2024年9月30日月曜日

超高解像度を持つ物質分離技術の細胞生物学的価値と普遍的価値

細胞種解像度を持った細胞外小胞分離技術は、
どういう初期的に残念な結果があったとしても
絶対に辞めるべきではありません。
技術が成立した時の付加価値からして
決して、研究開発人材資源が私1人という事はないと思いますが、
私の意気込みとしては、
私は1人でも、一生かけてでも
この技術にこだわって研究開発、
そして産業応用を目標として頑張っていく。
このことがあります。

細胞種解像度を持った細胞外小胞分離技術は
「分ける」という非常に普遍的な機能の改善であるため、
それによって可能になる事は無数にあります。

Filopodium由来の細胞外小胞があります。
このフィロポディアは指先のような細い細胞突起であり、
こうしたフィロポディアは
神経細胞(2)、アストロサイト(3)、癌細胞(4)
これらなどから発現が確認されています。
このフィロポディアは細胞骨格の伸長に伴う
細胞突起なので、原理的には
もっと多様な細胞で生じる可能性があります。

こうしたフィロポディア由来の細胞外小胞は
通常は得られにくい細胞の細胞骨格が内腔に含まれる可能性があるため、
細胞の細胞骨格の構造情報の一部を
このフィロポディア由来の細胞外小胞を輸送媒体として
取得できる可能性があります。
こうした細胞骨格は細胞種ごとに異なる構造を取る可能性があるため
細胞外小胞から放出細胞種を特定する上で
膜タンパク質と並列して重要な物質情報となる可能性があります。
また、フィロポディアの膜情報や
膜タンパク質、あるいは局所細胞質の物質情報がわかる事で
フィロポディアを通じた構造安定性、運動性のメカニズム、
あるいはフィロポディアを通じた細胞間コミュニケーション。
これらの機序がより詳細にわかる可能性があります。
但し、フィロポディア由来の細胞外小胞を
採血などの液体生検で分離精製するためには
非常に高い感度(S/N比)を必要とするかもしれません。

実際にフィロポディアは癌細胞でいえば、
その運動性に関わるわけですから
フィロポディアを「触手」として
細胞外マトリックスなどを動線としながら、
間質、細胞内滲出を通じて、転移する事も考えられます。

こうしたフィロポディアは
神経細胞の連結の「初期過程」に関わります。
また、シナプスの構造安定性に関わります。

細胞外小胞は放出された時点での「即時の刻印、痕跡」ですから
いわば、「時間が止まった」状態での物質が保持されます。
細胞のように状態が変化しないからです。
フィロポディア由来の細胞外小胞は
ひょっとしたら内腔に「細胞骨格があること」で
その存在を識別できる可能性がありますが、
この細胞外小胞の膜、膜タンパク質、内腔は
神経細胞の初期過程、シナプスの構造安定性、
癌細胞の転移などの運動過程を
そのまま「生き写した」存在として
私たちは液体生検を通じて、それを知る機会が与えられます。

これを可能にするのが私が提唱する
超高解像度の物質分離技術です。


細胞外小胞はフィロポディアの神経系の作用、
下述する癌細胞のアポトーシスなど
細胞生物学的な
「プロセス」「過程」を検出することが可能になるかもしれません。
それ以外にも
例えば、組織の炎症、修復の過程で
白血球の活性化や間葉系幹細胞による創傷治癒(5-7)。
こうした炎症、修復過程の「プロセスの痕跡」を
捉える事ができる可能性があります。
なぜなら、細胞外小胞は細胞のように「状態を変えない」からです。
その都度、放出される細胞外小胞には
その時点での状態の「痕跡が保存」されるからです。

