゲンです。
気道 (Airways)
エラスチン濃度: 3–5%
説明: 気道の弾力性を保つためにエラスチンが含まれていますが、エラスチンの濃度は比較的低いです。
皮膚 (Skin)
エラスチン濃度: 2–4%、3–4%
説明: 皮膚はエラスチンを含み、皮膚の弾力性を提供していますが、コラーゲンの量が圧倒的に多いです。
鼻軟骨 (Nasal cartilage)
ラスチン濃度: 3–5%
説明: 鼻軟骨には少量のエラスチンが含まれており、軟骨の弾力性を補完しています。
椎間板 (Intervertebral disc)(※2)
エラスチン濃度: 1.7%、2%
説明: 椎間板にはエラスチンが少量含まれており、主にコラーゲンが成分です。弾力性を提供するための役割を果たします。
半月板 (Meniscus)(※3)
エラスチン濃度: 0.6%
説明: 半月板には非常に少量のエラスチンが含まれ、主にコラーゲンが成分です。関節の衝撃吸収に役立っています。
(参考文献(1) Table 2)
(※1)
僧帽弁弦索の説明
位置と構造
位置: 僧帽弁弦索は、心臓の左心房と左心室の間に位置する僧帽弁に付着しています。
構造: 僧帽弁弦索は、弁の弁葉(leaflets)と心室の壁(心筋)をつなぐ細長い繊維状の構造です。これらの弦索は弁の下に付着し、心室の壁に固定されています。
役割
弁の支持: 僧帽弁弦索は、弁の弁葉を心室の壁にしっかりと保持し、弁が正常に機能するように支えています。これにより、心室が収縮する際に弁葉が正しく閉じ、逆流を防ぎます。
弁の弾力性: 僧帽弁弦索は、弁が正常に閉じるための弾力性を提供します。これにより、心臓のポンプ機能が適切に保たれ、血液が逆流するのを防ぎます。
エラスチンとコラーゲン
成分: 僧帽弁弦索は、エラスチンとコラーゲンの両方を含んでいます。エラスチンは弾力性を提供し、コラーゲンは強度を提供します。弦索のエラスチン濃度は比較的低く、主にコラーゲンが構成成分となっています。
機能不全と疾患
機能不全: 僧帽弁弦索が損傷したり、断裂したりすると、僧帽弁が正常に閉じなくなり、左心室から左心房への血液の逆流(僧帽弁閉鎖不全)が起こる可能性があります。これにより、心臓のポンプ機能が低下し、心不全の症状が現れることがあります。
疾患: 僧帽弁弦索の疾患としては、弦索断裂、弦索延長、弦索肥厚などがあり、これらは僧帽弁閉鎖不全を引き起こすことがあります。
(※2)
椎間板の説明
位置と構造
位置: 椎間板は、脊椎の各椎骨(vertebrae)の間に位置し、脊椎を構成する主要な構造の一部です。脊椎の間に挟まれており、頚椎から腰椎までの全ての椎骨の間に存在します。
構造: 椎間板は二層構造になっています。中心部は「髄核(nucleus pulposus)」と呼ばれるジェル状の物質で、周囲は「線維輪(annulus fibrosus)」という繊維状のリングで囲まれています。髄核は弾力性があり、線維輪は強度を提供します。
役割
衝撃吸収: 椎間板は脊椎の衝撃吸収機能を担い、体の動きや衝撃を吸収して脊椎の骨や神経を保護します。これにより、脊椎全体の安定性と柔軟性が保たれます。
動きのサポート: 椎間板は脊椎の可動性を提供し、前後、左右、回旋などの動きをサポートします。髄核のジェル状の性質が動きに柔軟性をもたらし、線維輪がそれを支える役割を果たします。
エラスチンとコラーゲン
成分: 椎間板の線維輪には多くのコラーゲン繊維が含まれ、髄核にはエラスチンとムコ多糖(プロテオグリカン)が含まれています。エラスチンの濃度は比較的低く、主にコラーゲンが椎間板の強度を提供します。エラスチンは柔軟性をもたらし、髄核の弾力性を支えます。
機能不全と疾患
機能不全: 椎間板の機能不全や変性は、椎間板ヘルニア(椎間板が破れて髄核が飛び出す状態)や椎間板変性症(椎間板の老化や損傷)を引き起こす可能性があります。これにより、神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こすことがあります。
疾患: 椎間板疾患には、椎間板ヘルニア、椎間板変性症、椎間板突出などがあります。これらの疾患は、椎間板の弾力性や機能を損なう可能性があります。
(※3)
半月板の説明
位置と構造
位置: 半月板は膝関節に存在し、大腿骨(femur)と脛骨(tibia)の間にあります。膝関節の内側と外側にそれぞれ1つずつ、内側半月板(medial meniscus)と外側半月板(lateral meniscus)があります。
構造: 半月板はC字型またはU字型の弾力性のある軟骨で、膝関節の骨の表面に沿って位置しています。各半月板は内側半月板と外側半月板で異なる形状を持ち、関節内で衝撃を吸収する役割を果たします。
役割
衝撃吸収: 半月板は膝関節にかかる衝撃や圧力を分散させる役割を果たし、骨同士の直接的な接触を防ぎます。これにより、膝関節の摩耗を減少させ、関節の耐久性を保ちます。
安定性の提供: 半月板は膝関節の安定性を向上させ、関節の動きを滑らかにします。関節の位置決めや安定性に寄与し、膝の柔軟な動きをサポートします。
エラスチンとコラーゲン
成分: 半月板には主にコラーゲンと少量のエラスチンが含まれています。コラーゲンは半月板の強度と耐久性を提供し、エラスチンは弾力性を加えます。半月板のエラスチン濃度は比較的低く、コラーゲンが主要な成分です。
機能不全と疾患
機能不全: 半月板が損傷すると、膝関節の痛みや動きの制限、膝の不安定感が生じることがあります。半月板損傷は、外傷や慢性的な摩耗によって引き起こされることがあります。
疾患: 半月板の疾患には、半月板損傷(裂け目や断裂)、変性(摩耗や老化)が含まれます。これらの疾患は、膝関節の機能を低下させ、痛みや機能障害を引き起こす可能性があります。
--
エラスチン、コラーゲンなどの細胞外マトリックスを
バンドエードみたいなパッチとして利用する場合の一つの重要なポイントは
〇サルコグリカン-ジストログリカン-ラミニン複合体との結合
〇インテグリンとの結合
〇シンデカンとの結合(糖鎖との連携)
これらとの結合をしっかり確保する事です。
そうしないと細胞骨格とのネットワーク形成ができないので
細胞の動きを支持する事ができないからです。
従って、
これらの細胞表面と基質の結合ができる
細胞接着分子の細胞種特異的な構造をしっかり分子レベルで調べて
データベース化する事は、系統的技術を成功させる要因になるだけではなく、
組織学的治療を根底から変える
「特注細胞外マトリックスパッチ治療(Customized ECMs patch medicine)」
これを成功させる要因にもなります。
また、細胞外マトリックスがある程度、マイグレーションしてくれるなら
アクセスしやすい部位だけではなく、内部まで浸透させる事ができる
可能性もゼロではありません。
その為には自己組織化の機序を掴むことも重要なので
細胞と細胞外マトリックスがどのように相互作用して
細胞外マトリックスの自己組織化を促すか?
それは、生体外の環境で予めある程度の精度で理解しておくことが重要です。
そうすれば、このパッチ治療の適用性はより高まります。
私の展望としては
系統的技術で内科的に細胞種特異的薬物送達システムによって
ある程度、問題のある病変を取り除いた後、
組織を保護し、創傷治癒を促し、機械的特性を上げるための
健康へ向けた「2次的治療」として行う事です。
例えば、
癌によって循環器の機能が低下した場合には
全身の主要な循環器の動きを全身血管造影(CTまたはMRI)で映し出し
それを人工知能で分析して(※4)、機能低下がみられる重要な部分を洗い出します。
それで、カテーテルでステントを導入して、
機能低下がみられ、かつ重要な血管部位に
計算によって最適化された特注の細胞外マトリックスシートを
血管内膜に貼り付けます。この時、内皮細胞上に発現される
基質と結合性のある細胞接着分子との結合は必ず確保しておきます。
そうして、癌治療後に残った循環器のダメージを
細胞外の環境において機械的に緩和します。
これを私は小児がんのお子さんに対して、絶対にやる。
私の人生の意義の最も中心的な事は
小児がんの子どもを治癒させる事です。
この結果に対して、俺は全責任を取る。
これを実現するために資金を集めます。
「世界のどこに?ここまで儲からない
小児がんに注力できる人がいますか?」
癌を系統的技術を駆使して取り除いた後、あらゆる組織を調べて、
特に問題がある組織についてはパッチで機械的特性を整えて、
経過観察が必要なところはしっかり動きを造影で観て、
人工知能などの力を借りながら物理特性を管理していきます。
私は医師ではないので、志を共にする医師にこの仕事(管理)を委ねます。
しかし、データを見る事が可能であれば、当然、関与します。
(※4)
但し、人工知能が分析できるように
世界の医療機関が持っている血管の造影データを
患者さんの細かい情報を入力して、層化した状態で取り込ませる必要があります。
その時、人工知能は弾性係数、歪量などを計測します。
機械的強さは映像からはなかなかわかりませんが、
そこはAIによる強化学習で推測させます。
これはある程度、人が入力しないといけないため
非常にコスト(人的、体力的、精神的、経済的、時間的)がかかります。
しかし、ある程度、統一化して、
このビックデータを作っておくと、このパッチ治療の応用だけではなく、
検査そのもの価値も非常に上がります。
これはある程度、合意声明を取って、ガイドラインを作ったのち
世界で互換性を高めて、共通化する事は意義が非常に高いです。
組織学的治療のフェーズを大きく変えるかもしれない
細胞外マトリックスによる治療という出口戦略もあるからです。
その為には前提として人工知能による分析が不可欠です。
--
エラスチン治療の最も重要な事の一つはエラスチンの寿命の長さです、
では、どういった分子構造が人の身体の中での安定性を支えているでしょうか?
