2024年9月24日火曜日

小児脳腫瘍の磁気画像診断

(背景)
2024年8月20日に私が初めて臨床試験を行う
対象疾患を小児脳腫瘍と定めました。
目標が明確になったので、今までの4年のブログ活動でできなかった
執筆対象分野の共鳴性(Resonance)、焦点(focus)、連携性が
今までよりも高度にできることになります。
私が最も注力して、集中して医療技術開発、創薬を行うのが
(s)細胞種特異的薬物送達システムです。
細胞種特異的薬物送達システムは名前の通り、
細胞種まで解像度を上げて、
薬物、薬物キャリア(エクソソーム)の特異的送達を実現させる事です。
そのためには当然、患者さん(子ども)がどこに脳腫瘍があるか?
その「正確な位置情報、組織情報」が必要になります。
それがないと標的を定められないからです。
従って、薬物、薬物キャリアを実際に研究開発する段階から
脳外科医、放射線腫瘍医、放射線技師が
どのようなモダリティー(手段)で小児脳腫瘍の位置情報を獲得しているか?
また、その前段階で小児脳腫瘍と診断しているか?(1)
それについての詳細な情報、知識が必須になります。
また、小児脳腫瘍の細胞の生物学的特徴はどうやって取得できるか?
これによって投与する薬剤、キャリア標的も変わってくるからです。
こうした高いレベルの知識、知恵、経験が揃って初めて生まれる
創薬研究、開発、生産側の付加価値が必ず存在するからです。
この項目は小児脳腫瘍と定めた時点で必須と判断したので
現在のブログ活動の取り組みのサイクル(1 time/cycle)に
組み込むことに決定しました。