癌細胞などを含めて、細胞が細胞死するときには
アポトーシス小体などを放出します。
しかし、こうした細胞が細胞死するときに
放出される細胞外小胞は想定されるよりも多様かもしれません。
こうした細胞死した時の
アポトーシス小体を含めた細胞外小胞の特徴の
バックグラウンド、参照データをしっかりとって、
その上で、
生体内からリアルタイムに患者さんごと
細胞外小胞膜タンパク質特異的に高解像度で分離できれば、
細胞死のメカニズムをより詳しく理解できるかもしれないし、
それが難しくても、
実際に「細胞死した」という証拠をトレースできます。
例えば、
集束超音波装置で腫瘍組織を温熱により治療した時に
その熱によって癌細胞が凝固壊死しますが、
その細胞死したシグナルを
液体生検からリアルタイムで
細胞外小胞をマーカーとして取得する事で
実際に癌細胞が熱によって確かに壊死したという事実と
その細胞死量を一定の精度で定量化する事が
可能になるかもしれません。

膜タンパク質、膜など、
あるいは幾何学的、統計的な情報から
人工知能によるマッチングなどを含めて
細胞外小胞の分離技術が
私が想定する形に近い完成度で実現すれば、
少なくとも
細胞外小胞についての細胞生物学をもっと詳しく調べよう
という大きな駆動力につながります。
なぜなら、それの出口戦略として
リアルタイム、人、患者さんごと、細胞種ごとで
その細胞外小胞をより細かく分離出来る技術があるからです。
こうした細胞外小胞の基礎研究は
人に対する臨床応用研究に高い確率でつながります。
それが個別化医療に将来的につながる可能性があります。

また、こうした細胞外小胞による分離技術は
単に細胞外小胞の分離に留まりません。
身体の特に血液、尿、便、唾液など
容易に取得可能な生検の小胞だけではなく
核酸、タンパク質、脂質、糖などの物質情報を
「構造解像度」で分離する事にも貢献する可能性があります。
そうすると、
それによるマルチオミックス解析が非常に楽になり、
もっと、構造的な多様性を詳しく調べる事が
できるようになるかもしれません。
例えば、
インテグリンだけを血液から抽出して
それを元にトップダウンプロテオーム解析すると
インテグリンの分子量とアミノ酸配列はおおよそ既知ですから、
それ以外の様々な特徴量を抽出することができます。

冒頭で述べた様に全ての前提が
細胞種解像度を持った、
膜タンパク質、膜などの構造、
特徴量抽出による人工知能マッチングなどによる
非常に高解像度の細胞外小胞の分離技術が成立する事です。
私はこの開発を私自身の心身の健康を維持しながら、
生涯かけて、なんとしても成功させなければなりません。
それが私に課せられた使命です。


(参考文献)
(2)
Charlotte B Wit 1, P Robin Hiesinger
Neuronal filopodia: From stochastic dynamics to robustness of brain morphogenesis
Semin Cell Dev Biol. 2023 Jan 15:133:10-19.
(3)
A H Cornell-Bell 1, P G Thomas, S J Smith
The excitatory neurotransmitter glutamate causes filopodia formation in cultured hippocampal astrocytes
Glia. 1990;3(5):322-34. 
(4)
Laras Pratiwi, Elisa Elisa, Henry Sutanto
Probing the protrusions: lamellipodia and filopodia in cancer invasion and beyond
Mechanobiology in Medicine Volume 2, Issue 2, June 2024, 100064
(5)
Donghui Bian, Yan Wu, Guodong Song, Ramyar Azizi & Amir Zamani 
The application of mesenchymal stromal cells (MSCs) and their derivative exosome in skin wound healing: a comprehensive review
Stem Cell Research & Therapy volume 13, Article number: 24 (2022) 
(6)
Scott Maxson, Erasmo A. Lopez, Dana Yoo, Alla Danilkovitch-Miagkova, and Michelle A. LeRouxcorresponding author
Concise Review: Role of Mesenchymal Stem Cells in Wound Repair
Stem Cells Transl Med. 2012 Feb; 1(2): 142–149.
(7)
Tasaduq Manzoor, Afnan Saleem, Nida Farooq, Lateef Ahmad Dar, Junaid Nazir, Sahar Saleem, Sameena Ismail, Mudasir Bashir Gugjoo, Parvaiz A. Shiekh & Syed Mudasir Ahmad
Extracellular vesicles derived from mesenchymal stem cells — a novel therapeutic tool in infectious diseases
Inflammation and Regeneration volume 43, Article number: 17 (2023)
 

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