(1)エラスチンの構造と特性
(1-1)アミノ酸組成
エラスチンは、グリシン、バリン、プロリン、アラニン、ロイシンなどの非極性アミノ酸が豊富に含まれています。これらの非極性アミノ酸は疎水性が強く、水に溶けにくい特性を持っています。
(1-2)交差結合
デスモシンとイソデスモシン: エラスチン分子は、デスモシンとイソデスモシンという独特な交差結合によって繋がれています。これらの交差結合は、4つのリシン残基が連結して形成され、エラスチンの分子を三次元的にネットワーク化します。この強固なネットワークがエラスチンの不可溶性と安定性を提供します。
マイクロフィブリルとの連結: エラスチンはフィブリリンなどのマイクロフィブリルに囲まれており、これがさらに構造を安定化させます。
(1-3)疎水性ドメインとコイルドコイル構造
エラスチン分子は疎水性ドメインとコイルドコイル(coiled-coil)構造を持ち、これがエラスチンの弾力性と復元力を提供します。疎水性ドメインは、水と相互作用しにくいため、エラスチン分子同士が凝集して安定な構造を形成します。
(1-4)三次元ネットワーク構造
エラスチンの三次元ネットワークは、繊維状のエラスチン分子が網目状に交差し、複雑な構造を形成します。この構造は、外部からの機械的ストレスに対して強い耐性を持ち、エラスチンの長期間の安定性を保証します。
(1-5)分解抵抗性
エラスチンはプロテアーゼ(酵素による分解)に対して非常に高い抵抗性を持っています。特に、分解に関与する酵素であるエラスターゼに対する抵抗性が高く、これによりエラスチンの分解が抑制されます。
(2)エラスチンの長寿命の理由
(2-1)安定した交差結合
デスモシン(※5)とイソデスモシン(※6)の交差結合が非常に強固で、化学的に安定しているため、エラスチンは長期間にわたってその構造を維持できます。
(2-2)低代謝率
エラスチンは新陳代謝のターンオーバーが非常に低く、体内で一度形成されると、非常に長い期間(数十年)そのまま維持されます。
(2-3)プロテアーゼ抵抗性
上述の通り、エラスチンは分解酵素に対する抵抗性が高く、これにより分解されにくい特性を持ちます。
(2-4)組織の保護
エラスチンは周囲の組織によって保護されており、機械的ストレスや生化学的ストレスから守られています。例えば、コラーゲン繊維がエラスチン繊維を囲むことで、その構造を保護します。
(※5)
デスモシンについて(Wikipediaより)
デスモシンは、エラスチンという結合組織に含まれるタンパク質(皮膚、肺、弾性動脈など)に特有のアミノ酸です。
デスモシンはエラスチンの構成要素であり、異性体のイソデスモシンと交差結合することで組織に弾性を与えます。尿、血漿、痰のサンプル中のデスモシンの検出は、特定の疾患に関連した高いエラスターゼ活性によるエラスチン分解のマーカーとなります。
構造
デスモシンとその異性体イソデスモシンは、4つのリシン残基で構成されており、複数のペプチド鎖と結合することができます。4つのリシン基がピリジニウム核を形成し、正電荷を中和して疎水性を高めます。この4つのリシン基は、ピリジニウム核の周囲に側鎖を形成し、カルボキシル基が露出しています。デスモシンとイソデスモシンの違いは、炭素1のリシン側鎖と炭素5のプロトンの交換にあります。デスモシンはアラニンと結合し、N末端側で結合します。このアラニンとの結合により、トロポエラスチンのペアとよく結合し、エラスチンおよびエラスチンネットワークを形成します。
合成
デスモシンは、天然および人工のシステムを通じて、複数のコンフォメーションを形成する経路があります。
生合成
デスモシンの形成は、前駆体のトロポエラスチンの形成中に起こります。トロポエラスチンは最初はこれらの複雑な結合分子を持たず、最終段階のエラスチンと類似した構成を持ちますが、リシン側鎖がより多く含まれています。これらの前駆体分子は脱水素反応を経てエラスチンと結合したデスモシンを形成します。リシルオキシダーゼ酵素を介して、リシルC-アミノ基が酸化されアリシンを形成し、これが他のアリシン分子と自発的に凝縮して二官能性の交差結合、アリシンアルドール、またはリシンのC-アミノ基と凝縮してデヒドロリシノノルロイシンを形成します。これらの化合物はさらに凝縮してデスモシンおよびイソデスモシンの四官能性ピリジニウム交差結合を形成します。
実験室合成
デスモシンは、パラジウム触媒によるクロスカップリング反応などの方法で合成することができます。さまざまな処理により、わずかに異なるコンフォメーションが作成されます。
結合
デスモシンは、アラニンが豊富な領域で結合し、酵素がリシン基と結合してデスモシン特有の二重交差結合を作成します。ボビンの靭帯エラスチンの研究を通じて作成された結合モデルでは、デスモシンはアラニンに近接してペプチド鎖の3つの他のアミノ酸と結合し、リシノノルロイシンとの二次交差結合があることが示唆されています。
デスモシンは、エラスチンとコラーゲンの結合にも関与しています。
機能
エラスチンは、細胞外マトリックスに存在するタンパク質であり、弾力性を提供します。エラスチンが交差結合するとデスモシンとイソデスモシンが生成されます。デスモシンはエラスチンの分解のマーカーとして使用され、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検出に役立ちます。
医療における現在の使用
デスモシンは、エラスチン分解を監視するためのバイオマーカーとして使用されています。1960年代に開発され、1980年代には尿中排泄を通じて肺のエラスチン含有量と関連付けられました。
(※6)イソデスモシン(Wikipediaより)
イソデスモシンは細胞外マトリックスの一種であるエラスチンの中にある
リシン派生物質です。イソデスモシンは異性体プリジニウムアミノ酸で
リシルオキシダーゼ、酵素によって
エラスチンタンパク質の間に蓄積した4つのリシン残基を持ちます。
デスモシンとイソデスモシンの交差結合は
構造的に成熟したエラスチンのみにしかありません。
従って、エラスチンの回転率をモニターするための理想的なバイオマーカーです。
--
エラスチンは弱い免疫原性であり(5)、安全性は高いですが、
より安全性が高い細胞接着分子は多糖であるヒアルロン酸です。
なぜなら、ヒアルロン酸は体のほとんどの成分である水を多く含むからです。
従って、エラスチンの安全性をより高めるためには
ヒアルロン酸、水で覆うことです。
それにより、エラスチン誘導組織回復治療をより安全に行うことができる
可能性があります。
(参考文献)
(1)
Hanna Trębacz 1, Angelika Barzycka
Mechanical Properties and Functions of Elastin: An Overview
Biomolecules. 2023 Mar 22;13(3):574.
(2)
M. Miao a, A.E.E. Bruce c, T. Bhanji d, E.C. Davis d, F.W. Keeley
Differential expression of two tropoelastin genes in zebrafish
Matrix Biology Volume 26, Issue 2, March 2007, Pages 115-124
(3)
Lisa D Muiznieks 1, Fred W Keeley
Molecular assembly and mechanical properties of the extracellular matrix: A fibrous protein perspective
Biochim Biophys Acta. 2013 Jul;1832(7):866-75
(4)
Sarah Rauscher 1, Régis Pomès
Structural disorder and protein elasticity
Adv Exp Med Biol. 2012:725:159-83.
(5)
K Changi 1, B Bosnjak 1, C Gonzalez-Obeso 2, R Kluger 3, J C Rodríguez-Cabello 2, O Hoffmann 4, M M Epstein 1
Biocompatibility and immunogenicity of elastin-like recombinamer biomaterials in mouse models
J Biomed Mater Res A. 2018 Apr;106(4):924-934.
特注細胞外マトリックスパッチによる若返りの可能性
中程度以上の慢性腎疾患を完全治癒は不可能かもしれない。
これはヒトを若返らせるようなものだからだ。
このようにいいましたが、
実はそこには「盲点」がありました。
何が見えていなかったか?
それは私は「細胞にとらわれすぎていた」事が挙げられます。
身体中の衰えた組織を若返らせることはできるかもしれません。
どちらかというと「外科」になります。
外科は骨折を治療したりとか、腫瘍を取り除いたりもできます。
形成外科も含めて、外科は学術的困難性を伴なわない様式で
状況を飛躍的に改善する可能性があるかもしれません。
その一つの大きな可能性は「細胞外マトリックス」です。
--
私は「内科に注力します」し、
系統的技術
〇細胞外小胞(⇒薬物キャリア(合成ナノ粒子、ウィルス、ゲルなど)
〇細胞接着分子
〇CAMome
〇iPS細胞技術との融合(⇒多能性幹細胞技術)
〇細胞種特異的薬物送達システム
〇人工知能、スーパーコンピュータ、仮想空間
〇CAM-Glycome(各細胞接着分子-糖鎖の集合)
〇CAM-Adhesome(各細胞接着分子-アクセサリタンパク質の集合)
〇CAM-trascriptome(各細胞接着分子-転写因子ネットワーク構造)
〇マルチオミックスデータベース構築(CAMome,CAM-Glycome、CAM-Adhesome、CAM-transcriptome)
〇過去の文献の整理
これの実現を目指します。それに変更はありません。
しかし、そのための「資金を稼ぐ」手段として
今から発表するアイデアを利用することは一つの戦略となりそうです。
他の信頼できる人に委任して、資金源にすることはできるかもしれません。
成功すれば、確実にお金はもうかります。
なぜなら、富裕層の人が億単位を投じても
安全であるならば、治療を受けたいと思うからです。
--
エラスチンという細胞外マトリックスがあります。
これは非常に弾性の富んだ物質で、
肺、心臓、血管、皮膚、骨格筋などの体積変化の大きく
可逆的な運動が必要な臓器、組織を支えています。
当然、筋細胞があるのですが、
その周りにインテグリン、サルコグリカン複合体、シンデカンなどを関節として
細胞の周りに張り付いています。
これらは細胞骨格とつながっていますから、
細胞の動きに連動して、機械的性質を発揮することができます。
すなわち、エラスチンは細胞の弾性、
もっといえば、身体の動きの弾性を強力に支持する細胞外マトリックスです。
実は、興味深いことにこのELN遺伝子、エラスチンを生み出す遺伝子は
転写因子と共に繊維芽細胞にありますが、
成人以降、この遺伝子、転写活性が一気に低下して分泌しなくなります。
そこから年を重ねるにつれ減少していきます。
しかし、エラスチンの半減期は70-100年あり、非常に安定です。
紫外線、酸化ストレス、分解酵素などで分解されることはありますが、
そうしたストレスが少なければ、構造的に安定しているので
体の中に長くいることができます。
これが大きな可能性を秘めています。
なぜなら、連続的な処置が必要ないからです。
一回、完全に最適化した構造物を適切に届ければ、
その機能は永続性があるからです。
--
一番、現実なのが血管です。
最も重要な血管を補強するときに
体の中に自然に安定して含まれるエラスチンを含む
細胞外マトリックスを適切に設計して
「ステントのように」身体の中に外科的に輸送するという事です。
これについてOpen AIに聞いてみました。
エラスチンを血管に運ぶことをステントのようなコンセプトで実現することは、技術的に非常に興味深く、有望なアプローチです。このコンセプトを実現するためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
1. エラスチンの供給方法
生体適合性マテリアルの使用:
ステントの素材には、生体適合性の高い金属やポリマーが使用されます。エラスチンを運ぶステントも同様に、生体適合性が高く、炎症反応を引き起こさない素材を使用する必要があります。
エラスチンの固定化:
エラスチンをステントに固定するための方法として、化学的結合や物理的吸着が考えられます。これにより、エラスチンがステント表面に安定的に存在し、血管内でその機能を発揮できるようにします。
2. エラスチンの放出制御
制御放出システム:
ステントにエラスチンを固定するだけでなく、徐々にエラスチンを放出するシステムを組み込むことで、長期間にわたりエラスチンを血管に供給できます。ポリマーコーティングやナノキャリアを利用して、エラスチンの制御放出を実現できます。
3. 治療効果の検証
前臨床試験と臨床試験:
エラスチンを含むステントの有効性と安全性を確認するためには、動物モデルを用いた前臨床試験や人を対象とした臨床試験が必要です。これにより、血管の弾力性回復や血管壁の強化が確認されます。
4. ターゲティングと局所効果
特定部位への配達:
血管の特定部位にエラスチンを効率的に届けるために、ステントを設置する部位を正確に選定します。カテーテル技術を用いて、狙った血管部位にステントを配置します。
5. 長期的効果と持続性
長期的なエラスチン供給:
ステントによりエラスチンを長期間供給することで、血管の弾力性を維持し、動脈硬化の進行を遅らせる効果が期待されます。エラスチンの長寿命を利用して、持続的な効果を狙います。
具体的なアプローチ
1. エラスチンコーティングステント
エラスチンをステント表面にコーティングし、直接血管内に配置する方法です。この方法では、エラスチンが血管壁と接触し、弾力性を提供します。
2. エラスチン放出ステント
ステントにエラスチンを含むポリマーやナノキャリアを組み込み、徐々にエラスチンを放出するシステムです。これにより、長期間にわたり血管内でエラスチンを供給できます。
まとめ
エラスチンをステントのようなコンセプトで血管に運ぶことは、血管の弾力性を回復させるための革新的なアプローチです。生体適合性の高い素材を使用し、エラスチンを固定化または制御放出するシステムを組み込むことで、効果的な治療が期待できます。前臨床試験や臨床試験を通じて、その有効性と安全性を確認することが重要です。
--
但し、エラスチンを豊富に含む大動脈では
血管の内膜、中膜、外膜、いずれにも存在するので
ステントで内膜だけ強化する事がどれくらいインパクトがあるか?