(内容)
小児脳腫瘍における画像分析は
診断(diagnosis)、
特性評価(characterization),
治療計画(treatment planing
病態監視(disaese surveillnace)
これらにおいて中心的な役割を担います。
具体的に診断では
◎腫瘍の発見と位置特定: 
MRIやCTスキャンを用いて、脳内の腫瘍の存在やその位置、サイズを明確にします。
特にMRIは軟部組織のコントラストが高く、小児の脳腫瘍の検出に優れています。
◎腫瘍の種類の識別: 
特定の腫瘍は、画像に特有のパターンを示すことが多く、
グリオーマ、髄芽腫、胚細胞腫瘍などの
小児脳腫瘍の種類を特定する手助けとなります。
これらの小児脳腫瘍種はそれぞれ典型的に発生する脳の領域は異なりますが、
MRIのどういった測定手段で分析するかによって感度が異なります。
画像強調技術(T1強調、T2強調、拡散強調画像など)を駆使して
、腫瘍の性質を把握します。
-
特性評価では
◎腫瘍の性質評価: 
画像分析により、腫瘍が良性か悪性か、さらにその拡散範囲や浸潤の深さを評価します。
例えば、造影剤を用いたMRIでは、腫瘍の血流や脈管形成の程度を観察でき、
腫瘍の増殖の性質が推測されます。
◎組織構造の評価: 
拡散テンソルイメージング(DTI)や機能的MRI(fMRI)を使用して、
腫瘍が周囲の脳組織に与える影響や、機能的な脳領域との関係を評価します。
これにより、治療方針や外科的アプローチの選定が精密化されます。
例えば、DTIでは腫瘍による神経線維が集中する白質損傷の範囲や場所を評価できるため
神経伝達経路がどれだけ腫瘍に侵されているかがわかります。
神経線維は神経細胞の連結性に関わり、
これらが運動、言語、視覚など生きていく上で必須となる機能にも
その領域によっては関わってきます。
従って、基本的に腫瘍を薬剤、放射線、外科手術(物理的切除)を切除する場合、
できるだけ神経連結を保護するような治療計画が立てられます。
ゆえに、白質損傷が大きい場合には治療は一般的に難しくなります。
白質の領域において神経線維を守りながら
浸潤している癌組織だけを細胞死させる
精密かつ解像度の高い内科的薬物送達が必要になります。
あるいは高精度の放射線治療
(ステレオタクティック放射線治療(2)やプロトン治療(3)など)が必要になります。
--
治療計画では、
◎手術計画の支援: 
画像データは、腫瘍の取り除く際に、
周囲の正常な脳組織を可能な限り保護しながら手術を進めるために不可欠です。
画像誘導手術(IGS)技術を活用して、リアルタイムで脳の3Dモデルを作成し、
より精密な手術が可能になります(4)。
◎放射線療法や化学療法の計画: 
腫瘍のサイズ、位置、構造を把握することで、放射線治療の照射領域を精密に設定できます。
また、治療前後の腫瘍サイズの変化を追跡することで、
治療効果の評価や治療戦略の修正に役立ちます。
--
病態監視 (Disease Surveillance):
◎再発や進行の監視:
治療後の定期的な画像解析により、腫瘍の再発や進行を早期に検出します。
特にMRIは、放射線の影響を回避しつつ、
治療中や治療後の腫瘍の状態を繰り返しモニタリングできます。
特に年少の子どもの場合は、長時間、静止する事が難しいため、
鎮静剤や全身麻酔をMRI測定の都度行う必要性も場合によれば出てくることから
人工知能のよる画像推論技術のよる
領域を絞った解析による大幅な検査時間短縮、
動作による画像修正技術の改善など、
絶食が必要な全身麻酔ではなく、弱い鎮静で済むようなプロトコルも含めて
患者さんへの負担を軽減しながら、監視するシステムを構築する事も重要です。
◎治療による副作用の評価: 
画像分析を通じて、
放射線や化学療法による脳組織への影響(例:白質変性、脳萎縮など)を
検出し、副作用の進行を監視します。
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画像診断のうち磁気共鳴映像法(Magnetic resonance imaging (MRI))は
神経系の画像生成の頼みの綱で、細胞、血管径、機能的情報を含めた
解剖学的詳細(位置、大きさなど)を提供します(1)。
--
WHOは2021に中枢神経系の腫瘍の分類を行いました。
(参考文献(5) Table 1)
それらの内、未成年の子ども(childhood,adolescent,pediatric)が罹患する
脳腫瘍をここに列挙します。
(但し、Open AIによって生成しました。)
-
小児型びまん性低悪性度グリオーマ
Diffuse astrocytoma, MYB- or MYBL1-altered(びまん性アストロサイトーマ、MYBまたはMYBL1変異型) - グレード 2
Angiocentric glioma(血管中心性グリオーマ) - グレード 2
Polymorphous low-grade neuroepithelial tumor of the young(若年性多形性低悪性度神経上皮腫瘍) - グレード 1
Diffuse low-grade glioma, MAPK pathway-altered(びまん性低悪性度グリオーマ、MAPK経路変異型) - グレード 2
-
小児型びまん性高悪性度グリオーマ
Diffuse midline glioma, H3 K27-altered(びまん性中線グリオーマ、H3 K27変異型) - グレード 4
Diffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutant(びまん性半球グリオーマ、H3 G34変異型) - グレード 4
Diffuse pediatric-type high-grade glioma, H3-wildtype and IDH-wildtype(びまん性小児型高悪性度グリオーマ、H3野生型およびIDH野生型) - グレード 4
Infant-type hemispheric glioma(乳児型半球グリオーマ) - グレード 4
-
局所性アストロサイトーマ
Pilocytic astrocytoma(毛様アストロサイトーマ) - グレード 1
High-grade astrocytoma with piloid features(毛様特徴を持つ高悪性度アストロサイトーマ) - グレード 3
Pleomorphic xanthoastrocytoma(多形性黄染アストロサイトーマ) - グレード 3
Subependymal giant cell astrocytoma(脈絡膜下巨大細胞アストロサイトーマ) - グレード 1
Astroblastoma, MN1-altered(アストロブラストーマ、MN1変異型) - グレード 2
-
グリオ神経腫瘍および神経腫瘍
Ganglioglioma(神経節グリオーマ) - グレード 1
Desmoplastic infantile ganglioglioma / desmoplastic infantile astrocytoma(線維化小児神経節グリオーマ / 線維化小児アストロサイトーマ) - グレード 1
Dysembryoplastic neuroepithelial tumor(異形成性神経上皮腫瘍) - グレード 1
Diffuse glioneuronal tumor with oligodendroglioma-like features and nuclear clusters(びまん性グリオ神経腫瘍、オリゴデンドログリオーマ様特徴および核クラスターを含む) - グレード 2
Papillary glioneuronal tumor(乳頭状グリオ神経腫瘍) - グレード 1
Rosette-forming glioneuronal tumor(ロゼット形成グリオ神経腫瘍) - グレード 1
Myxoid glioneuronal tumor(粘液型グリオ神経腫瘍) - グレード 1
Diffuse leptomeningeal glioneuronal tumor(びまん性軟膜グリオ神経腫瘍) - グレード 2
Gangliocytoma(神経節細胞腫) - グレード 1
Multinodular and vacuolating neuronal tumor(多結節性および空胞化神経腫瘍) - グレード 1
Dysplastic cerebellar gangliocytoma (Lhermitte-Duclos disease)(異形成性小脳神経節細胞腫(ルルミット・デュクロ病)) - グレード 1
Central neurocytoma(中心神経細胞腫) - グレード 2
Extraventricular neurocytoma(脳室外神経細胞腫) - グレード 2
Cerebellar liponeurocytoma(小脳脂肪神経細胞腫) - グレード 2
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胚細胞腫瘍
Medulloblastoma(髄芽腫)
Medulloblastomas, molecularly defined(分子定義された髄芽腫)
Medulloblastoma, WNT-activated(髄芽腫、WNT活性化型) - グレード 4
Medulloblastoma, SHH-activated and TP53-wildtype(髄芽腫、SHH活性化型およびTP53野生型) - グレード 4
Medulloblastoma, SHH-activated and TP53-mutant(髄芽腫、SHH活性化型およびTP53変異型) - グレード 4
Medulloblastoma, non-WNT/non-SHH(髄芽腫、非WNT/非SHH型) - グレード 4
Medulloblastomas, histologically defined(組織学的に定義された髄芽腫) - グレード 4
Other CNS embryonal tumors(その他の中枢神経系胚細胞腫瘍)
Atypical teratoid/rhabdoid tumor(非定型奇形腫 / ラブドイド腫瘍) - グレード 4
Cribriform neuroepithelial tumor(篩状神経上皮腫瘍) - グレード 4
Embryonal tumor with multilayered rosettes(多層ロゼットを持つ胚細胞腫瘍) - グレード 4
CNS neuroblastoma, FOXR2-activated(中枢神経系神経芽腫、FOXR2活性化型) - グレード 4
CNS tumor with BCOR internal tandem duplication(BCOR内部タンデム重複を持つ中枢神経系腫瘍) - グレード 4
CNS embryonal tumor(中枢神経系胚細胞腫瘍) - グレード 4
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脳下垂体領域の腫瘍
Adamantinomatous craniopharyngioma(アダマンチノマトス性頭蓋咽頭腫) - グレード 1
Papillary craniopharyngioma(乳頭状頭蓋咽頭腫) - グレード 1
Pituicytoma, granular cell tumor of the sellar region, and spindle cell oncocytoma(下垂体腫瘍、下垂体領域の顆粒細胞腫および紡錘細胞腫瘍) - グレード 1
Pituitary adenoma/PitNET(下垂体腺腫/PitNET) - グレード 1
Pituitary blastoma(下垂体芽腫) - グレード 4
-
脈絡叢腫瘍
Choroid plexus papilloma(脈絡叢乳頭腫) - グレード 1
Atypical choroid plexus papilloma(非定型脈絡叢乳頭腫) - グレード 2
Choroid plexus carcinoma(脈絡叢癌) - グレード 4
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Maria A. Rocca(敬称略)らは多発的硬化症における
MRIの測定モダリティーをTable 1にまとめています(6)。
これを小児脳腫瘍に書き換えてまとめます。
(01)T2加重画像(T2-weighted MRI)
この方法は小児脳腫瘍の解析、検査で広く受け入れられています(1)。
技術: T2(スピン–スピンまたは「横方向」)緩和、ファーストスピンエコーまたはFLAIR、2Dまたは3D
用途: 白質異常の検出。小児脳腫瘍では、腫瘍周囲の浮腫や異常な白質変化の評価に有用です。
-
(02)T1加重画像(T1-weighted MRI)
この方法が小児脳腫瘍において標準、スタンダードです(1)
技術: T1(スピン–格子または「縦方向」)緩和、2D(ファーストスピンエコー)または3Dグラディエントエコー(3T以上の高い磁場強度で使用)
用途: 急性コントラスト増強病変の検出、より深刻な組織損傷(「ブラックホール」や萎縮)の評価。小児脳腫瘍においては、腫瘍の境界やコントラスト増強の評価に使用されます。
-
(03)DIR(Dual Inversion Recovery)
技術: 二回の反転ラジオ周波数パルスがT1フィルターとして機能する、2Dまたは3D(ファーストスピンエコー)
用途: 皮質病変の検出。小児脳腫瘍では、皮質病変や腫瘍の内在的な異常の評価に使用されます。
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(04)磁化転送(Magnetization Transfer)
技術: マクロ分子結合プロトンの割合と組織水分との交換率、3Dスポイルドグラディエントエコー(低フリップアングル、短エコータイム)、MT飽和パルスありおよびなしで実施
用途: 脱髄のマーカーとして、腫瘍周囲の白質変化の評価に使用されます。
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(05)拡散加重画像(Diffusion Weighted Imaging)
特に、高い細胞充実度(Cellularity)を持つ高悪性度の小児脳腫瘍においては
水の拡散がし制限されるため拡散係数(apparent diffusion coefficient (ADC))。
これが減少して、それによる差別化した信号を高グレードの脳腫瘍から得る事ができます(1,7)。
(参考文献(7) Figure 1F参照)
技術: 水の移動制限と方向性効果、スピンエコーシーケンスに拡散感受性グラディエントとエコープラナーリードアウト
用途: 微細な構造的損傷に敏感で、高い拡散モデルはより具体的な評価を提供します。小児脳腫瘍においては、腫瘍内の微細構造変化の評価に有用です。
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これらの他に以下もあります。
(06)FLAIR(Fluid-Attenuated Inversion Recovery)
目的: FLAIRは主に脳の浮腫や白質病変(例えば多発性硬化症や脳腫瘍の影響)を評価するために使用されます。特に、脳脊髄液の信号を抑制することで、病変をより際立たせる効果があります。
原理: FLAIRは単一の反転パルスを使用して脳脊髄液の信号を抑制し、白質病変や浮腫を強調します。これにより、脳の浮腫や病変が背景とより明確に区別できます。
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(07)Susceptibility-weighted Imaging (SWI)
血液中の鉄やカルシウムに感度を持つため、血管生成、出血や石灰化の検出に役立ちます(8)。
