2021年4月26日月曜日

ナノボディー同時結合の可能性

進化の自然選択の法則を考えると、
世界中の新型コロナウィルス株が多い限り、
そこには変異が必ずあり、
その中で有効に数を増やすことができる系統が勢力を増します。
従って、有効なワクチンや薬剤が生まれたとしても
一方向的にウィルスを減らすことはできず、
ウィルスが抵抗性を持ち、増える要因も同様に存在します。
そのせめぎあいの中で
社会として長期的に向き合っていく必要があります。
その様な中で変異に強いワクチンや薬剤が求められます。
そうすればウィルス減少のベクトルは強まると考えられます。

アルパカなどの免疫機能として生成される
ナノボディーというのがあります。
Fcドメインを持たないコンパクトな構造で
アルパカに感染させたときに
新型コロナウィルスRBDドメイン特異的な構造を持つ
ナノボディーが生成されます。
ナノボディーはコンパクトなので
違ったドメインを持つタイプのものを組み合わせれば
同時に結合させる事も可能です。
例えば、Ref.(1)Figure.1cのV、Eタイプの構造があります。
これらを組み合わせることで
数十倍、結合親和性が上がったという報告もあります(2)。
またFigure.1cからわかるように
今、世の中に蔓延している501、484というたんぱく質の部位と
離れたナノボディーVも作用しているため、
このような増殖能力が高い、あるいは免疫逃避を示す
変異に強いことが考えられます。

さらにFcドメインを持たない事から
免疫機能を惹起する程度も下がります。
しかし、一方で体内の寿命が短いという特徴もあります。

これらのナノボディーは
エアロゾル中に含まれ、吸入によって直接的に
肺に送り込まれる方式も有望であると考えられています(1)。

もしこれらのナノボディーV、Eが構造的に
糸のような形でつながっていれば、
Vが結合した時に、EがSタンパク質から近い位置で
糸に繋がれた形で漂うことができます。
それによってRBDとの接触時間、回数を増やし
変異が生じても結合しやすいという事は考えられます。
これは原子触媒のモデルを元に考えています。
触媒では緩く反応分子を引き付ける事で
反応性を高めるという機序があるからです。
このような発展の余地があります。

(Reference)
(1)
Ram Sasisekharan, Ph.D.
Preparing for the Future — Nanobodies for Covid-19?
The New England Journal of Medicine 2021; 384:1568-1571
ー 
Author Affiliations
From the Koch Institute for Integrative Cancer Research, Department of Biological Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge.

(2)
Soundararajan V, Zheng S, Patel N, et al. 
Networks link antigenic and receptor-binding sites of influenza hemagglutinin: mechanistic insight into fitter strain propagation. 
Sci Rep 2011; 1: 200.


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