それは、人工知能、コンピューターで計算する必要があります。
--
この治療において絶対に必要な事は
人工知能、コンピューター解析です。
それぞれの臓器、組織の動きを超音波、MRI、CT、PETなどで映像化し、
その細かい動きを人工知能、コンピューターで解析します。
当然、高齢の人は動きが悪いわけですから、
その動きの悪さを機械的特性を含めて、3次元的に数字化します。
そこから今度は、組織の特定の位置に任意の
3次元繊維構造をコンピューター上で貼り付けて、動きを計算します。
それで機能の改善を試みます。
あまり若い人に近づけた機能にしようとすると
衰えた細胞とのバランスが崩れる可能性があるので、
節度、程度を考えて設計します。
こうした細胞外マトリックスは細胞内信号を誘導するので
そういったことのメリット、デメリットを整理する必要があります。
マウスの実験が必要になると思います。
特に動きの大きい、心臓、肺、骨格筋、腱、血管(特に大動脈)は重要です。
--
これは、多分、今の技術の延長線上で現実的に出来ると思います。
衣類を合成するように細胞外マトリックスを合成する事も
多分、真剣に技術開発すればできるはずです。
おそらくこれは「外科的なアプローチ」になります。
あるいは細胞種特異的薬物送達システムを使うのであれば、
外科的にアプローチしにくい部位に対して、
プラモデルのピースのように個別に送達させ、
ある程度、その場所で自己組織化してもらう必要があります。
これは、難易度がさらに上がります。
--
iPS細胞で若い線維芽細胞の分化させて、
細胞から自然にエラスチンなど様々な細胞外マトリックスを合成させるのもいいと思います。
エラスチンは若い線維芽細胞からしか分泌されないからです。
人工的に作ろうとすると、免疫系などが抗原認識する可能性があります。
できるだけ人が自然に作るプロセスでそのまま作る方がいいです。
iPS細胞技術はその「工場」となる可能性があるので、
成功すれば、それはあなた方の活動の資金源になると思います。
これは絶対にやった方がいいと思います、
やらないなら私の団体で人を探して実施します。
--
繰り返しになりますが、
私の注力することは細胞種特異的薬物送達システムの実現であり、
その中で小児医療に注力することです。
さらにその中で小児がんです。
でも、小児がんで組織が痛んだという事がわかれば、
その治療のために細胞外マトリックスパッチは利用できます。
例えば、白血病では血管にダメージが残る事は十分に考えられます。
特に問題が残りやすい大動脈などの大きな血管に対して、
血管の機械的機能を可視化して測定したうえで
その上で精緻に計算したうえで
ステントでそのお子さんの成長を見越したうえで
最適な細胞外マトリックスを内膜にうまく貼り付ける。
それはその子の予後に関わる可能性があります。
従って、小児がんが最も重要な疾患であり、白血病が一番多いので、
脳腫瘍も含めて、循環器に外科的にアプローチして
ステントのように細胞外マトリックスを貼り付ける事は
この応用に関しては私は積極的に関与します。
しかし、基本的には私は系統的技術の実現に集中する事に変わりはないので、
このアイデア、実行はこの技術に興味があり、かつ
信頼できる側近の人に委任します。
--
段階を踏んで実施すれば、
細胞にも良い影響を与えられる可能性はゼロではないので
重い病気で組織が痛んだ患者さんの予後改善に利用できます。
若い人に特にインパクトはあるかもしれません。
あるいは高齢の人で
特に特定の臓器に異常がある人への介入なども有効です。
安全性、実績が上がれば、一般の人にも広く普及させることができます。
この出口戦略を考えると
今、私が集中的にしていることは「めちゃめちゃ」重要です。
--
例えば、衣類メーカーはおそらく参入することできますよ。
なぜなら、衣類の繊維構造の知見は
細胞外マトリックスの設計に生かせるからです。
--
人は若返る事は難しいと言っていましたが、
ひょっとすると将来的に
高齢の人の健康に大きく貢献するかもしれないし、
下手したら寿命を延ばす事にも貢献するかもしれません。
一番速くて、儲かるのは美容かもしれません。
エラスチンは少なくとも半減期は70年以上なので
薬のように毎日飲む必要はありません。
一回の施術でその機能が永続する可能性があります。
これはコストの面も含めて極めて現実的で、実現可能です。
しかも、人工知能やコンピューターを生かす事もできます。
--
腱など重要な筋肉、骨格筋にも適用できるため
大谷翔平選手などを含めて
多くのスポーツ選手の大怪我の治療や
寿命を上げる事にも貢献するかもしれません。
(参考)
エラスチンがある腱:
Elastic modulus(MPa)200-2000
Maximal Strength(MPa)30-150
Maximum Strain(%)10-30
これらの幅でかわり、エラスチンが多いと
弾性係数が低くなり、機械的強度は弱くなります。
一方で、歪量の割合は高くなります。
エラスチンは腱の強さを一定犠牲にしますが、
腱の可動性を高める効果があります。
もし、エラスチンがないと身体の動きは顕著に悪くなります。
また、エラスチンがないと、腱は早く疲労し、損傷しやすくなります。
フィブロネクチンは遍在する、需要な細胞外マトリックスです。
脊柱動物の発現される高分子量の糖タンパク質です。
分子量は470-500kDaで(1)、一次構造の長さは60-70nmです。
この1次構造を基本単位として
二次構造(αヘリックスやβシート)
三次構造(ポリペプチドの全体的な三次元形状)
四次構造(二量体形成)
これらが形成されます。
細胞のプロセスの制御因子であり、
組織や細胞外マトリックスの形態形成を維持するための
Scaffolding protein、つまり構造を力学的に支えるタンパク質です。
従って、臓器形成、血管形成、それらのリモデリング、
それらをより微視的な、細胞レベルで支える
細胞接着、移動にも関わります。
こうした発達の機序だけではなく、恒常性の維持にも関与します。
しかし、人の臓器形成におけるフィブロネクチンの役割は
おそらくはっきり理解されていません。
--
フィブロネクチンのサブタイプは
(1)血漿フィブロネクチン(plasma fibronectin、pFN)
血漿中を200 to 600μg/mL含まれています。
(2)細胞性フィブロネクチン(cellular fibronectin、cFN)
(3)胎児性フィブロネクチン(fetal fibronectin、fFN)
選択的スプライシング部位は
EDA(エクストラドメインA):
存在する場合はEDA+、存在しない場合はEDA-。
EDB(エクストラドメインB):
存在する場合はEDB+、存在しない場合はEDB-。
IIICS(IIICS領域):
異なる複数のスプライシングバリアントが存在。
-
(A)N-terminal domain (FNⅠ1-9) 70kDa
(B)Central binding domain (FNⅢ1-9) 120kDa
(3)Heparin-binding domain (FNⅢ12-14)
-
フィブロネクチンは単位構造である
FNⅠ、FNⅡ、FNⅢ、これらが直列に繋がっており、
構造の90%以上を占めます(1)。
それぞれの単位構造が様々な向きを変えながら連結されています。
(参考文献(1) Fig.1)
残りの10%は固定的に構造化されない柔軟な構造を取ります。
フィブロネクチンは全体では470-500kDaの分子量を取ります。
サブユニットは235-250kDaでこの2量体構造を取ります。
それぞれのサブユニットは以下、数珠上に連結されます。
12 type I (FNI), two FNII, and 15-17 FNIII modules
(参考文献(1) Fig.1)
C-ターミナルユニット近傍でジスルフィド結合し、2量体化します。
このうちタイプⅢはドメインの挿入やアミノ酸数など
スプライシングの違いによって構造的に変化することができます。
タイプⅠフィブロネクチンは45アミノ酸数をとり
5つのらせん構造が非平行のβシートを取ります(AB and CDE)
これらの5つのらせん構造はジスルフィド結合で連結されます。
(参考文献(3) Figure.2B)
タイプⅡは60アミノ酸数で2つのβシートがあります。
このらせん構造間に長いループ構造があります。
タイプⅢは90アミノ酸数で7つの螺旋鋼構造のβサンドイッチ構造をとる
折り畳み構造です。タイプⅠのようにジスルフィド結合を持ちません。
タイプⅡ、タイプⅢは参考文献(3) Figure 2C,Dに示されています。
構造は(参考文献(1) Fig.1)にも示されています。
-
それぞれのフィブロネクチンが結合できるリガンドは
(1)血漿フィブロネクチン (Plasma Fibronectin, pFN)
血漿フィブロネクチンは血液中に存在し、以下のリガンドと結合します。
フィブリン: 血液凝固過程で重要な役割を果たす。
フィブリノーゲン: フィブリンの前駆体。
コラーゲン: ECM の主要成分。
ヘパリン: 硫酸化グリコサミノグリカン。
インテグリン: 特にα5β1およびαvβ3インテグリン。
その他のプロテオグリカン: グリコサミノグリカンを持つタンパク質。
(2)細胞性フィブロネクチン (Cellular Fibronectin, cFN)
細胞性フィブロネクチンはECMの一部であり、以下のリガンドと結合します。
インテグリン: α5β1およびαvβ3インテグリン。
コラーゲン: 特にI型、II型、III型コラーゲン。
ヘパリンおよび他のグリコサミノグリカン: ECMの構造と機能に関与。
フィブリン: 創傷治癒プロセスに関与。
他の細胞接着分子: カドヘリンやセレクチンなど。
(3)胎児性フィブロネクチン (Fetal Fibronectin, fFN)
胎児性フィブロネクチンは妊娠中に特異的に存在し、以下のリガンドと結合します。
インテグリン: 特にα5β1インテグリン。
ヘパリン: 結合による細胞相互作用の調節。
その他のECM成分: コラーゲン、プロテオグリカン。
--
それぞれのフィブロネクチンがどの細胞種と結合するか?
(1)血漿フィブロネクチン (Plasma Fibronectin, pFN)
血小板: Integrin αIIbβ3 (GPIIb/IIIa)
内皮細胞: Integrin α5β1, Integrin αvβ3
線維芽細胞: Integrin α5β1, Integrin αvβ3
マクロファージ: Integrin α5β1, Integrin αvβ3
リンパ球: Integrin α4β1 (VLA-4)
(2)細胞性フィブロネクチン (Cellular Fibronectin, cFN)
線維芽細胞: Integrin α5β1, Integrin αvβ3
内皮細胞: Integrin α5β1, Integrin αvβ3
平滑筋細胞: Integrin α5β1
上皮細胞: Integrin α5β1, Integrin αvβ6
神経細胞: Integrin α8β1
(3)胎児性フィブロネクチン (Fetal Fibronectin, fFN)
栄養膜細胞: Integrin α5β1
羊膜細胞: Integrin α5β1
絨毛膜細胞: Integrin α5β1
筋細胞: Integrin α5β1, Integrin αvβ3
(1)血漿フィブロネクチン(Ref.(1))
血漿フィブロネクチンは肝細胞から分泌されます。
細胞表面に結合する前にはコンパクトな3次元構造を取り、
血液中を流動しています。
コンパクトな構造では特に構造の大部分を占める
15単位直列に結合したタイプⅢフィブロネクチンが
直線ではなく、3次元的に折りたたまれた構造をとります。
静電引力、疎水性相互作用、水素結合、分子間力、二硫化結合などが関わります。
これらの折り畳み構造は細胞内の生成過程、
細胞外の循環器でタンパク質の折り畳み構造の決定因子の一つである
シャペロンが関与している可能性がありますが、
具体的な関与についてはこれからの研究が待たれます。
2番目、3番目のタイプⅢFNと12-14番目のタイプⅢFNの
広範囲な相互作用はモデル化されています(1)。
(参考文献(1) Fig.2)
血清中に含まれるほとんどの細胞(免疫細胞、内皮細胞など)
と細胞膜上に発現されるインテグリンを通じて結合します。
この3次元構造は可塑的で、
細胞と接着後、拡張された配座(Extended conformation)を取ります。
(Extended V-shape conformation)
静電引力が強くなる、pHが大きくなる(酸性になる)と
フィブロネクチンの拡散長は低下します。
フィブロネクチンが収縮された配座を取るのは
静電気的な引力が関与しているからです。
血液と同じ速度で流れる事ができる限界の粒子径
ストークス系は媒質(塩)の濃度によって変化します。
フィブロネクチンは血液中に通常はあまり存在してほしくない
細菌やウィルスの作用によって折りたたみ構造を変える可能性があります(1)。
これが具体的に血液中に含まれる免疫細胞の機能に
どのような影響を与える可能性があるか?
