2021年5月18日火曜日

統合失調症の治療

統合失調症のライフリスクは1%(1-3)なので
決して低くない数字です。
一つの生理としては
ドーパミンが過剰になることが挙げられます。
Schizophrenia Working Group of the Psychiatric Genomics Consortium
の遺伝子座の結果によれば、
ドーパミン受容体2(DRD2)に異常がみられるケースがある
多いとされています(4)。
グルタミン酸神経伝達物質に関わるいくつかの遺伝子に
異常があるとされています(4)。

基本的に抗精神薬においては
脳内伝達物質の活性に関わる受容体において
DRD2だけに作用する薬というのはまだ一般的ではなく
セロトニン受容体なども含めた複数の受容体に作用するものが
処方されることがあります。
そうした場合、ドーパミンが抑えられても
同時にセロトニンの受容体も抑えられるため、
抑うつ的な症状が副作用として出る事が考えられます。

そうした場合、
その神経伝達物質の過多、過少を上位で調整する
GABAの働きを強める事が一つの戦略として考えられます。
おそらく統合失調症の治療においては
経験的、対症療法的な治療の中で
薬剤の効き目などを医師が判断していて
その生理機序についての理解は十分ではないと考えられます。

また統合失調症においては
感情障害、発達障害、自閉症などが混在する事も考えられます。
そうした場合、
その患者に合わせた治療が求められますが、
いくつかの候補となる薬を試す中で
問診、診断などを通じて合う薬を探していくアプローチになる
と考えられます。

また長く続けている治療の中で
特定の薬においてはそれを中断することで
吐き気などの軽い神経症状がでることがあります。
そうすると有望な治療が生まれたとしても
そちらに変更する際において障害になります。

これらの神経伝達物質の量は
心の問題だけではなく運動機能にも影響を与えます。
そうすると生活の質を落とす原因にもなります。

冒頭で述べた様に生涯に罹るリスクは1%であり、
精神疾患全体で見るともっと高い数字なので
社会的、医療的、患者
それぞれの視点でコミュニケーションを取りながら
よりよい医療を考えていく必要があります。

(Reference)
(1)
Saha, S., Chant, D. & McGrath, J. 
A systematic review of mortality in schizophrenia:is the differential mortality gap worsening over time? 
Arch. Gen. Psychiatry 64,1123–1131 (2007).
(2)
World Health Organization. The Global Burden of Disease: 2004 Update (WHOPress, 2008).
(3)
Knapp, M., Mangalore, R. & Simon, J. 
The global costs of schizophrenia. 
Schizophr.Bull. 30, 279–293 (2004).
(4)
Schizophrenia Working Group of the Psychiatric Genomics Consortium
Biological insights from 108 schizophrenia-associated genetic loci
Nature volume 511, pages421–427 (2014)


0 コメント:

コメントを投稿

 
;