いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
新型コロナウィルスで一番怖い症状は、
肺の障害で酸素がうまく取り込めなくなることです。
酸素が取り込めなければ、
全身に必要なそれを送り込むことができませんから
人工呼吸装置や
場合によってはECMOが必要になります。
ECMOを新型コロナウィルスの治療に使うためには
私が知る限り特別な訓練が必要で、
1人の患者さんに対して複数人、10人程度の
医療従事者の方が必要で人材の確保が大変です。
従って、装置の制約よりも人のそれの方が
大きいと理解しています。
従って、そのような重症にならないように
ワクチンや薬を開発、普及が強く望まれます。
重症患者が増えれば、医療崩壊が一気に進みます。
その重症化のリスクは、代謝機能とも関係があると言われています。
生活習慣病で代謝異常による疾患である、
2型糖尿病や高血圧は新型コロナウィルスの病気のリスクを
あげると世界的にいわれています。
新型コロナウィルスは血栓ができやすく、
血管の炎症を促す作用もあると報告されているので
もともと血管の機能になんらかの障害があると
リスクが高まることは考えられます。
またもともと上述した病気は、
免疫機能にも影響があると考えられているため
新型コロナウィルスの重症化との関連が示唆されています。
また、新型コロナウィルス罹患を通じて
複数の臓器のダメージも考えられます。
実際にオルガノイド(人工臓器)ですが
腸の細胞でも新型コロナウィルスの増殖が確認される
という研究もあります。
トイレに新型コロナウィルスが多いということは
日本でも頻繁にメディアを通して伝えられており、
便から検出されることも推定されます。
便から出るということは
腸の細胞にも新型コロナウィルスが感染していても
不思議ではありません。
それは、腸だけではなく、
他の臓器でも血管やリンパ(?)を通して
感染することは考えられることです。
その中で
心筋炎などの心臓機能障害、急性腎障害(腎臓)、
認知症や脳卒中(脳)、非アルコール性脂肪肝(肝臓)など
様々な病気と負の連鎖を起こす可能性が示唆されています。
例えば、
これらが血管を通じてのウィルスの拡散
あるいはサイトカインストームによる血管の炎症と
関連しているならば、
少なくとも後者に関しては、
過去に血管系の治療に使われた薬などを
補助的に使えないかなどの検討が必要かもしれません。
また日本で流行が見られなかった
2003~2004年のSARSでは後遺症として
高脂血症、心血管異常、高インスリン症など
血管系の疾患との関連性も指摘されています。
もちろんその後の生活習慣にも関連する事なので
それを無視して議論することはできませんが、
特に重度の症状が出た場合には
少なくとも回復後も定期健診を受けるなど
モニターをしていく必要はあると思います。
また同時に長期的な心のケアなども必要だと思います。
また、
ソーシャルディスタンスや在宅ワークなどが増えると
運動する機会が減ります。
万歩計を付ければ定量化できると思いますが、
社会的な活動が減ることによって
生活習慣病のリスクが上がっていきます。
従って、
意識的に公園を歩いたり、
スーパーまで自転車や車で行くところを
徒歩にしてみたり、
あるいは、運動経験のある人は適度な運動を
少しずつ始めてみたりすることが大切になると思います。
しかしこれからの季節、熱中症のリスクもあるので
比較的温度の低い午前中の早い時間にする
あるいは、運動の程度を落とす、
その代わりに頻度をあげるなど工夫が必要だと思います。
空調が効いているジムなどを
積極的に利用してもいいと思います。
また、ソーシャルディスタンスによって
孤独感を得る事も多いですが、
インターネットや電話などを効果的に使って、
日常的に誰かと話をする時間を少しでも設けるなど
必要だと思います。
これら運動とストレス解消という点では
歌を歌ったり、ダンスをするなど
楽しいことと両立できる運動を家でする
というのも賢明な過ごし方と言えそうです。
最近ではこういったプログラムの運動を
ジムのインストラクターの方と
ズームでつないで一緒にするという活動もあるようです。
離れてはいますが一緒に汗を流して
運動が終わった後は、達成感を
何か飲み物をとりながら共有しているといいます。
一方で代謝的な治療戦略も考えられます。
インフルエンザの例ですが、
ウィルスの複製の時にはエネルギーの交換が必要になります。
その際に糖の分解やグルタミン分解が
亢進されるという報告が小児の患者さんの例で確認されています。
新型コロナウィルスでも
同じようにRNAウィルスが細胞内で増殖するときに
どのような代謝機序があるか?を理解することは
代謝的なアプローチで薬剤によって治療できる事に
繋がると思います。
また新型コロナウィルスではⅠ型インターフェロンが
多く出ないことが報告されています。
それが自然免役など免疫系のバランスを崩す
原因になっている可能性が示唆されています。
NHK総合テレビ(さん)のNHKスペシャルで
タモリさんと山中伸弥先生が司会、解説されている
"人体VSウィルス”驚異の免疫ネットワーク
での放送の中で
東京大学医科学研究所佐藤佳准教授が
コロナウィルスが持つ定の遺伝子ORF3bが
インターフェロンと拮抗作用を持つので(2)
それが原因ではないか?
と言われていました。
どれくらいの量の変化があるかにもちろんよるのですが、
例えば、代謝的なアプローチで、
空腹のとき、つまり低血糖状態では
Ⅰ型インターフェロンが多く出るということが言われています。
極端な低血糖はもちろん危険ですが、
あまり満腹になるほど食べないということは、
特にリスクがある人は重要かもしれません。
あるいは血糖値を急上昇させないように
GI値の低いものから食べるということは、
日常生活でも重要ですが、血糖値との関連を考慮すると
より大切になってくる習慣の可能性があります。
以上です。
(参考文献)
(1)
Janelle S. Ayres
A metabolic handbook for the COVID-19 pandemic
Nature Metabolism (2020)
doi.org/10.1038/s42255-020-0237-2
(2)
Yoriyuki Konno, Izumi Kimura, Keiya Uriu, Masaya Fukushi, Takashi Irie, Yoshio Koyanagi, So Nakagawa, Kei Sato
SARS-CoV-2 ORF3b is a potent interferon antagonist whose activity is further increased by a naturally occurring elongation variant
bioRxiv
doi.org/10.1101/2020.05.11.088179
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