①オプソニン化(5)の効果低下:
フィブロネクチンはオプソニンとして働き、病原体をコーティングしてマクロファージや好中球などの免疫細胞による認識と貪食を促進します。折り畳み構造の変化により、フィブロネクチンのオプソニン機能が低下すると、免疫細胞が病原体を効率的に認識・除去する能力が低下する可能性があります。
②補体経路(6)の活性化の変化:
フィブロネクチンは補体経路の活性化にも関与しています。折り畳み構造の変化は補体の適切な活性化を妨げ、結果として補体依存性の病原体除去能力が低下する可能性があります。
③細胞外マトリックスとの相互作用の変化:
フィブロネクチンは細胞外マトリックス(ECM)の主要な構成要素であり、細胞の接着、移動、成長に関与しています。折り畳み構造の変化により、免疫細胞のECMとの相互作用が変わり、炎症部位への移動や組織修復の効率が低下する可能性があります。
④サイトカイン分泌の調節異常:
フィブロネクチンは免疫細胞からのサイトカイン分泌の調節にも影響を与えることがあります。折り畳み構造の変化はこの調節機能に影響を及ぼし、免疫応答のバランスが崩れる可能性があります。
⑤抗原提示機能の低下:
フィブロネクチンは抗原提示細胞(APC)において抗原の提示効率を高める役割を持つことがあります。折り畳み構造の変化が抗原提示の効率を低下させると、T細胞の活性化が遅延し、全体的な免疫応答が弱まる可能性があります。
但し、こうしたエビデンスは十分にある状況ではないので推定です。
--
細胞外マトリックスの身体における重要な役目は
①組織の構造的支持(機械的支持)
②細胞との結合による信号伝達
③組織の修復と再生
④組織の保護
⑤力の伝達
これらが挙げられます。
フィブロネクチンの特徴は構造の柔軟性があります。
つまり、非常に複雑な折り畳み構造を取ることができます。
これはビーズ、数珠のような構造を取り、いくつもの節を持つからです。
こうした配座の柔軟性は
即時的に形成する細胞の適切な足場に関与するため、
組織が損傷を負った時の細胞連結や組織形成に関わるため
③の組織の修復と再生に関わります。
また、フィブロネクチンは直線に伸ばした状況では
節があるため、引っ張りに対する構造的な強さはありませんが、
折り畳み構造を取るため、力をうまく分散する働きがあります。
一方で、フィブロネクチンと複合体を形成するコラーゲンは
3重螺旋構造で剛性が強い特性を持ちます。
つまり、機械的ストレスに対して強く構造が壊れないという特徴があります。
これは直線的な構造においてもそうです。
しかし、コラーゲンは構造的な柔軟性がないため
機械的な支持がなければ、折り畳み構造を取ることができません。
フィブロネクチンは折り畳み構造によって
コラーゲンを巻き込み、複合体を形成する事で
コラーゲンの剛性を付加することができます。
これによってあらゆる方向に対する構造的な強さを手に入れます。
こうした特性は常に強い付加がかかる
骨格筋、心臓、肺、血管などにおいて非常に重要です。
これらの機械的な強さが細胞-細胞間にかかる力を緩和するからです。
細胞はほとんどが水で出来ているため、
そうした支持がなければ、細胞骨格があるにしろ
容易に変形してしまうため、外側からの強い支持構造は大切です。
それは特に上述した動性の強い組織では顕著です。
こうしたコラーゲンとフィブロネクチンの複合体は
原理的に細胞間の密着結合、接着結合、接着斑などを守る働きが
あると考えられます。
強い細胞外マトリックスによって変形が減るため、
安定的なメカノトランスダクション信号伝達が可能になり、
逸脱した過剰な、過少な信号伝達を防ぐ働きもあります。
例えば、肺にはエラスチンが大量に含まれています。
これは肺が呼吸に応じて体積を変える必要があるからです。
エラスチンは伸縮性に富んだ細胞外マトリックスです。
確かに剛性が高いと体積を変えるために大きな力が必要になるため、
コラーゲンなどの剛性の高い細胞外マトリックスの密度と
3次元構成は様々なバランスの元、最適化されていると思います。
--
血漿フィブロネクチンはフィブリン塊に取り込まれ
結合、分散、凝集を含めて主に血小板の機能に貢献します。
FNⅠ1-5, FNⅠ10-12のドメインがフィブリンと相互作用します。
(2)細胞フィブロネクチン(Cellular fibronectin)(Ref.(8))
細胞性フィブロネクチンと血漿フィブロネクチンの違いは
生成さされる細胞種が血漿フィブロネクチンのように肝細胞ではなく
多くの細胞種
(線維芽細胞、内皮細胞、軟骨細胞、滑膜細胞、筋細胞など(9))から発現され、
血漿フィブロネクチンは可溶性が高く、血流に分布する一方で、
細胞性フィブロネクチンは組織常在性が高く、
細胞外マトリックスに高い結合性を持って取り込まれることがあります。
細胞性フィブロネクチンは選択的スプライシングを取り、
組織依存的、時間依存的(11)(つまり、その時に応じて変わる)、
細胞種特異的(10)に異なるアイソフォームを発現します。
従って、こうしたアイソフォームを
空間プロテオーム解析によって
組織、時間、細胞種とどういった組み合わせで発現されているかを
明らかにすることは私の系統的技術で重要になります。
少なくとも20の異なるフィブロネクチンアイソフォームが生成されています(12)。
例えば、FNⅢのループ構造の縁か、細胞シグナル、
FN-FN相互作用に影響を与える可能性があります(13)。
こうしたFN-FNの相互作用はアイソフォームの影響を受けるので、
フィブロネクチンを介した細胞外マトリックスの形成は
アイソフォーム特異的である可能性があります(8)。
フィブロネクチンのmRNAの発現量に
細胞種特異的に影響を与える制御因子は以下です。
(FN mRNAの発現を亢進)
TGF-β family
Pletelet-derived growth factor BB
Insulin-like growth factor-1
Hepatocyte growth factor
Glucose
Glucocorticoids
(FN mRNAの発現を抑制)
Cell contractility inhibitor
RhoA inhibitors
(参考文献(8) Table 3)
細胞種特異的なフィブロネクチンの特異的に結合性が変わる結合サイトを見つければ、
細胞外小胞などの薬物送達キャリアの細胞種特異的な送達のための
標的細胞種周辺の足場、ホッピング伝導のための動線として
利用できる可能性があります。
-
細胞フィブロネクチンの機能は
〇細胞接着、増殖、移動
〇細胞外マトリックスの蓄積
コーラゲン、フィブリリン、フィブリン、ラミニン、テナシンと結合します。
〇成長因子保持
細胞フィブロネクチンは成長因子に結合する能力があります。
血管内皮成長因子(VEGF)、フォーミング成長因子ベータ(TGF-β)などです。
局所濃度を調整し、成長因子が制御された形で作用するための
細胞への供給濃度、タイミングを調整します。
こうした局所的な保持によって成長因子が分解されることも防ぎます。
血管内皮成長因子の保持にも関わるので
新たな血管生成にも関与します(14)。
フォーミング成長因子ベータ(TGF-β)では筋線維芽細胞の分化に関与します。
--
線維化は細胞外マトリックスの過剰な蓄積によって特徴づけられます。
これにより臓器の構造や機能に障害が出ます。
こうした線維化が生じた時の細胞外マトリックスの
構成要素の主なものはコラーゲンですが、
コラーゲン自体が直線性の強い細胞外マトリックスなので
それに先立って、構造的に柔軟な
フィブロネクチンの過剰な蓄積があるとされています(8)。
(3)胎児性フィブロネクチン( Fetal fibronectin、fFN)
胎児細胞が合成するフィブロネクチン(タンパク質)であります。
絨毛膜(chorion)と脱落膜(decidua)の間に存在し、
胎嚢(胎児の入っている袋)を子宮内膜に接着させる
「のり」の役目を果たしています。
従って、破水に密接に関わっており、
早期破水は早産のリスクを高めるので、
この胎児性フィブロネクチンは早期破水のバイオマーカーになっています(15)。
(参考文献)
(1)
Lisa M. Maurer, Wenjiang Ma, and Deane F. Mosher*
Dynamic Structure of Plasma Fibronectin
Crit Rev Biochem Mol Biol. 2015 Jul-Aug; 51(4): 213–227.
(2)
Xiangyi Gan, Lariza Ramesh, Nidhi Nair & Ananthalakshmy Sundararaman
Fibronectin Fibrillogenesis During Angiogenesis
Matrix Pathobiology and Angiogenesis pp 1–27
(3)
Nicole Catherine Norris
Structural and functional studies of intrinscally disorderd fibronectin-binding proteins
University of York Department of Biology August 2009
(4)
Helen Saibil
Chaperone machines for protein folding, unfolding and disaggregation
Nature Reviews Molecular Cell Biology volume 14, pages630–642 (2013)
(5)
T K Hathaway 1, J L Adams
Plasma fibronectin: a third opsonic protein involved in immune clearance and destruction of erythrocytes after infusion of incompatible blood
Transplant Proc. 1988 Dec;20(6):1096-102.
(6)
G. BAATRUP, S.-E. SVEHAG
Serum and Plasma Fibronectin Binds to Complement Reacted Immune Complexes Primarily via C1q
Scandinavial journal of immunology vol.24 issue.5 p.583-590 (1986)
(7)
Sarah McCurdy,1 Catalin F. Baicu,3 Stephane Heymans,2 and Amy D. Bradshaw3
Cardiac Extracellular Matrix Remodeling: Fibrillar Collagens and Secreted Protein Acidic and Rich in Cysteine (SPARC)
J Mol Cell Cardiol. 2010 Mar; 48(3): 544–549.
(8)
Wing S To & Kim S Midwood
Plasma and cellular fibronectin: distinct and independent functions during tissue repair
Fibrogenesis & Tissue Repair volume 4, Article number: 21 (2011)
(9)
Yong Mao 1, Jean E Schwarzbauer
Fibronectin fibrillogenesis, a cell-mediated matrix assembly process
Matrix Biol. 2005 Sep;24(6):389-99.
(10)
R P Hershberger and L A Culp
Cell-type-specific expression of alternatively spliced human fibronectin IIICS mRNAs.
Mol Cell Biol. 1990 Feb; 10(2): 662–671.
(11)
A L Gehris 1, S A Oberlender, K J Shepley, R S Tuan, V D Bennett
Fibronectin mRNA alternative splicing is temporally and spatially regulated during chondrogenesis in vivo and in vitro
Dev Dyn. 1996 Jun;206(2):219-30.
(12)
C ffrench-Constant 1
Alternative splicing of fibronectin--many different proteins but few different functions
Exp Cell Res. 1995 Dec;221(2):261-71
(13)
Elisa Ventura 1, Francesca Sassi, Arianna Parodi, Enrica Balza, Laura Borsi, Patrizia Castellani, Barbara Carnemolla, Luciano Zardi
Alternative splicing of the angiogenesis associated extra-domain B of fibronectin regulates the accessibility of the B-C loop of the type III repeat 8
PLoS One. 2010 Feb 10;5(2):e9145.
(14)
Xiaoming Zhou,1,6 R. Grant Rowe,1,6 Nobuaki Hiraoka,1 Jerry P. George,2 Denis Wirtz,2 Deane F. Mosher,3 Ismo Virtanen,4 Michael A. Chernousov,5 and Stephen J. Weiss1
Fibronectin fibrillogenesis regulates three-dimensional neovessel formation
Genes Dev. 2008 May 1; 22(9): 1231–1243.
(15)
Ibrahim A Abdelazim
Fetal fibronectin (Quick Check fFN test(®)) for detection of premature rupture of fetal membranes
Arch Gynecol Obstet. 2013 Feb;287(2):205-10.
