いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
昨日、広島でも4人の
新型コロナウィルス感染者が発表され
そのうちの3人は家族内による感染でした。
男性が東京に出張した後に
発熱の症状を訴えて受診し検査したところ
陽性であると判明したので
接触歴のある家族を同様にPCR検査したところ
陽性であると確認されました。
このように非常に感染力の強い
新型コロナウィルスですが、
なぜ感染力がこれほどまで強いのか
はっきりしたことはわかっていないと認識しています。
いくつか仮説があって
その一つは、
新型コロナウィルスのSタンパク質(スパイク)
とACE2エントリー受容体の結合力が高いことが
挙げられています。
それによってエンドサイトーシス(?)によって
細胞内にウィルスが入り、細胞が感染します。
中国からの報告によれば
そのSタンパク質はACE2エントリー受容体に合うように
「柔軟に」構造を変えられる能力があり
それが感染力の高さに貢献しているかもしれない
というものがあります。
従って、新型コロナウィルスのSタンパク質の
構造の特徴を調べることは非常に重要です。
本日紹介する報告では、
新型コロナウィルスに構造が非常に類似する
コウモリのウィルスであるRaTG13と
人の新型コロナウィルスの構造を比較した時に
人の新型コロナウィルスと
人のACE2エントリー受容体の結合力は
RaTG13に比べて約1000倍強いかもしれないと言われています。
その理由は
遺伝子Furinたんぱく質からなる酵素が働く
Sタンパク質内にある特定の結合面においての
へき開(結合がきれること)が
構造としての「(熱的な)不安定性」を生み、
それが結合力が上がることに関与しているかもしれない
ということです。
つまり、柔軟に構造を変えられるとは、
この特定のタンパク質部位における結晶面の切断によって
構造が(熱的に?)不安定であることを意味するかもしれない
と理解しています。
具体的には結合に関与するタンパク質の単位である
アミノ酸を含めた面が動くことを意味します。
またコウモリのウィルスであるRaTG13
のSタンパク質の構造的な類似性によって
コウモリが新型コロナウィルスの中間宿主になっているか
どうかの議論がされています。
この構造解析の比較から、
RaTG13と人のACE2エントリー受容体の結合親和性は
高くない(約1/1000)と考えられており、
直接的に関与しているかどうかは疑問符が打たれています。
このFurinという酵素に関して
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HIV、インフルエンザ およびデング熱ウイルスのような
同じRNAウィルスにおいて
ウイルスのエンベロープタンパク質が十分機能するために
フーリンかフーリン様タンパク質分解酵素に切断される必要がある。
(Wikipediaより)
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とされています。
従って、今までのウィルスでも同じような機序が
確認されているようです。
仮にこの酵素の働きを弱めるようなことが
薬剤、あるいはワクチンによって副作用なくできれば、
感染力低下を促し、
新型コロナウィルスの予防、治療に役立つ可能性があります。
例えば、
結合のへき開に働く酵素の働きを弱めることもそうですが、
タンパク質がへき開されてオープンになるまえに
何からの物質を付けて安定性を高めるということも考えられます。
またこれは、
他のウィルスの治療にも貢献する可能性があります。
すでにその阻害効果がある物質については
研究レベルではいくつかあるようです。
以上です。
(参考文献)
Antoni G. Wrobel, Donald J. Benton, Pengqi Xu, Chloë Roustan, Stephen R. Martin, Peter B. Rosenthal, John J. Skehel & Steven J. Gamblin
SARS-CoV-2 and bat RaTG13 spike glycoprotein structures inform on virus evolution and furin-cleavage effects
Nature Structural & Molecular Biology (2020)
doi.org/10.1038/s41594-020-0468-7
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