標準的な脳のイメージングに含められます。
技術: 磁化率の差に基づく画像化。パラ磁性物質(例: 鉄沈着、脱酸素血液)の影響を強調するT2*加重画像技術。3Dスボイルドグラディエントエコーまたは3Dエコープラナーイメージングが使用されることが多いです。
用途: 鉄沈着、血管内の脱酸素血液、中央静脈の検出に使用されます。特に多発性硬化症(MS)の病変や腫瘍内の鉄環の検出に有用です。
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(08)Diffusion Tensor Imaging (DTI)
拡散テンソルを用いて組織内の水分子の動き(拡散)を可視化し、脳内の神経線維の配向や結合の構造を描写するのに用いられます。
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上の小児脳腫瘍の分類がこの5つの測定モダリティーのどれに適するかを以下にまとめます。
(但し、Ooen AIにより生成しました。個別の精査は必要です。あくまで出発点のデータです。)
(01)T2加重画像(T2-weighted MRI)
Diffuse astrocytoma, MYB- or MYBL1-altered(びまん性アストロサイトーマ、MYBまたはMYBL1変異型): 白質異常や浮腫の評価に有用。
Angiocentric glioma(血管中心性グリオーマ): 腫瘍の広がりや浮腫の評価に有用。
Polymorphous low-grade neuroepithelial tumor of the young(若年性多形性低悪性度神経上皮腫瘍): 腫瘍の特徴と周囲の変化を評価するのに適している。
Diffuse low-grade glioma, MAPK pathway-altered(びまん性低悪性度グリオーマ、MAPK経路変異型): 腫瘍の広がりや影響を把握するために使用。
Diffuse midline glioma, H3 K27-altered(びまん性中線グリオーマ、H3 K27変異型): 中線部位の腫瘍の検出と評価に有用。
Diffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutant(びまん性半球グリオーマ、H3 G34変異型): 半球部位の腫瘍の検出と評価に有用。
Diffuse pediatric-type high-grade glioma, H3-wildtype and IDH-wildtype(びまん性小児型高悪性度グリオーマ、H3野生型およびIDH野生型): 腫瘍の広がりと評価に使用。
Infant-type hemispheric glioma(乳児型半球グリオーマ): 腫瘍の広がりや浮腫の評価に有用。
Pilocytic astrocytoma(毛様アストロサイトーマ): 腫瘍の検出と評価に適している。
Pleomorphic xanthoastrocytoma(多形性黄染アストロサイトーマ): 腫瘍の評価と周囲の影響を把握するのに有用。
Subependymal giant cell astrocytoma(脈絡膜下巨大細胞アストロサイトーマ): 脈絡膜下領域の腫瘍の評価に有用。
Ganglioglioma(神経節グリオーマ): 腫瘍の広がりと評価に使用。
Desmoplastic infantile ganglioglioma / desmoplastic infantile astrocytoma(線維化小児神経節グリオーマ / 線維化小児アストロサイトーマ): 腫瘍の特徴と広がりを評価するために使用。
Dysembryoplastic neuroepithelial tumor(異形成性神経上皮腫瘍): 腫瘍の広がりと評価に有用。
Diffuse glioneuronal tumor with oligodendroglioma-like features and nuclear clusters(びまん性グリオ神経腫瘍、オリゴデンドログリオーマ様特徴および核クラスターを含む): 腫瘍の広がりや影響を評価するために適している。
Papillary glioneuronal tumor(乳頭状グリオ神経腫瘍): 腫瘍の特徴と周囲の影響を把握するために使用。
Rosette-forming glioneuronal tumor(ロゼット形成グリオ神経腫瘍): 腫瘍の評価に有用。
Myxoid glioneuronal tumor(粘液型グリオ神経腫瘍): 腫瘍の評価に適している。
Diffuse leptomeningeal glioneuronal tumor(びまん性軟膜グリオ神経腫瘍): 軟膜の腫瘍の検出と評価に使用。
Gangliocytoma(神経節細胞腫): 腫瘍の広がりと特徴の評価に有用。
Multinodular and vacuolating neuronal tumor(多結節性および空胞化神経腫瘍): 腫瘍の評価に有用。
Dysplastic cerebellar gangliocytoma (Lhermitte-Duclos disease)(異形成性小脳神経節細胞腫(ルルミット・デュクロ病)): 小脳領域の腫瘍評価に有用。
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(02)T1加重画像(T1-weighted MRI)
Diffuse astrocytoma, MYB- or MYBL1-altered(びまん性アストロサイトーマ、MYBまたはMYBL1変異型): コントラスト増強の評価。
Angiocentric glioma(血管中心性グリオーマ): 腫瘍の境界やコントラスト増強を評価するために使用。
Polymorphous low-grade neuroepithelial tumor of the young(若年性多形性低悪性度神経上皮腫瘍): 腫瘍の特徴を評価するのに適している。
Diffuse low-grade glioma, MAPK pathway-altered(びまん性低悪性度グリオーマ、MAPK経路変異型): 腫瘍の評価に使用。
Diffuse midline glioma, H3 K27-altered(びまん性中線グリオーマ、H3 K27変異型): 腫瘍のコントラスト増強評価。
Diffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutant(びまん性半球グリオーマ、H3 G34変異型): 腫瘍のコントラスト増強評価。
Diffuse pediatric-type high-grade glioma, H3-wildtype and IDH-wildtype(びまん性小児型高悪性度グリオーマ、H3野生型およびIDH野生型): 腫瘍の評価に使用。
Infant-type hemispheric glioma(乳児型半球グリオーマ): 腫瘍の評価に有用。
Pilocytic astrocytoma(毛様アストロサイトーマ): 腫瘍のコントラスト増強評価に有用。
Pleomorphic xanthoastrocytoma(多形性黄染アストロサイトーマ): 腫瘍の特徴と評価に適している。
Subependymal giant cell astrocytoma(脈絡膜下巨大細胞アストロサイトーマ): コントラスト増強評価。
Ganglioglioma(神経節グリオーマ): 腫瘍のコントラスト増強評価に使用。
Desmoplastic infantile ganglioglioma / desmoplastic infantile astrocytoma(線維化小児神経節グリオーマ / 線維化小児アストロサイトーマ): 腫瘍の評価に適している。
Dysembryoplastic neuroepithelial tumor(異形成性神経上皮腫瘍): コントラスト増強評価に使用。
Diffuse glioneuronal tumor with oligodendroglioma-like features and nuclear clusters(びまん性グリオ神経腫瘍、オリゴデンドログリオーマ様特徴および核クラスターを含む): 腫瘍の評価に適している。
Papillary glioneuronal tumor(乳頭状グリオ神経腫瘍): コントラスト増強評価。
Rosette-forming glioneuronal tumor(ロゼット形成グリオ神経腫瘍): 腫瘍の評価に有用。
Myxoid glioneuronal tumor(粘液型グリオ神経腫瘍): コントラスト増強評価に適している。
Diffuse leptomeningeal glioneuronal tumor(びまん性軟膜グリオ神経腫瘍): 腫瘍の評価に有用。
Gangliocytoma(神経節細胞腫): コントラスト増強評価に使用。
Multinodular and vacuolating neuronal tumor(多結節性および空胞化神経腫瘍): 腫瘍の評価に有用。
Dysplastic cerebellar gangliocytoma (Lhermitte-Duclos disease)(異形成性小脳神経節細胞腫(ルルミット・デュクロ病)): 腫瘍の評価に適している。
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(03)DIR(Dual Inversion Recovery)
Diffuse midline glioma, H3 K27-altered(びまん性中線グリオーマ、H3 K27変異型): 皮質病変の検出に有用。
Diffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutant(びまん性半球グリオーマ、H3 G34変異型): 皮質病変の検出に使用。
Infant-type hemispheric glioma(乳児型半球グリオーマ): 腫瘍の皮質病変検出に有用。
Pilocytic astrocytoma(毛様アストロサイトーマ): 腫瘍の皮質病変検出に有用。
Pleomorphic xanthoastrocytoma(多形性黄染アストロサイトーマ): 皮質病変検出に有用。
Subependymal giant cell astrocytoma(脈絡膜下巨大細胞アストロサイトーマ): 皮質病変検出に有用。
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(04)磁化転送(Magnetization Transfer)
Diffuse astrocytoma, MYB- or MYBL1-altered(びまん性アストロサイトーマ、MYBまたはMYBL1変異型): 脱髄のマーカーとして有用。
Diffuse low-grade glioma, MAPK pathway-altered(びまん性低悪性度グリオーマ、MAPK経路変異型): 脱髄の評価に有用。
Diffuse midline glioma, H3 K27-altered(びまん性中線グリオーマ、H3 K27変異型): 脱髄のマーカーとして有用。
Diffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutant(びまん性半球グリオーマ、H3 G34変異型): 脱髄の評価に有用。
Diffuse pediatric-type high-grade glioma, H3-wildtype and IDH-wildtype(びまん性小児型高悪性度グリオーマ、H3野生型およびIDH野生型): 脱髄の評価に有用。
Ganglioglioma(神経節グリオーマ): 脱髄の評価に使用。
Rosette-forming glioneuronal tumor(ロゼット形成グリオ神経腫瘍): 脱髄の評価に有用。
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(05)拡散加重画像(Diffusion Weighted Imaging)
Diffuse astrocytoma, MYB- or MYBL1-altered(びまん性アストロサイトーマ、MYBまたはMYBL1変異型): 微細な構造的損傷の評価に有用。
Angiocentric glioma(血管中心性グリオーマ): 微細構造の評価に使用。
Polymorphous low-grade neuroepithelial tumor of the young(若年性多形性低悪性度神経上皮腫瘍): 微細な構造的損傷の評価に有用。
Diffuse low-grade glioma, MAPK pathway-altered(びまん性低悪性度グリオーマ、MAPK経路変異型): 微細構造の評価に使用。
Diffuse midline glioma, H3 K27-altered(びまん性中線グリオーマ、H3 K27変異型): 微細な構造的損傷の評価に有用。
Diffuse hemispheric glioma, H3 G34-mutant(びまん性半球グリオーマ、H3 G34変異型): 微細な構造的損傷の評価に有用。
Diffuse pediatric-type high-grade glioma, H3-wildtype and IDH-wildtype(びまん性小児型高悪性度グリオーマ、H3野生型およびIDH野生型): 微細構造の評価に有用。
Infant-type hemispheric glioma(乳児型半球グリオーマ): 微細な構造的損傷の評価に使用。
Pilocytic astrocytoma(毛様アストロサイトーマ): 微細な構造的損傷の評価に有用。
Pleomorphic xanthoastrocytoma(多形性黄染アストロサイトーマ): 微細構造の評価に適している。
Subependymal giant cell astrocytoma(脈絡膜下巨大細胞アストロサイトーマ): 微細な構造的損傷の評価に使用。
Ganglioglioma(神経節グリオーマ): 微細構造の評価に有用。
Desmoplastic infantile ganglioglioma / desmoplastic infantile astrocytoma(線維化小児神経節グリオーマ / 線維化小児アストロサイトーマ): 微細構造の評価に有用。
Dysembryoplastic neuroepithelial tumor(異形成性神経上皮腫瘍): 微細な構造的損傷の評価に使用。
Diffuse glioneuronal tumor with oligodendroglioma-like features and nuclear clusters(びまん性グリオ神経腫瘍、オリゴデンドログリオーマ様特徴および核クラスターを含む): 微細構造の評価に使用。
Papillary glioneuronal tumor(乳頭状グリオ神経腫瘍): 微細構造の評価に有用。
Rosette-forming glioneuronal tumor(ロゼット形成グリオ神経腫瘍): 微細構造の評価に使用。
Myxoid glioneuronal tumor(粘液型グリオ神経腫瘍): 微細構造の評価に有用。
Diffuse leptomeningeal glioneuronal tumor(びまん性軟膜グリオ神経腫瘍): 微細な構造的損傷の評価に有用。
Gangliocytoma(神経節細胞腫): 微細な構造的損傷の評価に使用。
Multinodular and vacuolating neuronal tumor(多結節性および空胞化神経腫瘍): 微細構造の評価に有用。
Dysplastic cerebellar gangliocytoma (Lhermitte-Duclos disease)(異形成性小脳神経節細胞腫(ルルミット・デュクロ病)): 微細な構造的損傷の評価に有用。