細胞外マトリックスと系統的技術の関連性
私が提唱する系統的技術
〇細胞外小胞(⇒薬物キャリア(合成ナノ粒子、ウィルス、ゲルなど)
〇細胞接着分子
〇CAMome
〇iPS細胞技術との融合(⇒多能性幹細胞技術)
〇細胞種特異的薬物送達システム
〇人工知能、スーパーコンピュータ、仮想空間
〇CAM-Glycome(各細胞接着分子-糖鎖の集合)
〇CAM-Adhesome(各細胞接着分子-アクセサリタンパク質の集合)
〇CAM-trascriptome(各細胞接着分子-転写因子ネットワーク構造)
〇マルチオミックスデータベース構築(CAMome,CAM-Glycome、CAM-Adhesome、CAM-transcriptome)
〇過去の文献の整理
これは系統的に見れば、世界最高の発明といいました。
それは「NASA」による2020年の細胞種特異的薬物送達システムに対する
リップサービスを含めた評価に
「生命科学史上最高の発明」という事があったからです。
でも、アメリカは大谷翔平選手に対しての評価でも
「この星の人間とは思えない。馬鹿げている。」とか、
とにかく、少し「盛って」評価するところがあります。
確かに上の系統的技術は一つの技術に集約するものではなく、
それぞれのネットワークとしての多様な価値を提供することにあります。
そういう意味において今までの発明とは少なくとも一線を画します。
ただ、山中伸弥先生が発明された
「iPS細胞」は「時計を戻す」というありえないことが起こっています。
植物では、そういった多能性幹細胞化は普通に見られることですし、
ひょっとしたら一部の動物でも詳しく調べれば見られるかもしれません。
しかし、山中先生はヒトの細胞で
複数の遺伝子の組み合わせによって細胞の初期化を実現されました。
もし、これが人の今までの歴史の中で
「自然に起こってこないこと」だとしたら、
少なくとも医療において
世界最高(少なくともレベル)の発明といえるのではないかとも思います。
毎年、与えられるノーベル賞の中で
2012年のノーベル生理学賞は、特別だったとも言えます。
実際に、心臓の心筋シートをiPS細胞から作って、
それを貼って、心臓の機能を回復させるということは
「普通では起こりえない」ことなので、
正真正銘の医療工学、バイオテクノロジーと言えます。
米カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ博士と
独マックスプランク研究所のエマニュエル・シャルパンティエ博士が
発明された遺伝子編集技術「Crispr Cas9」は
実際には微生物、ウィルスが行っていたことです。
それを人が制御してできるようになりました。
「自然に起こっていたことを人が利用できるようにすること」です。
これは、実は、私の系統的技術と類似する観点です。
私の技術はiPS細胞と違って、
「人では起こりえない事を発明した」わけではありません。
むしろ人で起こっている事をうまく利用しようというものです。
エドワード・ジェンナーの種痘法の発明(1796年)
発明・発見: 牛痘ウイルスを用いて天然痘の予防接種を行う方法を開発しました。
ロバート・エドワーズとパトリック・ステプトーの体外受精技術(IVF)の開発(1978年)
発明・発見: 体外受精(IVF)技術を開発し、世界初の試験管ベビーを誕生させました。
ハーバート・ボイヤーとスタンリー・コーエンによる遺伝子組換え技術(1973年)
発明・発見: DNAの組換え技術を開発し、異なる生物の遺伝子を組み合わせることができるようにしました。
確かにこれらの発明は全て大きな意義があり、
生理学における世界最高レベルの発明といえそうです。
山中先生の発明は生物では見られるにしろ、
「人で起こりえないこと」を発明したという点で
大きく飛躍した部分があります。
だからこそ、人に適用するときに予想外の事が色々起こりえます。
それは、裏側の側面です。
昨日、今日。正直、私は医療の限界を感じました。
「結局、老化には逆らえないよね。」という事です。
極端な話、90歳の人と10歳の人では
平均的に見て、男性でも、女性でも、
あらゆる民族の人において、身体の状況は大きく異なります。
100人に1人の超健康な人が平均的な10歳の細胞を大部分で持つ
という事はあり得ない事です。死亡する確率も高いです。
だから、「大きく痛んだ組織は治せないよね」ということです。
ある程度は変えられるかもしれないけど、限界があるという事です。
協力してくれる人がいるなら、変に絶望的にならず、
出来る限りの事を責任を持ってしようという事は一方ではあります。
でも、今日、超スロージョギングをしている中で
「あ~、山中先生の発明があったわ。」って思いつきました。
山中先生の発明って時計を戻すんでね。
こういう事があるから
「今、俺が考えている常識外の事が今後、起こる可能性はある。」
このように思いました。今はAIもありますからね。
そういう観点では、まだまだ未開の地はあるという事です。
私の発明の価値は「連動させている」ところにあります。
元々は、薬物を任意の細胞種に届ける事が出来たら、
薬物治療のフェーズが1段も2段も変わるという事が狙いです。
ここに気付いている人は多くいたと思います。
でも、ここまで詰めてやった人はいないかもしれません。
今日から細胞外マトリックスの記事を開始しましたが、
「細胞外マトリックスと系統的技術の関連」
これについて少なくとも自分の中で
調べて、確認して、書いて、整理しておかなければ、
加えて、必須ではないけど、
系統的技術を私と共にやりたいと思っている
世界、日本の人たちには前提として情報提供したいということがあります。
薬物を身体の任意の所、それを細胞レベルまで解像度を上げて
届けるためには身体の組織、それらの位置関係についての
詳細な理解は必要です。
細胞外マトリックスは組織の一部で
薬物にとっては邪魔にもなるし、足場、動線にもなるので、
それが伝わっていれば、関連性の一部は示せますが、
今の一連の集中的な取り組みの中では
それでは足りないという認識が今日生じました。
今、実施している事を円滑に進めたいという事はありますが、
時間をちゃんととって、Open AIの力を借りながら、
一つ一つ、丁寧に気になる点を確認していく必要があるという事です。
実験、計算する前なので、正確ではない可能性がありますが、
例えば、細胞間のバリア機能に関わるクローディンという
細胞接着分子があります。
そのクローディンはわずかに開いた細胞間で
網目のような、らせん構造を取り、
物質的にイオン、水分などの透過を制限しています。
このクローディンを細胞外マトリックスに見立ててて、
薬物をこのバリアを超えて透過させて、
目的となる細胞種まで薬物を送達させたいと考えた時に、
クローディンの場合は、正電荷のイオンの透過率が高い場合には
負電荷の結合部位を持ったクローディンのサブタイプのほうが高くなる
という結果をOpen AIは示しました。
それはおそらく「カエルのように」ホッピング伝導するからです。
逆に反発すると跳ね返されてしまいます。
そうすると、細胞外マトリックスの結合部位に
ある程度高い親和性(高すぎたらだめかもしれない)を持つ
リガンドを装飾した薬物送達キャリアでは、
同じようにホッピング伝導して
細胞外マトリックスをすり抜けていくかもしれません。
感覚的には捕獲される可能性もありそうですが。
いずれにしても、
どれくらいの空間解像度で実施するかは未定ですが、
少なくとも臓器別の各細胞種の周りに存在する
細胞外マトリックスをサブタイプの正確さでは(少なくとも)
明かにしたいという事があります。
しかし、基質と間質の細胞外マトリックスを混在させると
正確な解釈ができないので、
いくつかの異なる次元で
空間情報を維持したプロテオーム解析が必要になります。
質問
各組織の解像度で、細胞の周りにある細胞外マトリックスのプロテオーム解析をしたいけど、基質と間質では異なるので、組織の一解像度を持ち、かつ基質と間質の区別を付けながら、プロテオーム解析をするための方法、手順を教えて
Open AI回答
細胞外マトリックス(ECM)のプロテオーム解析は、組織の解像度を持ちながら、基質(基底膜)と間質(結合組織)を区別することが求められる高度な作業です。このような解析を行うためには、サンプル調製、分離、解析の各ステップを慎重に計画し、実行する必要があります。以下に、具体的な方法と手順を示します。
手順概要
サンプル収集と前処理
組織の分離
ECMの抽出
プロテオーム解析
データ解析と解釈
1. サンプル収集と前処理
サンプルの選定:
組織の種類と状態を選定します。新鮮な組織または適切に保存された凍結組織を使用します。
組織の固定と切片化:
組織を適切な方法で固定し、クライオスタットやミクロータームを使用して薄切片にします。
2. 組織の分離
基底膜と結合組織の分離:
レーザーマイクロダイセクション(LMD)を使用して、顕微鏡下で基底膜と間質の領域を正確に切り出します。これにより、特定の領域の分離が可能になります。
3. ECMの抽出
基質と間質の処理:
各領域から抽出したサンプルを別々に処理します。
ECMタンパク質の抽出には、以下の方法を使用できます。
デタージェント抽出: トリトンX-100やSDSなどのデタージェントを使用して、細胞膜と細胞内タンパク質を除去し、ECMタンパク質を抽出します。
酵素消化: コラゲナーゼ、プロテアーゼ、ヒアルロニダーゼなどの酵素を使用して、ECMを特異的に分解します。
4. プロテオーム解析
タンパク質の精製と分離:
抽出したタンパク質をゲル電気泳動(SDS-PAGE)や液体クロマトグラフィー(LC)を使用して分離します。
タンパク質の消化:
分離したタンパク質をトリプシンなどのプロテアーゼで消化し、ペプチドを生成します。
質量分析(MS):
ペプチドを質量分析計(LC-MS/MS)で解析し、タンパク質の同定と定量を行います。
5. データ解析と解釈
データの取得:
質量分析データを取得し、データベース検索(Mascot、Sequestなど)を使用して同定されたタンパク質を解析します。
基質と間質の比較:
基底膜と間質のプロテオームデータを比較し、特異的なタンパク質の発現パターンを解析します。
バイオインフォマティクス解析:
機能解析、経路解析、ネットワーク解析などを行い、各タンパク質の役割と相互作用を理解します。
注意点
サンプルの品質: 新鮮な組織または適切に保存された組織を使用することが重要です。
分離の精度: レーザーマイクロダイセクションなどの高精度な分離技術を使用し、正確に基質と間質を分離することが重要です。
プロテオーム解析の精度: 質量分析の感度と精度を高めるために、適切なサンプル前処理と解析条件の最適化が必要です。
結論
基質と間質の区別をつけながら細胞外マトリックスのプロテオーム解析を行うためには、正確な組織の分離、高感度なプロテオーム解析技術、データ解析の各ステップが重要です。これにより、組織ごとの解像度を持ち、各領域の特異的なタンパク質の発現パターンを明らかにすることができます。
それ以外の方法は
組織の分離を行わずに、基質(基底膜)と間質(結合組織)の区別をつけながら細胞外マトリックス(ECM)のプロテオーム解析を行う方法もあります。以下に、そのためのアプローチをいくつか紹介します。
1. イメージング質量分析(Imaging Mass Spectrometry, IMS)
IMSは、組織切片上の特定の分子の空間的分布を測定するための技術です。この方法により、基質と間質の区別をつけたタンパク質の解析が可能です。
手順:
組織切片を薄くスライスし、ガラススライドに載せます。
MALDI(Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization)質量分析装置を使用して、組織全体のプロテオームプロファイルを取得します。
特定のタンパク質の分布を視覚化し、基質と間質の領域を区別します。
2. ターゲットプロテオミクス
ターゲットプロテオミクスは、特定のタンパク質やペプチドを選択的に解析する方法です。基質と間質の特異的なマーカーを使用することで、分離なしでそれぞれのプロテオームを解析できます。
手順:
組織全体からタンパク質を抽出します。
基質と間質のマーカータンパク質(例:コラーゲンIVは基底膜、フィブロネクチンは結合組織)をターゲットとして、選択的に質量分析で解析します。
3. タンパク質の分泌解析
細胞外マトリックスのタンパク質は、多くの場合、細胞によって分泌されます。特定の細胞型が分泌するタンパク質を解析することで、間接的に基質と間質の区別をつけることができます。
手順:
組織培養を行い、細胞が分泌するタンパク質を収集します。
分泌されたタンパク質をプロテオーム解析し、基質特異的、間質特異的なタンパク質を同定します。
4. 蛍光標識プロテオミクス
蛍光標識を用いることで、特定の細胞外マトリックス成分を可視化し、質量分析と組み合わせて解析する方法です。
手順:
組織切片に蛍光標識抗体を使用して、基質と間質の特定のタンパク質を標識します。
蛍光顕微鏡で標識された領域を観察し、質量分析装置と連携してプロテオーム解析を行います。
5. マルチオミクス解析
トランスクリプトミクス(RNA-seq)とプロテオミクスを組み合わせることで、基質と間質の区別をつけるアプローチです。
