新型コロナウィルスはインフルエンザと同様に
呼吸器系に働きかける感染症なので
罹患して中等症、重症になると肺炎を起こすケースが多いです。
言い換えれば、
身体の組織、臓器の中で
新型コロナウィルスは肺への向性が高いと言えます。
侵入ルートが鼻咽頭なので自然な流れではあります。
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感染症以外のケースで肺炎に罹ることもあります。
疫学調査ではアメリカは呼吸系ウィルスの肺炎は
全体の22%となっています。ヨーロッパでは7%です。
(Ref.(1) Fig.1)
しかし、新型コロナウィルスを統計に加えて
2020年のケースで見るとこの結果は大きく異なると考えられます。
ただ、今までも肺炎は広く
人々を苦しめてきた疾患ではあるということです。
その過去のリスク因子を見ると
5歳以下の子供、70歳以上の大人が高いとされています(2)。
新型コロナウィルスで高齢者のリスクが高いことは
既に明らかにされていますが、
子供に関しては少なくともリスクは高くありません。
しかし、新型コロナウィルスが変異して
特徴を変えた時には肺炎への影響について
5歳以下の子供に対して注意が必要です。
つまり、そういった事にも備えて
早期のワクチン接種を実現する必要性が
リスクとベネフィット中で肺炎を考慮すると生まれてきます。
他のリスク因子として
ライフスタイルの要因では
・喫煙・過剰なアルコール摂取・口腔の衛生状態が悪い
・子供と頻繁に接する
これらが肺炎のリスクと関係があります。
しかし、これは新型コロナウィルスのケースではなく
一般的な肺炎に対するリスク因子です。
(Ref.(1) Table 1)
あまり知られてないことして
口腔の衛生状態があります。
歯科医師が進めるのは「無糖のガムを噛むこと」です。
そして、「食事の回数をあまり増やさない」
ということがあります。
つまり間食をできるだけ避けるということです。
子供と頻繁に接する職業、
例えば、保育士などの人は
ひょっとしたら肺炎のリスクが高いかもしれない
という事は頭に置いておく必要があります。
しかし、新型コロナウィルスで当てはまるかという
疫学データは現時点では私は知りません。
ー
肺には細菌叢が上皮に存在するといわれています。
おおよそ100種類の分類群がいるとされています(3)84。
Prevotella,
Streptococcus,
Veillonella,
Fusobacterium
Haemophilus
これらが優勢です(3)。
しかし、肺炎に罹ると肺の細菌叢のバランスが崩れる
とされています(3,4)。
従って、新型コロナウィルス感染で
肺の細菌叢のバランスが崩れるかどうか?
これについては調査の価値があると考えられます。
今のところこれについては
研究が十分ではありませんが、
細菌叢が因果関係の問題はありますが、
少なくとも結果的に乱れている事が肺炎の進行と
関係がある可能性が考えられるということです(5)。
実際に喫煙、アルコール摂取、口腔の状態などに
よって肺の細菌叢の状態は変わるか?
あるいは年齢によって変わっていくか?
5歳以下や70歳以上など肺炎のリスクの高い年齢層の
肺の細菌叢の状態は他の年齢と比べてどうか?
こういった視点もあります。
(Reference)
(1)
Antoni Torres, Catia Cilloniz, Michael S. Niederman, Rosario Menéndez, James D. Chalmers, Richard G. Wunderink & Tom van der Poll
Pneumonia
Nature Reviews Disease Primers volume 7, Article number: 25 (2021)
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Author information
Affiliations
Department of Pneumology, Hospital Clinic of Barcelona, Barcelona, Spain
Antoni Torres & Catia Cilloniz
August Pi i Sunyer Biomedical Research Institute (IDIBAPS), Barcelona, Spain
Antoni Torres & Catia Cilloniz
University of Barcelona, Barcelona, Spain
Antoni Torres & Catia Cilloniz
Biomedical Research Networking Centers in Respiratory Diseases (CIBERES and CIBERESUCICOVID study), Barcelona, Spain
Antoni Torres & Catia Cilloniz
Division of Pulmonary and Critical Care, New York Presbyterian/Weill Cornell Medical Center, New York City, NY, USA
Michael S. Niederman
Department of Pneumology, Hospital Universitario y Politécnico La Fe, Valencia, Spain
Rosario Menéndez
Scottish Centre for Respiratory Research, University of Dundee, Ninewells Hospital and Medical School, Dundee, UK
James D. Chalmers
Division of Pulmonary and Critical Care, Department of Medicine, Northwestern University Feinberg School of Medicine, Chicago, IL, USA
Richard G. Wunderink
Center of Experimental and Molecular Medicine, Division of Infectious Diseases, Amsterdam University Medical Centers, Location Academic Medical Center, University of Amsterdam, Amsterdam, Netherlands
Tom van der Poll
ー
(2)
GBD 2019 Diseases and Injuries Collaborators.
Global burden of 369 diseases and injuries in 204 countries and territories, 1990-2019: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2019.
Lancet 396, 1204–1222 (2020).
(3)
Dickson, R. P., Erb-Downward, J. R. & Huffnagle, G. B.
Towards an ecology of the lung: new conceptual models of pulmonary microbiology and pneumonia pathogenesis.
Lancet Respir. Med. 2, 238–246 (2014).
(4)
Pettigrew, M. M., Tanner, W. & Harris, A. D.
The lung microbiome and pneumonia.
J. Infect. Dis.
https://doi.org/10.1093/infdis/jiaa702 (2020).
(5)
Saroj Khatiwada, and Astha Subedic
Lung microbiome and coronavirus disease 2019 (COVID-19): Possible link and implications
Hum Microb J. 2020 Aug; 17: 100073.

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