いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます。
インフルエンザはなぜ
新型コロナウィルスのように脅威にならないか?
というのは、
いくつかの理由がありますが、
1つは予防接種(ワクチン)ができること。
もう一つは、薬がある事です。
ワクチンを接種しても罹患する人がいるし
一定割合の人は予防接種を受けないから
高熱が出る人もいます。
その時にしっかり効く薬があります。
そのようにワクチンもあり、特効薬もあるから
社会の中でウィルスとうまく付き合っていくことができます。
それは、新型コロナウィルスでも同じです。
今世界のワクチン開発において
少なくとも数百くらいのプロジェクトは
同時進行していると思われます。
有効なワクチンが開発されれば、
予防したり、軽症化できることが期待できます。
しかし、一方で特効薬の開発も必須です。
ワクチンを打っても
罹患することが考えられるので
その時に有効に効く薬がある事が求められます。
ウィルスというのは
体内に入っていろんな複雑なプロセスを経て
増殖します。
例えば、新型コロナウィルスでは
・ウィルスのタンパク質がエントリー受容体に結合する
・エンドサイトーシスによって細胞内に包み込まれるように
浸入する。
・ウィルスのエンベロープが外れてRNAがむき出しになる
・細胞内にあるたんぱく質と相互作用する(?)
・作用した後、RNAは増殖する
・それぞれのRNAは細胞内小器官によって作られた
脂質など(?)のエンベロープによって包まれる
・細胞の外に放出される
、、、、、
これがもちろん全てではないですが、
私が理解している(仮定を含む)過程を列挙しました。
それぞれのプロセスにはその要因となる
遺伝子、酵素などの働きがあると考えられます。
つまり
それぞれのプロセスに薬剤が関与する機会が
与えられています。
どういうことかというと
例えば、ワクチンなどによる中和抗体は
ウィルスのタンパク質が
エントリー受容体に結合するのを防ぎます。
レムデシビルで期待される効果は、
細胞ないのでRNAが増殖するのを防ぐことです。
従って、
それぞれの過程の生理機序を理解して、
その過程を抑制するように薬剤で働きかけることができたら
ウィルスの増殖を防ぐことができ
特効性を示すことが期待できます。
参考文献では
2003年に流行したSARS-CoV
あるいはMARS-CoV、
今回のSARS-CoV-2など
いずれのコロナウィルスに対しても
LY6Eという遺伝子でコード化された
LY6Eタンパク質が
ウィルスが細胞内に入る過程に関与していて
それを防ぐ役割がある可能性が示唆されるとされています。
具体的には、ウィルスと細胞の被膜の融合を防ぐ
といわれています。
このことからエンドサイトーシスの過程に関わっている
可能性を推測しました。
コロナウィルスのタンパク質に対しては効果があり
他の糖たんぱく質Gに対しては効果が見られませんでした。
このLY6Eは全てのタイプの細胞に広く発現されますが、
特に粘液を放出する上皮にある杯細胞に多く存在する
といわれています。
※
ただしこれは人の体内の結果ではなく
試験管による結果です。
ネズミ科のコロナである肝炎ウィルスでは
LY6Eは免疫系細胞である
B細胞、NK細胞、樹状細胞、マクロファージ、好中球など
を保護したというマウス生体内の結果が出ています。
しかし注意が必要なのは
LY6EはインフルエンザAウィルスなどの
細胞感染を促進すると以前から考えられています。
ウィルスによって効果が違うかもしれない
というのは考慮しておく必要があります。
従って、
人の新型コロナウィルス疫学調査で、
このLY6Eという遺伝子の差が症状とどう関わっているか?
というのは評価指標の一つとなり得るかもしれません。
もちろん色んな要因が関わっているので
その共変性の中で効果が隠れる可能性はありますが、
感染プロセスに関わっているかもしれない
遺伝子なので一考の余地がある結果だと思います。
以上です。
(参考文献)
Stephanie Pfaender, Katrina B. Mar, Eleftherios Michailidis, Annika Kratzel, Ian N. Boys, Philip V’kovski, Wenchun Fan, Jenna N. Kelly, Dagny Hirt, Nadine Ebert, Hanspeter Stalder, Hannah Kleine-Weber, Markus Hoffmann, H. Heinrich Hoffmann, Mohsan Saeed, Ronald Dijkman, Eike Steinmann, Mary Wight-Carter, Matthew B. McDougal, Natasha W. Hanners, Stefan Pöhlmann, Tom Gallagher, Daniel Todt, Gert Zimmer, Charles M. Rice, John W. Schoggins & Volker Thiel
LY6E impairs coronavirus fusion and confers immune control of viral disease
Nature Microbiology (2020)
doi.org/10.1038/s41564-020-0769-y
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