手順:
組織全体のトランスクリプトミクスデータとプロテオミクスデータを取得します。
基質と間質に特異的な遺伝子発現プロファイルを特定し、それに対応するタンパク質をプロテオーム解析で検証します。
まとめ
組織の分離を行わずに基質と間質の区別をつけながら細胞外マトリックスのプロテオーム解析を行うためには、イメージング質量分析、ターゲットプロテオミクス、タンパク質の分泌解析、蛍光標識プロテオミクス、マルチオミクス解析などの技術を組み合わせて用いることが効果的です。これらの方法により、組織全体のプロテオームプロファイルを取得し、特定の領域や細胞型に特有のタンパク質の解析が可能となります。
6. インシリコ解析
インシリコ解析とは、計算機シミュレーションやバイオインフォマティクスツールを用いて、基質と間質のプロテオームデータを解析し、特定する方法です。
手順:
組織全体から得られたプロテオームデータを収集します。
公的データベース(例えば、UniProt、PaxDb)を用いて、既知の基質特異的および間質特異的なタンパク質を識別します。
複数のバイオインフォマティクスツールを使用して、データを解析し、基質および間質に特有のタンパク質パターンを特定します。
7. ラベルフリー質量分析
ラベルフリー質量分析は、サンプルにラベルを付けずに質量分析でプロテオームを解析する方法です。これにより、サンプル処理のステップが少なくなり、基質と間質の区別が容易になります。
手順:
組織全体からタンパク質を抽出し、直接質量分析(例えばLC-MS/MS)で解析します。
得られたデータを比較し、基質と間質に特有のプロテオームプロファイルを同定します。
8. オルガノイド培養
オルガノイド培養は、組織のミニチュアモデルを作成し、その中で基質と間質を再現する方法です。これにより、組織全体を一度に解析することが可能です。
手順:
患者由来の細胞を用いてオルガノイドを培養します。
オルガノイド内で形成された基質と間質の領域を直接解析します。
オルガノイド全体のプロテオーム解析を行い、基質と間質の特有のプロテオームプロファイルを同定します。
9. ラベル付きプロテオミクス
ラベル付きプロテオミクスは、安定同位体標識(SILAC)などの技術を用いて、タンパク質をラベルし、基質と間質のプロテオームを区別する方法です。
手順:
基質特異的および間質特異的な細胞をそれぞれ異なる同位体でラベルします。
組織全体を解析し、ラベル付きタンパク質を質量分析で同定します。
得られたデータを解析し、基質と間質に特有のタンパク質プロファイルを同定します。
--
後は、位置関係をよく考える必要があります。
上皮組織は多くの場合、内腔と実質を隔てる役割があります。
それは消化器、呼吸器に限りません。
通常、薬物は消化器、静脈投与にしても
循環器から供給されることが一般的です。
そうすると毛細建艦も含めて循環器に対する
各細胞種の位置関係を正確に理解する必要があります。
また、その過程で障害となる細胞種や
細胞外マトリックスの物質構成を理解する必要もあります。
例えば、
癌は心臓、神経細胞など一部の臓器、細胞種を除き
ほぼ、全身にできる細胞の異常です。
しかし、癌の80-90%が上皮細胞性であり、
その理由は上皮細胞は頻繁に分裂し、再生するため、
DNA変異が蓄積しやすいことが挙げられています。
上皮細胞性のがんは「癌腫(がんしゅ)」または「カンシノーマ(carcinoma)」
このように呼ばれます。
この上皮細胞は循環器から遠い位置にあるのが一般的です。
癌自体が腫瘍組織を形成して実質側に浸潤したり、
内腔に対して結節をつくったりするので
通常の組織の層構造を当てはめる事は出来ない部分がありますが、
特に治療可能な小さいがんにおいては
上皮細胞の異常であれば、循環器から遠い位置にあるということです。
血管の内皮細胞、平滑筋、周皮細胞、実質にある細胞、
上皮組織の基底を越えなければなりません。
ただ、腫瘍組織の周りは通常、血管が生成されているので
そのルートで供給することももちろん可能です。
考えられる全ての薬剤ルートを想定した時に、
どういった位置にある細胞外マトリックスが
薬剤アクセスにおいて障害となるか
あるいは足場となるかを考える必要性が出てきます。
癌の場合は細胞外マトリックスのリモデリング、構成が変わるので
個別のプロテオーム解析は必要になります。
系統的技術で治療を想定している疾患は癌だけではないので、
薬物が通常分散する循環器を中心とした
各臓器、組織の細胞種、細胞外マトリックスの層構造を理解し、
それぞれの細胞種に発現されている
細胞接着分子のプロテオーム解析(CAMome)と
それとセットで細胞外マトリックスのプロテオーム解析の
データは欲しいという事です。
過去の蓄積したデータを取り込んで資源を有効活用して
これから投資する資源に無駄がないようにし、
これから実施する解析においては、
互換性を上げて、実施する必要があるし、
人工知能やコンピューター解析で結果が正確に予測できるなら、
それを積極的に利用しようという事もあります。
人的、経済的、時間的、精神的コストには限界があるからです。
オクルーディンはクローディンと共に上皮、内皮など
組織の区画形成の為に必要な細胞種に全身で広く分布、発現していると
推定されますが、クローディンほどは研究が進んでいません。
従って、オクルーディンのサブタイプもまだはっきりわかっていない状況です。
オクルーディンはシス結合、クローディンとの異種結合ができ、
クローディンと協働的に組織のバリア機能に関わる
密着結合(tight junction)を形成しています。
クローディンはプロモーター選択、選択的スプライシングなどによって(1)
多様な成熟mRNA、それに伴う立体構造を取る可能性があります
--
オクルーディンのサブタイプ
Occludin 1 Occludin 2 Occludin 3 Occludin 4
まだ、はっきりとしたことがわかっていません。
-
オクルーディンはクローディンと類似した構造をとりますが、
2つ異なる特徴があります。
1つは2つの細胞外ループ構造の大きさ(アミノ酸数)に大きな違いがない事。
もう1つは、細胞内ドメインであるN-terminal, C-terminalが
クローディンに比べて顕著に長い事です。
(1)N-terminal(56-66アミノ酸数)
(2)Transmembrane domain (TM1, TM2, TM3, TM4)(25アミノ酸数)
(3)Extracellular loop1 (N側)(46アミノ酸数)
(4)Extracellular loop2 (C側)(48アミノ酸数)
(5)C-terminal(257アミノ酸数)
様々なアダプタータンパク質や細胞骨格を引き付け、
オクルーディンの結合を通した細胞内信号伝達に関与します。
また、オクルーディンの2量体化、多量体化にも貢献します。
これはCターミナルのcoiled coil-domainが関与します(2)。
ジフィルド結合(Cys-409)の架橋構造形成を通じて複合体を形成します(2)。
-
オクルーディンのサブタイプごとの細胞種は未知です。
しかし、全体として下記の細胞種に発現が少なくとも見られます。
(上皮細胞)
腸上皮細胞(腸管の内壁を形成する細胞)
腎上皮細胞(腎臓の尿細管を構成する細胞)
肺上皮細胞(肺の気道を覆う細胞)
(内皮細胞)
血管内皮細胞(血管内面を覆う細胞)
(その他の組織)
肝細胞(肝臓の主要な機能細胞)
膵臓細胞(膵臓の細胞)
-
オクルーディンのアダプタータンパク質は以下です。
ZO-1(Zonula Occludens-1)
オクルディンと直接結合し、タイトジャンクションの安定性を高める役割を果たします。
レドックス依存のオクルーディンのホモ2量体化に関連します(3)。
ZO-2(Zonula Occludens-2)
ZO-1と類似しており、オクルディンと相互作用してタイトジャンクションの構造を維持します。
ZO-3(Zonula Occludens-3)
ZO-1およびZO-2と協調して機能し、タイトジャンクションの維持に寄与します。
Cingulin
タイトジャンクションの構造タンパク質であり、オクルディンと相互作用します。
AF-6(Afadin)
細胞接着の調節に関与し、オクルディンと結合してタイトジャンクションの機能を調節します。
PAR-3(Partitioning-defective 3)
オクルディンと相互作用し、タイトジャンクションの形成と維持に関与します。
Rab13
小GTPアーゼであり、オクルディンの細胞内輸送とタイトジャンクションの動的調節に関与します。
EFA6(Exchange Factor for ARF6)
ARF6のGEFであり、オクルディンと相互作用してタイトジャンクションの形成に影響を与えます。
Vinculin
密着結合の安定化、強化、細胞骨格のリモデリング、細胞内のシグナル伝達。
オクルーディンは血管内皮や組織上皮などの主に体の中に形成される内腔と
実質を隔離する細胞間(paracellulaer)のバリア機能を持ちますが、
オクルーディンが適切な位置に配置されてないと(mislocalized)、
細胞死を誘導する様々な物質Death-inducing signaling complex (DISC)(以下)
と連携して、細胞死を誘導することがあります(4)。
Fas-associated protein with death domain (FADD)
Cleaved caspase-8
-
オクルーディンが細胞外で結合できる細胞接着分子は
オクルーディン分子自身
オクルディンはホモフィリック(同種分子間)の相互作用を行うことができ、隣接する細胞のオクルディン分子と直接結合することがあります。これにより、タイトジャンクションの構造が強化されます。
Claudins(クローディン)
オクルディンはクローディンファミリーのメンバーと相互作用し、タイトジャンクションの密度と選択性を高める役割を果たします。クローディンも細胞外ドメインを持ち、オクルディンとの結合を介してタイトジャンクションを形成します。
JAM1,2,3(Junctional Adhesion Molecule-1,2,3)
オクルディンはJAM-Aと相互作用し、タイトジャンクションの安定性とバリア機能を補強します。
-
オクルーディンの機能を転写後に変え、
バリア機能に影響を与える(リン酸化)酵素は以下です。
CK1, CK2, c-Src, c-yes, DEP-1, p-ERK
Pl3K, PKX, PPI, PP2A, RhoK
(参考文献(1) Table.1)
密着結合は組織の区画を形成する上皮、内皮組織の
細胞間のバリア機能を発揮する共通的な結合様式で、
イオン、溶質、水などの細胞間の浸透性を制御しています。
それによる恒常性に関与しています。
従って、この機能に不全が出ると
組織の異常な形成を呈する癌、
血管の出血を伴う脳卒中、
フィルター機能に異常が出る腎臓病、
バリア機能が極めて重要は肺、腸の炎症疾患など様々です。
実際に内皮、上皮は脳を含めた全体の循環器、臓器に影響を与える事から
密着接合の不全に影響を受ける疾患はこれだけに限りません。
--
オクルーディンは他の細胞接着分子と同様に
Matrix metalloproteinase(MMP)という酵素によって分解されます。
このようなオクルーディンや細胞外マトリックス基質(ラミニン)を
分解するMMPが病理と結びついている場合があります。
例えば、血管障害を伴う神経膠腫や動脈瘤の形成過程では
血管壁が破壊されるということがありますが、
その過程で過剰なMMPによって密着接合を形成する
クローディン、オクルーディン、
接着接合を形成するカドヘリン、
あるいは細胞を支える基底であるラミニンなどを分解されるという事があります。
(参考文献)
(1)
Philip M Cummins
Occludin: one protein, many forms
Mol Cell Biol. 2012 Jan;32(2):242-50.
(2)
Juliane K Walter 1, Christine Rueckert, Martin Voss, S L Mueller, Jörg Piontek, Klaus Gast, Ingolf E Blasig
The oligomerization of the coiled coil-domain of occludin is redox sensitive
Ann N Y Acad Sci. 2009 May:1165:19-27.
(3)
Castro V, et al. 2010.
The membrane recruitment of ZO-1 and its interplay with occludin is redox sensitive and relies on the disulfide bridge-mediated homodimerization of occludin, abstr P-5.
Abstr. 13t Int. Symp. Signal Transduction Blood-Brain. University Hospital, Zurich, Switzerland.