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Perfusion MRI(MRI灌流)は癌の血管分布や血行動態の評価に使われます。
但し、細い血管も含めた脳血管の分布を分析するには解像度が足りません(9)。
こうした診断技術をドラッグデリバリーによる
内科的治療のための研究開発の時点で生かすためには
心臓の外科手術で利用されるような3Dの血管分布の構築が必要です。
例えば、脳全体を比較的低い解像度でスキャンし、
脳腫瘍がある部分を明らかにした後、
頸動脈の入り口から脳腫瘍までの薬物血管ルートを明らかにするために
それに該当する部分の焦点を当てて、3D血管分布を明かにしたいです。
実際に患者さんに薬物を投与した時にリアルタイムで
エクソソームがどういったルートで送達されているか観察できれば最高です。
それをするための前段階にあたります。
私が提案するMRIの空間分解能の向上はラジオ波の半値幅の桁での低減です。
そのためにはおそらく電源系の電気信号のパルスの時間分解能を上げる必要があります。
具体的にはGaN系のpin-photodiodeに同じく
(Al)GaN系の367nm半導体レーザー(10)をゲインスイッチング(11)によって
サブピコ秒で制御したパルスレーザーを照射して
MRIの30-300MHzの任意の電流パルス電源系を
ラジオ波を生成する非常に高性能なピエゾ素子に供給する事を考えます。
従って、電源系はpin photodiodeとレーザーがセットになり、
GaN系で両立できる事から開発資源コストの削減につながります。
Perfusion MRI(MRI還流)では血管内にある任意の水分中の水素を
ラジオ波でラベル付けします。
このタグによって血管内の血流を追跡できるようになります。
ラジオ波の半値幅が狭くなると、特定の水素原子により選択的に影響を与えることができるため
より高精度なラベル付けが可能になります。
制御性や時間、励起効率が下がる可能性があり、技術的障壁もありますが、
非常に細かい血管網の3次元構造をビジュアル化し、
その中の血流の動きの観察を可能にするうえで重要な要素技術になります
--
このMRI灌流は明暗のコントラストを強調した以下の技術が使われます。
(A1)動的感受性コントラスト(DSC:dynamic susceptibility)
原理:
 DSC-MRIは、ガドリニウムベースの造影剤を血流に注入し、脳血管内を通過する様子を高速T2*強調画像で追跡します。
 ガドリニウムは組織のT2*緩和時間を短縮し、高血液濃度の領域で信号損失を引き起こします。時間経過に伴う画像の変化を捉えることで、脳血流量(CBV)、脳血流(CBF)、平均通過時間(MTT)の情報を提供します。
小児脳腫瘍への適用:
 DSC-MRIは小児脳腫瘍の診断や治療モニタリングに有用です。特に、腫瘍の血管新生や腫瘍の増殖速度を評価するのに役立ちます。
 腫瘍内の血流異常を検出し、悪性度の高い腫瘍と良性腫瘍を区別する手助けとなります。
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(A2)動的コントラスト強調(DCE)パーフュージョン
Dynamic contrast-enhanced (DCE) perfusion
原理:
 DCE-MRIはガドリニウムベースの造影剤を使用し、T1強調画像に焦点を当てます。造影剤が蓄積する領域で信号が増加し、血流量や血液脳関門(BBB)の透過性を定量化します。
 造影剤が組織に出入りする速度を測定することで、組織の血管新生や透過性についての情報を得ることができます。
小児脳腫瘍への適用:
 DCE-MRIは、特に小児脳腫瘍において腫瘍の血液脳関門の透過性を評価するために用いられます。腫瘍がどの程度血液脳関門を破壊しているか、腫瘍の悪性度や治療の効果を把握するのに重要です。
 また、腫瘍の血管構造やその進展を追跡するのに適しており、腫瘍治療の反応を評価するのにも役立ちます。
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(A3)動脈スピンラベリング(ASL)
Non-contrast arterial spin labeling (ASL) technique
原理:
 ASLは非造影のパーフュージョン技術で、動脈血中の水分子を内因性トレーサーとして用いて脳血流を測定します。
 血流が脳に流入する際に、血液の磁化を反転させ、組織内に流れ込んだ際の信号変化を測定し、パーフュージョンを算出します。
小児脳腫瘍への適用:
 ASLは造影剤を使用せずに脳血流を評価できるため、腎機能が低下している小児や、造影剤の使用が制限される患者に対して非常に有用です。
 小児脳腫瘍において、腫瘍周辺の血流の変化や、治療の進展による血流の改善を非侵襲的に評価する手段として利用されます。
 また、造影剤を使用しないため、繰り返し撮像が可能であり、長期的な腫瘍進行のモニタリングにも適しています。
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MRI灌流は以下の血液情報を明らかにできます。
Relative Cerebral Blood Flow (rCBF) / 相対的脳血流量
Relative Cerebral Blood Volume (rCBV) / 相対的脳血流量
Time to Peak (TTP) / ピーク到達時間
Mean Transit Time (MTT) / 平均通過時間
Vascular Permeability or Transfer Coefficient (K-trans) / 血管透過性または転送係数

