新型コロナウィルスのワクチン接種は
歴史上、最大のワクチンプログラムで
少なくとも50億人くらいは接種する事になると思います。
そうすると2回接種を原則とすると
100億本必要で、仮に120億本だとすると
年中、ワクチンの供給を続けたとしても
1か月10億本のワクチンを世界に届ける必要があります。
1年に1回の接種を原則とすると
しばらくは常に10億本のワクチンを生産しつづけなくてはいけません。
ワクチンの生産能力は追加承認されれば
上がってくると思われますが、
感染する人が少なくなればフェーズⅢの治験が難しくなるため
供給できるメーカーもある程度は頭打ちになると思います。
設備を増強するにあたっては
メーカーは投資する必要があるため
その投資を回収する必要があります。
新型コロナウィルスが収まり、ワクチン余りの状況も
想定すると投資のリスクは伴います。
従って、そのリスクを軽減するには
〇生産設備の投資を補助、共同出資により分散させる
〇他の感染症ワクチンと共通に使えるような仕様にする
といったことが考えられます。
ー
基本的に黄熱病、デング熱、マラリア、ジカ熱、
エボラ出血熱、コレラなどの感染症は
赤道付近の低中所得の国に集中しています。
これらの地域は経済発展の余地がありますし、
実際にアフリカへの投資が進んでいますから
今後、人や物の移動が活性化されると考えられます。
そうした場合、感染症が広がるリスクもあります。
エボラ出血熱の遺伝子系統樹が
Ref.(2)Fig.2に示されていますし、
マラリアでもそれは同様です(Ref.(3)Fig.2)。
国際的な移動(1)の中でどのような環境適応を示すか
分からない中で先進国も感染症への脅威は
グローバル経済の中で高まっています。
ー
新型コロナウィルスでも同様ですが、
今後生じる可能性がある感染症においては
低中所得の国も含めて世界的にどうやったら
早く規模拡大を抑えられるかにかかっています。
早ければ早いほどよく
そのためにはワクチン開発、治験、承認、製造、接種の
迅速な手続きが必要です(1)。
そのための資金をどうするか?
これについては具体的に考える必要が少なくともあります。
新型コロナウィルスに関しても
仮に高所得の国がワクチンにより免疫を獲得しても
そうではない地域で感染が拡大していれば、
変異なども考えると再度、脅威にさらされることはあります。
従って、感染症は地球全体で考える必要性があります。
ー
違う感染症に対してどれくらい設備を共通化できるか?
という事に関しては私は未知ですが、
世界の地理的にバランスよく
ワクチン製造の拠点を作っておいて
有事の時にはそこでワクチンを作れるようにしておくことが
大切になると思います。
今回新型コロナウィルスでかなり設備が入れられていますから
今後、その設備をどう将来の感染症に有効活用できるか?
そういった視点も必要になります。
(Reference)
(1)
Jean-Louis Excler, Melanie Saville, Seth Berkley & Jerome H. Kim
Vaccine development for emerging infectious diseases
Nature Medicine (2021)
ー
Author information
Affiliations
International Vaccine Institute, Seoul, Republic of Korea
Jean-Louis Excler & Jerome H. Kim
Coalition for Epidemic Preparedness Innovations (CEPI), London, UK
Melanie Saville
Gavi, the Vaccine Alliance, Geneva, Switzerland
Seth Berkley
ー
(2)
Eddy Kinganda-Lusamaki, Allison Black, Daniel B. Mukadi, James Hadfield, Placide Mbala-Kingebeni, Catherine B. Pratt, Amuri Aziza, Moussa M. Diagne, Bailey White, Nella Bisento, Bibiche Nsunda, Marceline Akonga, Martin Faye, Ousmane Faye, Francois Edidi-Atani, Meris Matondo-Kuamfumu, Fabrice Mambu-Mbika, Junior Bulabula, Nicholas Di Paola, Matthias G. Pauthner, Kristian G. Andersen, Gustavo Palacios, Eric Delaporte, Amadou Alpha Sall, Martine Peeters, Michael R. Wiley, Steve Ahuka-Mundeke, Trevor Bedford & Jean-Jacques Muyembe Tamfum
Integration of genomic sequencing into the response to the Ebola virus outbreak in Nord Kivu, Democratic Republic of the Congo
Nature Medicine (2021)
ー
(3)
Daniel E. Neafsey, Aimee R. Taylor & Bronwyn L. MacInnis
Advances and opportunities in malaria population genomics
Nature Reviews Genetics (2021)
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