(4)
N Beeman, P G Webb & H K Baumgartner
Occludin is required for apoptosis when claudin–claudin interactions are disrupted
Cell Death & Disease volume 3, pagee273 (2012)
クローディンの構造、機能、応用
クローディンは主に上皮細胞の側壁に発現されており、
そこで密着接合を形成しています。
このクローディンはバリア機能の働きがあり、
イオンなどの透過も一部捕獲する必要があるため、
クローディンの結合によって形成された密着接合における
細胞間の距離は「密着:tight」という名前が付けられているとおり
非常に狭く、約2-3nm程度です。
クローディンは細胞内を通過するイオンチャンネルと協働的に働いています。
言い換えれば、クローディンの発現と
各種イオンチャンネルの発現は連動して調整されています(1)。
水分子の流れも調整するため、
内腔、実質内の水分量の恒常性(1)にも関わっています。
--
クローディン(claudin)のサブタイプは以下です。
Claudin-1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15
Claudin-16,17,18,19,20,21,22,23
--
クローディンの構造は
(1)N-terminal domain(細胞質)
非常に短く1-10アミノ酸数しかありません。
しかし、様々なアダプタータンパク質を引き付け
細胞内シグナルや細胞骨格の形成を誘導します(2)。
(2)4回膜貫通ドメインTM1,TM2,TM3,TM4(N側から)(細胞膜)
各膜貫通ドメインは傾斜しており、
4つが取り囲むように形成されます。
構造は4 helix bundleを取ります。
(参考文献(1) Fig.1)
(3)First extracellular loop(N-terminal side)
42-56アミノ酸、ジスルフィド結語を持つ
このドメインが主に密着結合における細胞間の連結に関わります。
β-sheet構造を取ります。
(4)Second extracellular loop(C-terminal side)
23-25アミノ酸数。従ってFirst extracellular loopよりも短い。
疎水性残基を3つ有し、密着結合における細胞間の連結に関与します。
β-sheet構造を取ります。
(5)Intracellular loop(Between TM2 and TM3)(ICL)
細胞外ドメインよりも短く、6-15アミノ酸数しかありません。
ICLはCターミナルと同様にPDZ結合ドメインを持つため
Scaffold protein(足場タンパク質)である
ZO-1, ZO-2, ZO-3 (Zonula Occludens proteins)。
これらを代表的なたんぱく質として引き付けます。
こうしたタンパク質は密着接合形成の為の受容体の多量体化、
クラスタリングや細胞骨格の網目構造の形成に関わります。
ICLはクラウディンのバリア機能の制御も行います。
おそらくICLはインテグリンのように2つのTM2,TM3の位置関係、
傾斜などを変える事によって結合に関わる細胞外ループの
3次元構造を変える可能性があります。
細胞膜は流動的なので、このような可塑性があります。
但し、こうした機序は推測で、はっきりとはわかっていません。
(6)C terminal domain
C末端は非確定長く21-63アミノ酸数を取ります。
上述したようにPDZ結合度面を持つため
Scaffold protein(足場タンパク質)である
ZO-1, ZO-2, ZO-3 (Zonula Occludens proteins)。
これらを代表的なたんぱく質として引き付けます。
これらによる機能を細胞内ループ構造と協働的に行います。
クラウディンはクラウディン同士が結合して
螺旋状の構造体を細胞間に形成し、空間的な制限に加えて
電気的な制限でバリア機能に貢献します。
(参考文献(6) Figure 1)
--
クラウディンの23のサブタイプの発現細胞を示します。
Claudin-1:
発現細胞種: 皮膚角化細胞、腸上皮細胞、肺上皮細胞、乳腺上皮細胞
Claudin-2:
発現細胞種: 腸上皮細胞、腎臓近位尿細管細胞、肝臓の胆管細胞
Claudin-3:
発現細胞種: 肝細胞、腸上皮細胞、肺上皮細胞、卵巣上皮細胞
Claudin-4:
発現細胞種: 腸上皮細胞、肺上皮細胞、乳腺上皮細胞、膵臓上皮細胞
Claudin-5:
発現細胞種: 血管内皮細胞(特に血液脳関門)、肺上皮細胞、網膜内皮細胞
Claudin-6:
発現細胞種: 胚盤胞、成体の上皮細胞(特に皮膚や肺)
Claudin-7:
発現細胞種: 腸上皮細胞、腎臓上皮細胞、肺上皮細胞、乳腺上皮細胞
Claudin-8:
発現細胞種: 腎臓遠位尿細管細胞、結腸上皮細胞、膵臓上皮細胞
Claudin-9:
発現細胞種: 内耳の有毛細胞、腎臓の集合管細胞
Claudin-10:
発現細胞種: 腎臓上皮細胞、汗腺上皮細胞、肝細胞
Claudin-11:
発現細胞種: 精巣セルトリ細胞、髄鞘形成オリゴデンドロサイト、脳毛細血管内皮細胞
Claudin-12:
発現細胞種: 骨細胞、小腸上皮細胞、肺上皮細胞
Claudin-13:
発現細胞種: 主にげっ歯類に発現し、特に皮膚の角化細胞
Claudin-14:
発現細胞種: 内耳の有毛細胞、腎臓の遠位尿細管細胞
Claudin-15:
発現細胞種: 小腸上皮細胞、腎臓上皮細胞、肺上皮細胞
Claudin-16:
発現細胞種: 腎臓のヘンレループの上皮細胞
Claudin-17:
発現細胞種: 腎臓上皮細胞、肝細胞、肺上皮細胞
Claudin-18:
発現細胞種: 胃上皮細胞、肺上皮細胞、気管支上皮細胞
Claudin-19:
発現細胞種: 腎臓上皮細胞、末梢神経のシュワン細胞
Claudin-20:
発現細胞種: 肺上皮細胞、腸上皮細胞、腎臓上皮細胞
Claudin-21:
発現細胞種: 胚性上皮細胞、腎臓上皮細胞、肺上皮細胞
Claudin-22:
発現細胞種: 胃上皮細胞、腸上皮細胞、肺上皮細胞
Claudin-23:
発現細胞種: 肝細胞、腸上皮細胞、肺上皮細胞
但し、クラウディンの発現は、組織や細胞の種類、発達段階、病態によって変化することがあります。
例えば、Claudin-18はClaudin-18,1とClaudin-18,2があります。
Claudin-18は胃、肺、気管支などで発現されています。
胃以外では呼吸器になりますから、
薬を消化器から投与して、胃に届ければ、
薬物の特異的送達が可能になるかもしれません。
Claudin-18,2は Claudin-18は単一の遺伝子から転写されますが
異なるプロモーターによって
異なる転写開始点を提供することで、異なるmRNA転写産物が生成され、
それぞれのアイソフォームが翻訳されるとあります。
Claudin-18,2は胃がんの新手の標的となっています(3)。
この抗体薬剤であるZolbetuximabは特に日本人の胃がん患者において
非常に高い効果を持つ可能性があります(参考文献(4) Fig.2)。
民族差があるかもしれない事の理由は不明です。
一方
Claudin-18,1は肺上皮細胞に主に発現されています。
但し、Claudin-18,1の肺がんへの影響についての研究は限られています(5)。
-
上皮細胞性のがんはCarcinomaと呼ばれ、
それぞれの組織、臓器での癌は上皮細胞に由来することが一般的です。
クローディンは23のサブタイプがあり、
上皮細胞の密着接合を形成しており、
上皮細胞の癌は胃がんと同じように異所性を失い、
露出しているケースも多いことから、
あるいはプロモーターの違い、選択的スプライシングの違いで
同じサブタイプでも構造が異なる可能性がある事から、
Claudin-18,2のように各臓器に細胞種特異的に届けることができるかもしれません。
様々な癌種の標的としてクローディンは
その性質上、適している可能性があります。
--
クローディンは同じサブタイプのクローディン、
あるいは異なるサブタイプのクローディンと結合できます。
以下は、クローディンの各サブタイプにおいて
クローディン以外のリガンドを挙げます。
Claudin-1
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: 細胞外マトリックスの成分で、Claudin-1と相互作用。
Integrins: インテグリンとの相互作用に関与することがあります。
ウイルス受容体: ヒトパピローマウイルス(HPV)などのウイルス受容体として機能することがあります。
Claudin-2
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: 一部の研究でFibronectinとの相互作用が示されています。
ウイルス受容体: 腸内の一部ウイルスがClaudin-2を利用することがあります。
Claudin-3
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-3がFibronectinと相互作用することがあります。
ウイルス受容体: 一部のウイルス(例: ヒトパピローマウイルス)で受容体として機能することがあります。
Claudin-4
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-4がFibronectinと相互作用することがあります。
ウイルス受容体: ヒトパピローマウイルス(HPV)などのウイルスがClaudin-4を受容体として利用します。
Metastasis-associated 1 (MTA1): がんの転移に関連する分子として、Claudin-4と相互作用することがあります。
Claudin-5
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: 一部の研究でFibronectinとの相互作用が示されています。
ウイルス受容体: 一部のウイルス(例: ヒト免疫不全ウイルス(HIV))がClaudin-5を介して細胞に侵入することがあります。
Claudin-6
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-6がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-7
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-7がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-8
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: 一部の研究でFibronectinとの相互作用が示されています。
Claudin-9
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-9がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-10
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-10がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-11
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-11がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-12
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: 一部の研究でFibronectinとの相互作用が示されています。
Claudin-13
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-13がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-14
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-14がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-15
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-15がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-16
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-16がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-17
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-17がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-18
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-18がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-19
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-19がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-20
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-20がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-21
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-21がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-22
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-22がFibronectinと相互作用することがあります。
Claudin-23
クラウディン以外のリガンド:
Fibronectin: Claudin-23がFibronectinと相互作用することがあります。
従って、クローディンはインテグリンと同じように
細胞外マトリックスとも結合できる細胞接着分子です。
また、一部のクローディンはウィルス(HPV, HIVなど)とも結合します。
--
次にクローディンと結合できるアダプタータンパク質と機能です。
サブタイプごと、あまり変わりはなく共通的です。
ZO-1: タイトジャンクションの形成に関与。
ZO-2: タイトジャンクションの維持に関与。
ZO-3: 細胞骨格に結びつける役割を持つ。
CLIP-170:主に微小管のプラス端に結合し、細胞骨格のダイナミクスや細胞内輸送に関与しています。
MTA1:がんの転移の進行やがん細胞の侵襲性に関連している。
ZO-1,2,3以外のPDZドメインを持つScaffolding proteins(足場タンパク質)があります。
multi-PDZ domain-containing protein-1 (MUPP1) with claudin-1, claudin-8
Pals1-associated TJ protein (PATJ) with claudin-1
これらです。
--
クラウディンの発現を高める転写因子を活性化させるのは
Gタンパク共役受容体が一つとして挙げられます。
その受容体とそれを活性化させる内分泌物質を挙げます。
但し、ほとんどがまだはっきりわかっていません。
1. Claudin-1
転写因子: AP-1
GPCR: P2Y受容体
内因性分泌物質: ATP
2. Claudin-2
転写因子: Cdx2
GPCR: プロスタグランジンE2受容体(EP2)
内因性分泌物質: プロスタグランジンE2
3. Claudin-3
転写因子: HNF-1α
GPCR: カルシトニン受容体
内因性分泌物質: カルシトニン
4. Claudin-4
転写因子: Cdx2
GPCR: エンドセリン受容体
内因性分泌物質: エンドセリン
5. Claudin-5
転写因子: FoxO1
GPCR: エンドセリン受容体(ETA)
内因性分泌物質: エンドセリン
6. Claudin-6
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
7. Claudin-7
転写因子: GATA-4
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
8. Claudin-8
転写因子: HNF-4α
GPCR: プロスタグランジンE2受容体(EP4)
内因性分泌物質: プロスタグランジンE2
9. Claudin-9
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
10. Claudin-10
転写因子: HNF-1β
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
11. Claudin-11
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
12. Claudin-12
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
13. Claudin-13
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
14. Claudin-14
転写因子: AP-1
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
15. Claudin-15
転写因子: HNF-1α
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
16. Claudin-16
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
17. Claudin-17
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
18. Claudin-18
転写因子: TTF-1
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
19. Claudin-19
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
20. Claudin-20
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
21. Claudin-21
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
22. Claudin-22
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
23. Claudin-23
転写因子: Unknown
GPCR: Unknown
内因性分泌物質: Unknown
上述したクローディンのサブタイプの発現細胞からわかるように
腎臓は多くのクローディンサブタイプを持ちます。
腎臓の構造単位であるネフロンの尿細管の長さは
人の場合、50-70cmもあり、大きく分けて
近位尿細管(Proximal Convoluted Tubule, PCT):
ヘンレのループ(Loop of Henle):)
遠位尿細管(Distal Convoluted Tubule, DCT):
集合管(Collecting Ducts)
この順に上流から形成され、
それぞれの内腔から上皮組織を超えて
水: 体液の調節。
イオン: ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、カルシウム(Ca2+)など。
小分子: グルコース、アミノ酸、尿素、クレアチニンなど。
不要物: 老廃物や代謝産物。
これらの成分が適切に調整され、最終的に尿となります。
成分を調整するためには細胞におけるチャンネルも重要ですが、
上皮細胞間にあるフィルター機能、バリア機能の調整も重要になります。
このバリア機能の調整を果たしているのがクローディンであり、
クローディンのサブタイプによって
どういった物質をどれくらい透過させるかが変わってきます。
従って、ネフロン中の尿細管では
非常に精緻な様式でクローディンのサブタイプ構成が
尿細管の位置ごとに発現制御されています。
それの一般的な傾向を現したのが
Luca Meoli(敬称略)らが示すFig.2です(1)。
これを見るとどの組織にも多く見られるクローディンのサブタイプは
Claudin7, Claudin8です。
例えば、低い物質透過性で知られるクローディン1は
腎臓の尿細管ではほとんど発現が見られません
物質の透過を最小限にすることが求められる
腸、肺に主に発現されています。
クローディンの選択はヘテロ結合できるので、
組織形成における細胞選択性というよりも、
その組織に必要な細胞間において
どのような物質をどの程度
透過させる、あるいは咳止める必要があるか?