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磁気共鳴スペクトロスコピー(Magnetic Resonance Spectroscopy (MRS) )は
組織の生物化学的な物質構成の分析を提供します。
従って、小児脳腫瘍の鑑別診断、腫瘍のグレード診断に利用できます。
-
MRSでもMRIと同様に位置特定のために3方向から
2段階で2桁程度異なる主磁場と他の勾配磁場を用意します。
MRSでは研究目的で炭素、リン、ナトリウム、フッ素の同位体の電子を
標的とする場合があります。
この場合、当然、主磁場に対するラーマー共鳴周波数が異なるため
入射するラジオ波の周波数(波長)を以下のように変える必要があります。
炭素-13 (^13C): γ≈10.71 MHz/T
リン-31 (^31P): γ≈17.23 MHz/T
ナトリウム-23 (^23Na): γ≈11.26 MHz/T
フッ素-19 (^19F): γ≈40.08 MHz/T
ちなみに水素(^1H):γ=42.58 MHz/Tです。
-
実際にMR imagingではz軸方向にテスラ級の主磁場、
x.y方向にそれよりも2桁程度低い数十ミリテスラ級の勾配磁場をかけ
身体が存在するドーナツ状のMR imaging 装置内の3次元空間の
各ポイントに異なる磁場の強さと方向を定義します。
磁場は安定的に発生させたいため、それを固定して、
各ポイントを変える時には照射するラジオ波の周波数を変更します。
ラジオ波の周波数はピエゾ素子に掛ける
電気信号の周波数を変える事で柔軟に変える事が可能なので
それで分析する位置を調整しています。
従って、位置よって検出される場所の絶対的な磁場の強度が違いますから、
コントラストの検出感度が位置によって異なります。
MRIは磁場発生のために低温で超電導コイルを利用します。
ニオブ-チタン合金が利用され、超電導転移温度は10Kくらいなので
液体ヘリウム冷却装置によって約4.2Kまで
温度を下げて、超電導状態を保っています。
もし、室温超電導が実現されたら、この冷却が必要なくなるため
装置は大幅にコンパクトになります。
100K以上の超電導である鉄、銅系の超電導が利用できないのは、
そういった材料を安定して、コイルにできるくらいの大きさの材料を
原理的に製造することと精密な加工が難しいからです。
ニオブ-チタン合金はニオブとチタンから成る合金で
化合物としてシンプルですから
コイルで必要とされる体積の材料を安定的に生産できます。
また、転移温度が高いため、液体ヘリウム冷却で超電導を保つことができるため
今、現実的に採用されています。リニアモーターカー(のレール)もこの材料です。
MRIは前述したように磁場の「強度」と「向き」が
空間分解能を決める重要な要素ですから、
螺旋状に回る電流コイルから右ねじの法則で電磁誘導される磁場(磁力線)の
強さを非常に安定的に、同一に制御する必要があります。
例えば、超電導コイルのコイルの抵抗によって
電流値に時間的な揺らぎ、差が出たりすると
それにより磁場が大きく変わるため、 
コイル内に発生する磁場の「強度」と「向き」の分布が大きく変わり、
安定した時間、空間分解能を得る事ができません。
従って、電流値を非常に高いレベルで安定させる事が重要であり、
そのために抵抗がゼロの超電導コイルが利用されます。
その超電導コイルに流す電流は1kA ~ 2kAです。
超電導材料には転移温度という一番着目される特性がありますが、
その材料にどれだけの電流(厳密には電流密度)を流しても
超電導を保つことができるか?という臨界電流密度も
広範な利用の為、重要な特性です。
ニオブチタンの最大電流密度は10^4 ~ 10^5 A/cm2であるため
センチメートル単位のコイル断面積で
テスラ級の磁場を発生させるために必要な電流値に耐えられますから、
超電導材料として適しているという事です。
従って、主磁場を3テスラから5テスラ、7テスラ、11テスラと大きくしていくためには
超電導材料に流す電流値をそれに比例して大きくする必要があります。
あるいはコイルの巻き数を増やす、すなわちコイルの密度を高くする事も一つです。
超電導といっても、完全に抵抗がゼロになるわけではありません。
もし、抵抗がゼロならば、臨界電流密度までパワーがなくても流れることになります。
しかし、実際は非常に低い電流密度、数十ミリボルトの電圧がかかります。
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ここでこんな疑問は生じないでしょうか?
超電導材料にはV = IRというオームの法則がR=0だから成り立ちません。
では、どうやって回路の電流値が決まりますか?
MRIではそれを一定にする事が重要だから、
それをどうやって制御していますか?
それは、ニオブチタンという超電導コイルに繋がる「外側」の回路で
電流値の制御を非常に精密に制御しているからです。
非常に高精度な電流発生源、コンデンサを含めたスイッチング回路によって
超電導コイルの外側で電流値を精密にコントーロールしている事と、
超電導コイルを均一にして、局所的に電流密度が変わらないようにしています。
また、超電導コイルの温度(液体ヘリウム温度)の制御も重要です。
こうしたコントロールは主磁場の強度が高まるとより難しくなります。
このような過酷な条件で主磁場を安定化させているため、
基本的にMRIを含めたMR imagingでは
コイル内の磁場は一定の条件で固定して、
柔軟に制御できるピエゾ素子からのラジオ波の周波数を動かすことで
測定ポイントを精密に変える事を実現しています。
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このように電磁誘導で発生したコイル内の磁場は
自然に傾斜磁場が形成されます。
すなわち、コイルに近い方向からコイルの中心方向に向かって
磁場の強度は傾斜的に減少していきます。
磁力線はコイル内に入る身体の直軸方向に延びていきます。
MRIはこのように極低温にする必要がある事と
ニオブチタンという超電導コイルが大きな体積で必要な事から
装置としては非常に高価となります(1装置数十億円)。
室温超電導材料が見つかったとしても、
臨界電流密度を1kA/cm2以上には上げる必要がある事と
非常に高い加工精度が問われることから、
MRIに利用できる仕様を満たすことは
室温超電導材料を見つける事自体よりもさらに数段ハードルが高いです。
実際には室温超電導を満たすためには
私の見立てでは原理的にコヒーレント条件で
極限まで電子相関を高める必要がある事から
超高密度の電子分布が少なくとも局所的に必要なので
結晶粒界境界を含めた低次元量子現象、閉じ込めを利用する事が
一つの実現可能なソリューションであるという認識です。
ニオブチタンのように材料全体で均一な超電導電流を得る事は難しく
また、低次元であることから実効的な電流密度は非常に高くなるため、
臨界電流密度を上げる事は原理的にかなり難しいです。
室温超電導を見つけること自体が非常に難解ですが、
見つけたとしてもMR imagingで利用するためには
コイルの断面積を数桁以上大きく必要がおそらくあり、
そうするとそれだけ材料を多く必要とすることになります。
材料を大きくしてカバーすれば、加工精度の制約も小さくなるからです。
従って、実用的な利用を考えた時には
低次元量子現象を利用した室温超電導では
構成する材料が地球に豊富に存在する材料のみ
すなわち銅、鉄、スズ、鉛、亜鉛、アルミニウム、
リン、酸素、水素、窒素などのみで構成される材料で
構築する事が重要になります。
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この段落はすこし余談になります。
今、日本政府はコンピューターなどに利用される半導体材料の
加工精度は限界に達しつつありますが、
それを現状の2nmレベルよりも小さな1nm以下での微細加工を実現しようとしています。
これは「beyond 1nm」という標語で示されています。
半導体、集積回路の性能は頭打ちになってきていると言われる中で、
おそらくそれらの性能を今よりも桁で挙げるためには
今までとは異なるアプローチも必要になります。
例えば、半導体を縦方向にも構築する3次元半導体などもあります。
先ほど、低次元量子現象を利用した超電導材料の中で
結晶粒界(grain boundary)の材料物理現象の話をしました。
この結晶粒界は当然、実効電流密度を飛躍的に上げますから、
臨界電流密度を下げる懸念はあります(17)。
但し、こうした低次元の結晶粒界境界を利用する超電導を
トポロジカル超伝導と言い、
それを積極的に利用するという技術的戦略もあります(18)。
鉄系、銅系の高温超電導がなぜ実現されるかもはっきりわかっていませんし、
少なくとも私はまだ詳しく追究していませんが、
ひょっとするとすでに
こういった結晶の不均一性が関係している可能性もあります。
いずれにしてもこうした結晶粒界境界で
もし超電導現象が低次元で生じたら、
これ自体を集積回路に利用することができる可能性があります。
これはどういうことか?
もし、結晶粒界のパターンを非常に精密に制御する事ができたら、
マザーボード自体を超電導材料にして、
この超電導現象が起こるかもしれない
結晶粒界境界のルート自体を回路にするということです。
この結晶粒界境界は分子レベルで限りなく小さいですから、
それを高密度に制御して作ることがどれだけ難しいか?
ということはとりあえず脇に置くと、
原理的には1nm beyondを達成することができます。
また、その配線は抵抗がゼロであり、ボース粒子である
クーパー対が(おそらくMRIのように外部制御によって)電子運ぶことになります。
そうすると非常に高速で、動作パワーも下げられます。
しかも、それが非常に高密度で集積されるということです。
しかし、そんな高密度で結晶粒界境界を作ったら
材料が「ボロボロ、非常にもろくなる」という事は当然あります。
従って、今は少なくとも夢物語に近い頭の中の想像のレベルの話です。
でも原理的には出来る可能性があるし、
これくらいの事をしないと、
集積回路はこの先、桁で性能を上げる事は難しいです。
単に空間的な集積性だけではなく、スピード、省エネなど
多次元で性能を上げていく事がより現実的だからです。
そうすうと「超電導」が一つの候補として浮かび上がります。
室温超電導が低次元量子現象で起こるとしたら
その低次元をそのまま集積性に利用するという考え方です。
MRIなどではこうした不均一性はデメリットになりますが、
集積回路ではこれを逆に利用することができる可能性があります。
それをストレートに考えた結果が上の構想になります。
せっかく超電導を回路に使うなら従来のトランジスタではなくて、
ジョセフソン接合を使って
トラジスタなしのスイッチングを使う事も考えられます。
この超電導のスイッチングは非常に高速なので、
クロック数を上げる事にもつながります。
これは回路中のキャリアの移動速度とは
また別次元の速度の話になります。
超電導回路はノイズ耐性も高いです。
その時にはトポロジカル超電導材料が
結晶粒界境界で超電導でそれ以外の領域で絶縁体ということを
上手く利用できないでしょうか?
また、こうした回路は量子コンピューターに利用できる可能性があります。
ただ、自然現象(合成現象)をそのまま利用することになります。
従って、結晶粒界境界の形成条件をエンジニアリングによって
合成段階で空間的に分子レベルで制御する事が求められます。
例えば、合成後に結晶粒界境界を作る事も考えられますが、
これを実現するためには物質の合成のレベルそのものが
今よりも数段そのレベルが違うものになります。
繰り返しになりますがコンピューターの性能を
基本的な性能として頭打ちになりつつある現在の状況から
今よりも数桁上げるとなると
もう、これくらいの夢物語のような技術が必要になってくるという事です。
こういうことを研究できる人(東北大学など)は非常にロマンがあります。
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話は横道にそれましたが、
炭素-13 (^13C): γ≈10.71 MHz/T
リン-31 (^31P): γ≈17.23 MHz/T
ナトリウム-23 (^23Na): γ≈11.26 MHz/T
フッ素-19 (^19F): γ≈40.08 MHz/T
ちなみに水素(^1H):γ=42.58 MHz/Tです。
これらの元素のラーマー共鳴周波数条件があります。
ラジオ波の周波数は電気信号によって柔軟に変える事ができるので、
こうした同位体元素の電子を選択的に励起して、
身体を構成するタンパク質、脂質、糖などの分子構造をプローブ(探針)することができます。
また、実際にラーマー共鳴して励起された電子の緩和過程で
放出したラジオ波の周波数、波長自体にも
その周りの結合状態などに起因した電子密度分布が反映されています。
MR imagingではコイル内の3次元空間内に
無限に小さい空間分解能で非常に細かな磁場強度と向きが定義されます。
しかし、そこに人の身体があり、
水、タンパク質、脂質、糖などの物質があると、
真性に存在するはずの磁場の強度と向きが
そうした物質の影響によってわずかにシフトします。
それはよりミクロに考えれば、
磁場に対してはそれらを構成する元素の核スピン、電子スピンの
スピンの量子化された回転数や回転軸を示します。
ラジオ波ではそのうち特定の元素の特定の軌道の電子にプローブするわけですが、
その電子も当然、空間的な確率分布を持っており、
それらの位置やエネルギー状態は
隣接する他の元素の電子分布に摂動されるため、
それによって実効的な磁場の強度、向きが変わります。
その磁場の強度、向きの変化は
ラーマー共鳴を満たす周波数や緩和過程で放出する
ラジオ波の波長、位相、放出角に関わります。
従って、原理的にこれらの情報は電子分布を反映するため、
そこから周辺の結合状態を推定する事が可能になります。
このような結合状態はエコー時間と横緩和時間にも関わるため、
それらの情報も総合的に考えます。
こうした情報を詳しく見ていくのが
磁気共鳴スペクトロスコピー(Magnetic Resonance Spectroscopy (MRS) )です。
磁気共鳴imagingは低エネルギーで安全に非侵襲で出来、
その空間分解能は無限の精度で構築された
磁場の強さ、向きで差別化されることを利用します。
2003年のノーベル医学生理学賞は
ピーター・マスンフィールド先生、ポール・ラウターバー先生が
このMRIの発見によって受賞されましたが、
今までの画像生成の解像度は電磁波の波長で決まるという
定説を覆す、非常に革命的かつ実用的な発明で有り(19)、
おそらくそのポテンシャルをまだ現在の医療は生かし切れていません。
体内に豊富に存在する元素に対しての
ラーマー共鳴の為にはラジオ波が必要ですが、
このラジオ波の発生のための電気信号やピエゾ素子の精度の開発余地はあり、
これを桁で高性能化すれば、
このMR imagingの可能性をもっと大きく引き出す事が可能です。
画像分析は人工知能の強化学習とも非常に親和性が高いため、
こうした技術を組み合わせる事で実用的なシステムを組むことが可能です。
また、もう一つ安全な様式である集束超音波を
同じ装置に組み込めるという事もまた一つ革命的かつ実用的です。
これを診断の為の医療だけではなく、
ドラックデリバリーシステムの標的化やその確認にも
複合的に使いましょうということです。

