いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
今、世界でワクチン開発が鋭意進められており、
段階的に実用化されてくると思われます。
しかし、まだ一定の時間はかかる
という見方もあります。
そのワクチン。
基本的には体の免疫機能の機序を利用するものです。
一つのタイプは、
液性免疫のメカニズムで、
B細胞がから放出される抗体を
体外、あるいは体内で外因的に制御して
作成できるようにします。
それによって「免疫がつく」と理解しています。
大阪で今、治験が開始されているのは
その抗体の設計図であるDNAを体内に入れて
それに従って体内で抗体をつくるという仕組みである
と理解しています。
しかし、
獲得免疫に関して、
私自身、理解が曖昧な部分がありました。
実際に新型コロナウィルスに罹患した後に、
免疫がつくとは、
Sタンパク質を中和させる
抗体「そのもの」が体内に残るのか?
あるいは
それをすばやく作製できるように、
メモリーB細胞ができるのか?
あるいは、その両方か?
ということです。
参考文献では、両方が残るといわれています。
さらにそれに加えて残る物質として、
濾胞性BヘルパーT細胞と呼ばれる
抗原経験CD4+T細胞が残るといわれています。
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オーストラリア大人:41人
PCR陽性後:32日
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このCD4+T細胞は
ヘルパーT細胞と呼ばれ、
T細胞サイトカインを放出することによって
他の免疫細胞の活性を助ける役目をする
と考えられています。
従って、抗原経験ということですから
新型コロナウィルスに特異的に働く
ヘルパーT細胞で
ウィルスが浸入した時に
他の免疫細胞を迅速に助けるということだと考えました。
実際に抗原特異性を持つメモリーB細胞を機能を助ける
と言われています。
このB細胞への働きかけは
CCR6というケモカインが関わっている可能性が示唆されます。
この抗原経験CD4+T細胞は
普及しているインフルエンザワクチンで
高い反応性を示しているようです。
他の慢性感染でも同様です。
しかし、新型コロナウィルスで反応性の高い
表現型と異なるといわれています。
抗原経験CD4+T細胞は
ACE2エントリー受容体、Sタンパク質(スパイク)
ともにPCR陰性の患者さんよりも多く検出されましたが
高い反応性を示したのは
コロナウィルスのSタンパク質(スパイク)でした。
しかしながら、
Sタンパク質と結合する受容体面と
T細胞とB細胞の反応性が
Sタンパク質の反応性比べて低いことが懸念されています。
ワクチンを開発するときの
中和抗体の機能をあげるためには、
抗体の認識の精度を上げることと、
Sタンパク質と結合する受容体面をブロックすることが
求められると言われています。
この点に関して理解が不明瞭な部分がありますが(?)
Sタンパク質に対する免疫細胞の反応性が高いので
ウィルス側においては
免疫機能を発揮することができるけど、
感染する細胞側では
エントリー受容体に対する反応性が低いために
うまく抗体によってブロックできない
ということでしょうか?
この報告を読んで気になったのが
新型コロナウィルスのスパイクや
あるいはACE2受容体の結合面に整合する
抗体が作られたとしても、
うまく免疫機能が働くか?ということです。
獲得免疫には
この抗体のほかに、
メモリーB細胞、
あるいはメモリーヘルパーT細胞
(抗原認識ヘルパーT細胞)
が関与していることが考えられます。
抗体を単独で入れたときに
「付随的に」これらの2つの細胞が活性化されるか?
が気になります。
そう考えると
ワクチンの評価において
摂取後、獲得免疫の少なくとも上の3要素が
実際に罹患した後の状態とうまく整合するか?
ということを確認するのが重要ではないか?
と考えました。
例えば、
ワクチンの効果がでないという理由が
抗体はあるけど、メモリーB、T細胞が
上手く活性化されていない
あるいは表現型が違うからということも
可能性としては挙げられます。
以上です。
(参考文献)
Jennifer A. Juno, Hyon-Xhi Tan, Wen Shi Lee, Arnold Reynaldi, Hannah G. Kelly, Kathleen Wragg, Robyn Esterbauer, Helen E. Kent, C. Jane Batten, Francesca L. Mordant, Nicholas A. Gherardin, Phillip Pymm, Melanie H. Dietrich, Nichollas E. Scott, Wai-Hong Tham, Dale I. Godfrey, Kanta Subbarao, Miles P. Davenport, Stephen J. Kent & Adam K. Wheatley
Humoral and circulating follicular helper T cell responses in recovered patients with COVID-19
Nature Medicine (2020)
doi.org/10.1038/s41591-020-0995-0
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