そうした機能的な事に依存する部分が大きいようです。
実際にクラウディンはサブタイプごと、
体内に存在するイオン(Cl, Na, K, Mg), H2Oの透過率が異なります。
(参考文献(1) Fig.3)
クラウディンの細胞外ドメイン(ループ構造)に存在する
アミノ酸が正電荷に帯電していたら負電荷のイオンを通しやすくなります。
なぜなら、ホッピングしながら伝導していくからです。
従って、腎臓などにおいては各サブタイプのクローディンの発現が
カルシウムやマグネシウムイオンなどの恒常性に関与しています(1)。
一方で、正電荷は反発力が働くため、透過しにくくなります。
細胞間のイオン伝達のためのエネルギー効率は
細胞内を2回イオンチャンネルを通って通過するよりも高いと言われています(1)。
一般的に腎臓の内腔内の水圧は変動しますが
実質内よりも高いので、その絶対的な圧力差や浸透圧によって
細胞間を駆動する力が元々存在します。
こうした水圧は細胞内では
細胞膜によってキャンセルされるので有効に働きません。
また、細胞内は多くの膜があり、それも障壁となります。
ATPなど細胞内のエネルギーを利用した様式で
運動エネルギーを得る必要があり、余計なエネルギーが必要です。
従って、細胞間を通るルートを確保しておいた方が
省エネでフィルター機能を記事する事ができます。
もし、エネルギー効率が悪いと
細胞はエネルギー取得の為の代謝産生物や酸素を多く必要とするため
場合によれば、周辺環境が低酸素状態となってしまいます。
上述した浸透圧は主に水から成る溶液が
細胞に圧力を与えますが、こうした力を検知して
細胞はクローディンのサブタイプのバランスを整える働きがあります(1)。
こうした圧力検知のシステムは
常に血圧が変動する血管の健全性を守るうえで非常に重要です。
内皮細胞上には機械的ストレスに応じてチャンネルを開閉させ
細胞内のイオンバランスを調整するピエゾチャンネルがあります(9)。
これによって内皮細胞の側面にある
カドヘリンやクローディンなどの発現が変わります。
具体的には血圧が上がると、血管は出血を防ぐために
高いバリア機能が必要となります。
この圧力を細胞が検知して、イオンバランスを変える事で
これらの細胞接着分子の発現を高める傾向があります。
ゆえに高血圧に対して体が自然に
防御できるシステムがないわけではありません、
--
腎臓はなぜ、組織を精密に守る必要があるか?
その理由の一つは「フィルター機能」に特化している臓器だからです。
このフィルター機能はほんの数nm程度の距離でコントロールされており、
他の臓器よりも細胞の連結機能の損傷に対して
臓器が持つ機能に与える影響が大きく、繊細だからです。
肺、腸などでも上皮組織の破壊は致命的ですが、
こうした組織は粘膜、細菌叢があるので、多段的に守られています。
逆に、腎臓病はなぜ、治せないのか?
症状が軽い場合は治る事があるとされていますが、
中程度、重篤になると治すことができません。
それは、治療によって組織の回復を促すことができないからです。
ちょっと大げさですが、今の医療では
体内で、人工的に新しい臓器を生み出すことができません。
自然な機序を大きく超えた再生機能を誘導することができないからです。
人を若返らせるようなものだからです。
ここには一つ、大きな壁があると思います。
従って、現実的には腎臓移植になると思います。
その年齢で各臓器がどれくらい再生性を持つか決まっていて
それを歪める事は何らかのリスクを恐らく伴います。
例えば、免疫系の異常、腫瘍形成などが挙げられます。
こうした点も踏まえて、現実的なレベルでの
私が提案する系統的技術における腎臓病への貢献は
特定の物質を腎臓に届けることが可能になりますから、
腎臓の組織にとってストレスがほとんどない理想的な状況を定義して
その環境を実現する事です。
周りの様々な因子が腎臓への負荷を与える状況になっているはずですから、
継続的な医療介入によって、局所的にそういった影響を
劇的に減らす事ができるか?という視点です。
血圧、血糖値を制御するという今の治療に対して
どの様に付加価値を出せるか?考える必要があります。
ここから下の情報はそうした治療への一部のヒントとなります。
--
日本には約13,30万人の慢性腎臓病の患者さんがいます。
(日本腎臓病協会:慢性腎臓病についてより)
これは全人口の10%を超える値です。
しかし、これにはわずかな機能低下のステージ1も含みます。
腎臓は多くの血液を必要とする臓器です。
なぜなら、血液を綺麗に保つ必要があるからです。
一定割合の血液を常に浄化させる必要があります。
腎臓の血液供給量は、心臓の拍出量の約20-25%を占めています。
従って、腎臓の細胞は常に多量の血液によるストレスにさらされています。
血液中には糖がありますが、
この糖が酸化ストレスとなり、細胞にダメージを与えます。
細胞にダメージを与えると線維化したり、
上述したクラウディンの発現に影響を与えます。
従って、血糖値が高いと腎臓病のリスクになる
基本的な要素としては糖による細胞への酸化ストレスです。
血液量が多いため、血液の糖の影響が大きく、
しかも、細胞の組織を緻密に守る必要があるからです。
もう1つは機械的なストレスです。
それが血圧です。血圧が高くなると機械的ストレスがかかり、
細胞間が引っ張られるため、フィルター機能に当たる、
クローディンなどの細胞接着分子がはがされてしまいます。
そうした点から、腎臓を守るための一つの方略は
上皮細胞など細胞、周りの環境(ECM)の弾力性を上げる事です。
物理的に機械ストレスに対して強くなるからです。
(但し、これとは別に酸化ストレスに対して細胞を守る必要があります。)
そのためには以下の要因が挙げられます。
1. 細胞骨格の強化
アクチンフィラメントの調節: アクチンフィラメントの増強や安定化は、細胞の弾力性を高めるのに役立ちます。例えば、アクチン結合タンパク質(例: フィモブリン、ビメンチン)の発現や機能を調節することが有効です。
中間フィラメントの強化: 中間フィラメント(例: ケラチン)の発現や配置を調節することで、細胞の機械的強度と弾力性を改善できます。
2. 細胞間接着の改善
タイトジャンクションの強化: クラウディン、オクルディン、ゾヌリンなどのタイトジャンクションタンパク質の発現を増加させることで、細胞間の結合が強化され、弾力性が向上することがあります。
アドヘレンタンパク質の調節: カドヘリンやインテグリンなどのアドヘレンタンパク質の発現や機能を調整することで、細胞間の結合が強化されます。
3. 細胞外マトリックスの改良
コラーゲンやエラスチンの増加: 細胞外マトリックス(ECM)中のコラーゲンやエラスチンの合成を増やすことで、上皮細胞の弾力性を高めることができます。
マトリックスメタロプロテイナーゼの調整: ECMのリモデリングに関与するマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の調節も、弾力性の改善に役立ちます。
4. 酸化ストレスの管理
抗酸化物質の摂取: 酸化ストレスが細胞の弾力性に悪影響を及ぼすため、抗酸化物質(例: ビタミンC、ビタミンE)を摂取することで、細胞の弾力性を保つことができます。
抗酸化酵素の活性化: スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やカタラーゼなどの抗酸化酵素の活性化も、酸化ストレスから細胞を守る助けになります。
5. 遺伝子およびタンパク質の調節
遺伝子編集技術: CRISPR/Cas9などの遺伝子編集技術を用いて、細胞骨格や細胞間接着に関連する遺伝子の発現を調節することで、弾力性を高めることができます。
プロテオーム解析: 細胞内のタンパク質の発現をプロテオーム解析で評価し、弾力性に関与するタンパク質の調節を行うことも有効です。
6. 環境要因の管理
物理的ストレスの調節: 細胞に過度な物理的ストレスをかけないようにすることで、弾力性を維持しやすくなります。
適切な培養条件: 細胞培養において、適切なpH、温度、栄養素の供給など、最適な培養条件を保つことで細胞の弾力性を維持できます。
--
例えば、抗酸化物質を多く含む果物は
実は腎臓の機能が低下すると果物に多く含まれるカリウムを排出できなくなるため
摂取を控えるように言われることがあります。
一方で、果物などによる抗酸化物質の摂取、そのような食習慣が
腎臓病発症のリスクを下げるかどうかはわかりません。
ただ、野菜、フルーツ、豆、大豆加工品(豆腐、納豆)、ヨーグルト、ナッツは
血圧を下げるために取り入れたい食べ物とされています。
塩分を体外へ排出するミネラルを含むからです。
一般的にはあまり書かれていませんが、
フルーツ、特にイチゴは活性酸素を取り除く能力が高いため、
糖による細胞のダメージを原理的に減らす働きがあります。
あとは、食物繊維が関係します
〇消化吸収を遅らせる事で血糖値の急激な変化を緩和する
だから、朝、血糖値が高程度に下がっている時に
一番にフルーツなど食物繊維を含んでいる食べ物を取る習慣があると
長期的に変わってくるかもしれません。
だから「朝のフルーツは金」です。
また、満腹感が増すので肥満を防止したり、
腸の善玉菌がプレバイオティクスで増える事で免疫機能の健全性が高まります。
免疫細胞は循環器に多く存在するので
それに異常が出ると血管にダメージを与えてしまいます。
フルーツの中でも、バナナやリンゴは
食物繊維も100gで3gほど含むうえに、
りんごの場合は抗酸化能もあるので、
特に毎朝、半分ずつでもヨーグルトと一緒に食べるといいかもしれません。
「皮をむかずに」食べることできます。
その方が有効に栄養摂取できるし、調理の手間も省けます。
後、運動も血管の弾力性を高め、血圧を下げる効果あるので、
軽い運動であれば、おおよそ推奨されます。
どういった運動、食材をどのタイミングで日常的に摂るか?
という事は腎臓を含めた体全体に関わってきます。
(参考文献)
(1)
Luca Meoli & Dorothee Günzel
The role of claudins in homeostasis
Nature Reviews Nephrology volume 19, pages587–603 (2023)
(2)
Sachiko Tsukita 1, Hiroo Tanaka 2, Atsushi Tamura 2
The Claudins: From Tight Junctions to Biological Systems
Trends Biochem Sci. 2019 Feb;44(2):141-152.
(3)
Izuma Nakayama, Changsong Qi, Yang Chen, Yoshiaki Nakamura, Lin Shen & Kohei Shitara
Claudin 18.2 as a novel therapeutic target
Nature Reviews Clinical Oncology volume 21, pages354–369 (2024)
(4)
Manish A. Shah, Kohei Shitara, Jaffer A. Ajani, Yung-Jue Bang, Peter Enzinger, David Ilson, Florian Lordick, Eric Van Cutsem, Javier Gallego Plazas, Jing Huang, Lin Shen, Sang Cheul Oh, Patrapim Sunpaweravong, Hwoei Fen Soo Hoo, Haci Mehmet Turk, Mok Oh, Jung Wook Park, Diarmuid Moran, Pranob Bhattacharya, Ahsan Arozullah & Rui-Hua Xu
Zolbetuximab plus CAPOX in CLDN18.2-positive gastric or gastroesophageal junction adenocarcinoma: the randomized, phase 3 GLOW trial
Nature Medicine volume 29, pages2133–2141 (2023)
(5)
Jiao Luo,1,2,3 Nyam-Osor Chimge,1,2,3 Beiyun Zhou,1,2,3,4 Per Flodby,1,2,3 Alessandra Castaldi,1,2,3 Amy L. Firth,1,2,5 Yixin Liu,1,2,3 Hongjun Wang,1,2,3 Chenchen Yang,4,7 Crystal N. Marconett,4,6,7 Edward D. Crandall,1,2,3,8,10 Ite A. Offringa,4,6,7 Baruch Frenkel,4,6,9,* and Zea Borok
CLDN18.1 attenuates malignancy and related signaling pathways of lung adenocarcinoma in vivo and in vitro
Int J Cancer. 2018 Dec 15; 143(12): 3169–3180.
(6)
Shadi Fuladi 1, Sarah McGuinness 2, Le Shen 3, Christopher R Weber 4, Fatemeh Khalili-Araghi 1
Molecular mechanism of claudin-15 strand flexibility: A computational study
J Gen Physiol. 2022 Dec 5;154(12):e202213116.
(7)
Ellen F. Carney
Energy-efficient transport in the kidney
Nature Reviews Nephrology volume 12, page443 (2016)
(8)
Lei Pei, Glenn Solis, Mien T X Nguyen, Nikhil Kamat, Lynn Magenheimer, Min Zhuo, Jiahua Li, Joshua Curry, Alicia A McDonough, Timothy A Fields, William J Welch, Alan S L Yu
Paracellular epithelial sodium transport maximizes energy efficiency in the kidney
J Clin Invest. 2016 Jul 1;126(7):2509-18.
(9)
Eulashini Chuntharpursat-Bon, Oleksandr V. Povstyan, Melanie J. Ludlow, David J. Carrier, Marjolaine Debant, Jian Shi, Hannah J. Gaunt, Claudia C. Bauer, Alistair Curd, T. Simon Futers, Paul D. Baxter, Michelle Peckham, Stephen P. Muench, Antony Adamson, Neil Humphreys, Sarka Tumova, Robin S. Bon, Richard Cubbon, Laeticia Lichtenstein & David J. Beech
PIEZO1 and PECAM1 interact at cell-cell junctions and partner in endothelial force sensing
Communications Biology volume 6, Article number: 358 (2023)

- Follow Us on Twitter!
- "Join Us on Facebook!
- RSS
Contact