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例えば、MRSは脳腫瘍の代謝物のプロファイルを取得します。
乳酸、コリン、クレアチン、N-アセチルアスパラギン酸(NAA)などのレベルを測定することで、
良性腫瘍と悪性腫瘍、または異なるタイプの腫瘍を区別するのに役立ちます。
グリオーマ(特に高悪性度のもの)はコリン(Cho)や乳酸の濃度が高いことが多く、
神経膠腫や他の脳腫瘍と識別する手助けになります。
このコリン、乳酸は腫瘍のグレードを判別する上でも重要になります。
N-アセチルアスパラギン酸(NAA)は神経細胞の量と正の相関があるので
これの減少は神経細胞の腫瘍浸潤による損傷を推定する一つの証拠となります。
この測定は解剖学的、すなわち腫瘍の位置、大きさを提供するものではありません。
初めにMRIで腫瘍組織を見つけて、あるいはその疑いがある部位を特定して、
その部位を標的として、2次的な検査として生物化学的な物質構成を
スペクトルシフトから判断します。
他にも、Short TE MRS (35 milliseconds)は
以下(MP1-6)の付加的な代謝産生物のピークを検出する事が可能です。
こうした代謝産生物の検出は腫瘍組織の性質を明かにするうえで有効です。
それぞれ、小児脳腫瘍とどのように関わるかも含めて整理します。


