2020年7月30日木曜日

COVID-19:好中球、活性酸素増加による影響

いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。

血管、肺に代表される臓器などに
ダメージを受けた患者さんの血液を分析すると
多くの場合、炎症性サイトカインや
炎症と関連がある好中球が増加しています。
この好中球は少なすぎても、多すぎてもよくなく
適度な量に制御されている必要がある
と理解していますが、
新型コロナウィルスで症状を示した人は
それが通常よりも多くなっていうケースがある
と報告されています。
好中球は自然免疫に関わる白血球の一種なので
それが異常に増えている事は、
免疫機能の乱れを少なくとも一部は意味していると思います。
同じようによく聞かれる
サイトカインストームという現象も
免疫機能の不全を意味すると理解しています。
医療の現場の方は治療として、
ステロイドを使うといっていましたが、
このステロイドは免疫機能を調整する役割がある
と理解しているので、
このような好中球や炎症性サイトカインの量が
調整されることが期待できます。

この好中球が多くなると付随的に(?)
体内の活性酸素の量の増加が引き起こされ、
その活性酸素が異常に増える事で
組織のダメージ、血栓、赤血球の不全を起こす
といわれています。
特に活性酸素は
赤血球の不全と関連性が高いと言われています。

組織のダメージは
肺をはじめ臓器の炎症などに関わり、
血栓ができると血液が体の隅々まで
循環せずに壊死を起こす原因なると理解しています。
赤血球は肺で取り込んだ酸素を
体全体にいきわたらせる役割をするので
それが不全を起こすと
各組織の酸欠を引き起こす可能性が考えられます。
実際に肺の解剖結果では、
好中球が肺組織の中に入っていることが
確認されています。
体には元々活性酸素を取り除く抗酸化作用が備わっていますが、
新型コロナウィルスはその機能を抑制する
働きを持っていると考えられています。
従って、
好中球が活性酸素を誘発することと
それを防ぐ役割をウィルスが抑制することが
2重に活性酸素亢進に影響を与えている可能性を考えました。
例えば、抗酸化作用を示すと考えられている
NRF2、SOD3が減少していることが
患者さんで確認されています。
例えば、NRF2、SOD3に作用する薬剤があれば、
治療の候補として検討できる可能性があります。

例えば、子どもが重症化しにくいといわれています。
その理由は明らかではないですが、
それを紐解くヒントがあります。
子供の好中球は反応性、付随性が低いので
酸化還元バランスが崩れにくいと言われています。
従って、好中球の増減にたいする
活性酸素の感受性が低いことを意味します。
それが重症化しにくい原因の一つではないか
と推測されています。

従って、
もちろん上流側で免疫機能をコントロールすることは
大事ですが、
その下流のプロセスで起こっているかもしれない
活性酸素のバランスを保つことも、
治療の戦略として考えられます。

OS-APtest(血液検査)という活性酸素量を測る
ものがあります。
横浜市立大学の山中竹春教授が
回復者専用抗体検査PROJECTを立ち上げて
日本で大規模な調査を行いますが、
血液を採取した際に抗体以外に、
赤血球、白血球もそうですが、
活性酸素の量も測る事ができるので
評価する指標の一つとして
検討していただけたらと考えます。

新型コロナウィルスは
全身の倦怠感、臓器の不全、関節痛など
の症状を引き起こすといわれています。
関連する理由の一つとして
赤血球や白血球など
血液に作用する要素が強いからかもしれません。
血液は毛細血管も含めると体中を循環しており、
その成分に不全が起きると
その影響は全身に及びます。
後遺症に悩まされるケースもありますが、
発症後も含めて治療としてできることは
まずは血液採取をして
そのデータを分析することにあるのではないか
と思います。
そのデータから適切な治療につながる
可能性を考えました。

(参考文献)
Mireille Laforge, Carole Elbim, Corinne Frère, Miryana Hémadi, Charbel Massaad, Philippe Nuss, Jean-Jacques Benoliel & Chrystel Becker 
Tissue damage from neutrophil-induced oxidative stress in COVID-19
Nature Reviews Immunology (2020)
doi.org/10.1038/s41577-020-0407-1

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