(MP1)ミオイノシトール (myo-inositol, mI)
-役割-
グリア細胞のマーカーとして知られています。
ミオイノシトールの濃度は
グリア細胞の活動や脳内のグリア細胞の密度に関連しています。

-小児脳腫瘍との関連-
グリア細胞の増殖や腫瘍の活動性に関連するため、
脳腫瘍の診断やグレーディングに役立つ可能性があります。
特に、星形膠腫(アストロサイトーマ)や
オリゴデンドログリア腫瘍などのグリア細胞由来の腫瘍で
高い濃度が観察されることがあります。

実際にMRSで脳腫瘍における
MI/Cr(Creatine)レベルを比較した報告があります(12)。
Low-grade astrocytoma (0.82 ± 0.25) 
Control subjects (0.49 ± 0.07)
Anaplastic astrocytoma(0.33 ± 0.16) 
Glioblastoma multiforme (GBM)(0.15 ± 0.12).
これらとなっており、脳腫瘍の種類によって大きく異なります。
従って、どういった種類の脳腫瘍かの識別診断の素因となる可能性があります。


(MP2)グリシン (glycine, Gly)
-役割-
神経伝達物質およびアミノ酸で、抑制性神経伝達物質として機能します。

-小児脳腫瘍との関連-
グリシンの濃度変化は、
腫瘍の代謝状態や腫瘍周囲の神経環境に関連している可能性があります。
特に腫瘍の影響で神経伝達のバランスが崩れる場合に
変動が見られることがあります。

グリシンは細胞保護作用、タンパク質合成、
細胞外マトリックスなど細胞外構造の支持に貢献する
条件付き必須アミノ酸の一つです(13)。
脳腫瘍ではグリシンが上昇しているケースがあり(14)、
これが高グレードの悪性脳腫瘍ではより顕著なため、
小児脳腫瘍、大人脳腫瘍共に悪性度、予後不良を評価するバイオマーカーとして
提案されてきました(15)。
イギリスのBirmingham Children’s Hospitalで116人の子どもに対して
実施されたグリシン量(左mM(SD))と脳腫瘍種と患者数(中)、死亡数(右)について
Table 1を参照し、まとめました(16)。
全体的に高グレードの悪性度の高い小児脳腫瘍では統計的に有意に高くなっており、
リスク比に対するp値は0.008であり(Table 2)、
悪性度、予後を予測するバイオマーカーとして優れている事が示されています。
カプラン・マイヤーカーブを分析すると(Figure 1)
救命できなかったお子さんは発症から3年以内に集中しています。
5年までしかみていないので、もっと長期ではわかりませんが、
3年-5年の2年間では比較的命を落とすケースが少ないです。
従って、脳腫瘍で亡くなるお子さんを0人にするためには
特に急性期から3年間の(アドジュバント)薬物治療を含めた
医療マネイジメントの改善が必要になります。
MRIで腫瘍組織を特定して、MRSでグリシン量などの
有効なバイオマーカーの代謝産生物量を定量化して、
グリシン量が高い子どもは3年以内に死亡するリスクが高いため、
再発管理も含めて、特別な治療が必要になります。
毛様体星形膠腫 (Pilocytic Astrocytoma)    
0.58 (1.13)    23    1
未生検視神経経路グリオーマ (Unbiopsied Optic Pathway Glioma)    
0 (0)    6    0
上衣腫 (Ependymoma)    
3.49 (5.98)    5    3
びまん性星形膠腫 (Diffuse Astrocytoma)    
0.34 (0.56)    4    2
びまん性内因性橋膠腫 (Diffuse Intrinsic Pontine Glioma)
0.56 (0.84)    9    7
異型奇形性横紋筋腫 (Atypical Teratoid Rhabdoid Tumour)    
0.94 (0.91)    3    3
髄芽腫 (Medulloblastoma)    
3.57 (2.78)    21    13
縁上板グリオーマ (Tectal Plate Glioma)    
0.02 (0.05)    4    0
膠芽腫 (Glioblastoma)    
0.66 (0.81)    5    5
胚細胞腫 (Germinoma)    
0.62 (0.52)    3    0
高悪性度(グレードIII & IV) (High Grade (III & IV))    
2.00 (2.52)    38    23
低悪性度(グレードI & II) (Low Grade (I & II))    
0.53 (0.97)    49    15
グレード不明 (Ungraded)    
0.56 (0.90)    11    1


(MP3)グルタミン/グルタミン酸 (glutamine/glutamate, Glx)
-役割-
主要な興奮性神経伝達物質であり、
脳内でのシナプス伝達に重要な役割を果たします
。グルタミンはグルタミン酸の前駆物質です。

-小児脳腫瘍との関連-
高いグルタミン酸濃度は、腫瘍の代謝活動が高いことを示唆する場合があります。
また、腫瘍の成長や活動性が高い場合に
グルタミン酸の濃度が変化することがあります。
癌細胞では代謝機能が改変されます。有名なのは糖代謝になるということです。
特に小児脳腫瘍でグレートの高い、悪性度の高い癌種、腫瘍組織は
当然、増殖能力が求められますから、それに伴うエネルギーが必要です。
グルタミンは細胞のエネルギーに関わるATP生成を駆動します。
また、DNA,RNAの元となるヌクレオチド、タンパク質、脂質合成に寄与します。
グルタミンは興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の前駆物質です。
小児脳腫瘍の周りのグリア細胞、血管組織、免疫細胞、細胞外マトリックスを含めた
癌微小環境はグルタミン/グルタミン酸が豊富で
グルタミン作動性の興奮型神経細胞のシナプスコネクションに関わります(20)。
この神経細胞のコネクションはグリオーマの成長に関わります。
これを「glioma synapse」と呼びます(21)。
グルタミンによって誘発されたイオン電流が連結性に関わるため
神経細胞のグルタミン活性が高まる事は
glioma synapseを活性化させ、結果、
グリオーマを成長させる事に関与する可能性があります
但し、グルタミン酸を血中からバイオマーカーとして利用するには
いくつかの難しさがあります。
(GB1)細胞内代謝の中心である
(GB2)普遍的な物質だから血中濃度の変動が少ない
(GB3)他のアミノ酸と混在する
これらがあります。体の中の細胞数としては限られた腫瘍組織の
「局所的な」グルタミンの高まりなので、
血中では希釈されて、検出できません。
従って、MRSはそれを調べるための非常に有効な手段になる可能性があります。
なぜなら、MRimagingの空間分解能に従った
局所的なグルタミン酸の濃度の違いを
放出されたラジオ波の波長シフト、位相、放射角から分析する事が
MRIで腫瘍組織に焦点を当てて、そこからMRSにより局所的に分析する事が可能だからです。
この時、ラジオ波で標的とする元素を水素(1^H)と炭素の同位体(13^C)にすることが重要です
この炭素同位体は自然に1.1%含んでいて、
特にグルタミン酸を特異的に分析する事に優れています。
従って、複数のラジオ波周波数を用いて、腫瘍組織から
これらの電子からのラジオ波を特異的に識別して、
周りの通常組織との差を分析する事で、
その腫瘍組織の悪性度を評価する事ができる可能性があります(22)。


(MP4)タウリン (taurine, Tau)
-役割-
神経保護作用があり、神経系の発達や機能に重要です。

-小児脳腫瘍との関連-
タウリンの濃度の変化は、
腫瘍周囲の神経環境や神経保護の役割に関連している可能性があります。
タウリンの異常な濃度は、腫瘍の種類や進行度に関連する場合があります。

このタウリンは特に脳神経系において
アポトーシスの間の細胞の縮小メカニズムと
関連しているという報告があります(23)。
タウリンは膜流動や神経伝達物質の交換を調整することで
浸透圧の調整し、細胞の体積変化に対する恒常性を保つ働きがあります。
このタウリンは細胞の縮小を訂正し、
細胞内小器官の機能不全を防いだり、アポトーシスを防ぐ働きがあります(23)。
一方で、
グリオーマの一種であるアストローマ組織から
High-resolution magic angle spinning (HRMAS) 1H MRS測定によって
アストローマの細胞死とこのタウリン濃度が高い正の相関関係にありました(24)。
(R = 0.727 P = 0.003)
これはタウリンが細胞死に関わっているのではなく、
Herminia Pasantes-Morales(敬称略)らが総括で説明されている事(23)。
これを考慮すると、細胞死ストレスがかかった時に、
癌細胞は機能を正常化させるためにタウリンを多く放出したけど、
強い細胞死ストレスに間に合わず、細胞死した。
すなわち細胞死ストレスに対して補償的に過剰生成されたタウリン。
これを検出している可能性が高いです。


(MP5)アラニン (alanine, Ala)
-役割-
代謝の中で重要な役割を果たすアミノ酸であり、
エネルギー代謝に関与します。

-小児脳腫瘍との関連-
アラニンの濃度変化は腫瘍の代謝状態や
エネルギー要求に関連する可能性があります。
腫瘍の成長や代謝が活発な場合に
アラニンの濃度が変動することがあります。

アラニンは筋肉からビルビン酸塩、グルタミン酸を取り出し、
ビルビン酸はグルコースの再生のために利用されるため、
血液の糖濃度(血糖値)を調整する働きがあります。
また、アラニンはタンパク質源であるアミノ酸で
それそのものがエネルギーを多く消費する
骨格筋や中枢神経系のエネルギー源です。

このアラニンは特に高グレードのグリオーマでは亢進されており、
信頼性の高いバイオマーカーとして特定されています。
Safia Firdous(敬称略)らが示すFigure 1を分析すると(27)
低グレードのグリオーマ、健康群に対して
周波数シフトしている
周波数バラツキが大きい(半値幅が多い)
積分強度が高い
これらが読み取れます。
アラニンが動いていたり、他の物質と結合していると
こうした周波数の特徴がみられると考えられます。
積分強度が高いのはアラニンの絶対量が
低グレード、健康群と比較して多いということです。
アラニンが乳酸側の周波数にシフトしているので
アラニンと乳酸の相互作用が高まっているという事を示しているのか?
このアラニンと乳酸は神経系においては
星状膠細胞と神経細胞間の代謝生成物交換に関わっています(28)。
実際に
グリオーマは星状膠細胞が癌化したものがありますが、
このグリオーマは神経細胞とシナプス形成する事が示されています(29,30)。
すなわち、私が関連性として着目している事をまとめると
high-resolution magic angle spinning nuclear
 magnetic resonance spectroscopy (HRMAS-MRS)
のPPMシフトにおけるアラニンの乳酸側の周波数シフトは(27)、
アラニンと乳酸が活発に相互作用していることを示すのか?
それは神経細胞、星状膠細胞間のアラニン-乳酸サイクル(28)に関わるのか?
また、こうしたサイクルがもし、活発になっているなら
それはグリオーマ-神経細胞シナプス(29,30)。
これに関わるのか?ということです。
但し、現時点では解釈の正確性を検証できていません。


(MP6)クエン酸 (citrate, Cit)
-役割- 
クエン酸回路(TCAサイクル)の中間体で、
エネルギー代謝に重要な役割を果たします。

-小児脳腫瘍との関連-
クエン酸の濃度は腫瘍のエネルギー代謝や
代謝経路の異常を反映する可能性があります。
腫瘍の種類や進行度によって、
クエン酸の濃度に変化が見られることがあります。

クエン酸は酸性の性質を持ち、酸・塩基のバランスを保つ働きがあります。
癌細胞では一般的に酸性になると言われています(31)。
従って、通常の酸・塩基のバランスが崩れているとも解釈できます。
基本的には癌ではATP-クエン酸代謝が活発で
クエン酸のターンオーバー率、回転率が高く、寿命が短いので
一般的にクエン酸レベルが高くなることは稀であるとされています(32)。
しかしながら、
MRS分析では脳腫瘍(グリオーマ)の患者さんにおいて
このクエン酸が高まっていることが示されました(33)。
ただ、腫瘍組織の中、患者さんごと、脳腫瘍癌種で
そのクエン酸濃度は非常に大きな偏差があります。
(intra(and inter)-tumor heterogeneity)
(参考文献(33) Fig.3.4.5)

--
このように磁気共鳴分析(MRS)によって
組織中にある脳腫瘍の癌細胞の
代謝プロファイルを分析できる可能性がある事は
小児脳腫瘍の精密治療において非常に重要な事です。
私たち、患者さんの治療を志す人は、
それぞれの患者さんにおいて
病変部位の細胞を高精度に検出して、
その細胞内の情報をできるだけ詳しく取得する必要があります。
私が最も力を注ぐ技術が
「細胞種特異的細胞外小胞分離技術」です。
これによって癌細胞エクソソームを1ppmオーダーで
特異的に分離する技術を開発する事を目指します。
それで今の残存微小病変カットオフ以下の精度で
癌細胞だけの情報を
癌細胞内外の物質情報が詰まったエクソソームから
包括的に分析する事を目指します。
タンパク質、脂質、糖、RNA、DNA(破片)。
あらゆるものをマルチオミックス解析して
患者さん体内に残存している
癌細胞の情報を詳しく掌握する事を目指します。
一方で、
MRSでは検出できる物質は限られていますが、
いくつかの代謝生成物の量を分析する事が可能です。
もし、エクソソーム内の遺伝子を含めた物質情報と
これらの代謝生成物質の情報の関連性を分析できれば、
エクソソームが癌細胞由来の情報であるという
信頼性を高める事に貢献します。
また、MRSは当然、組織学的な「位置」が明らかですから
エクソソームから得られた情報と
MRSの代謝生成物質の情報に整合性があれば、
その「位置」の癌細胞の情報であるという事が
よりロバスト(強固)になります。

例えば、上のMRS分析可能な(MP4)タウリンであれば
エクソソーム内に内包されうるmiRNAとしてmiR-26aがあります
(MP3)グルタミン/グルタミン酸であればmiR-23aがあります。

私が「頭の中だけ」で想定している事が
そのまま思い通りになるとは思っていませんが、
エクソソームによる液体生検による分析技術と
各組織の細胞接着分子プロテオーム解析(CAMome)が
将来的に成熟してくると
エクソソーム液体生検の結果から、
そのエクソソームがどの位置の細胞種から放出されたか?
それがある一定の精度でわかるようになると想定しています。
エクソソームには表面タンパク質があり
それは細胞接着分子も含まれます。
その表面タンパク質は癌細胞の表面タンパク質の情報であり、
その癌細胞の表面タンパク質が
位置特異的な構造情報を有しているとすると
エクソソームの表面タンパク質の構造を詳細に分析する事で
その癌細胞の位置を特定することができる可能性があります。
また、癌細胞の周りの癌微小環境には
Blood-tumor barrierを持つ血管や(25)
癌関連線維芽細胞(26)、免疫細胞があるため、
こういった腫瘍組織から色濃く影響を受けた
細胞種から放出されたエクソソームを
特異的な表面タンパク質から
「重さの違いと特異的結合性を利用した沈降方式で」
癌細胞と同じように個別に分離する事が出来たら、
当然、中の物質を詳しく調べることもできますし、
表面タンパク質を分析すれば、
その総体的な情報から「位置」を特定できる可能性があります。
ただし、これは一定の間接性を含むため、
それと同時にMRSで
確かにその位置にある腫瘍組織の代謝生成物を分析する事で
そのエクソソームを介した「位置」の
特定のためのデータ信頼性を評価することができます。

いずれにしても画像、スペクトル解析から
その組織の物質的な情報が得られることは
エクソソームによる液体生検の物質的な情報との
関連性分析が可能になるため、
それによって、通常は難しい
液体生検から位置の特定が可能になります。
例えば、代謝生成物の関連性分析で
高い一致の統計的な結果が得られたとします。
そうした場合、そのエクソソームの
代謝生成物以外の残りの物質情報は、
その組織にある癌細胞内外の情報に変わりないですから、
画像診断で観ている癌細胞において
MRSで分析できる代謝物質情報以外の
タンパク質、脂質、糖、表面タンパク質、
遺伝子情報(RNA,DNA)を特定して分析することができます。

患者さんの脳神経から観測できる腫瘍組織の
詳細な物質情報に基づいて、
今度は適切な遊離薬剤を選択します。
それが確かに薬効を示しているかどうかは
ctDNA、ctRNA、エクソソームの液体生検の結果や
画像診断による組織退縮評価によって分析できます。

その次のフェーズで
表面タンパク質に基づく
細胞種特異的薬物送達システムの迅速な設計、
磁気共鳴分析/全頭部固定集束超音波装置による
エクソソーム(with 赤血球)の重水による
薬物濃度評価、薬物追跡技術(難易度:最難関)、
これらが可能になれば、
実際に薬剤がその組織に届いている事も確認できます。
それでの退縮有無は
適切に薬剤を選択できているかの評価にもなります。
というのは、
エクソソームによって詳細な物質情報が統計的にわかるようになっても
最適な薬剤を選択するためにはノウハウと経験が必要だからです。
こうした取り組みを続けていくことで
全ての技術が成熟してきます。
しかし、全てが密接に絡み合い、役目が一つではないため
一つの技術が不成立であれば、
こうした私の構想は足元から崩れ去ります。
ただ、「私は辞めないよ。」ということです。



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